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ネットワーク科学で挑戦するゲームマーケティング改革

CEDEC 2020
Sep. 4, 2020



安達 涼 / 田中 一樹

DeNA Co., Ltd. 

1
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*スライドタイトルが[del]で始まるもの

e.g.) [del] ネットワークを組むメリット

は時間の制約上、発表では省いたものです。



2
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自己紹介

❏ 安達 涼

 - DeNA ゲーム事業部 マーケティング統括部 分析部



❏ 統計・機械学習手法を用いたビッグデータ分析

❏ ゲームプレイ、マーケティング関連のデータ

❏ 参考:CEDEC 2019「逆転オセロニア」における、機械学習モデルを用いたデッキのアーキタイ
プ抽出とゲーム運用への活用

https://www.slideshare.net/RyoAdachi/deck-archetype-extraction-cedec2019



❏ 分析部ブログ:https://medium.com/dena-analytics-blog

3
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■ 分析組織としては2011年から継続しており、現在はゲーム事業に

100%コミットしている



■ 各ゲームタイトルに専属アナリストをアサインする体制

参考:CEDEC 2017「一周年で爆発した「逆転オセロニア」における、

ゲーム分析の貢献事例 〜開発・運営の意思決定を全力でサポートする、DeNAのゲーム分析体制〜」

https://www.youtube.com/watch?v=bcCiRqmvR2o



■ 行動ログ分析、ユーザー調査等、様々な分析手法を用いて分析に

取り組んでいる



■ 新たな分析手法や、機械学習等の高度な技術を活用したR&Dにも

トライしており、今回の発表はその文脈での実践例



[del] DeNA ゲーム事業部 マーケティング統括部 分析部について

4
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■ 分析部ブログ:

https://medium.com/dena-analytics-blog



■ ゲームバランス調整、因果推論、

分析基盤、ユーザーリサーチなど

[del] 分析部ブログについて

5
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自己紹介

6
❏ 田中 一樹

 - AIシステム部 データサイエンティスト



❏ 2017年4月 DeNA入社

❏ AI 研究開発、データサイエンス

❏ 『逆転オセロニア』対戦 AI、デッキレコメンド AI※1

❏ 各種サービスへの AI・データサイエンス応用※2


❏ 強化学習・機械学習を用いたゲームAI開発

※1 CEDEC 2018:『逆転オセロニア』におけるAI活用 https://www.slideshare.net/juneokumura/cedec2018ai

※2 CEDEC 2019: 組織的に Game x AI を 推進していくための方法論 https://speakerdeck.com/kenoss/2019-09-04-cedec2019-
zu-zhi-de-ni-game-x-ai-wo-tui-jin-siteikutamefalsefang-fa-lun-ni-zhuan-oseronia-false-ai-false-bu-xian-he

※ オセロ・Othelloは登録商標です。TM&© Othello,Co. and MegaHouse / © 2016 DeNA Co.,Ltd.

👈『逆転オセロニア』
のゲーム AI 開発を執筆

強化学習理論の
訳書を執筆 👉

👇 GDCやCloud Next
など海外/国内で多数発信

@ikki407
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講演の全体像

7
スマホマーケティングの
背景・課題

分析ツール開発

による業務効率化

ネットワーク科学

のマーケティング応用

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アジェンダ

1. スマホゲームマーケティングとSNS



2. 定量データによるマーケティング業務の改善



3. ネットワーク科学のマーケティングへの応用



a. 取り組み①: 情報の伝播



b. 取り組み②: コミュニティの抽出



c. 取り組み③: 情報拡散を最大化させる方法



4. まとめと展望

8
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スマホゲームマーケティングとSNS

● 新規・復帰ユーザー獲得

○ TVCM

○ WEB・SNS広告

○ ASO(App Store Optimization)



● ユーザー維持

○ SNS運用

○ 公式番組

○ リアルイベント 

9
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SNS活用におけるこれまでの課題点

● 取得するデータに客観性・網羅性が足りない

○ データの理解が主観的になりがち(e.g. 感情分析)

