2016/2/20	
NPO法人CRファクトリー主催 コミュニティフォーラム2016 分科会B	
  
Copyright	
  2004-­‐2016	
  COMMON	
  BEAT.	
  All	
  rights	
  reserved.	
  
コモンビートにおける	
  
関係性づくり	
NPO法人コモンビート 理事長 安達亮
自己紹介	
安達亮(あだちりょう)	
1981年生。東京都出身。	
  
明治大学法学部法律学科卒。	
  
	
  
大学卒業後、そのまま就職することに違和感
を抱き、2004年、地球一周の船旅「ピースボー
ト」に乗船。船内企画だったミュージカルプログ
ラムにキャストとして参加。	
  
	
  
2004年からNPO法人コモンビートの運営に参
画、2005年より事務局長に就任。ミュージカル
運営、NPO運営、ボランタリースタッフマネジメ
ントを仕事にすること12年。	
  
	
  
2014年1月より理事長に就任し「個性が響きあ
う社会」の実現に向けて活動する日々。その傍
らで非営利組織マネジメント関連の講演・セミ
ナー登壇を行うほか、2014年9月より日本ブラ
インドサッカー協会の理事も務める。	
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NPO法人コモンビート 団体概要
団体名:特定非営利活動(NPO)法人コモンビート
設立年月日:2004年3月11日 (東京都認証)
所在地:〒154-0004 東京都世田谷区太子堂1-12-35 アンビエンス世田谷201
代表者:理事長 安達亮
会員数:約800名
活動地域:関東(東京)、中部(名古屋)、関西(大阪)、九州(福岡)、東北(石巻)他
活動年数:13年目
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コモンビートは、表現活動によって、自分らしく・たくましく生きる個人を
増やし、
多様な価値観を認めあえる社会を目指すNPO法人です。
ビジョン実現のための様々な活動展開	
「表現活動」で横串を刺しながら、	
  
多様な価値観に触れていく	
スクール	
  
(学校訪問)	
イベント	
  
ワークショップ	
  
お祭り	
  
ビックバン	
  
(よさこい)	
  
アジアンビート	
  
(国際交流)	
  
ミュージカル	
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「A COMMON BEAT」ミュージカルプロジェクトとは	
上演数	
  
約100回	
観客	
  
約15万人	
キャスト	
  
約4000人	
アメリカ発のエンターテイメントショーで「異文化理解」や「平和へのメッセージ」をテーマ
とするミュージカル「A	
  COMMON	
  BEAT」を多様な参加者によってつくりあげることを通し
て、自分らしく・たくましい人を増やし、多様な個性を認めあえる社会の実現を目指すプ
ロジェクト。コモンビートの主事業で発足当初から続いています。	
学生・社会人からなる100人のキャストが100日間でミュージカルをつくりあげる。	
  
地域ごとにキャストは異なり、プログラム終了後に解散して、また集め直すのが特徴	
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ミュージカル「A COMMON BEAT」とは	
舞台で描かれる「世界」は、

様々な文化の特徴を持った四つの大陸で成り立っています。



人々はお互いに他の大陸の存在を知らずに、

独自の文化に根ざした彩り豊かな歌や踊りを楽しんでいました。



	
  
しかしあるとき、一人が他の大陸の存在に気がついて・・・



文化やバックグラウンドが違っても、	
  
私たち人間は理解し合い、	
  
共存することができるのでしょうか?



