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アジャイル時代のチームやリーダーシップ
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Yukio Okajima
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2019年5月17日のDevLOVE関西での発表資料です。
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アジャイル時代のチームやリーダーシップ
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ESM, Inc. アジャイル時代のチームやリーダーシップ DevLOVE関西 2019年5月17日 1
2.
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ESM, Inc. 自己紹介 2 岡島 幸男
3.
© Copyright 2019,
ESM, Inc. 10年まえ(2009年9月)のお話 3 開発者とマネージャの間で、成功モデルを十分共有できてないことが「透明の壁」の根本原因
4.
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ESM, Inc. 10年何してきたのか? 4 私の「人生60年表」 グループの責任者 → 事業部の責任者 → 新規事業開発 → …
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ESM, Inc. 2010年~2013年 5 自分なりにいろいろ試したが、何もうまくいかなかった
6.
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ESM, Inc. 自分が「透明の壁」を作ってしまった 6
7.
© Copyright 2019,
ESM, Inc. 2013年8月 7 「新しい受託開発モデルづくり」をテーマに、専任は一人で「再出発」
8.
© Copyright 2019,
ESM, Inc. 2014年8月 8 母体となる事業部ができメンバーも増えた。空き部屋に移動
9.
© Copyright 2019,
ESM, Inc. 2016年3月 9
10.
© Copyright 2019,
ESM, Inc. 2017年4月 10
11.
© Copyright 2019,
ESM, Inc. 2018年7月 11 ウォーターフォール文化の部署と統合し会社一の大所帯に
12.
© Copyright 2019,
ESM, Inc. 2018年10月 12 アジャイルスタジオ福井開設。アジャイル開発を専門とする部隊を福井に
13.
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ESM, Inc. 2019年5月 13 飛躍的にアジャイル開発が増え、組織文化も変わってきた
14.
© Copyright 2019,
ESM, Inc. 私なりの、カイゼン・ジャーニー 14
15.
© Copyright 2019,
ESM, Inc. 本日お伝えしたいこと ● 私は10年間何をしてきたのか ● アジャイルの普及に伴うチーム・リーダー像の変化 ● アジャイルな組織変革の具体例 15
16.
© Copyright 2019,
ESM, Inc. アジャイル時代のチーム 16
17.
© Copyright 2019,
ESM, Inc. レガシーなチーム 17
18.
© Copyright 2019,
ESM, Inc. 2009年に私が理想としていたチーム 18
19.
© Copyright 2019,
ESM, Inc. 2019年アジャイル時代に求められるチーム 19
20.
© Copyright 2019,
ESM, Inc. チームの形それぞれ 20 「アベンジャーズ型」が、アジャイル時代のチームとリーダーシップ 桃太郎 ● 主人的リーダー ● 報酬に基づく主従関係 ● ヒーローは桃太郎 ● 敵は鬼 ● 舞台は岡山 特攻野郎Aチーム ● 兄貴的リーダー ● 同じ目的を持つ仲間 ● ヒーローはAチーム ● 敵は人間 ● 舞台はアメリカ アベンジャーズ ● マルチリーダー ● 同じ価値観を持つ連合 ● それぞれがヒーロー ● 敵は人間も宇宙人も ● 舞台は宇宙全域
21.
© Copyright 2019,
ESM, Inc. なぜ「アベンジャーズ型」か? 特攻野郎の限界 21
22.
© Copyright 2019,
ESM, Inc. アジャイル普及の本格化 22
23.
© Copyright 2019,
ESM, Inc. アジャイル普及の本格化 23
24.
© Copyright 2019,
ESM, Inc. 新しい組織の形とアジャイル 24
25.
© Copyright 2019,
ESM, Inc. かつての特攻野郎の価値観 25
26.
