70.Romance of the Three Kingdoms
- 2. 第 70 集 司馬復出(司馬懿復活し、孔明と対決)2009.10.12 更新
―「3 時間で~」第 72、73 話参照
チャプター① 王朗を失って落ち込む魏の都督・曹真。部下・郭淮が「孔明の夜襲を迎え、挟み
撃ちしましょう」と提案~
チャプター② 曹真が孔明に敗れたと知り悩む曹叡に、鐘繇が司馬懿(仲達)を復職させるよう進
言~
チャプター③ 仲達が戦列に加わったと知りショックを受ける孔明。馬謖に促され、急ぎ孟達に
注意を喚起する手紙を書く~
チャプター④ 街亭守備を志願したものの、孔明に受けてもらえず悩む馬謖~
~馬謖をはじめ各将軍にそれぞれ司令を出し、北征に乗り出す孔明。
本第 70 集のあらすじは以下の通り(1→3):
1魏軍は軍師・王朗を失い、都督・曹真が葬儀を営もうとしていると、部下の郭淮が「孔明は我
が軍の葬儀に乗じて夜襲をかけてくるでしょう。その裏をかいて伏兵を潜ませ、同時に手薄に
なった蜀陣を襲撃しましょう」と提案。ところが、孔明はその郭淮の策の更に裏をかき、自陣
が手薄になったように見せかけ、伏兵を潜ませると同時に、魏軍同士で同士討ちさせるように
仕向けた。こうしてまた魏軍は大敗を喫する。
2曹真の相次ぐ敗戦に頭を痛める魏主・曹叡に鐘繇は仲達の復職と出陣を進言。窮地に立たされ
た曹叡は、今度は喜んで仲達を迎える。
その頃、以前蜀から魏に寝返った新城太守・孟達は、孔明の北征の話を聞き、再び蜀に寝返ろ
うと考えた。そして金城・上庸太守の申儀・申耽も仲間に引き入れ、孔明が長安を攻撃してい
る間に都・洛陽を落とすという案を書面に書き、孔明に送る。その書面を見た孔明、大いに喜
ぶが、その直後に仲達の復権を知り激しく動揺。仲達に孟達の謀反をさとられる事を懸念し、
何度も孟達に注意を促す。が、孟達は仲達の恐ろしさを知らず、孔明の忠告を無視、すっかり
油断しきっていた。
「仲達に用心する様に」という自
分の忠告を無視する孟達に対して
苛立ちをつのらせる孔明
- 3. その結果、孟達は申儀・申耽から裏切られ、仲達軍に包囲され、殺されてしまう。
←孟達の最期
3孟達と連動する戦略がフイになった孔明、単独で長安を攻略する策を練る。が、長安攻略の間
に自らの兵糧輸送路を攻撃される事を懸念し、輸送路の拠点・街亭を死守する武将を募る。と
ころが、名乗り出たのは実戦経験のない策士・馬謖であった。仲達の恐ろしさを知り抜いてい
る孔明は、経験に乏しい馬謖に不安を感じる。が、功名心にはやる馬謖は、兵法に精通してい
ることを理由に「どうしても行かせてくれ」と食い下がる。
涙を流しながら街亭守備を願い出る馬謖
その熱意に折れた孔明は結局、馬謖に副将・王平をつけて街亭守備へと赴かせる。
本第 70 集では、第一次北征のやま場・街亭の戦いの前半部分が描かれている。次集では、こう
して選ばれた馬謖が、結局孔明の命令に背いて失策、お陰で第一次北征は大失敗に終わる。
孔明はこんな大事な街亭守備をどうして馬謖などに任かせたのだろう? 最初から自分の後継
者と目する姜維を指名すればよかったのではないか? 私は常々不思議に思っていた。
ところが、今回、本第 70 集の映像をじっくり見ていて気がついた。それは、武将たちの格付け
である。孔明に一番近い場所(つまり一番高い地位)には、馬謖と趙雲が、その次には魏延、そし
てさらにその向こう(つまり 3 列目)に姜維がいた。
- 4. 左手前から馬謖、王平
そして三番手が姜維(髭が
ない人)
(孔明から向かって左列に
居並ぶ武将たち)
右手前から趙雲、魏延
(孔明から見て右列に居並
ぶ武将たち)
そう、姜維にしてみれば、次期後継者と言っても新参者の分際、一足飛びに志願しにくかったの
だろう。また孔明にしても、古参の武将たちを差し置いて姜維を指名するのは気が引けたのかも
しれない。
しかし、その結果が、初戦からの敗退である。これは「戦国時代には、徹底した実力主義をとら
ないと負ける」という教訓なのかもしれない。