ひたすら楽してスライド作成
山梨大学工学部コンピュータ理工学科・准教授
森勢将雅
背景
• 改心の出来と思ったプレゼンが伝わらない
– 卒論や修論での発表練習で「分かりにくい」と
突っ込まれても何が悪いか分からない
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分かりにくいし
眠くなるな
この研究は過去の研究と比較して,
○○の点で優れており・・・
図はhttp://illpop.com/job_a17.htmより引用
目的
• 標準的なスライドを作る基礎ルールの習得
– アレンジは基礎を習得してからで十分
– 卒論向けのルールを中心に説明
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基礎ルール
全てに共通する「概ね」正解のルールが存在
学会発表
企業向け発表
一般向け発表
アレンジ
基礎ルール ~体裁編~
ページ番号
• ページ番号は右下か左下に記載
– ページ番号をメモできると「○○枚目のスライ
ドですが・・・」とスムーズに質問可能
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10枚目のスライドを見せてください.
このスライドでは・・・
教員
質疑応答で手間取ると
他の教員からマイナス評価
図はhttp://illpop.com/job_a17.htmより引用
スライド枚数
•1枚のスライドで45秒~65秒程度話す情
報量を詰める
– 早すぎるとついていけず中身を誤解される
– 遅すぎると研究が薄く見える
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7分なら7~9枚,10分なら10~12枚
12分なら11~15枚程度が目安
デモを行う場合デモ時間を引いて計算
フォント
• 「ゴシック体」推奨で明朝体は不可
– 明朝はプロジェクタに投影した際読みにくい
– 英語の場合もゴシック的なフォントを推奨
• フォントの大きさは「最小24 pt」
– グラフの軸等は例外的に20 ptまで許容
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後ろの聴衆にも見える工夫が必要
体言止めか文章か
• どちらでも構わないが統一すること
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•第一段落は体言止め
– 第二段落は文章で良いこととする
•ここも体言止め
– ここは文章にする必要がある
日本語として不自然にならない程度に調整
体言・文章に関するルールの例
スライド1枚の行数
•タイトルを除き「最大で8行」
– 8行以上になりそうな場合分割を検討
•スライドと口頭説明で1つのプレゼンなの
でスライドには要点のみを記載
– 8行を超えると45~65秒での説明が困難
8
箇条書き等は例外的に許容 (ただし要点
を吟味すれば8個以下にできるはず)
文字の強調
• 下線,太字,色で強調可能
• ○や□で囲むことも有効
• 色々な種類を使うとごちゃごちゃするので
基本的には1,2種類にしたほうが無難
• 色は4色以上使わないのが無難
– デフォルト
– ポジティブな強調
– ネガティブな強調
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統一感を意識
基礎ルール ~図・表編~
基本ルール
• 図・表共通
– キャプションを付ける
(タイトルがキャプションになる場合は不要)
– 不要な情報を書かない
– 主張点は強調しスライドにも書く
• 図の場合
– 横軸・縦軸は必ず書く
– 軸の数値は説明に必要な場合必ず書く
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図の例
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周波数
パワー
1 kHz
提案法により分析された信号のパワースペクトル
1 kHzにピーク
下降のトレンド
ここにこのスライドの主張点を記載
表の例
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表:推定誤差([1]より)
[1] http://www.isca-speech.org/archive/Interspeech_2017/pdfs/0068.PDF
提案法
他手法より誤差が小さい
論文からのキャプチャではなく新規に
作成しキレイに仕上げるほうが効果的
2つのデータベースで評価
スライドの下に主張点を記載
2つ以上結果の図を載せる場合
•2つの結果の比較で有効だが情報量が増加
– 1つの図に2つの結果を載せられないか?
– フォントは小さくなりすぎないか?
– 主張点を示すのに本当に2つの図が必要か?
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より効果的になる場合は活用するべき
ブロック図等で複数の図が入るのは問題無い
基礎ルール
~スライド構成編~
文字・図表のバランス
• 出来るだけ文字を減らして図表で構成
– 話下手は文字を増やし読みつつ話を作る
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文字数少ない 多い
アドリブで話す量多い 少ない
自分の性格とトーク力でバランスを調整
トークが得意な場合 情報が多い分質疑は楽
図表を中心に作るべきスライド
• 研究の背景(ここが伝わらないと=失敗と
いう危機感を持ち誠心誠意を込める)
• 方法の説明(手順等はフローチャートや
ブロック図にする)
• 実験(手順や条件等は図表でまとめる)
• 結果(図表を用いて効果的に比較する)
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工学系(特に情報)は図表のほうが
説明しやすい箇所が多い
文字を中心にすべきスライド
• 箇条書きで要点をまとめる場合
– 考察やまとめ
– 従来法の問題点の列挙
– 提案法の利点の列挙
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図で説明しようがない場合
無理せず文字で説明
基礎ルール ~論理構成編~
研究に重要な3本の柱
• 新規性
– 新しい知見が得られること
• 有効性
– 学術や産業の発展に対し意味があること
• 信頼性
– 中身が信頼できること
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以上3点を満足するように話を構成
スライドの流れ
• 背景
• 目的
• 従来法
• 提案法
• 実験
• 結果
• 考察
• まとめ
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社会的に意義がある研究である
(有効性がある)ことを主張
従来にはできない(新規性があ
る)問題を解決することを主張
提案法が正しく動作しており
目的が達成されたことを主張
(信頼性がある)
スライドを作る際の心得
• 自分が努力した点≠聞き手が知りたい情報
• 卒論・修論では専門外の先生が多いので
どこまでの知識を前提にするか吟味
• 数式が中心の場合は載せても構わないが載
せる以上説明する責任が生じることに注意
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初めに研究のコンセプトを伝えること
その後「どんな問題」を「どうやって」
「どの程度」解決したか説明
背景について
• 誰でも知っている簡単な例からスタート
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時間
開始
終了
一般的な例で背景
少し専門的な話で目的
関連研究
提案法
目的まで理解しても
らえればプレゼンは
8割成功
専門性
低い
高い
目的について
• 世の中「完璧」は無い
– 「本研究の究極のゴールは○○の実現」と全体
を述べ「本発表では○○の問題を扱う」「△△
の状況で○○に関する性能向上を目指す」と条
件を限定し位置づけを明確にする
• 目的で述べたことは「考察」で必ず触れる
– 実験結果が芳しくない場合目的を多少妥協する
ことは可能
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関連研究・提案法
• 従来法の問題は「目的」で述べた点に特化
して説明
• 問題点をスライドで強調しその問題をどの
ように解きたいのかコンセプトを書く
• 提案法の説明後従来法の問題が解決できる
ことを改めて強調
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実験・考察
• 実験の図表は「図・表編」を参照
• 考察では「目的」で述べた問題が「結果」
により「どの程度」解決したのか説明
– 完璧に解決する必要は無く限定された条件下で
も良いが,条件設定が妥当である理由は説明
– 「どの程度達成したか」「完璧ではない理由」
「どうすれば完璧に近づくか」を考察に記載
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研究の総括は必ず書くこと(「この結果
は目的を達成するのに十分である」等)
まとめ
• 毎年スライドを作るべきか迷う学生が多い
と感じましたので,羅針盤になればと思い
作ってみました.
• 質問・コメント・間違いの指摘等は歓迎致
します
• Twitter ID @m_moriseまでお願いします
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