○ 大量のデータから必要な情報を取捨選択する難しさ・効率が悪い

○ ユーザー理解を統一することが難しい



● 投稿数、投稿内容、コメント数などの単純な情報のみを利用してきた

○ 情報の伝播を追跡できない

○ SNS上のコミュニティを把握することが難しい

10


SNSを活用したマーケティングの質
を上げ、お客様へよりよい体験を提
供していくためには、データをフル活
用していく必要があるフェーズに来て
いる。

しかし、SNSデータの取得や分析が
十分にできる環境が整っておらず、
PDCAの水準を全体的に高める環境
がまだできていない。



ソーシャルメディアブランディンググループ

マネージャー 鶴川さん

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取り組みの概要

SNS上のビッグデータ × スマホゲームマーケティング



○ Twitter上のデータを活用 (ツイート、つながりなど)



○ テーマ①: 定量データを集約したSNS分析ツールの作成と活用による業務の改善



○ テーマ②: ネットワーク科学を活用した、新たな知見の発掘とその活用

■ 情報伝播の過程

■ コミュニティの抽出

■ 情報拡散の最大化

11
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アジェンダ

12
1. スマートフォンゲームマーケティングの概要



2. 定量データによるマーケティング業務の改善



3. ネットワーク科学のマーケティングへの応用



a. 取り組み①: 情報の伝播



b. 取り組み②: コミュニティの抽出



c. 取り組み③: 情報拡散を最大化させる方法



4. まとめと展望

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弊社でのSNSを用いたユーザー理解の課題点



● これまでの運用

○ 既存のSNS分析ツール

○ SNS運用チームの手作業での情報収集



● これらの課題点

○ 欲しい情報が得られない、自由度が低い

○ ユーザーの意見や施策への反応を網羅的・客観的に把握できない、効率が良くない



● 改善方法

○ 必要な情報だけを網羅したSNS分析ツールの導入による情報収集の自動化

○ 施策の検討、振り返りのワークフローの整備

13
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SNS分析ツールの作成

● 必要な情報を網羅

○ ツイート数・投稿者数・リツイート数など

○ フォロワー数の増減

○ 投稿内容の感情分析(Google sentiment API)

○ 投稿内容をカテゴリーに分類(機械学習)



● Lookerを採用 (Google社のBIツール)

○ 使いやすく、シンプルなUI

○ 自由度が高い (*ドリルダウンなど)

投稿内容の感情変化 

カテゴリー別投稿数の変化 

Twitter投稿数/投稿者数/RT数 



14
*データは架空のものです

*集計範囲を一段階絞って、より詳細な集計を行うこと

■ https://cloudonair.withgoogle.com/events/google-cloud-inside-games-and-a
pps-11?talk=gc-inside-game-11-session2
■ https://ja.looker.com/events/beacon/japan
ポジティブツイート

