71.Romance of the Three Kingdoms
- 2. 第 71 集 空城退敵(孔明、非武装の城で琴を弾き、仲達を退かす)2009.10.14 更新
―「3 時間で~」第 73、74 話参照
チャプター① 街亭守備のため、軍を率いて進む馬謖と王平~
チャプター② 街亭に陣を張ろうとする馬謖と王平。陣を張る場所をめぐって対立~
チャプター③ 仲達軍が馬謖軍を包囲したと知り、急いで救援に向う王平。しかし前方には張郃
が...
チャプター④ 仲達、二人の息子と共に 15 万の大軍を率いて蜀の兵糧庫・西城に向う~
チャプター⑤ 孔明に騙されたと気づいた仲達、急ぎ西城に戻るが、城は既にもぬけの空~
~趙雲が病没したと聞き、呆然として涙にくれる孔明。
本第 71 集のあらすじは以下の通り(1→4):
1街亭守備を任された馬謖、華々しい戦功をたてようと、わざと孔明の指令とは違う場所(山上)
に陣を張り、仲達軍を迎え撃とうとする。一方、孔明の命令に忠実な副将・王平はそんな馬謖
をいさめるが、馬謖は聞く耳をもたない。
孔明の指示通りに陣を敷くよう再三勧める
王平(左)に対して、横柄な態度で自分の意見
を押し通す馬謖(右) ⇒
結局、馬謖率いる二万の兵は山上に、王平率いる五千の兵は山のふもとに陣を張る。
2一方、仲達は馬謖が山上に陣を張ったのを見て喜ぶ。そして先ず、ふもとから馬謖軍を取り囲
み、水路を断ち、蜀軍の飲食を封じ、疲弊した頃合を見計らって火攻めにする。
火攻めにされた馬謖の陣営
- 3. ふもとにいた王平は、自軍の急を知って救援に駆けつけるが、多勢に無勢、太刀打ちできない。
火で焼かれ、真っ黒な顔で仲達をののしる馬謖
3この頃、孔明は街亭の危機を知り、急いで楊儀を差し向けようとするが、間に合わず結局街亭
は陥落。全蜀軍を無事漢中に撤退させるため、孔明は各武将にそれぞれ策を授ける。そして自
分は兵糧を漢中に運び出すため、兵糧を集めた西城で文官たちと共に指揮をとる。ところが、
仲達が 15 万の大軍を率いて西城に攻め寄せてくるという。孔明はとっさに城の門を開け放た
せ、自分は城の物見やぐらの上で琴を弾き、あたかも伏兵をおいて敵を誘い込むような素振り
をする。
やぐらの
上で琴を
弾く孔明
これを見た仲達は、案の定、伏兵を恐れて軍を撤退。
- 4. 西城から
撤退する
仲達軍
孔明は無事兵糧を漢中に戻すことに成功。
4漢中にもどった孔明、今回の敗戦処理のため、先ず馬謖に斬首の刑を申し渡し、
処刑台に向か
う馬謖
後ろにいる赤
い服の二人は
首切り役人
- 5. 「泣いて馬謖を
斬る」のではなく、
馬謖が処刑され
た後に、
自分の見る目の
なさを恥じて泣
く孔明
自らも宰相職を辞任する旨を奏上。そして次の北征に向けての軍備増強にはげむ。
その頃、呉は策を用いて魏軍を討ったため、孔明は今こそ出陣の時と考える。ところが、ちょ
うどその時、孔明が右腕とも頼む古参武将・趙雲の死が知らされ、涙にくれる。
本第 71 集は、第一次北征の後半戦であり、ドラマチックな展開が起こるやま場でもある。
やま場とは、
Ⅰ馬謖が街亭を失うこと(失街亭)
、
Ⅱ孔明が琴を奏でて仲達を退かせること(空城計)、
Ⅲ孔明が馬謖に死罪を命じること(斬馬謖)、 の三つである。
中国には“失空斬”と言って、この三つをテーマした京劇の出し物があるそうだ。