マーケティングサイエンス徹底入門と実践Part2
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ソーシャルメ ディアマーケ ティング
Web広告
キャンペーン 管理
LPO/動的コン テンツ
スマホ
比較サイト
ライフ
スタイル
SNSの利用
スマホ
マーケティング 担当者
消費者
エリアマーケ ティング
マーケット
新規参入
ニッチ商品
One To One マーケティングの必要性が拡大
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製品の設計
資材調達
製造
価格設定
販売
プロモーション
流通
サービス
製品の製造
製品の販売
顧客の細分化
市場の選 択/集中
ポジショ ニング
製品開発
サービス 開発
価格設定
資材調達
流通
セールス フォース
販売促進
広告
価値の選択
価値の提供
価値の伝達
従来のマーケティングプロセス1)
新しいマーケティングプロセス
1)マーケティングマネジメント第12版日本語訳版より
モノを作って
売る
多くのマス市場が
ミクロ市場に分裂
STP分析
「ターゲットとアプローチの明確化」
4P(マーケティング・ミックス)
「マーケティング・ミックスの検討・実行」
STP+4Pによるミクロ市場への適切な対応・適応が求められている
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Segmentation
Targeting
Positioning
Product
Price
Place
Promotion
STP分析
4P(マーケティング・ミックス)
目的
マーケティング戦略の立案
マーケティング戦術の実行
概要
マス市場を適切なミクロ市場に分け (Segmentation)、どの市場に対して (Targeting)、どのようにアプローチする か(Positioning)を検討
STP分析により立案したポジショニング目標≒ブランディング を達成すべく、商品・サービス提供の計画・実行・検証・高 度化(PDCA)を行い、ミクロ市場でのNo.1を目指す
実行期間
(市場によるものの)プロダクト・ライフ サイクルに合わせて、長期スパン(数年~ 5年間)で検討される
実行・検証・高度化を行うための効果的なアプローチを行う ため、短期スパン(数週間~数か月)で検討される
マーケティン グサイエンス の活用余地
•市場分析(市場セグメンテーション、 プロデジーモデル、ポジショニング マップ等)
•需要予測(普及モデル、時系列解析 等) …
•ニーズ分析(知覚マップ、コンジョイント分析、顧客セグ メンテーション等)
•プロモーションROI分析(アトリビューション分析等)
•消費者行動の理解(離散選択モデル、購買行動モデリング 等) …
前回の発表内容
今回の発表内容
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離散選択モデルの概要
複数の選択肢の中から選択肢を1つ選択する消費者行動をモデル化したもの (例)次の選挙はどこに投票するか、どの飲料を買おうか、etc…
特に、以下の3点を満たす場面を想定している
1.選択する選択肢は必ず1つである(複数の選択肢も考慮する場合は、複数の選 択肢を選ぶという選択肢を作ればよい)
2.必ずいずれかの選択肢を選択する(選択しない可能性がある場合は選択しな いという選択肢を作ればよい)
3.選択肢の数は有限である(いくつ購入するかをモデル化する場合には離散選 択モデルがそぐわない場合がある⇔回帰分析)
どこに行こうかなぁ…
いずれかの選択肢を必ず1つ選択
a
b
c
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選択肢の吟味
意思決定
ポ イ ン ト
•意思決定者はそれぞれの選択肢から魅力 =効用を得られると考える
•選択肢がそれぞれ持っている特徴が選択 肢の効用に影響を与え、効用は定量化さ れていると考える
•意思決定者は、その意思決定に際して、 効用が最大の選択肢を常に選択すると考 える(効用の最大化)
•選択肢は必ず1つだけ選択される
効用:90
夜景:☆☆☆☆★
食事:☆☆☆★★
価格:☆☆☆☆★
効用:80
夜景:☆☆☆☆☆
食事:☆☆☆☆★
価格:☆★★★★
効用:60
夜景:☆★★★★
食事:☆☆★★★
価格:☆☆☆★★
効用:90
夜景:☆☆☆☆★
食事:☆☆☆★★
価格:☆☆☆☆★
選択
どのように効用を定量化するか?
