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The OM Newsletter
東北まちづくりオフサイトミーティング 2013
7
31号
第
13
回
東北まちづくりOM勉強会 in 陸前高田
被災地のいま
基調講演 『 真の復興に必要なこと 』
◆真の復興に必要なのは、まさにこうした企画!
みんなでまちづくりを考えようという企画、本当に素晴らしいと思います。今日本に欠け
ている一番大きな部分かと思います。「真の復興には何が必要なのか」、まさにこういう
ことだと思います。本当に思いのある人たちが集まって、そしてアイデアを出し合って、
このまちを、あるいはそれぞれのまちを良くするためにはどうしたらいいのだろうか、と
いうことを積極的に話し合っていただくということが重要なんだと思います。真の復興と
は、おそらく一人ひとり考えていることが違っていますので・・・。
岩手県 陸前高田市長
戸 羽 太 氏
復興、復旧と両方の言葉が使われていますが、復旧と言うのはいわゆる元に戻すということ、復興とは元に戻すだけでなく
一歩も二歩も前に進んでゆく、より良いまちをつくっていくということだと認識されていると思います。しかし、市民の皆さま方
の100人に35人は65歳以上で、そういう方々が復興と復旧の違いを理解しているかといえば、理解していない。ですから、住
民の皆さんの目指すところがそれぞれ違うというところが大きな問題であり、困難を招いている1つの原因となっているわけで
す。もう1つ大きな困難となっていることは、同じ被災地でも被災の度合いがそれぞれの家庭で違うということです。例えば一
番ひどい方々は、家族を亡くされ、家も失くし、仕事も失くされて三重苦も四重苦にもなってしまっています。あるいは家族は
亡くされたけれども家は残ったという人もいます。その逆の方もいます。あるいは会社が流されて仕事がなくなってしまったと
◆皆さんのご家族が行方不明だということを想像してみてください。
今回の東日本大震災からの復興というのは、子供たちが大人になるまでかかるものと思っています。ここの地域にいる子
供たちが将来、東京に行くか大阪に行くか、あるいは地元に残る方もいるかと思いますが、胸を張って「僕/わたしのふる
さとは岩手県の陸前高田市です。素晴らしいところです。是非一度足を運んでください」と胸を張って言えるようになったら、
それこそが復興を果たしたことになるんだろうな、と私は思うんです。
いう方もいます。被災の度合いによって物事
の考え方が違ってくるということです。今でも月
命日の11日には集中捜索をしていただいてい
ますが、昨年一年間で発見されたご遺体は
たったの一人。それだけ捜索は難航している
のです。でももし、皆さんのご家族が行方不明
だということを想像してみてください。まだ217
名の市民の皆さんが行方不明で、その帰りを
待っておられる方がどれだけいるのだろうと考
えると、復興復興とだけ言わず、できるだけ置
いてけぼりをつくらないように復興を進めてい
かなければならないという思いは常にあります。
①180名を超える方々が参加
目で見て
耳で聞いて
心で感じて欲しい・・・
◆私たちと国の思いが一致していない現実
陸前高田市特有の悩みもあります。いっぱい土地があると思われますが、土地には地権者がいらっしゃいます。土を置きた
いと思っても、その土地の地権者の了解がなければならない。どれだけの地権者がいるかというと何百人という数。その一人
ひとりにあたらないといけないわけです。誰に相続権があるか、どこに住んでいるのか、そしてその人たちの権利は何分のい
くつ発生し、最終的にはその人たちの許可も取ってください、ということになるのです。そのような状況で、マンパワー不足と言
われているのですが、陸前高田市は本当にマンパワー不足です。もともと消防職をふくめ295名の職員がいましたが、そのう
ち68名の方が津波の犠牲になられました。さらに嘱託の方や臨時の方も含めれば百十数名の方が犠牲になられています。
当然マンパワーが足りない。一気に50人も60人も増やすわけにはいかないので何年間かで増やしていかなければならない。
というわけで4月1日採用、1月1日採用、中途で社会人経験のある方も採用しておりますが、加えて全国から応援に来ていた
だいています。全国から来ていただいている方は八十数名いらっしゃいます。そういった方々の力をお借りして、今何とか
やっています。しかし、まだまだ人が足りないんですね。土地の交渉をする人だってあと30人も50人も欲しいわけです。ただ
それを増やすのも難しい現状です。一つには場所です。これ以上人を増やすとデスクを置く場所がない。それから宿泊をする
場所。派遣職員用の宿泊施設を建てましたが、全員が入れる状況ではありません。自動車学校の宿泊施設を利用させても
らったり、仮設住宅の空きが出たところに住んでもらっている。こういったわけでなかなか増やすことができません。
◆陸前高田市特有の悩みもある。
法律が実際には被災地を苦しめている、足かせになっているのも事実です。いま役所の横を削って立派な道路をつくってい
ますが、もともとは山だったんです。この山を削るのにどれだけ待ったか。手続きが始まってから1年以上かかってやっと木を