私たちをつなぐひとつの鼓動、

「A	
  COMMON	
  BEAT」を見つけることはできるのでしょうか。	
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プログラム内容とその先	
ビジョン・ミッションの観点からすると	
  
101日目からどう過ごすかがとても大切	
  
1カ月	
 2カ月	
 3カ月	
 4カ月	
▼1日目	
  
ダンスふり写し	
  
うた音取り	
  
▼50日目	
   100日目▼	
  
オーディション	
  
配役発表	
  
公演本番	
  
後半シーン練習	
  
衣装付通し稽古	
  
前半通し稽古	
  
前半シーン練習	
   後半配役発表	
  
大道具立込み稽古	
  
毎月1回合宿で寝食を共にします	
  
5か月	
★振返り合宿	
  
その後	
 社会へ	
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事例①「ニックネーム」	
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NPOには様々な年齢・職業、異なるバックグラウンドを持つ多様な方々が参加されます。でき
るだけお互いの肩書を取り外し、ビジョンやミッションに共感して集まってきてる仲間であるこ
とで関係性をつくるために、「ニックネーム」で呼び合うことを推奨しています。こうすることで、
年齢や職業などを越えて、人間関係が構築されていきます。	
  
	
  
私自身も代表でありますが、メンバーからは「りょう」「りょうちゃん」と気さくに読んでもらって
います。	
  
事例②「近況報告」	
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ミーティング開始時には必ず「近況報告タイム」を入れています。参加しているメンバーのプ
ライベートな一面をこの時間に入れ込んでもらい、お互いの関係性を築いていきます。議事
に対してはあまり発言しないメンバーもここで発言することで、「居場所」「居ていい安心感」を
生み出すことができます。盛り上がりすぎて時間超過するのが難点です(笑)。	
  
	
  
ボランタリーで関わっているのであるからこそ、互いの状況・環境を知り、それを一緒に支え
ながら活動を進めていくことはとても大切なことです。	
  
事例③「サシメシ、サシノミ、お茶べり」	
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一緒に活動を進める仲間とは、お互いのことをどんどん話して仲良くなってほしいと思います。
大人数でのミーティングやイベント運営ではわかりえないことが、1対1であれば見えてきま
す。お互いがお互いに全ての時間を割くことができる環境を生み出して、いろいろなことを離
しています。私は事務局スタッフと3カ月に1度は「お茶べり」というカフェでサシでラフに話す
時間を作るようにしています。業務のことだけでなく、お互いの人生のことも話しながら、互い
の関係性やコミットメントを生み出していきます。	
  
事例④「こっそりバディ」	
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ミュージカルプログラムの名物アクティビティです。キャスト同士でくじ引きをして、こっそり「見
る」「見られる」、「応援する」「応援される」関係性(バディ)をつくることで、大所帯でも相互に
きめ細かい絆づくりになります。相手は公演の前に発表して、ステージに上がる際の勇気を
生み出します。プロジェクトやイベントのスタッフ同士で、ペアを組んでやっていくことで、孤軍
奮闘にならず、仲間と一緒にやっている感覚をつくる効果があるのではないかと思います。	
  
まとめ	
Copyright	
  2004-­‐2016	
  COMMON	
  BEAT.	
  All	
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  reserved.	
  
マギル大学 クレグホーン寄付講座教授	
  
ヘンリー・ミンツバーグ 	
  
いま、リーダーシップより	
  
「コミュニティシップ」が重要である	
2016/1/26	
  DIAMOND	
  ハーバード・ビジネス・レビュー 記事より引用	
 	
・ネットワークは人をつなぐためのもの、コミュニティはメンバーをケアするためのものである。	
	
・優れた企業は「人的資源の集合体」ではなく「人間のコミュニティ」として機能している。	
	
・新しいデジタル技術はコミュニケーション強化には有効である半面、取り扱いに注意しな
いとコラボレーションに悪影響を及ぼしかねない。人間が電子機器を通して触れるのは、
キーボードだけなのだから。
まとめ	
Copyright	
  2004-­‐2016	
  COMMON	
  BEAT.	
  All	
  rights	
  reserved.	
  