© Copyright 2019,
ESM, Inc. 「受託開発リーダー」のメンタルモデル 26 考え方・行動 基本的価値観 問題・課題解決で「目の前のお客様をハッピーに」 運営スタイル プロジェクト志向(目的達成志向) ステークホルダ対応 一点集中、「太陽とひまわり」 コミュニケーション フェイス2フェイス重視、階層的 営業拡大 「点から面」 KPI 要員稼働率、一人当たり付加価値 リーダーシップ 兄貴(コマンド&コントロール的) コミュニティ 社内から外に広がる 育成 社内で純粋培養 私の長年の受託現場リーダー経験が意識・無意識的に作り上げたもの
27.
© Copyright 2019,
ESM, Inc. 「現場リーダーの技術」が使えたケース ● 日本のアジャイル過渡期(=ウォーターフォール開発現場 におけるカウンター)においては機能していた ○ プロジェクトファシリテーション ● 受託開発(請負)では機能していた ○ お客様は発注者 ○ 開発者としての責任の所在が明確 ○ 業務システム中心でビジネスバリューと密接でない ○ 今よりもっと、SIer(受託会社) にエンジニアが集中して いた 27
28.
© Copyright 2019,
ESM, Inc. 「現場リーダーの技術」では難しい場面が増えてきた ● 日本のアジャイルもビジネス中心になってきた ○ +リーンスタートアップ+システム思考 ○ DevOps ● ビジネスに直結する開発 ○ 「お客様」は発注者だけ? ○ 内製による開発で企画や運用とも密接(DevOps) ○ サービス中心でビジネスバリューと密接 ○ エンジニアが事業会社に移動し始めている 28
29.
© Copyright 2019,
ESM, Inc. 2013年8月以降の私は 29 Google (G Suite) の代理店ビジネスを Google Apps Script の開発サービスに拡張
30.
© Copyright 2019,
ESM, Inc. 2017年8月 30 自社サービスを立ち上げ。受託でない開発を POとして経験
31.
© Copyright 2019,
ESM, Inc. その他、この6年間で新たに経験できたこと ● 新サービスのマーケティング ● 新サービスの営業活動 ● 自社顧客に対する保守・サポート ● プラットフォーマー(Google)との関わり ● Google Apps Script コミュニティとの関わり ● アジャイル(Scrum)を社外の人に教える立場 ● 部署CTO 31
32.
© Copyright 2019,
ESM, Inc. アップデートされつつあるメンタルモデル 32 「受託」 「共創」 基本的価値観 問題・課題解決で「目の前のお客様をハッピーに」 問題・課題を発見し「まだ見ぬお客様もハッピーに」 運営スタイル プロジェクト志向(目的達成志向) コミュニティ志向(持続志向) ステークホルダ対応 一点集中、「太陽とひまわり」 同時並行、「Win-Win or No-deal」 コミュニケーション フェイス2フェイス重視、階層的 オンライン活用、フラット 営業拡大 「点から面」 「点から線」 KPI 要員稼働率、一人当たり付加価値 活動あたりのROI リーダーシップ 兄貴(コマンド&コントロール的) バディ(サーバント的) コミュニティ 社内から外に広がる 社内外の境界があいまいに 育成 社内で純粋培養 社外の知見も活用 新しいメンタルモデルのもとに組織変革にチャレンジ中
33.
© Copyright 2019,
ESM, Inc. アジャイルな組織変革: やったこと、やっていること 33
34.
© Copyright 2019,
ESM, Inc. 簡単ではない課題 ● ヒーローはどうやって育てるのか? ○ 育成の仕組みづくり ○ 継続的なサポート ● 異文化との融合をどうするか? ○ ウォーターフォールからアジャイルへ ○ 技術トランスファ(業務SEからWebエンジニアへ) ● 食っていけるのか? ○ マーケティングと営業 ○ 契約と管理会計 34
35.
© Copyright 2019,
ESM, Inc. ヒーローはどうやって育てるのか: 育成の仕組みづくり 35
36.