切れた。災害公営住宅も、9階建てになりましたが、その1階に店舗を入れようすると、国は「待った」をかける。「被災者が住
むための建物に営利目的の店舗は入れてはならない」と。これが国の考え方です。こんなバカなことをやっているわけです。
3月11日が来る前に民主党に行ったとき、災害公営住宅の1階に店舗を入れたいのだけど法的に出来ないという話をしまし
た。そしたらある代議士の方に、「戸羽さん、それは現在のルールの中でうまくごまかさなきゃ」と言われた。国会議員の方が
こういう言葉を使うんです。うまくごまかす奴に金がいって、真面目に「こういう街をつくりたい、高齢者や被災者の人たちのた
めにこういう施設をつくりたいんだ」というところにはお金がいかない。そんなバカなことはないでしょ。これが国会議員の言う
ことなのか。私たちの思いと国の思いは一致できていないというのが現実ですし、スピード化が図られない現状に追いやられ
ていると思っています。
②
こうしていろんな思いを持っている方々がいて、たぶんここで初
めましてと出会う人たちがたくさんいるわけですが、今日をきっか
けにそれぞれが友達になればいろんな情報交換もできるし、い
ろんな部分に活かせる、私はそういうことが我々のような復興し
ていかなきゃならない人間としての一番の鍵だと思っております。
先程、本を紹介していただいたのですが、あの本にはそのことが
書かれています。私が市長になったのは2011年2月。2月6日の
投票、2月13日からが私の任期です。正直言って、前の市長さん
が体調を崩されて、そして彼から俺はもう駄目だからなんとか頼
むと託されたのがきっかけでした。当然女房にもたくさん力になっ
てもらいました。そして当選をさせていただいて、よし、がんばろ
う!とそういう自分の中でも希望を持って陸前高田をいい街にし
てやろうという思いでいました。しかし3月11日に、私が市長に就
任してまだ1ヶ月も経たないときでありましたが、突然このようなこ
とになってしまい、妻も亡くなってしまい、そういう中で本当に生ま
れて初めて絶望を感じました。みなさん、絶望という言葉は知っ
ていると思うのですが、本当にダメだ、どうしようもならん、という
思いをしたのは当時46歳にしてはじめてでした。自分の経験の
なさ、実力のなさ、自分の人脈の少なさ、そういうものが全部自
分の頭の中に入ってきました。こんなにぼろぼろになって、市民
の方が犠牲になって、市役所もなくなって体育館も亡くなって市
民会館も全部なくなって、そして高齢車の方々がしくしく泣いてい
て、これをどうしろというのだろう、と思いました。けど、私に光をく
れたのは友達だったんですね。
皆さんご存じのとおり武雄市というところに樋渡という変わった
市長がいます。彼と三重県松坂市の山中市長。当時山中さんが
私に電話をくれたんです。(震災があった年の)5月3日です。そ
の日、「陸前高田を支援する会を開きたい。ついては市長でなく
ていいので職員を誰かよこしてください。」そこで、私が行きます
ということで行かせていただきました。そこにいたのが2人の市長
さんたちでした。そのときにオブザーバーできていたのが九州の
ヒミオカジマさんというニューヨークでレストランをやっている人
だったんです。彼はとにかく友達づくりの天才なんです。
最後に皆さんに感謝を申し上げたい。陸前高田市は被災地の象徴となっています。奇跡の一本松の保存も決定させていただ
きました。これもいろんな批判がありました。特に都市計画課で管理していたので、職員へも大変なプレッシャーを与えてしまい
ました。首長だけでなく人というのは、「判断するとき」と「決断するとき」と2つあると思いますが、これからは「決断する場面」を
お互い作らなければいけないと感じています。「判断」は誰かしらと同じように決める。AとBがあって、ほとんどAを選ぶ場面で
第三者もAを選ぶことは「判断」。しかし、「決断」はそうではない。誰かに文句言われようが、批判されようが関係なく、「自分は
絶対Bだ」ということが「決断」だと思います。それをやっていかないと特色ある街づくりは出来ないと思います。岩手県で一番残
念なのは、南から陸前高田・大船渡・釜石・大槌・山田・宮古・久慈etc・・・とずっと沿岸が続きますが、関東方面から来た人で、
陸前高田・大船渡・釜石といっても、何が違うのか分かりません。要するに「特徴がない」のです。東京から見た釜石と陸前高田
はさほど変わらないと思います。それでは、陸前高田市が陸前高田市である意味が無いですし、魅力もありません。いろんな
決断をして、いろんなアイデアを出していただいて、第三者から見てそれぞれの街が特徴のある街を創っていくということが、
「道州制」が騒がれている中で、本当の意味での「共存」です。これからは皆さんのアイデア次第で街が変わっていくと思います。
陸前高田市もそういう形にしていきたい。またお越しいただいた時に、少しでも前に進み、市民の皆さんの笑顔が増え、そして
陸前高田の子どもたちに一日も早く、本当の笑顔が戻ってくるためにこれからも頑張っていきたい。こんなに被災地に心を
寄せていただいる方々がいることに感謝し、たくさんの元気をいただきました。これからもよろしくお願いします。 ③
◆私に光をくれたのは友達なんです。
本当にその人のおかげなんです。今日の自分があるのは。彼に教えてもらったのは、これをやらなきゃいけない、市長と