リアル・アナログ・泥臭さ	
NPOは多様な「ひと」が関わる組織体です。関わる人と人の関係性をしっかりと構築していく
ことはとても大切です。多くの出会いが生まれ、相互研鑽、共成長しながら、団体のビジョン
と人生のビジョンが重なっていくほうが楽しいはずです。	
  
	
  
「ノウハウ」をただ導入しても効果はでません。それよりも、自分の目の前の人を思いやるこ
とが一番なのではないでしょうか。

コモンビート 安達亮(分科会B)

  • 1.
    2016/2/20 NPO法人CRファクトリー主催 コミュニティフォーラム2016 分科会B   Copyright  2004-­‐2016  COMMON  BEAT.  All  rights  reserved.   コモンビートにおける   関係性づくり NPO法人コモンビート 理事長 安達亮
  • 2.
    自己紹介 安達亮(あだちりょう) 1981年生。東京都出身。   明治大学法学部法律学科卒。     大学卒業後、そのまま就職することに違和感 を抱き、2004年、地球一周の船旅「ピースボー ト」に乗船。船内企画だったミュージカルプログ ラムにキャストとして参加。     2004年からNPO法人コモンビートの運営に参 画、2005年より事務局長に就任。ミュージカル 運営、NPO運営、ボランタリースタッフマネジメ ントを仕事にすること12年。     2014年1月より理事長に就任し「個性が響きあ う社会」の実現に向けて活動する日々。その傍 らで非営利組織マネジメント関連の講演・セミ ナー登壇を行うほか、2014年9月より日本ブラ インドサッカー協会の理事も務める。 Copyright  2004-­‐2016  COMMON  BEAT.  All  rights  reserved.  
  • 3.
  • 4.
    ビジョン実現のための様々な活動展開 「表現活動」で横串を刺しながら、   多様な価値観に触れていく スクール   (学校訪問) イベント   ワークショップ   お祭り   ビックバン   (よさこい)   アジアンビート   (国際交流)   ミュージカル Copyright  2004-­‐2016  COMMON  BEAT.  All  rights  reserved.  
  • 5.
    「A COMMON BEAT」ミュージカルプロジェクトとは 上演数   約100回 観客   約15万人 キャスト   約4000人 アメリカ発のエンターテイメントショーで「異文化理解」や「平和へのメッセージ」をテーマ とするミュージカル「A  COMMON  BEAT」を多様な参加者によってつくりあげることを通し て、自分らしく・たくましい人を増やし、多様な個性を認めあえる社会の実現を目指すプ ロジェクト。コモンビートの主事業で発足当初から続いています。 学生・社会人からなる100人のキャストが100日間でミュージカルをつくりあげる。   地域ごとにキャストは異なり、プログラム終了後に解散して、また集め直すのが特徴 Copyright  2004-­‐2016  COMMON  BEAT.  All  rights  reserved.  
  • 6.
    ミュージカル「A COMMON BEAT」とは 舞台で描かれる「世界」は、
 様々な文化の特徴を持った四つの大陸で成り立っています。
 
 人々はお互いに他の大陸の存在を知らずに、
 独自の文化に根ざした彩り豊かな歌や踊りを楽しんでいました。
 
   しかしあるとき、一人が他の大陸の存在に気がついて・・・
 
 文化やバックグラウンドが違っても、   私たち人間は理解し合い、   共存することができるのでしょうか?
 
