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- 1. The OM Newsletter
東北まちづくりオフサイトミーティング 2013
7
31号
第
13
回
東北まちづくりOM勉強会 in 陸前高田
被災地のいま
基調講演 『 真の復興に必要なこと 』
◆真の復興に必要なのは、まさにこうした企画!
みんなでまちづくりを考えようという企画、本当に素晴らしいと思います。今日本に欠け
ている一番大きな部分かと思います。「真の復興には何が必要なのか」、まさにこういう
ことだと思います。本当に思いのある人たちが集まって、そしてアイデアを出し合って、
このまちを、あるいはそれぞれのまちを良くするためにはどうしたらいいのだろうか、と
いうことを積極的に話し合っていただくということが重要なんだと思います。真の復興と
は、おそらく一人ひとり考えていることが違っていますので・・・。
岩手県 陸前高田市長
戸 羽 太 氏
復興、復旧と両方の言葉が使われていますが、復旧と言うのはいわゆる元に戻すということ、復興とは元に戻すだけでなく
一歩も二歩も前に進んでゆく、より良いまちをつくっていくということだと認識されていると思います。しかし、市民の皆さま方
の100人に35人は65歳以上で、そういう方々が復興と復旧の違いを理解しているかといえば、理解していない。ですから、住
民の皆さんの目指すところがそれぞれ違うというところが大きな問題であり、困難を招いている1つの原因となっているわけで
す。もう1つ大きな困難となっていることは、同じ被災地でも被災の度合いがそれぞれの家庭で違うということです。例えば一
番ひどい方々は、家族を亡くされ、家も失くし、仕事も失くされて三重苦も四重苦にもなってしまっています。あるいは家族は
亡くされたけれども家は残ったという人もいます。その逆の方もいます。あるいは会社が流されて仕事がなくなってしまったと
◆皆さんのご家族が行方不明だということを想像してみてください。
今回の東日本大震災からの復興というのは、子供たちが大人になるまでかかるものと思っています。ここの地域にいる子
供たちが将来、東京に行くか大阪に行くか、あるいは地元に残る方もいるかと思いますが、胸を張って「僕/わたしのふる
さとは岩手県の陸前高田市です。素晴らしいところです。是非一度足を運んでください」と胸を張って言えるようになったら、
それこそが復興を果たしたことになるんだろうな、と私は思うんです。
いう方もいます。被災の度合いによって物事
の考え方が違ってくるということです。今でも月
命日の11日には集中捜索をしていただいてい
ますが、昨年一年間で発見されたご遺体は
たったの一人。それだけ捜索は難航している
のです。でももし、皆さんのご家族が行方不明
だということを想像してみてください。まだ217
名の市民の皆さんが行方不明で、その帰りを
待っておられる方がどれだけいるのだろうと考
えると、復興復興とだけ言わず、できるだけ置
いてけぼりをつくらないように復興を進めてい
かなければならないという思いは常にあります。
①180名を超える方々が参加
目で見て
耳で聞いて
心で感じて欲しい・・・