© Copyright 2019,
ESM, Inc. 入社3年目までが主役となる育成の仕組み 36 3年かけて仕組みを整備。 2年目・3年目の意識付けがポイント 一 年 一 年 二 年 二 年 三 年 三 年 四 年 入社前からサポートを始 める(座談会・本の紹介な ど) 2年目から3年目チームで 企画・運営する 指導 相談役。大きな計画を作っ たり、管理者とつないだり 管 理 伝 説 伝 説 伝 説 経歴20年クラスのベテランエンジニア(ボランティア)。主 にオンラインで様々なアドバイスを行う。ふりかえりにも参 加してくれる 全体的なサポートとケア ホウ レン ソウ コメント 主に、2年目が直接的な指導を行い、 3年目はソースコー ドのレビュアーとなる (※ 朝会と、ふりかえり以外は「相談があれば話を聞く」 形)
37.
© Copyright 2019,
ESM, Inc. 当事者からのコメント 37 入社2年目 ● 躓くポイントがとてもよくわかる(共感しやすい)。 ● 1年目を教えることで、自分も学ぶことができる。 ● 「来年は自分がこのような立場になるんだ」ということが、 1年目の 段階からよくわかると思う。 ● 「来年(3年目になったら)コードレビューできるようにならならない と」という、目標が持てる。 ● 教える側と教わる側の年代が近いので、 1年目も相談しやすいの ではないか。(+いざとなったら、レジェンドに聞けばよいという安 心感) ● 実際に現場で役立ったのは、「自由課題」(※ 新人だけでチーム 組み、小さなアプリを作ってみる。そこで利用する技術は、実際の プロジェクトで良く利用されているものを、段階的に導入する)
38.
© Copyright 2019,
ESM, Inc. ヒーローはどうやって育てるのか: 継続的なサポート 38
39.
© Copyright 2019,
ESM, Inc. 拠り所はスクラム 39
40.
© Copyright 2019,
ESM, Inc. 「事業部運営チーム」の改善 ● 徐々にコミュニケーション階層をシンプルに ○ 事業セグメントから、アカウント単位での管理と権限委譲 ● メンバーのプロジェクトアサイン ○ 本人のやりたいこととのマッチングを強く意識 ○ 育成の観点を重視 ● 運営会議体を「Scrum@Scale」化 ○ 毎週定期的に実施 ○ それぞれのアカウントで解決できない問題を持ち寄る ○ 全メンバーの状態や育成状況はここで共有し必要な手を打つ ■ 例:1On1 の開始 40
41.
© Copyright 2019,
ESM, Inc. 異文化との融合をどうするか: ウォーターフォールからアジャイルへ 41
42.
© Copyright 2019,
ESM, Inc. オリジナルメンバー チームのトランスフォーム 42 チームリーダ メンバ メンバ メンバ 追加メンバー スクラムマスター リードプログラマー ・仕様を決める ・開発もする アジャイル経験者 アジャイル経験者 スピーディーにアジャイル化する場合、アジャイル経験者を複数名ジョインさせる ・仕様は決めても売らう ・開発専任
43.
© Copyright 2019,
ESM, Inc. フラット化したチームを定着させる 43 チーム内PO 開発メンバ スクラムマスター リード プログラマー 開発メンバ 開発メンバ ・仕様ホルダー ・開発はしない ・開発メンバの立場で スクラムをチームに浸 透させる それでも、定着するには数十スプリントが必要だった
44.
© Copyright 2019,
ESM, Inc. ウォーター・スクラム・フォール 44 時間をかけて徐々にアジャイルシフトしたほうが良い場合もある
45.
