SlideShare a Scribd company logo
1 of 29
Smile Glasses:
笑顔形成を促進するARメガ
ネ
村田 百葉
静岡大学 情報学部 行動情報学科
学籍番号 70612065
bi16065@s.inf.shizuoka.ac.jp
卒業研究審査会
2020年2月14日
1
2
問.
あなたは普段、
ストレスを感じていますか?
現在はストレス社会である!
3
(参考)厚生労働省「労働安全衛生調査(実態調査)」(2019)
リンナイ株式会社「ストレスに関する意識調査」(2018)
約7割
日常的にストレスを
感じている人
仕事にストレスを
感じている人
2人に1人
現在はストレス社会である!
4
(参考)厚生労働省「労働安全衛生調査(実態調査)」(2019)
リンナイ株式会社「ストレスに関する意識調査」(2018)
約7割
日常的にストレスを
感じている人
仕事にストレスを
感じている人
2人に1人
そんなストレス社会で闘うあなたへ
現在はストレス社会である!
5
(参考)厚生労働省「労働安全衛生調査(実態調査)」(2019)
リンナイ株式会社「ストレスに関する意識調査」(2018)
約7割
日常的にストレスを
感じている人
仕事にストレスを
感じている人
2人に1人
そんなストレス社会で闘うあなたへ
6
SmileGlasses
-装着すると、周囲の人の表情が笑顔に見えるメガネ-
7
SmileGlasses
-装着すると、周囲の人の表情が笑顔に見えるメガネ-
デモンストレーション!
bi16065@s.inf.shizuoka.ac.jp
なぜ笑顔に着目したのか
8
笑顔をつくることはストレスを軽減させる!
笑顔をつくる
ストレス軽減
ポジティブ感情の喚起
先行研究①|ハピネスカウンター
ハピネスカウンター
:笑顔にならないと開かない冷蔵庫
9
開くよ開かないよ
(参考)Smiling makes us happier: enhancing positive mood and communication
with smile-encouraging digital appliances. Hitomi Tsujita and Jun Rekimoto. 2011.
先行研究①|ハピネスカウンター
ハピネスカウンター
:笑顔にならないと開かない冷蔵庫
10
開くよ開かないよ
(参考)Smiling makes us happier: enhancing positive mood and communication
with smile-encouraging digital appliances. Hitomi Tsujita and Jun Rekimoto. 2011.
特定の場所でしか使えないこと
気分が落ち込んでいるときに、
強制的に笑顔をつくることは
かえって、悪影響があるかもしれないこと
著者が指摘する課題
Smile Spot
先行研究②|SmileSpot
SmileSpot
:笑顔の画像が表示されるアプリ
11
(参考)佐々木航,西山勇毅,大越匡,米澤拓郎,中澤仁,高汐一紀,徳田英幸. Smilespot:他人の笑顔画像の共
有によるユーザの笑顔形成への影響評価.情報処理学会研究報告.UBI,[ユビキタスコンピューティングシ
ステム], Vol. 2015, No. 9, pp. 1{7, may2015.
人の笑顔を見ると
自分も笑顔になる
Smile Spot
先行研究②|SmileSpot
SmileSpot
:笑顔の画像が表示されるアプリ
12
(参考)佐々木航,西山勇毅,大越匡,米澤拓郎,中澤仁,高汐一紀,徳田英幸. Smilespot:他人の笑顔画像の共
有によるユーザの笑顔形成への影響評価.情報処理学会研究報告.UBI,[ユビキタスコンピューティングシ
ステム], Vol. 2015, No. 9, pp. 1{7, may2015.