してこれをやりたい、でも私の意識や能力では出来ないってこと、みなさんにもあると思います。ならば、これが出来る人と
友達になれば早いよっていうのが彼の教えなんです。だからいっぱい友達作ろうよ、英語しゃべれないのなら喋れる友達
作ろうよ、フランス語喋れるやつならここにいるよ、友達になればいいじゃない、これなんです。これが復興のいちばんの
鍵とにると私は思うのです。
◆これが復興の一番の鍵になると思うんです。
◆本当の「共存」とは、それぞれの街が特徴のある街を創っていくということ
真剣な眼差しで戸羽市長の講演に
耳を傾けていらっしゃいました。
震災後、映画館は津波の被害がありませんでした。しかし、「映画館として何が出来るか?」
「映画館をスタートしても良いのか?」とずっと悩んでいました。そこへ、「映画はやっていない
の?」という問い合わせが何度かあり、「見たいと思っている子供たちが1人でも2人でもいるな
ら上映しよう!!」と吹っ切れました。ただ、映画館に来ることができる人は限られていて、例え
ば両親が復興に関わっていて、どうしても子どもだけで映画を見ることができないなど、そうした
人たちのために5月7日からは「映画館に来られないなら、こちらから持って行こう!!」と決心し、
避難所とか仮設地域内の小学校を回って上映会活動をスタートさせました。市内のみならず県
内の被災された方々を元気つける活動を行ってまいりました。
子どもたちは、クラスみんなでスクリーンに向かって笑ったり応援したり歌ったり。その子たち
が大人になって、震災の時宮古の映画館で小太りの支配人が来て、映画を流してくれたなぁと
思いだしてくれるのかなぁと思っております。かつての映画黄金期の世代、今のおばあちゃん世
代はいつまでも笑いながら「何十年ぶりに映画を見た!!」と。本当に映画の力を感らじれる活
動になりました。
今まで沿岸9市町村で合計7,000人以上もの人に楽しい時間を届けることが出来ましたが、今
後も継続した活動にしていきたいと思っております。映画を通して様々な団体と知り合うことも出
来ましたので、こうした「文化を中心にした街づくり」があっても良いのではと思っております。
震災前から地元の中小企業の経営者が集まって、「中小企業家同友会」という団
体を作っておりました。この団体の目的はたった1つ。「自分たちで勉強して自分たち
の仲間を自分たちで守る!!」ということ。
震災が起きて多くの事業所が被災しましたが、復興に一番必要なのはこの地域
の人たちの力なんです!!倒産の防止、雇用の維持、事業の再建のため皆で協力し
て様々な手法(当時の緊急・混乱状態などからやむを得ない手法も有(笑))で頑張り、
人口流出を最低限に抑えることが出来ました。問題はこれからです。
今は、陸前高田周辺にツリーハウスを100個作ろうという計画を大真面目に話して
おります。100個もあれば地域に人が来るよね(笑)と。
今、陸前高田の人たちに絶対的に必要なのは「希望」です。
あんまり大きなことでなくても良い。1人1個で良い。自分が出来ることをやることが、
今一番大事なことだと思います。
リレートーク さんりく沿岸リレートーク
◆文化を中心にしたまちづくりがあってもいい。 (櫛桁一則氏/シネマリーン宮古支配人)
◆自分が出来ることをやることが、今一番大事なこと。(河野通洋氏/八木澤商店社長 )
◆自治体と企業・市民の壁を越える人(佐々木仁氏/宮古市役所)
交流会は、非常に緩やかではあるのですが、会を重ねるごとに参加者が増えてきていま
す。「今後は少しずつ宮古市以北の自治体職員さんにも参加を求めていこうか」と考えていま
す。私としては、この交流会に参加している自治体職員のみなさんには、自治体と企業、自治
体と市民の壁を越えていけるような、そういう人材になっていっていただければと考えていま
す。
「三陸沿岸交流会」というのは「東北OMのミニチュア版だと思っていただければ」と考えま
す。東北OMに関わりをもっている本県沿岸部の自治体職員を中心として、まちづくりに関す
る知識や技術を共有するためのグループです。毎回概ね20名から30名程度で集まって開
催しています。昨年6月に立ち上げまして、今まで宮古市、釜石市、大船渡市、山田町で計4
回、勉強会と交流会を開催してきました。立ち上げに至る経緯は、昨年5月、「東北OMin盛
岡」の懇親会で神奈川県川崎市から山田町に派遣されていらっしゃった「江上さん」とおっしゃ
る方から「岩手の沿岸部には自治体職員さん同士の横の繋がりはないのですか?」という非
常に素朴な疑問を頂きました。今日も宮古市から参加している那波と、「そういえば三陸沿岸
に自治体職員同士のつながりってないよね」という認識で三者が一致したことでした。
④
ここに来てもう2年になります。正直毎日ばたばたしていて、特別何をやろう
と思って来たわけではないのですが、それでも自分が事前に思い描いていた
状況とは多少違っています。
戸羽市長はあのような人ですから、かなり自分に対して放置プレイという感
じで、これをやってくれ、といったような具体的な話はほとんど言いません。市
長が求めていることは、自分で考えろということだと思っていますが、それにし
てもかなり放置されています。そのため、自分で何が必要なのかということを
考えながらいろいろとやってきました。そういった状況のなかで、たいした成果