© Copyright 2019,
ESM, Inc. 当事者からのコメント 45 入社3年目(当時) ● スクラムが始まってから、主体的に動けるようになった ○ 自分のやるべきタスクが、今までより、よく見える ○ アサインじゃなくて、サインアップが効果的な気がする ○ 今までは、人のタスクは、どこか他人事であった ○ チームメンバーとしての活動ができている ● テスト駆動開発を本格的に取り組み始めた ○ 満たすべき要件(仕様)がはっきりわかるので、捗る ● 時間の使い方を意識するようになった ○ 今までは、「1機能三日」など、アバウトだったし、自分で見 積もったわけではなかった ○ 今は、自分で見積ることができるし、タスクの粒度が細かく なったので、見積もりやすい
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ESM, Inc. 異文化との融合をどうするか: 業務SEからWebエンジニアへ 46
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ESM, Inc. よくある話? 47 どうやって彼をWebエンジニアにシフトさせていくか? ● 入社11年目(34歳) ● 客先常駐での設計業務を 10年(金融系) ● ウォーターフォールの一部(要件調整・設計)をずっと担当 ○ 何千人月の世界 ● プログラミング経験は実質なし(新人教育のみ) ○ SQLはかろうじてわかる
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ESM, Inc. どうしたか 48 プログラミング言語等利用技術の違いはあまり気にしなくて良い。 「自分で上から下まで作る」という行為を繰り返し経験していくことが大事 ● 模擬開発 ● 個人(with 教育担当) ● アジャイル的 ● HTML、CSS ● GAS、G Suite ● Git/GitHub ● SQL、JavaScript ● 追加機能開発 ● 個人(with メンター) ● アジャイル的 ● レガシーWeb ● GAS、G Suite ● JQuery、JavaScript ● 新規開発 ● チーム(3名) ● 本格Scrum ● モダンWeb (SPA+REST API) ● Java、GCP ● Vue.js、TypeScript 体験フェーズ(1.5か月) 実習フェーズ(2.5か月) 実戦フェーズ(3か月)
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ESM, Inc. 実戦フェーズにおけるチーム 49 実はメンバー全員が育成対象。成功のカギは Scrumによるチーム全体の継続改善 対 象 SM 20 年 三 年 支援 管 理 伝 説 バリバリのベテランアーキテクト(ボランティア)。 コードレビューへの参加、アーキテクチャ(ソフトウェアス タック)の決定、サンプルコードの提供など レビュー 私。原則スクラムイベン トのみ参加 ベテランだがモダン Webも Scrumも初体験 モダンWebもScurmも初体 験 技術トランスファ対象の元 業務SE。PO役も兼ねる
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ESM, Inc. 改善の軌跡 50
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ESM, Inc. 改善の軌跡(プロジェクト終了後のアンケートの一部) 51
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ESM, Inc. 改善の軌跡(プロジェクト終了後のアンケートの一部) 52
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ESM, Inc. 当事者からのコメント 53 元業務SE ● いきなりモダンWebに取り組まなくて良かった。多分混乱していた と思う。 ● チームで高めあえたのが良かった。モブプロが効果的だった。 ● 上から下まで全部担当(プログラミング、テスト)することで、変な 上限関係ができず、風通しの良いチームになった。 ● アジャイルなので、要件が変わることには正直戸惑った。 ● 1週間スプリントで都度ふりかえり改善することで、ウォーター フォール時代に比べもやもやが早く解消できてよかった。 ● 7か月前では想像できなかったぐらい成長したと思う。技術面だけ ではなく、仕事のスタイルや価値観までも変わった(変化を許容 できるようになった)。
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ESM, Inc. 「技術トランスファ」のポイント ● 実戦(プロジェクト)何度も繰り返す ○ 利用技術は完全統一できなくても良い ● 小さくても「稼げる仕事」を早めに任せる ○ 新人教育とは違う。お客様意識はNG ● これまでの経験・強みを活かす ○ 例:業務SE経験を活かしPO役をやってもらう ● 個人ではなくチームを育成する ○ Scrum、モブプロ ● 様々な立場からの継続的サポート ○ 技術メンター、スクラムマスター、ラインマネージャ 54
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ESM, Inc. 最後に 55
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ESM, Inc. アジャイル時代のエンジニア ● 「みんながヒーロー・みんながリーダー」を求められる ● 自分のメンタルモデルを見つめなおしアップデートしてみよう ● 周りを巻き込んで改善することがイノベーション 56
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ESM, Inc. 見学お待ちしております。 57 「アジャイルスタジオ福井」
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ESM, Inc. 以上 58