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聖地巡礼での街おこし
- 6. コンテンツツーリズム分類の概念図
どんなコンテンツ?
映画 漫画 アニメ ・・・
どんな
ゆかり?
原作者・制作
会社
広義の
アニメ
ツーリズム
作品の舞台
イベント
▶ 講義ではアニメツーリズムによる観光まちづくりを議論
▶ アニメツーリズムでの例
原作者・制作会社型:境港(水木しげるロード),宝塚(手塚治虫
記念館)
作品の舞台:湯涌温泉(花咲くいろは),竹原(たまゆら)
イベント:徳島(マチ★アソビ),洞爺湖(TOYAKOアニメフェスタ)
- 25. 「マチ☆アソビ」とは?
▶ アニメ系コンテンツの複合イベント
目的:“マチをアソビ尽くす”
開催場所:徳島県徳島市「徳島駅」周辺
駅周辺の施設、商店街等を活用
アニメ・漫画などの様々なイベントが開催
開催頻度:年1~3回
初回:2009年~(2014年5月時点で12回開催)
ufotableによる企画・開催
ufotable:徳島県に拠点を置くアニメーション制作会社
徳島駅周辺に「ufotable cafe」、「ufotable CINEMA」が存在
代表取締役:近藤光(徳島県出身)
「昔のようにマチに人々が溢れる賑わいを取り戻したい」
2012年5月に「NPO法人マチ☆アソビ」を設立
- 33. 「マチ☆アソビ」の現状
▶ 〇観光、✕街興し(or地域活性化)
物販がメイン⇒地域側が潤わず
地域側:アニメファンとの交流✕
ただ場所を借りているだけ・・・?
ファンのためのイベントとしては◎
声優を招いてのトークショー、業界人の暴露トークショーetc…
▶ ✕地域側との連携
✕イベントに関する情報の共有
「何のイベントだかさっぱりわからん…」
▶ 宿泊施設、スタッフなどの不足
徳島県:平成24年度宿泊施設数全国最下位(34軒、2567室)
各所のゴミ箱が溢れかえる様も…
- 34. まとめ:地方でありがちな失敗
▶ 保守的な地元
自分たち:変わる気が全くない
何か新しいことを学ぶ意欲も無い
▶ 「白馬の王子」シンドローム:外から幸運が来て欲しい
成功して戻ってきた名士に頼る
東京から来たコンサルタントに頼る
ばらまかれた補助金に頼る
うまく補助金をゲット→補助金にある間だけは食える
▶ マチ☆アソビ:ダメな方の典型例
個人的には,こんな地方は滅びて当然と思います・・・
- 40. 調査結果:性別・年齢層
▶ 秩父市:女性割合高
他地域:10%以下
▶ 大洗町:年齢層高
秩父市:低
巡礼者の属性:
アニメの内容に依存
56
160
193
72
4
11
16
30
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
大洗町
金沢市
竹原市
秩父市
性別比較
男性 女性
2
10
17
14
16
91
86
68
26
80
46
15
14
25
17
4
1
3
1
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
大洗町
金沢市
竹原市
秩父市
来訪者年齢層比較
10代 20代 30代 40代 50代
- 41. 調査結果:情報の発信
▶ 大洗町:発信型巡礼者の割合 ⇒ 多
▶ 秩父市:追随型巡礼者の割合 ⇒ 多
地域によって情報発信者の割合に違い
34
58
63
13
9
32
39
12
8
24
52
26
9
55
55
34
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
大洗町
金沢市
竹原市
秩父市
SNS・ブログ等への掲載
既にしながら回っている する予定だ まだわからない しない
- 42. 調査結果:再来訪意志
▶ 「来たくない」:どの地域でも回答数0
▶ 大洗町:8割が「観光目的」
観光資源:大洗町 ≪ 秩父市 < 金沢市(湯涌温泉) < 竹原市
48
95
119
43
6
31
37
31
5
41
53
17
0
4
0
9
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
大洗町
金沢市
竹原市
秩父市
再来訪意志
観光目的でまた来たい 聖地巡礼でまた来たい
イベントが開催されればまた来たい どうも思わない
来たくない
- 51. 「まちあそび型」聖地のリスク
▶ 既存の観光客離れ
既存観光客が離れてしまう可能性が存在
「まちあそび型」聖地:街全体を「アニメ一色」にする必要アリ
「萌え」に耐性のない一般観光客からの理解が得られないケースも?
聖地巡礼者も離れてしまった際には,むしろマイナス…?
一度「まちあそび型」聖地にまで発展させると
永続的に聖地巡礼者を根付かせる努力が求められる?
喧嘩・縄張り意識などの問題にも注意を払う必要アリ
地域のイメージダウンに繋がる?
一概に「『まちあそび型』聖地が成功モデルである」とは言えない?
地域側:各タイプの聖地のメリット・デメリットを踏まえて街興
しに取り組む必要がある
- 59. 定番の地位になった例:鷲宮
6.5
9
13
30
42
45 47 47 47
0
5
10
15
20
25
30
35
40
45
50
2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
鷲宮神社・正月3ヶ日参拝者数推移
「らき★すた」ブームが去った後も、初詣として定番化
34万人増加
(万人)
(年)
出典:毎日新聞デジタル,鷲宮神社:「らき☆すた」聖地の初詣客数47万人「らき☆すた」放送開始
Editor's Notes
- 当時の鷲宮町の取り組み:
イベントの開催
様々なオリジナルグッズの販売
商店街のスタンプラリー ⇒ 商店街を歩いてもらい,知ってもらう
このような取り組みを,巡礼者の人々と交流を取りながら,一緒になってやっていった
- 調査風景
- 各地域別の性別の比較:他地域では10%以下であったのに対して,秩父市では約3割の人が女性
各地域の来訪者の年齢層比較:大洗町では年齢層が高い人が多く来訪していたのに対して,秩父市は20代以下の人が大多数を占めていた
⇒巡礼者の属性:アニメの内容に依存しているという結果が見て取れる
大洗町が舞台の「ガールズ&パンツァー」:ミリタリー要素を含む⇒年齢層の高い人の心を掴んだ
秩父市が舞台の「あの花」:恋愛要素とシリアスな内容⇒20代以下の人の心を掴んだ
- 特徴的:大洗町:8割が「観光目的」
⇒観光資源が最も少ないにもかかわらず,このような結果に
- 竹原市,金沢市は2割未満であったのに対して,大洗町では6回以上来訪している人は6割以上を占めている
- 大洗町の商工会の方に簡易的なヒアリングを行ったところ,「町興し」という概念ではなく「マチアソビ」という概念で「意図的に」巡礼者との交流をとった結果,こうなった…とおっしゃっていた
- 縦軸:地域側のアニメ聖地巡礼に対する理解性
横軸:地域側の街興しに対する積極性
アニメ聖地巡礼で話題となり,聖地化の認知がなされてから,主に2つのベクトルが存在していると考えられる
⇒「成長ベクトル」,「衰退ベクトル」
鷲宮模倣型から地域独走型へと向かうケースも
深夜アニメ:約12話⇒「賞味期限」あり⇒限られた期間内にどこまで成長?
- 大洗町の商工会の方に簡易的なヒアリングを行ったところ,「町興し」という概念ではなく「マチアソビ」という概念で「意図的に」巡礼者との交流をとった結果,こうなった…とおっしゃっていた
- 特徴的:大洗町:8割が「観光目的」
⇒観光資源が最も少ないにもかかわらず,このような結果に
- 竹原市,金沢市は2割未満であったのに対して,大洗町では6回以上来訪している人は6割以上を占めている