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SNS分析ツールを活用したワークフローの整備



● ユーザー状態の把握

○ ユーザーの感情の変化や盛り上がっている話題をチェック

○ 定期的にレポートを展開し、開発や施策の方向性決定に活用

○ ユーザー把握、施策の効果確認の関係者間での認識の統一 



● 施策の振り返りへの活用

○ 過去の類似施策との比較が容易



● ツール活用による効率化

○ 週5時間*2〜3人 → 30分*1人

15
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ここまでのまとめ



● Lookerで作成したカスタムSNS分析ツールを導入

○ ユーザー理解が客観的・網羅的になり、ユーザー状態の認識を統一できた

○ データの取捨選択を自動化し、大幅な効率化を達成した



● SNS分析ツール活用の今後の展開

○ ゲーム以外の事業への導入

○ Youtube(公式チャンネルなど)のデータでの活用

○ カスタマーサポートの運用での活用



16
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アジェンダ

17
1. スマートフォンゲームマーケティングの概要



2. 定量データによるマーケティング業務の改善



3. ネットワーク科学のマーケティングへの応用



a. 取り組み①: 情報の伝播



b. 取り組み②: コミュニティの抽出



c. 取り組み③: 情報拡散を最大化させる方法



4. まとめと展望

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ネットワーク

ソーシャル

ネットワーク

タンパク質の相互作用
 銀行間の貸借
 鉄道網

● G(V, E): V:ノード, E:エッジ



● 有向・無向グラフ、エッジの重みあり・なし

18
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[del] ネットワークを組むメリット



● 把握しづらい情報の可視化・理解

● ネットワーク作成の自由度が高く、活用の幅が広い

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[del] ソーシャルネットワークとネットワーク科学


● データ

○ ”ゲームA”というキーワードを含むツイート

○ ツイートのリツイート・メンション・リプライ

○ 上記アクティビティをしたユーザーのフォローしている人・フォロワー



● ネットワークの作成方法

○ ノード:アクティビティに関与したユーザー

○ エッジ:リツイートなどツイート関連、フォロー関係



● 活用例

○ リンク予測 / コミュ二ティ検知 / ノード類似性 / ネットワーク類似性 / 伝播予測

20
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ネットワーク科学の活用例

● レコメンド機能

○ Uber Eats (c.f. https://eng.uber.com/uber-eats-graph-learning/ )

○ Pinterest (Ying et al., 2018)



● ゲーム関連

○ MMORPGのアイテムトレード分析 (Son et al., 2012)

○ ボット検知 (Kang et al., 2016)

○ 離脱予測 (Liu et al., 2018)

21
Ying et al., 2018

Jain et al., 2019

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アジェンダ

22
1. スマートフォンゲームマーケティングの概要



2. 定量データによるマーケティング業務の改善



3. ネットワーク科学のマーケティングへの応用



a. 取り組み①: 情報の伝播



b. 取り組み②: コミュニティの抽出



c. 取り組み③: 情報拡散を最大化させる方法



4. まとめと展望

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カスケード



情報が伝播していく様子=カスケード

○ 自分のタイムラインに表示された

 フォロワーのツイートをリツイート...

○ 情報、疫病、電気など



Bakshy et al., 2011

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カスケード分析:課題と目的



● 課題、疑問点

○ バズとは何だろう?

○ バズのきっかけとなるユーザーは誰?



● 目的

○ バズの定量化

■ 公式アカウントのツイートとユーザーのツイートの違いを比較

■ ゲームタイトル間の比較



○ 意図的に大きな拡散を作りたい

■ ツイートの拡散を加速させるユーザーの抽出 

24
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ツイートのカスケードの構築

Aがツイート①をツイートした。そしてAをフォローしているBが、

Aより後にツイート①をリツイートしたとき、AからBに伝播が起こったとする

Cha et al., 2008

25
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カスケードの例

投稿者
 拡散力の大きいユーザー



● ゲームAに関連するツイート1ヶ月分:約60万ツイート

● このうち一回でもリツイートされたツイート:約1万ツイート

● ユーザーのフォローしている人&フォロワー

26
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カスケードの分析1

Q:公式のツイートとユーザーのツイートのカスケードの違いは?

公式ツイートの例
 ユーザーツイートの例

27
浅い・一つの傘
 深い・枝分かれ

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カスケードの分析1

Goel et al., 2016

カスケードの形状の測り方

● Structural virality (バイラリティ指標)

28
距離:1
 距離:2

バイラリティ指標が高い=ツイートが人づてに広く拡散

c.f.) 青点間の距離

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カスケードの分析1

公式ツイートの例

ユーザーツイートの例

公式とユーザーのツイートのバイラリティの比較

p<0.001

29
公式ツイート
ユーザーツイート
バイラリティ指標:公式ツイート < ユーザーツイート

公式
 ユーザー

バイラリティ指標

バイラリティ指標
 カスケードの大きさ (ノード数) 

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[del] カスケードの分析1

公式ツイートの例

ユーザーツイートの例

公式ツイートとユーザーツイートの伝播速度の比較

30
伝播速度:公式ツイート > ユーザーツイート

公式

ユーザー

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カスケードの分析2

Q:ゲームタイトル間でのカスケードの違いは?

31
*CCDF=1-CDF

バイラリティ指標:ゲームB < ゲームA

バイラリティ指標

ゲーム間のバイラリティ指標の比較

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カスケードの分析2

32
*CCDF=1-CDF

バイラリティ指標:ゲームB < ゲームA

バイラリティ指標



● ゲームAは、よりバイラルな伝播を起こしやすいフォ
ロー・フォロワー構造を持つ



● ゲームBをAに近づけたい 

○ 絵師施策

○ ハッシュタグキャンペーン

ゲーム間のバイラリティ指標の比較

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カスケードの分析3

Q:ツイートの拡散を加速させるユーザーはだれ?