継続するのが難しいこと
著者が指摘する課題
先行研究の課題を踏まえて
13
日常の中でできるだけ自然に
笑顔を促進するにはどうすればよいか?
特定の場所 笑顔の強要
RQ.
継続性
より日常的に! より自然に!
○ ○
× × ×
仮説
日常的にかけることができるメガネを使って
笑顔に画像補正された人の顔をみる
14
ユーザの笑顔が促進される
ポジティブ感情が促進される
15
SmileGlasses
-装着すると、周囲の人の表情が笑顔に見えるメガネ-
SmileGlassesの概要
16
iPod touchを2台使い、
ステレオスコープ表示を再現
笑顔補正エフェクトのアプリケーション
笑顔補正エフェクトの作成
17
人物の顔面の口角をあげる補正
リアルタイムで変換が可能
実装には「SparkAR」を用いた
補正前 補正後
3つの評価実験
1. 画像に笑顔エフェクトを適応したとき
2. SmileGlasseの有用性
3. 笑顔補正エフェクトを使ったユーザ実験
18
評価方法1|画像に笑顔エフェクトを適応したとき
19
問. この写真の人物は笑顔に見えますか?
嬉しい顔
4枚
怒った顔
4枚
驚いた顔
4枚
真顔
4枚
悲しい顔
4枚
13人が合計40枚の画像を評価
笑顔エフェクト適用
計20枚
答. 「5:見える」~「1:見えない」の5段階
評価結果
20
p>0.05 p<0.01
p<0.01 p<0.01
p<0.01
嬉しい顔 怒った顔 悲しい顔 驚いた顔 真顔
ど
の
く
ら
い
笑
顔
に
見
え
る
か 笑顔補正
なし
あり
笑顔エフェクトの効果は証明された
評価方法2|SmileGlassesの有用性
21
①簡単な説明
②装着
③補足質問
「笑顔に見えるメガネ」「人の顔を見てほしい」
素直な感想をもらう うわ!!
「どんなシーンで使いたいですか?」
結果
良かった意見
発表するときに使いたい
真面目な会議のときに使えば緊張が和らぎそう
自分の気分が落ち込んでいるときに、使いたい
22
悪かった意見
重い、痛い、酔う
相手の感情がつかめなくなりそう
毎日は使うと視力が悪くなりそう
重いなどの技術的課題がある
緊張する場面や気分が乗らないときに使いたい
評価方法3|笑顔エフェクトを使ったユーザ実験
笑顔補正エフェクト使用時の効果を測る
23
エフェクトなし群
10人
エフェクトあり群
10人
①事前アンケート
②ビデオ通話 ※質問、相手は固定
③事後アンケート
笑顔に見えるのか、ポジティブ度は上がるのか
アンケート内容
24
PANAS(ポジティブ度を測る指標)の質問項目
事前アンケート
事後アンケート
PANASの質問項目
会話は楽しめましたか?
相手は楽しんでいるように見えましたか?
相手の表情は笑顔でしたか?
相手の表情は自然に見えましたか?
問.
答.「5:そう思う」~「1:そう思わない」の5段階
結果|笑顔に見えるのか
エフェクトなしの場合とありの場合に
統計的有意差はみられなかった
25
項目 エフェクトなし エフェクトあり P値
相手は笑顔に見えたか 2.2 (1.23) 2.2 (1.14) 1
※括弧内は標準偏差を表す。
女性 男性
ポ
ジ
テ
ィ
ブ
度
の
変
化
量
なし
あり
笑顔補正
結果|ポジティブ度は上がるのか
26
男女間で差がみられる
エフェクトありのほうが値が大きい
ユーザ実験の考察
笑顔補正エフェクトについて
あまり笑顔にみえなかった
もっと大げさな笑顔にする必要がある
口角を上げるだけでなく、目じりを下げる
27
実験の改善
性別や会話が得意かどうかによる影響の考慮
他の状況でも試すべき
笑顔補正に効果がある可能性は示せた
エフェクトの改善と実験の再設計が必要!
まとめ
装着した人の笑顔形成を促進させる効果があるメガネ
SmileGlassesを提案。
今後は技術的課題を解決していく予定。
28
happy~♪
ありがとうございま
した。
29

