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マイニング探検会#20 レファレンス・サービスの「ネクスト」を考えるためのヒント
- 3. 東京大学附属図書館における
レファレンスサービス業務分析
ー自動レファレンスサービスシステムの実現を目指してー
國安結(東京大学大学院学際情報学府)
清田陽司(東京大学情報基盤センター)
綾部輝幸(東京大学附属図書館)
2006年10月
日本図書館情報学会研究大会
@九州女子大学
3
- 4. 情報探索とWebサーチエンジン
• 情報探索の中心的役割
– 昔:図書館→現在:Web
• 多くの人が、まず始めにWebサーチエンジン
(Google,Yahoo!・・・etc)を使用
– 検索対象は世界中のページ
– 使いやすいインタフェース
Webサーチエンジンは情報探索のポータル的役割
4
- 5. Webサーチエンジンの問題点と図書館
• 適切な検索キーワードを選ぶことが難しい
• 莫大な検索結果の中から有益な情報を見つけにくい
⇒図書館員による補助、レファレンスブック
• 信頼性に欠ける情報が少なくない
⇒一次資料等で検証された信頼できる情報
• 古い情報が入手困難
図書館の利用によって
⇒過去の情報の蓄積
Webサーチエンジンの
欠点を補完可能
図書館における情報探索のポータル的役割
⇒レファレンスサービス
5
- 6. レファレンスサービスのポイント
• 利用者と図書館員の対話
– 質問者は調べたい対象や探索したい事実が不明確
• (例)靖国神社についてレポートを書きたいのですが、
何をしたらいいのでしょうか?
靖国神社のどの問題について調べたいのですか?
どこまで調査は進んでいますか?
新聞記事のリストアップは必要ですか?
アジアの歴史に関する入門書は読みましたか?
関連法案についてどのくらいご存知ですか?
– 漠然とした情報ニーズを徐々に具体化
6
- 7. レファレンスサービスの例
(東京大学附属図書館における分類)
• 利用案内
– 判例時報はどこに置いてありますか
– OPACの使い方を教えてください
• 所蔵調査
– 「歌舞伎登場人物辞典」は図書館にありますか
• 文献調査
– 江戸時代の農民一揆に関する本を探したい
– 昭和20年代の東大の雰囲気を知ることができる資料が欲しい
• 事項調査
– 大学いもの「大学」は東京大学のことを指しているのですか
– 日本における英語教育制度の始まりについて知りたい
7
- 8. 図書館利用ガイド
OPAC
雑誌目次検索システム
e-‐Journal
8
- 11. デジタルレファレンスサービス(DRS)
非同期型
同期型
電子メール
チャット
サービス形態
Web上の質問フォーム
(テキスト・音声・映像)
24時間
利用可能時間
制約あり
レファレンス
困難
容易
インタビュー
低い
コスト
高い
両者の長所を併せ持ったDRSがポータル的役割?
11
- 15. 文書を介した質問応答
• 平成17年度統計
質問区分
総数
利用案内
5
(0.3%)
所蔵調査
1,550
(77.9%)
回答の際に使用され
文献調査
175
(8.8%)
るリソースを調査
事項調査
170
(8.5%)
その他
90
(4.5%)
合計
1,990
(100.0%)
15
- 16. 回答の際に使用されるリソース
• 所蔵調査
– OPAC・全学総合目録カード・NACSIS
Webcat
• 文献調査・事項調査
– レファレンス情報源
• 百科事典、人物レファレンス辞典、Japan
Knowledge・・・
使用されるリソースは一般の人も利用
できるオンラインサービスが多い
16
- 17. カウンター・文書での質問応答の問題点
• FAQが大半を占めている
– 図書館利用ガイドやWeb等に掲載
情報がバラバラに提供
– 利用者に知られていない
n 既存のオンラインリソースが有効活用されていない
q サービス間の連携が良くなく、各々が独立している
問題点①:図書館が提供している情報やリソー
スが利用者に分かり易い形で整備されていない
17
- 18. ASKサービス
• 東京大学附属図書館が
行っている非同期型DRS
– 質問をWebから申し込み、
メールで回答を得る
– 東京大学の図書館の中から、
最も適した図書館が回答
– これまでの質問の検索も可能
– 2005年3月より運用開始
18
- 20. ASKサービスにおける質問応答
• 利用案内に関する質問の詳細
質問内容
総数
電子ジャーナルトラブル
169
(77.2%)
資料の取り寄せ・複写
21
(9.6%)
OPACトラブル
11
(5.0%)
その他
18
(8.2%)
合計
219
(100.0%)
現状:電子ジャーナルのトラブル
シューティング用の窓口
20
- 22. 目次
• 背景・目的
• 東京大学附属図書館レファレンスサービス現状分析
– カウンターにおける質問応答
– 文書を介した質問応答
– ASKサービス
• 考察・まとめ
22
- 23. 問題点のまとめと解決策
• 浮き彫りになった2つの問題点
– 情報やリソースが分かり易い形で整備されていない
既存の知識やリソースの体系的整備
cf.パスファインダー事業
→人手で作成されているため、網羅している範囲が狭い
– インタビュー機能が無いDRS
対話型インタフェースを備えたシステム
先行研究:京大レファレンスシステム
[平田ら
2000]
ダイアログナビ
[清田ら
2003]
23
- 24. 必要とされているシステム
n システムが満たすべき条件
q 図書館の利用方法に関する体系化された知識の保持
q 聞き返しが容易なインタフェースの保持
資料等を利用者の情報要求に沿って自動的に
整理し、対話的に示すシステム
パスファインダーのオンデマンド生成
24
- 25. システム実現に向けて
• 情報探索や図書館利用に関するメタ知識の整備
– 図書館利用ガイドブック
– 質問タイプ別の情報探索戦略
– レファレンス事例の集積
• cf.レファレンス協同データベース事業
• 図書館内外のオンラインリソースの統合的利用
– OPAC、各種辞典、Webサーチエンジン、BSH、NDC・・・
– Wikipedia
• 既存の百科辞典より項目数が多い
• 最新の項目も収録
25
- 27. リサーチ・ナビ (国立国会図書館)
• サマリーからヒントが得られたか?
肯定的意見
86%
• どの情報源が最も有用だったか?
図書館の調べ方
64%
蔵書・雑誌
24%
Wikipedia
22%
• GoogleやYahooなどでは得られな はい
78%
い情報が得られたか?
• テーマグラフは有用だったか?
はい
84%
• その他の意見
• 信頼できる情報にたどりつき易い
• 意外な観点がたくさんみつかる
• 情報源別にタブにわかれていて便利
• GoogleやYahoo!の方が知りたいこと
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