 私たちをつなぐひとつの鼓動、
 「A  COMMON  BEAT」を見つけることはできるのでしょうか。 Copyright  2004-­‐2016  COMMON  BEAT.  All  rights  reserved.  
  • 7.
    プログラム内容とその先 ビジョン・ミッションの観点からすると   101日目からどう過ごすかがとても大切   1カ月 2カ月 3カ月 4カ月 ▼1日目   ダンスふり写し   うた音取り   ▼50日目   100日目▼   オーディション   配役発表   公演本番   後半シーン練習   衣装付通し稽古   前半通し稽古   前半シーン練習   後半配役発表   大道具立込み稽古   毎月1回合宿で寝食を共にします   5か月 ★振返り合宿   その後 社会へ Copyright  2004-­‐2016  COMMON  BEAT.  All  rights  reserved.  
  • 8.
    事例①「ニックネーム」 Copyright  2004-­‐2016  COMMON  BEAT.  All  rights  reserved.   NPOには様々な年齢・職業、異なるバックグラウンドを持つ多様な方々が参加されます。でき るだけお互いの肩書を取り外し、ビジョンやミッションに共感して集まってきてる仲間であるこ とで関係性をつくるために、「ニックネーム」で呼び合うことを推奨しています。こうすることで、 年齢や職業などを越えて、人間関係が構築されていきます。     私自身も代表でありますが、メンバーからは「りょう」「りょうちゃん」と気さくに読んでもらって います。  
  • 9.
    事例②「近況報告」 Copyright  2004-­‐2016  COMMON  BEAT.  All  rights  reserved.   ミーティング開始時には必ず「近況報告タイム」を入れています。参加しているメンバーのプ ライベートな一面をこの時間に入れ込んでもらい、お互いの関係性を築いていきます。議事 に対してはあまり発言しないメンバーもここで発言することで、「居場所」「居ていい安心感」を 生み出すことができます。盛り上がりすぎて時間超過するのが難点です(笑)。     ボランタリーで関わっているのであるからこそ、互いの状況・環境を知り、それを一緒に支え ながら活動を進めていくことはとても大切なことです。  
  • 10.
    事例③「サシメシ、サシノミ、お茶べり」 Copyright  2004-­‐2016  COMMON  BEAT.  All  rights  reserved.   一緒に活動を進める仲間とは、お互いのことをどんどん話して仲良くなってほしいと思います。 大人数でのミーティングやイベント運営ではわかりえないことが、1対1であれば見えてきま す。お互いがお互いに全ての時間を割くことができる環境を生み出して、いろいろなことを離 しています。私は事務局スタッフと3カ月に1度は「お茶べり」というカフェでサシでラフに話す 時間を作るようにしています。業務のことだけでなく、お互いの人生のことも話しながら、互い の関係性やコミットメントを生み出していきます。  
  • 11.
    事例④「こっそりバディ」 Copyright  2004-­‐2016  COMMON  BEAT.  All  rights  reserved.   ミュージカルプログラムの名物アクティビティです。キャスト同士でくじ引きをして、こっそり「見 る」「見られる」、「応援する」「応援される」関係性(バディ)をつくることで、大所帯でも相互に きめ細かい絆づくりになります。相手は公演の前に発表して、ステージに上がる際の勇気を 生み出します。プロジェクトやイベントのスタッフ同士で、ペアを組んでやっていくことで、孤軍 奮闘にならず、仲間と一緒にやっている感覚をつくる効果があるのではないかと思います。  
  • 12.
    まとめ Copyright  2004-­‐2016  COMMON  BEAT.  All  rights  reserved.   マギル大学 クレグホーン寄付講座教授   ヘンリー・ミンツバーグ   いま、リーダーシップより   「コミュニティシップ」が重要である 2016/1/26  DIAMOND  ハーバード・ビジネス・レビュー 記事より引用   ・ネットワークは人をつなぐためのもの、コミュニティはメンバーをケアするためのものである。 ・優れた企業は「人的資源の集合体」ではなく「人間のコミュニティ」として機能している。 ・新しいデジタル技術はコミュニケーション強化には有効である半面、取り扱いに注意しな いとコラボレーションに悪影響を及ぼしかねない。人間が電子機器を通して触れるのは、 キーボードだけなのだから。
  • 13.
    まとめ Copyright  2004-­‐2016  COMMON  BEAT.  All  rights  reserved.   リアル・アナログ・泥臭さ NPOは多様な「ひと」が関わる組織体です。関わる人と人の関係性をしっかりと構築していく ことはとても大切です。多くの出会いが生まれ、相互研鑽、共成長しながら、団体のビジョン と人生のビジョンが重なっていくほうが楽しいはずです。     「ノウハウ」をただ導入しても効果はでません。それよりも、自分の目の前の人を思いやるこ とが一番なのではないでしょうか。