More Related Content

More from ymmt3-lab

研究室勉強会資料「データ分析チュートリアル」
研究室勉強会資料「データ分析チュートリアル」研究室勉強会資料「データ分析チュートリアル」
研究室勉強会資料「データ分析チュートリアル」ymmt3-lab
 
Journalclub sato 20191218
Journalclub sato 20191218Journalclub sato 20191218
Journalclub sato 20191218ymmt3-lab
 
Journal club 20191211_murata
Journal club 20191211_murataJournal club 20191211_murata
Journal club 20191211_murataymmt3-lab
 
Journal_club_1120
Journal_club_1120Journal_club_1120
Journal_club_1120ymmt3-lab
 
ジャーナルクラブ_20191120
ジャーナルクラブ_20191120ジャーナルクラブ_20191120
ジャーナルクラブ_20191120ymmt3-lab
 
Journalclub sato 20191031
Journalclub sato 20191031Journalclub sato 20191031
Journalclub sato 20191031ymmt3-lab
 
静岡大学 山本研究室 勉強会資料 機械学習
静岡大学 山本研究室 勉強会資料 機械学習静岡大学 山本研究室 勉強会資料 機械学習
静岡大学 山本研究室 勉強会資料 機械学習ymmt3-lab
 
Journal club 20191030 ito
Journal club 20191030 itoJournal club 20191030 ito
Journal club 20191030 itoymmt3-lab
 
Journalclub 20191023 nagano
Journalclub 20191023 naganoJournalclub 20191023 nagano
Journalclub 20191023 naganoymmt3-lab
 
Journal club 20191023_murata
Journal club 20191023_murataJournal club 20191023_murata
Journal club 20191023_murataymmt3-lab
 
DEIM2019発表資料(藤堂晶輝)
DEIM2019発表資料(藤堂晶輝)DEIM2019発表資料(藤堂晶輝)
DEIM2019発表資料(藤堂晶輝)ymmt3-lab
 
DEIM2019_horiuchi
DEIM2019_horiuchiDEIM2019_horiuchi
DEIM2019_horiuchiymmt3-lab
 
DEIM2019 発表資料 「飲食店レビュー情報の集合知分析と意思決定支援」
DEIM2019 発表資料 「飲食店レビュー情報の集合知分析と意思決定支援」DEIM2019 発表資料 「飲食店レビュー情報の集合知分析と意思決定支援」
DEIM2019 発表資料 「飲食店レビュー情報の集合知分析と意思決定支援」ymmt3-lab
 
DEIM2019 発表資料 「笑えるウェブ情報検索のためのクエリ推薦」
DEIM2019 発表資料 「笑えるウェブ情報検索のためのクエリ推薦」DEIM2019 発表資料 「笑えるウェブ情報検索のためのクエリ推薦」
DEIM2019 発表資料 「笑えるウェブ情報検索のためのクエリ推薦」ymmt3-lab
 
DEIM2019 発表資料 「脚本の内容と構成要素に基づく映画印象推定」
DEIM2019 発表資料 「脚本の内容と構成要素に基づく映画印象推定」DEIM2019 発表資料 「脚本の内容と構成要素に基づく映画印象推定」
DEIM2019 発表資料 「脚本の内容と構成要素に基づく映画印象推定」ymmt3-lab
 
DEIM2019 発表資料 「文章表現の曖昧さ指摘による情報精査の態度・行動促進」
DEIM2019 発表資料 「文章表現の曖昧さ指摘による情報精査の態度・行動促進」DEIM2019 発表資料 「文章表現の曖昧さ指摘による情報精査の態度・行動促進」
DEIM2019 発表資料 「文章表現の曖昧さ指摘による情報精査の態度・行動促進」ymmt3-lab
 
Bookreading7
Bookreading7Bookreading7
Bookreading7ymmt3-lab
 
誰のためのデザイン?3章
誰のためのデザイン?3章誰のためのデザイン?3章
誰のためのデザイン?3章ymmt3-lab
 
誰のためのデザイン?2章
誰のためのデザイン?2章誰のためのデザイン?2章
誰のためのデザイン?2章ymmt3-lab
 
誰のためのデザイン? 第5章
誰のためのデザイン? 第5章誰のためのデザイン? 第5章
誰のためのデザイン? 第5章ymmt3-lab
 

More from ymmt3-lab (20)

研究室勉強会資料「データ分析チュートリアル」
研究室勉強会資料「データ分析チュートリアル」研究室勉強会資料「データ分析チュートリアル」
研究室勉強会資料「データ分析チュートリアル」
 
Journalclub sato 20191218
Journalclub sato 20191218Journalclub sato 20191218
Journalclub sato 20191218
 
Journal club 20191211_murata
Journal club 20191211_murataJournal club 20191211_murata
Journal club 20191211_murata
 
Journal_club_1120
Journal_club_1120Journal_club_1120
Journal_club_1120
 
ジャーナルクラブ_20191120
ジャーナルクラブ_20191120ジャーナルクラブ_20191120
ジャーナルクラブ_20191120
 
Journalclub sato 20191031
Journalclub sato 20191031Journalclub sato 20191031
Journalclub sato 20191031
 
