【小說選】期末報告:山椒魚の悲しみについて
- 1. 山椒魚の悲しみについて
日三 B 01122233 陳怡安
1. はじめに
「山椒魚」は、1929 年に発表され、井伏鱒二の短編小説である。成長しす
ぎて自分の棲家である岩屋から出られなくなってしまった山椒魚の悲嘆をユ
ーモラスに描いた作品で、井伏鱒二の代表的な短編作品である。
「山椒魚」の作者である井伏鱒二は、日本の小説家である。本名は井伏滿壽
二。広島県生まれ。筆名は釣り好きだったことによる。
「山椒魚」の冒頭にある有名な一言:「山椒魚は悲しんだ」が、全作品の中
心思想を掲げる重要な一言だと考える。筆者は、「山椒魚」を読んだ後、山椒
魚の悲しみは多重な意味を代表しているのではないかと考える。そのため、本
レポートは、「山椒魚は悲しんだ」を中心し、山椒魚の悲しみを深く探索しよ
うと分析する。
本レポートは、まず2節で山椒魚の内心から生えた悲しみから説明し、3節
で山椒魚の外の生き物や環境からの影響で生えた悲しみを説明する。また4節
で山椒魚の心境変化と悲しみのプロセスをまとめて、最後に5節で結論をつけ、
山椒魚の悲しみの全体像を描こうと思う。
2. 山椒魚の悲しみ-内部の精神面から
2.1 夢が叶えない悲しみ
「山椒魚は、彼の棲家であ岩屋から外へ出たかった」と本文の第二段落で説
明された。では、どうして山椒魚が外に出たいのか。本文では、二つの理由が
書いてある。
①現在の状況への不満
「けれど山椒魚の棲家は、泳ぎまわるべくあまりに広くなかった。彼は体を
前後左右に動かすことができただけである。その結果、岩屋の壁は水あかにま
みれて滑らかに感触され、彼は彼自身の背中や尻尾や腹に、ついに苔が生えて
しまったと信じた」
住処である岩屋が狭くなってしまったので、山椒魚の体に苔が生えた。その