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隔離と拘束
隔離/拘束
精神保健指定医の指示
理由が文書で告知される
開始や終了、見なおしにつき医
師が診療録に記載
隔離/拘束
洗面、入浴、掃除などのケア
のための一時的な中断は
看護師でもOK
隔離と拘束
隔離室=保護室
外から鍵のかかる個室
• ナースステーション近くにあることが多い
• 1つの部屋に1人しか使用できない(当然
隔離
• 言動が患者の病状や経過や予後に悪影響
(例:他の患者とのトラブル)
• 暴力や迷惑行為、器物損壊
• 自殺や自傷のリスクが切迫
• 不穏/多動/爆発性
• 身体合併症で検査や処置で隔離が必要
隔離中の物品管理
持ち込み物品が制限されること
もある
例:ペン、箸、スマートホン、コード類、机など
隔離
1時間に1回以上
日本医療評価機構では1時間に2回以上
の看護師による観察
医師カルテは1日1回以上記載
小まめに観察・会話で
状況を確認できる環境
ナースコール、小窓、カメラ
など
隔離室の隣に
前室、観察廊下など
副次的なスペースがあるこ
とも
隔離室のトイレは
プライバシーと安全性
両方への配慮が必要
割れない金属製が多い
隔離と拘束
身体的拘束
1時間に2回以上
日本医療評価機構では1時間に4回以上
の看護師による観察
医師カルテ記載は1日2回以上
身体的拘束
• 自殺や自傷の著しいリスク
• 不穏/多動が顕著
• 精神障害のために、そのまま放置すれば患者
の生命に危険の恐れ
実習/研修の方へ
隔離などの行動制限の状
況につき確認し、間違って
行動制限が解除されっぱ
なしにならないよう、そして、逆
に間違って行動制限しないよう要注意!
身体的拘束
• 体幹/上肢/下肢/肩な
どを必要に応じて拘束
• 専用の拘束帯を使用
• ミトンや四点柵も拘束扱い
身体的拘束中の
ナースコール
• 拘束下でも呼べるよう配慮:手も
とにボタン、息で呼ぶ装置など
• コードの扱いに注意:コードがない機
器、コードの固定など
拘束中のリスク
• 拘束帯による擦過傷
• 褥瘡
• うっ血、浮腫などの循環障害
• 深部静脈血栓症
• 拘束帯による絞扼
• 誤嚥性肺炎
拘束中の観察
•細やかな観察
身体状態
ゆるみ↔きつさ
拘束中の身体を守るため
•体位変換体位交換
•マッサージ
•弾性ストッキング
•水分摂取や補液
拘束中の身体を守るため
•期間短縮がもちろん最善
•解除時間を設ける
行動制限最小化
委員会
定期的に開催され、隔離や身体的拘
束を減らし期間を短くするよう努める
勉強会も年2回開催
精神診療
プラチナ
マニュアル

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精神科での隔離と拘束

Editor's Notes

  1. すりぬけに注意
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  3. すりぬけに注意