静岡大学 山本研究室 勉強会資料 機械学習
静岡大学 山本研究室 勉強会資料 機械学習静岡大学 山本研究室 勉強会資料 機械学習
静岡大学 山本研究室 勉強会資料 機械学習
 
Journal club 20191030 ito
Journal club 20191030 itoJournal club 20191030 ito
Journal club 20191030 ito
 
Journalclub 20191023 nagano
Journalclub 20191023 naganoJournalclub 20191023 nagano
Journalclub 20191023 nagano
 
Journal club 20191023_murata
Journal club 20191023_murataJournal club 20191023_murata
Journal club 20191023_murata
 
DEIM2019発表資料(藤堂晶輝)
DEIM2019発表資料(藤堂晶輝)DEIM2019発表資料(藤堂晶輝)
DEIM2019発表資料(藤堂晶輝)
 
DEIM2019_horiuchi
DEIM2019_horiuchiDEIM2019_horiuchi
DEIM2019_horiuchi
 
DEIM2019 発表資料 「飲食店レビュー情報の集合知分析と意思決定支援」
DEIM2019 発表資料 「飲食店レビュー情報の集合知分析と意思決定支援」DEIM2019 発表資料 「飲食店レビュー情報の集合知分析と意思決定支援」
DEIM2019 発表資料 「飲食店レビュー情報の集合知分析と意思決定支援」
 
DEIM2019 発表資料 「笑えるウェブ情報検索のためのクエリ推薦」
DEIM2019 発表資料 「笑えるウェブ情報検索のためのクエリ推薦」DEIM2019 発表資料 「笑えるウェブ情報検索のためのクエリ推薦」
DEIM2019 発表資料 「笑えるウェブ情報検索のためのクエリ推薦」
 
DEIM2019 発表資料 「脚本の内容と構成要素に基づく映画印象推定」
DEIM2019 発表資料 「脚本の内容と構成要素に基づく映画印象推定」DEIM2019 発表資料 「脚本の内容と構成要素に基づく映画印象推定」
DEIM2019 発表資料 「脚本の内容と構成要素に基づく映画印象推定」
 
DEIM2019 発表資料 「文章表現の曖昧さ指摘による情報精査の態度・行動促進」
DEIM2019 発表資料 「文章表現の曖昧さ指摘による情報精査の態度・行動促進」DEIM2019 発表資料 「文章表現の曖昧さ指摘による情報精査の態度・行動促進」
DEIM2019 発表資料 「文章表現の曖昧さ指摘による情報精査の態度・行動促進」
 
Bookreading7
Bookreading7Bookreading7
Bookreading7
 
誰のためのデザイン?3章
誰のためのデザイン?3章誰のためのデザイン?3章
誰のためのデザイン?3章
 
誰のためのデザイン?2章
誰のためのデザイン?2章誰のためのデザイン?2章
誰のためのデザイン?2章
 
誰のためのデザイン? 第5章
誰のためのデザイン? 第5章誰のためのデザイン? 第5章
誰のためのデザイン? 第5章
 

Soro2019 murata

Editor's Notes

  1. こんにちは! 情報学部行動情報学科4年の村田百葉です。 よろしくお願いします!
  2. はじめに、 「あなたは普段ストレスを感じていますか?」どうでしょうか? この時期テストやレポートが山積みになって、ストレスで押しつぶされそう 私は卒論の締め切りに追われていました。
  3. 現在はストレス社会だといわれています。 実際に、仕事にストレスを感じている人は2人に1人存在し、 日常的にストレスを感じている人は約7割いるという 調査結果が報告させています。
  4. 本研究では「」を提案します!
  5. 人によって
  6. 左から嬉しい顔分けてつくりました 青が ここからわかるように 笑顔に見えやすいちうことがわかります
  7. 箇条書き
  8. 笑顔エフェクト使用時の効果を測るためのユーザ実験を実施しました。 目的は笑顔に見えるのか、ポジティブ度はあがるのか ビデオ通話で質疑応答をしました これはエフェクトあり、なしの2グループに分けて行い、その後事後アンケートを行いました
  9. この結果を囲む 余白が余っている
  10. 答えを強調