も出していないので反省もしております。
個人的に先々月に子供ができました。結婚してもう長いんですが、なかなか
霞ヶ関にいたころは子供ができませんでした。岩手に来たら子供ができてしま
い、それで里帰り出産させました。実は双子の子供が生まれました。今はまだ
妻の実家にいるんですが、来月ぐらいには、すぐ近くの「ななげし」という団地
の中の一軒家に引っ越そうとと思っています。このように仕事をしながら子供
をつくったりと、たいしたこともできていない状況なんです。
若干真面目なこともお話させていただきます。今日は被災地に興味をもって
下さっている方が集まっていらっしゃると思うんですが、正直東京より西の地
方だと、震災の事はもうほとんど話題にはなっていませんし、ニュースにもなっ
ていません。テレビ局の方と話をしても震災の番組はもう視聴率はとれないと
いうことまで言われています。何冊かビジネス書というか、自己啓発のような
本を書かせてもらっていますが、被災地をテーマに本を書きたいという意向を
出版社に伝えても、「久保田さんには申し訳ないですけれども、読んでくれる
人がいません。」と言われてしまいます。こういった点からも、震災に対する関
心の低下というものが大きいなと思っています。当然ですが、我々のところにく
るマスコミの回数や人数もかなり減りました。震災の年と、年を超えてからもう
今2年ですけれども、かなり違うと思います。
◆被災地の現状を被災者の立場から伝えていく必要がある。(久保田崇氏/陸前高田市副市長)
ただそれを我々は嘆いているだけではしょうがありません。マスコミの人が来なくなったからしょうがないということではいけな
いと思っています。そのように我々にとっては常識である被災地の現状を、こちらがきちんと伝える。被災者の側から伝えてい
かなければいけない。そのような考え方にたち、メディアの使い方なども考えています。また、陸前高田市ではフェイスブック
ページを立ち上げています。正直言うとこれは武雄市のパクリです。樋渡市長に頼んで武雄市から古賀さんという秘書官に来
てもらい、その方に陸前高田市のフェイスブックページを作ってもらいました。そのうえで、これもまた武雄市のパクリですが、
FB良品というフェイスブック上の通販ページを起ち上げ、そこで陸前高田市の物品を売っています。このことは事業者の支援に
もなりますし、陸前高田市のPRにもなります。ちなみに、事例報告をしていただいた八木澤商店の商品は醤油とドレッシングな
どです。
情報、現状を伝えていくことが、おそらく被災地の復興に役立ちます。つまり、企業や海外などから支援の話をいただくことに
つながるんです。というのは、彼らにとっては 情報量が全てです。被災地の情報をつぶさに把握している訳ではないので、どう
しても情報が出てくるところに対して、ここに何をしようということになるのです。そのため、陸前高田市ではフェイスブックなども
活用しながら、どんどん情報発信をしていこうと考えています。
⑤
大船渡市 村上智哉さん
『元の形に戻すだけが復興ではない!』
震災当時は防災担当で、日々
めまぐるしく変わる状況の中対応
していました。そして、今は部署
が変わり雇用対策の担当をして
います。復興に向けて大切なの
は人のつながりと思いながら仕
事に取り組んでいます。普段の
忙しさを言い訳に、自分の立ち
位置が忘れがちですが、復興と
は何か、いつが復興って言える
のかな、ということを、こういう機
会に思い出しながら前に進んでいきたいと思っています。
元の形に戻すだけが復興ではありません。この土地が
元々バラ色だった訳ではなく、元からあった課題や住んで
る方の事情も違っていました。そういった事も一緒に紐解
きながら新しく思い描く姿に進んでいく事が復興なのか
なって思っています。三陸沿岸に住む地元の人たちの新
しく生み出そうとする底力が戻ったときに、初めて前に進
めるといった感じがします。 今日はこれから交流会もあり
ますので、そこで自分の考えも新たに発信ながら今後の
業務を進めて行きたいと思っていますのでよろしくお願い
します。
釜石市 宮本光さん
『震災前より自分たちのまちが好きになっています!』
釜石市を含め、三陸沿岸は震災前
から人口減や高齢化、地理的要因な
ど様々な課題を抱えていました。そこ
にあの大震災が来て、更なる追い討
ちをかけられました。「ただでさえ苦し
い私たちが、なんで更にこんな思いを
しなきゃならないんだ」と思ったことも
ありました。
しかし、震災後色々な方に支えられ
ながらがむしゃらに仕事をして、仕事
以外でもこういう勉強会に出たり、地域にどんどん入って行っ
て色々な活動をすることで、震災前より私たちは自分たちのま
ちが好きになっています。
5年後10年後、復興したこの三陸を支えていくのは私たちで
すので、こうやって出会った仲間たちと励ましあったり切磋琢磨
しながら、新しい三陸を創っていきたいと思っています。みなさ
んの三陸に対する応援、そして、想いが私たちの大きな心の
支えになります。ちょっとおこがましいんですが、これからも応
援をよろしくお願いします。
山田町 横田龍寿さん
『元に戻るだけじゃなくプラスアルファを目指した
い!』
震災当時は、建設課建築住宅係
ということで色々ありました。大概
の市町村では課長や課長補佐級
が仮設住宅の事務の統括をやる
