技育展の発表資料です。

1. fmSynth16
YMF825を使用したMIDI音源
2020/09/26 @LunaTsukinashi

2. 自己紹介
Luna Tsukinashi
• 鈴鹿高専の電気電子工学科２年
• MIDIとFM音源が大好き
• 去年は某ペンギンがマスコットの音
ゲーを再現していました
• 詳しくは
GitHub:Xi80
Twitter:@LunaTsukinashi

3. 構想
• STM32を介してMIDIでYMF825Boardを制御、演奏させたい
• MIDIの規格書を読んだので自前でライブラリを実装してみたい
• 一般的なMIDIファイルを満足できるレベルで演奏させたい
• CC #1(モジュレーション),#7(チャネルボリューム),
#11(エクスプレッション),#64(ホールド1),
およびNRPN(#001ピッチベンドセンシティビティ)への対応
• MIDIはハードウェア音源で再生して遊ぶ程度の知識

4. YMF825Boardについて
• ヤマハのFM音源IC、YMF825を
載せた音源ボード
• SPIで制御できる(!)ので比較的楽
• 最大同時発音数は16
• 古典的FM音源と制御方法が異な
る
• 公式GitHubが最近消えた

5. ハードウェア
• メイン基板(左)
• 変換基板に載ったICがSTM32
• 右下はMIDI受信用のオプトカプラ
• アンプ基板(右)
• スピーカーでもPowerfulに駆動可
• ただしモノラル
• MIDIまわりはほぼ規格に準拠

6. 構成
YMF825Board
YMF825 Driver
関数呼び出し
MIDI-YMF825 Bridge
SPI
MIDI Driver
関数呼び出し
MIDI IN
MIDI(UART)
MIDI Driver
MIDIの受信、メッセージの解析
MIDI-YMF825 Bridge
YMF825用にパラメータを変換
YMF825 Driver
YMF825との通信、各種イベント送信

7. ソフトウェア
• MIDI Driver
• 一番力を入れた部分
• ルーチン自体はMIDI規格書に記載のもの+α程度
• 呼び出す関数を自由に変更可能で使いまわしやすい
• ネットを見るとランニングステータスルールに対応していない
凶悪な実装を見ますが、これはちゃんと実装してます

8. ソフトウェア
• MIDI-YMF825 Bridge
• 具体的にはボイスのアサインと各種パラメータ(ピッチベンド等)の変換
• 発音時間によるボイスあふれ時の消音->アサインも実装
• ここがバグると大変なことになる
• アサインを可視化するととても面白い
(参考:https://twitter.com/LunaTsukinashi/status/1285586089810341888)

9. ソフトウェア
• YMF825Driver
• 実際にYMF825と通信して制御するのはこれ
• こまごまとした作業は既にBridgeがやってくれているのでコマンドを発行してい
くだけ
• コマンドは基本的に16進数で入力してるのでTypoに気付きにくい(1敗)

10. 音色について
• GM準拠の配列で128音色分のデータを音源に内蔵しています
• 128音色でもわずか約4KB(!)、FM音源の恩恵。
• ドラムセットと発音数の関係でGM音源とは名乗れない
• かなしい
• ちゃんとプログラムチェンジにも反応します
• 一時期永遠にバグらせていたのでようやく安定した感

11. 演奏させるために
• ドラムパートはなし、全Chメロディーパート
• 容量的に厳しいので全Chメロディーパート。
• 数少ない発音数をドラムに割くとかなり発音数不足で音が途切れてしまう
• ピッチベンド、チャネルボリューム/エクスプレッションは
テーブルで持つ
• 特にMIDIのピッチベンドはn乗の計算が必要なので遅い
• とりあえずリアルタイムに動いてるのでﾖｼ!

12. 実演
• 動画はこちらから
https://www.youtube.com/watch?v=YGSEPjgV8T8

13. 今後やりたいこと
• YMF825Boardを2枚使用しステレオ16音/モノラル32音化
• 16音だとちょっと物足りない
• 自前の音色のSysEx経由での転送
• 音色をもっとそれっぽくしたい
• グラフィック液晶によるインターフェイスの作成
UIのデザイン(予定)