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(意思決定者・選択肢毎の) 効用
利用データイメージ
概要
モデルへの組 み込み
観測要因
選択行動に影響している、 観測されている情報 例)性別、年齢、商品価格、色…
多くの場合は説明変数に対して
線形モデルを仮定
非観測要因
選択行動に影響しているものの、 観測されていない情報 例)その時の気分、感覚的なイメージ…
ランダム項として、確率分布を仮定
確定項
ランダム項
顧客
性別
A価格
B価格
C価格
選択 結果
Aさん
男性
200
180
150
B
Bさん
男性
210
170
160
B
Cさん
女性
190
180
140
A
…
…
…
…
…
…
nさんの選択肢jに 対する効用
パラメータの推定
仮定した確率分布によりモデルが決定
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顧客属性 データ
選択肢 データ
離散選択モデル
•年齢
•性別
•年収 ・・・
•価格
•スペック
•保証期間 ・・・
アウトプット
インプット
Aさん
選択肢1:40% 選択肢2:10% 選択肢3:50%
Bさん
選択肢1:70% 選択肢2:20% 選択肢3:10%
実際の選択
モデルのなかで 求まる定数
確率分布
「特定の確率分布に従う確率変数が閾値を下回る確率」が 選択肢の選択確率となる
ランダム項について様々な確率分布を考慮し、柔軟にモデル化を行っていく
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離散選択モデル、ランダム項の分布と特徴
ランダム項 の分布
パラメータ 推定
制約等
ロジットモデル
極値分布
プロビットモデル
多変量正規分布
入れ子ロジット モデル
極値分布
混合ロジット モデル
極値分布
最尤推定
シミュレーション
最尤推定
シミュレーション
IIAを仮定
誤差分布が 正規分布を仮定
サブセットのなかでIIA を仮定
誤差分布は1つに限定 (⇔ベイズ推定)
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概要
Luce(1959)によりロ ジットモデルの式が 導出され、翌年に効 用最大化をモデル化 できることがすぐに 証明された
モデルが閉じた形で 表現されるため、解 釈しやすく、幅広い 領域で利用されてき た
モデル化
ランダム項の確率分布を ガンベル分布と仮定
アウトプット
ロジットモデルの P(確率)は必ず0から1 の範囲に入る
すべての選択肢の選 択確率の合計は必ず1 になる
nさんが選択肢iを選ぶ確率
選択肢iの効用が、その 他のすべての選択肢の 効用より大きい確率
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Rでの実行例
> #libraryの読み込み
> library(mlogit)
> data("Train", package = "mlogit")
> #データの作成
> Tr <- mlogit.data(Train, shape = "wide", varying = 4:11, choice = "choice",
+ sep = "", opposite = c("price", "time", "change", "comfort"),
+ alt.levels = c("choice1", "choice2"), id = "id")
> head(Tr, n=10)
id choiceid choice alt price time change comfort chid
1.choice1 1 1 TRUE 1 -2400 -150 0 -1 1
1.choice2 1 1 FALSE 2 -4000 -150 0 -1 1
2.choice1 1 2 TRUE 1 -2400 -150 0 -1 2
2.choice2 1 2 FALSE 2 -3200 -130 0 -1 2
3.choice1 1 3 TRUE 1 -2400 -115 0 -1 3
3.choice2 1 3 FALSE 2 -4000 -115 0 0 3
4.choice1 1 4 FALSE 1 -4000 -130 0 -1 4
4.choice2 1 4 TRUE 2 -3200 -150 0 0 4
5.choice1 1 5 FALSE 1 -2400 -150 0 -1 5
5.choice2 1 5 TRUE 2 -3200 -150 0 0 5
1さんが choice1・ choice2から choice1を選択
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Rでの実行例
> summary(Train.ml)
Call:
mlogit(formula = choice ~ price + time + change + comfort, data = Tr,
method = "nr", print.level = 0)
…略…
Coefficients :
Estimate Std. Error t-value Pr(>|t|)
choice2:(intercept) -0.03249805 0.04108023 -0.7911 0.4289
price 0.00148495 0.00007479 19.8550 < 2.2e-16 ***
time 0.02873396 0.00267475 10.7427 < 2.2e-16 ***
change 0.32581324 0.05950424 5.4755 4.364e-08 ***
comfort 0.94704645 0.06498665 14.5729 < 2.2e-16 ***
---
Signif. codes: 0 ・**・0.001 ・*・0.01 ・・0.05 ・・0.1 ・・1
Log-Likelihood: -1723.8
McFadden R^2: 0.15089
Likelihood ratio test : chisq = 612.66 (p.value = < 2.22e-16)
係数の推定値を算出
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2つの選択肢の選択確率比
離散選択モデル
他の選択肢の影響を受けていない
=
The independence from irrelevant alternatives(IIA)
•IIAが成立している場合は、特定の2つの選択肢 以外の特徴が変化しても、2つの選択肢の選択 確率比は一定であることを意味している
•多くの場合で実際にIIAが成り立っている消費者 行動がたくさん観測されている
•ほとんどの要因が観測変数としてとらえられている 場合は、IIAは問題にはならない
•一方で、次の例のように常にIIAが成り立つとは考 えにくい場合も多く存在する
A電鉄の電車とB交通のバスの選択肢があ る通勤に際して、市場に新たにC交通がバ スを運営し新規参入した場合、これまでの A電鉄とB交通の顧客比は一定になりえ か?