はずなんですが、わが町は私の
ような主任が統括をやらされるこ
とになりました。そのため、某業
者さんから「宮古市では建築住宅
課長さんが対応したのに、山田町
は主任さんですか。」と嫌味を言われたりしました。このよう
な状況のなかで、何とか他市町村並みに入居させることは
できましたが、無理をした結果、体調を崩してしまいました。
その後、平成24年度から国民健康保険の担当として、国
保係長の後釜を主任の私が務めています。今、日本はさま
ざまな少子高齢化などの問題を抱えていますが、一つのモ
デルケースにならなければと思っています。
お金の話になりますが、みなさまの所得税から2.1%は
震災復興用の予算となっています。そういった金銭面での
ご支援もいただいていますので、元に戻るだけじゃなくプラ
スアルファになっていこうと思っています。みなさま、今後と
もご協力よろしくお願いします。
宮古市 那波昌幸さん
『身近な人を笑顔にしたい!』
エンディングにあたり、私自身どういう
立場で何を話せばいいのかとずっと考
えておりました。今この場に立っていて
もまだ答えが出ていません。私はたま
たま宮古市に住んでいて、宮古市の職
員ですけど、とても宮古市に住んでい
るみなさんの気持ちを代弁することなど
私にはできません。たまたま被災にあ
ってしまった1人の職員として、そして
東北OMの運営委員の一人として、ま
ずここにご参加いただいた皆様、スピーカーとしてご登壇いた
だいたすべての皆様、そして何より開催の実行部隊として支え
てくださった陸前高田市役所の皆様にまずはお礼を申し上げ
たいと思います。
何をもって復興なのか答えは人それぞれですし、こうしたから
復興とは何もいえないと思っています。私は、一人の人間とし
て何をするかと考えたときに、まずは自分の身近な人が笑顔で
いられるようなことをしたいなって思っています。大きいことは
できないので、せめて身近なところにいる人が幸せだったり、
笑っていられたり、そういうことを自分も含めて1人1人がやっ
ていけば、この国は良くなるんじゃないかと思って、私の誓いの
言葉とさせていただきます。
エンディング
復興に向けたメッセージ
⑥
建物とかは少しずつですけど戻ってきます。ただ。本当に人はか
えってこない。もう2年経ちますが、前に一緒に飲んだ同僚とか友人
とか世話になった先輩とかが3分の1くらい亡くなってしまい、もう元
には戻らない、どうにもならないんです。あまりこの話をする機会も
ないんですけど、でも決して忘れることはなくて、まだ2年しか経って
いないんですよ。一緒に苦労したり楽しいことをやった仲間が亡く
なってしまって絶対帰ってこないんです。ですので、みなさんにもそ
の部分だけは、それぞれのまちに持ち帰っていただきたいと思いま
す。わたしたちも少しずつですけど歩き始めています。被災していな
いまちからすると、その歩みっていうのはすごい小さい一歩だったり、
歩みが遅かったりするように見えるんですけど、でもまだ2年しか
経っていないんですよ。ですので、もう少し被災地の私たちと寄り
添って歩いていただければと思います。必ずや、復興したといえるま
ちを創っていくということをここにお誓いして、ご挨拶とさせていただ
きます。本日は、どうもありがとうございました。
陸前高田市 佐藤彰さん
『決して誰も亡くならない、そんなまちづくりを目指して欲しい!』
市役所の職員となり、今年で16年になります。後藤さんからイベントを開きたいということで、最初は100~150人っ
て話だったんですが、実際ふたを開けてみれば180人ということでかなりバタバタしてしまいました。ただ、マスコミ等で
被災地をだいぶ取り上げなくなってる中で、これだけの方に関心いただいているということは、本当に嬉しいかぎりです。
市役所の仲間もだいぶ亡くなり、震災後は応援いただいて運営しているというところです。本当に何も無くなってしまい
ました。そのようななかで一番思うことは、自治体職員の仕事とは、住民の方の生命と財産を守るということが一番の目
的だということです。より良く日々の暮らしを過ごしていこうということで色々な制度があり、皆さんもそれぞれの立場で取
り組んでいると思います。これから戻ってみなさんがまちづくりに取り組んでいくなかで、ひとつだけ肝に銘じていただき
たいことがあります。
この「生命と財産を守る」ということを、陸前高田市はできなかったんです。多くの同僚が亡くなってしまい、何も無くなっ
てしまった。この陸前高田の姿を教訓にして、決して誰も亡くならない、死なない、そんなまちづくりを目指して欲しい。そ
して、このことをまちづくりの一番の肝に考えて、取り組んで欲しいというのが、この場に出させていただいてみなさんに
一番伝えたいことです。
⑦
『被災地の空気感は報道では伝わらない。足を運んで自分の目で見る
べき!』
金沢市役所 橋本康成さん
自治体職員として、東日本大震災の被災地を目にしておきたい。これまでも何度か機
会には恵まれたがタイミングが合わず、2年以上が経過した。今般、勉強会のお誘いを
いただき「クルマに相乗りしていけば交通費が安く行ける」と仲間を募ったが、人徳無く
(涙)希望者がおらず、半ば意地になって「じゃ夜行バスで行くわ!」と車中の人に。国
道45号を北上するバスが気仙中学校(だったところ)を通過した先の風景を目にして唖