•モデルがIIAを満たす原因はランダム項が選択肢 毎に独立しているためである。
⇒より柔軟なモデルが必要
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概要
多くの研究者により、 エネルギー、輸送、 住宅、通信業界など に適用された
GEV(一般化極値モ デル)のなかでは比 較的シンプルな形で あり、解釈しやすい
選択肢はいくつかの サブグループに分割 してモデル化を行う
モデル化
ランダム項の累積確率分 布を以下とする
λを入れ子k内の選択肢間 独立性を表す
(すべてのkについて λk=1であれば、ロジッ トモデルと等しくなる)
アウトプット
階層構造を持ったロ ジットモデルになっ ており、IIAが成り立 たない事象もモデル 化している
自転 車
自家 用車
バス
電車
交通 機関
保有
車両
入れ子ロジットの2選択確率比率は以下となる
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概要
ロジットモデルでは 制限されていた、以 下の3つを組み込み可 能にする
1.Random taste variationを表現
2.IIAを表現
3.非観測データが 相関を持ってい るパネルデータ にも適用可能
モデル化
ランダム項を多変量正規 分布と仮定
アウトプット
シミュレーションに よりパラメータを推 定
個人ごとに確定項の パラメータを推定
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概要
ロジットモデルで推 定していたβを確率分 布として一般化を行 う
プロビットモデルと 同様にRandom taste variationを表現
比較的シンプルなシ ミュレーションで推 定可能
モデル化
ランダム項を多変量正規 分布と仮定
アウトプット
シミュレーションに よりパラメータを推 定
個人ごとに確定項の パラメータを推定
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Rでの実行例
> #libraryの読み込み > library(mlogit) > data("Train", package = "mlogit") > #データの作成 > Tr <- mlogit.data(Train, shape = "wide", varying = 4:11, choice = "choice", + sep = "", opposite = c("price", "time", "change", "comfort"), + alt.levels = c("choice1", "choice2"), id = "id") > head(Tr, n=10) id choiceid choice alt price time change comfort chid 1.choice1 1 1 TRUE 1 -2400 -150 0 -1 1 1.choice2 1 1 FALSE 2 -4000 -150 0 -1 1 2.choice1 1 2 TRUE 1 -2400 -150 0 -1 2 2.choice2 1 2 FALSE 2 -3200 -130 0 -1 2 3.choice1 1 3 TRUE 1 -2400 -115 0 -1 3 3.choice2 1 3 FALSE 2 -4000 -115 0 0 3 4.choice1 1 4 FALSE 1 -4000 -130 0 -1 4 4.choice2 1 4 TRUE 2 -3200 -150 0 0 4 5.choice1 1 5 FALSE 1 -2400 -150 0 -1 5 5.choice2 1 5 TRUE 2 -3200 -150 0 0 5
1さんが choice1・ choice2から choice1を選択
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Rでの実行例
> # mixed logitの実行(共分散あり)
> Train.mxlc <- mlogit(choice ~ price + time + change + comfort,
+ Tr, panel = TRUE, rpar = c(time = "cn", change = "n",
+ comfort = "ln"),
+ correlation = TRUE, R = 100, halton = NA)
> # mixed logitの実行(共分散なし)
> Train.mxlu <- update(Train.mxlc, correlation = FALSE)
> summary(Train.mxlc)
…略…
McFadden R^2: 0.23345
…略…
> summary(Train.mxlu)
…略…
McFadden R^2: 0.21703
…略…
←McFadden決定係数が向上
- 30. 30
離散選択モデルからのインプリケーション
ネクストアクションの例
商 品
•色の嗜好
•サイズの嗜好
•機能の必要性
•商品改革
価 格
•キャンペーンの効果
•値上げ時の需要予測
•価格戦略立案
チ ャ ネ ル
•チャネル変更によるリフト効果
•適正商品配分
•チャネル最適化
プ ロ モ ー シ ョ ン
•広告効果測定
•商品種類との親和性
•広告予算編成