然。「ここは農地だったの?いや、市街地だったんだよね」。
勉強会が始まった。戸羽市長の基調講演からは、制度などの足かせにより復興が進
まないもどかしさを感じたが、お話しの一つ一つが「スッ」と心に入ってくる内容だった。
リレートークでは、特に、八木澤商店の河野さんが話された、「自分たちが雇用を作る。
地域に残りたい人が地域に残れるようにする。」取り組みに感銘した。
翌日のエクスカーションでは、陸前高田市観光物産協会の實吉副会長が仰った、地
震直前の会議が長引いていたら「今、ここには居なかったと思います」との言葉。生と
死は紙一重だった生々しい記憶。映画「先祖になる」の佐藤直志さんのお話から感じた
人の生きる強さ。それぞれが印象的であった。
『力強く前に進んでいこうとする陸前高田の姿に多くのことを学ばせて
いただきました』
山形市役所 伊藤和美さん
戻ってきた一本松を遠くから見ながら高台の仮設の市役所へ向かいました。市役所
へ到着してまず目に入ったのは、切り崩されている山ときれいな街並みが描かれてい
る未来の陸前高田市役所前の絵でした。
戸羽市長は真の復興は今の子供達が大人になるまで続いていくとおっしゃいました。
20年、30年先に今の子供達が家族で住める町をこれから作って行く。なんて責任重
大で途方もないことなのだろうと思いました。でも、講演中戸羽市長から後ろ向きな言
葉を何一つ発せられず、元の陸前高田に戻るのではなく特長のある新しい陸前高田に
しなければならないと熱く話されました。復興が遅れていると良く耳にしますが、現地に
来て、表面上はあまりわからなくても下へ下へと根をのばすような力強いエネルギーに
満ちておりとても感動いたしました。
また、町を作って行かなくてはならないという点においては自分も陸前高田と同じ感
覚で仕事をしていかなくてはならないのではとも感じました。大きな悲しみを内に抱えな
がらも力強く前に進んでいこうとする陸前高田の姿に多くのことを学ばせていただきま
した。
被災地から遠く離れた石川県では、被災地の情報はほとんど報道から流れなくなっている。我が金沢市では、災害廃棄
物として岩手県から宮古地区破砕選別施設の漁具・魚網を受け入れている。受入に関する議論が喧々諤々とされていた
昨年後半には報道されていたが、今ではそれすら流れない。僕自身は、震災後に初めて被災地を訪れたことになるが、こ
の空気感は報道では伝わらない。まして、報道が少なくなってきている今、可能であれば足を運んで自分の目で見た方が
良いと思った。そのことで、自分が出来る範囲で応援する気持ちがより高まるのだと思う。
自分で歩いてみると、「悲しい」と言う気持ちでは無く、やはり自治体職員だから「自分がここの職員だったらどう行動す
るか。ちゃんと行動できるか」と言うことを考えた。これは、映画「遺体」を観たときにも感じたことだ。とは言え、家だっただ
ろう土台だけ残された場所に花が手向けてあると、居たたまれない気持ちになる。「復興は進んでいない」と断片的に報道
は伝えるが、それでも少しずつ前進しているのではないか、無責任な物言いかもしれないが、エクスカーション終了後に気
仙沼を歩いた時にはそう感じた。逆に、南三陸ではそう感じられなかった。陸前高田はどうか。実態はわからないけれども、
ゼロやマイナスではないと思いたい。
⑧
今回の司会はこの2人(長鈴&美和子)
会場内には
臨時のお土産コーナーまで
お土産購入も
立派な被災地の
応援です!
地元大船渡が誇る
角田副市長とつばき娘も参加
初参加の城取さんと三浦くん
(吉川市)(陸前高田市)
最後の締めは
佐々木さん
↓二次会も大盛り上がり
⑨
『勉強会後も交流しあい、つながり続けられればと思います!』
北上市役所 長鈴実紀子さん
「今度のOMでお手伝いすることあったら、言ってね☆」とイベント班副リー
ダーの伊藤美和子さんに声を掛けてしまったために、陸前高田勉強会の交流
会の司会をやることになってしまいました。東北OM交流会の司会は、今回で2
回目。今回のパートナーは、私を司会に誘った美和子さん。二人お揃で、昨年
の盛岡勉強会で購入した「ピースイワテ」Tシャツを着て司会しましたが、肌寒
かった外とは違って、皆さんの熱気で、半袖でもちょうど良かったです♪
今回の交流会は、北上&陸前高田メンバーでやらせていただきました。勉
強会自体は、沿岸メンバーが企画していたので、交流会も沿岸カラーの交流
会が良かったのかなと思いましたが、北上カラーの交流会をやらせていただき
ました。まぁ、事前準備や司会原稿・クイズ製作まで、夜なべして美和子さんが
やってくれたので、実質は、美和子カラーですかね(笑)にしても、岩手などに
関するクイズは、難しくなかったですか?難しい問題ばかりでしたので、参加し
た皆さんは、これで岩手通なったと言ってもいいかもですね(*´∀`)♪
自分自身は、司会をこなすのに精いっぱいだったので、参加者の皆さんと交
流する時間は少なかったですが、檀上で見ていて、参加者の皆さんの交流は
活発に見えました。勉強会の中で、戸羽陸前高田市長も「自分でできないので
あれば、できる友達を作ればいい」とおっしゃっていたのもあり、いつにも増して
友達作りが進んでいたと思います。交流会自体は短い時間ですけど、
facebookなどSNSで、その後も交流しあって、つながり続ければと思いました
☆拙い司会でしたが、最後までお付き合いいただいた皆さん、ありがとうござ
いました!!また、勉強会&交流会を担当した沿岸メンバーの皆さん、お疲れ様
でした!!そして、久保田陸前高田副市長及び角田大船渡副市長には、交流会
に出席していただき、最後まで盛り上げていただいて、ありがとうございました。
なのに、最後の記念写真で、センターを取っちゃってすみませんでした…
『復興をしっかりと成し遂げた後のきれいな陸前高田市にも一度は来てい
ただきたいと思います』
陸前高田市役所 高橋拓也さん
東北OM第13回勉強会に参加させていただき大変ありがとうございました。今回の
勉強会は、当市陸前高田市で行われるということで、私自身は司会者としての参加にな
りました。司会は今までやったことがありませんでしたので、つたない司会で参加された
皆様には大変ご迷惑をおかけしたと反省しています。
自己の反省はさておき、今回の勉強会の参加者数については、ただ驚くばかりでし
た。正直な話、事前情報では150人程度の予定と聞いてはいましたが、当日になるま
では、いったい何人の人が参加するのかと半信半疑でした。それというのも、勉強会の
最後にも当市の実行委員が話しましたが、私たち被災者にすれば「まだ」2年ですが、
他の方々にすれば「もう」2年だという思いがありました。あれほどの大災害ですので、
忘れ去られるということは無いとは思いますが、実際に被災地に行かれて何かをしよう
と思う熱い思いを持たれて来られる方は、もはやいないのではと思っていました。しかし、
実際には、予定人数を大幅に超えた180人以上の方に勉強会に参加していただきまし
た。あの場では表情にも出てはいなかったと思いますが、本当にうれしかったです。
テレビ等で取り上げることも少なくなった東日本大震災ですが、現状は参加者の方々
が見られたとおりです。まだまだの部分が多いですが、長い目で応援していただければ
と思います。できれば、私個人としては、復興をしっかりと成し遂げた後のきれいな陸前
高田市にも一度は来ていただきたいと思います。
(MCのお二人に聞いちゃいます♪)
⑩
○映画『ひとつ』を製作したきっかけ
盛岡で開催された震災追悼2周年の行事に上映するために、盛岡市の
企画により製作された。震災の記憶の風化防止の意味で、内陸の人たちにも
ダイレクトに伝わる方法として映像の力を使用するアプローチとして映画を製
作。製作を行ったのは、盛岡地域を中心に活動していた「オトナ映画部」とい
う地元団体。映画製作側が感じていた内陸部と被災沿岸部の温度差や震災
の状況を忠実に表現するのではなく、主人公2人が『ひとつ』という曲を作り上
げる物語を全体の軸として、映像・物語・音楽に乗せて表現している。
○映画としての魅力とは?
内陸と沿岸の人々が、ひとつになることを表現。演技も初めての主人公2
人の役者が、映画のストーリーと同様に実際に作詞・作曲をして音楽を作り
上げる様子で表現。
みどころは、主人公2人が、北上川の源泉を見に行くところ。小さな源流の
一滴が流れて山から海へ流れこむ様子が、内陸の人の小さな思いが大きく
なって行動として移り変わり内陸から沿岸への支援のように見える。
○映画を作ることは、すなわちまちづくり
映画の製作過程も支援を感じることにつながる、としてプロに依頼するの
ではなく地域住民で製作。映画製作における仕事を細かく分担し、地元の映
画製作団体や学生や地域住民で協力して作り上げた。それぞれが自分ので
きる範囲の活動で輝くことができ、出演者もスタッフも作品を作る過程で成長
がみられた。映画づくりはすなわちまちづくりだと感じられる。
現地でのボランティア等の直接的な支援だけでなく、自分の趣味や活動
が間接的にも人の為につながることを知ってもらいたい。そういった各個人が
支援できるような場を行政は用意してあげられれば。
○3.11の追悼イベント後の映画の役割
3月11日の追悼行事で上映した後もそれで終わりではなく、当日見に行
けなかった方から上映の要望があり、内陸・沿岸各地で上映。映画は一回限
りではなく、作品をディスク一枚にして色んな所に持って行け、時間や空間を
超えたコミュニケーションツールになっていくので、それをこの映画でどんどん
体現していきたい。
映画「ひとつ」上映会プレイベント
⑪
『みなさんのまちでも上映会を開催してみませんか?』
盛岡市役所 加藤勝さん
震災2周年の追悼イベントで上映するために製作したこの映画は、イベントが終了し
たあとには急速に「鮮度」が落ちていくものと思っていたのですが、それは私の見込み違
いでした。
宮古市、金ヶ崎町、東京都などで次々と上映会が企画され、どの会場でも観賞したみ
なさんによって映画の感想や復興への想いが語られる、あたたかで刺激的な場が即興
的に作り上げられています。
『ひとつ』の上映会は、ただ映画を鑑賞するだけでなく、監督や出演者などが登壇して、
来場者と意見交換などを行う双方向型のトークショーとセットで開催することを基本とし
ています。震災の記憶の風化防止の映画であるからということもありますが、それだけで
はなく、映画を通じて新たなコミュニケーションやつながりを生み出していくことにも挑戦
してみたいのです。
みなさんのまちでも上映会を開催してみませんか? 私たちは都合が付く限り何処へ
でも出向きたいと思っています。
①陸前高田観光物産協会のガイドの方より・・・
想定外の津波と言われているが、生かされた私たちの生活にも想定外のことが起こっている。サバイバーズギルド(生き
残れし者の罪悪感)。生き残った者も傷をおいながらというのが現状だ。
人間として、極限状態の選択を迫られた人はたくさんいる。これが想定外だって簡単に言葉では言うが、現実、本当に厳
しい。そういったことが、あの日わずか30~40分の中で展開された。これを考えると本当に恐ろしいことだと思う。
ずっと引きずっていくことだが、いつまでも被災者意識、被害者意識では人は前に進まない。
唯一、我々が出来るみなさまへの心の恩返しは、いただいたお力を我々が心の原動力として、今日は昨日より一歩前、
明日は今日より一歩前と歩んでいる姿をみなさまに見ていただくことが、我々の出来るご恩返しと思っている。
エクスカーション
陸前高田市の皆さんが
エクスカーションを企画
陸前高田市スタディーツアー
被災地の方々に勇気を与える
奇跡の一本松もみんなで視察
ガイドの方から、いろいろな
事を教えていただきました。
まだまだ震災の爪痕が残る陸前高田市
⑫
②映画「先祖になる」の主役・佐藤直志さんとの出会い
これから自分たち3人でここに住み着いて田畑を耕していれば、それにつられて1人また1人と群れが出て大きくなっ
て集落になっていく…それが夢。
(これだけは、これから80歳になるじいさまのみやげ話として聞いて欲しい。)
今以上の幸せを夢見て、目標を立てて、目標に向かってやる気を出す。絶対に無理はしないで、1歩1歩前に進めば
いい。裸一貫になったじいさまでも米を作ったり家を建てたりすることが出来ますので。
震災で全財産を失って、息子まで奪われたけども、80年間生きてきて、今一番、幸せを感じている。この震災が無け
れば、みなさんがこうやって自分に会いに来てくれることはなかったのだから・・・。
佐藤さんを囲んでの集合写真
佐藤さんの話に引き込まれる
参加者のみなさん
イイ感じの3人です。
佐藤さん澤田さんの
素敵なツーショット
⑬
津波の到達点は
自宅の右側上部
最後に・・・ 秋田×岩手の友情・・・
チャット・モンチープロジェクトの友情が再び
秋田県の平元美沙緒さんと岩手県の宮本光さんが中心となって実現したチャット・モンチープロジェクト。
釜石市の子どもたちに笑顔を届けた素晴らしい活動でした。実は主役の一人である平元さんは、現在、お
腹に新しい命が授かっています。そのような状況だったことから、今回、陸前髙田市の勉強会に参加できませ
んでした。しかし、陸前高田勉強会の準備に取り組む宮本さんへの友情の気持ちを込めた手紙が平元さんか
ら寄せられましたので最後にご紹介します。人を大切にするネットワークである東北まちづくりオフサイトミー
ティングならではのエピソードです。
宮本さんへ
宮本さんの熱意のおかげで開催することができたチャッ
トモンチーチャリティライブから早1年が経ちました。今でも
鮮明に思い出せる、あのときの子どもたちの笑顔は、私の
宝物です。そしてそのときの宮本さんや釜石の若手職員
のみなさんの笑顔も、忘れられません。
いつかまたチャットモンチーを釜石へ招待し、復興記念
ライブをぜひ開催しましょう。宮本さんの夢でもあるそのラ
イブは、私の夢でもあります。そして私のお腹には今、新
たな命が宿っています。わが子とともに、釜石に行ける日
もまた夢見ています。
最後に。私はいつでも力になります。秋田と釜石は遠く
離れていますが、同じ東北の仲間として、OMの仲間とし
て、これからも共に進んでいきましょう!
<次回は・・・> 第2回出張勉強会 in 武雄
○日程/会場
2013年8月31日(土) 勉強会(武雄市文化会館)
2013年9月1日(日) エクスカーション(武雄市図書館視察)
○ゲストスピーカー
樋渡啓祐氏(武雄市長)
古賀敬弘氏(武雄市職員/予定)
高橋聡氏(CCC執行役員/同社図書館プロジェクトリーダー)
佐藤彰氏(陸前高田市職員・東北OMメンバー)
○申込先
http://kokucheese.com/event/index/100172/
⑭
平元さん、元気な赤ちゃんの誕生
心待ちにしていますよ~!!
Photo Gallery ~前号以降に開催した大きなOMイベントを写真でふり返ってみよう~
<編集後記>
みなさん、第31号いかがでしたか?
今回は東北OM釜石市チームを中心にNLの編集に取り組みました。
戸羽市長の基調講演やリレートークなど、テープおこしの作業は大変
でしたが、「被災地のいま」と「陸前高田勉強会の盛り上がり」を多くの方
に感じて欲しいとの一心で、力を合わせて頑張りました。
その気持ちが、誌面を通して、皆さんに届いて欲しいと思っています。
次号は10月に開催予定の秋田勉強会を担当する秋田県チームが編
集予定です。チーム秋田のみなさん、よろしくお願いします。
⑮
弘前勉強会(2012.10.27)
鳴子合宿勉強会(2013.1.19~20)
弘前城の前で集合写真 弘前市の葛西憲之市長
金渕リーダー
獅子奮迅の活躍
鳴子の米「ゆきむずび」のおむすび
<編集担当>
釜石市役所
佐藤政弘 菊池広昭
菊池未来 今野真由美
佐々木慶太 木川田琢磨
宮本光
山形市役所
後藤好邦

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