発信者ではない、

拡散力の大きいユーザー

33
発信者

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カスケードの分析3

ユーザーA

34
ユーザーAの発信者としての拡散力

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カスケードの分析3

ユーザーB

35
ユーザーBの媒介者としての拡散力

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カスケードの分析3

36
発信者

媒介者

発信↓媒介↑

発信↑媒介↓

発信↑媒介↑

各ユーザーの発信力と媒介力

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カスケードの分析3

37
発信者

媒介者

発信↓媒介↑

発信↑媒介↓

発信↑媒介↑

各ユーザーの発信力と媒介力

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カスケードの活用例

38


● 絵師施策

○ ゲームに関連したイラストを絵師に依頼



● 絵師施策の振り返り

○ リツイート数・バイラリティ

○ 拡散への寄与の大きいユーザー



● 絵師の選定

○ 各施策で媒介力の高いユーザーが

 共通してフォローしている絵師を選定

リツイート数

バイラリティ指標

リツイート数

バイラリティ指標

施策A
 施策B

施策Aでの媒介力
 施策Bでの媒介力

絵師S

共通フォロー数のランキング 

高バイラリティ

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ここまでのまとめ

39


● カスケードの抽出と、バイラリティ指標を用いたバズの定量化



● 公式アカウントのツイートとユーザーのツイートの違い

○ 浅い一つの大きな傘 vs 枝分かれをもつ深い木

○ バイラリティ指標: 公式ツイート < ユーザーツイート



● ゲームタイトル間での違い

○ つながりを促進する施策でバイラリティ指標を向上

○ バイラリティ指標の変化の観測



● ツイートの拡散を加速させるユーザーの抽出 

○ 絵師施策などへの活用

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アジェンダ

40
1. スマートフォンゲームマーケティングの概要



2. 定量データによるマーケティング業務の改善



3. ネットワーク科学のマーケティングへの応用



a. 取り組み①: 情報の伝播



b. 取り組み②: コミュニティの抽出



c. 取り組み③: 情報拡散を最大化させる方法



4. まとめと展望

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コミュニティとコミュニティマーケティング

● コミュニティ(マーケティングの観点)

○ 同じ価値観・目的を持った人が集まり共感し合う集合体



● コミュニティマーケティング

○ コミュニティを形成/拡大し、コミュニティからの発信力を強化することで、

新規ユーザー獲得や既存ユーザーの維持に繋げていくマーケティング活動

○ 例1:絵師施策

■ コミュニティ内でファンが多い絵師からゲーム関連のイラストを発信し、

話題を提供する事で、コミュニティからの発信力を強化する

○ 例2:リアルイベント

■ 同じ目的を持ったユーザーが集まる場を提供し、ユーザー間の繋がりを強化する

41
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コミュニティの抽出と可視化:課題と取り組み



● 課題

○ SNS上の‘‘コミュニティ” を把握することは容易ではない

■ これまではSNSの投稿内容の観察や、ユーザーインタビューを活用



● 取り組み

○ SNS上のコミュニティを抽出する 

■ 各コミュニティのユーザー属性の検証



○ コミュニティの時系列変化を捉える

■ 施策が意図したコミュニティに及ぼす影響の観測

42
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コミュニティの定義とアルゴリズム



● コミュニティの定義 (ネットワーク科学の観点)

○ ノード:ユーザー

○ エッジ:フォロー関係、リツイートなどツイート関連

○ コミュニティ内ではエッジが密に、

 コミュニティ間ではエッジが疎になるようなノードの分割



● コミュニティ抽出のアルゴリズム

○ Louvain (Blondel et al., 2008)

○ Infomap (Rosvall and Bergstrom, 2008)



コミュニティ

43
ユーザー

つながり

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[del] コミュニティ抽出のアルゴリズム

44
Papadopoulos et al., 2012

アルゴリズムの選択

● ネットワークの種類

○ 有向・無向 / エッジに重みあり・なし

● コミュニティの種類

○ 重なりあり・なし



● アルゴリズムの計算複雑度

● python・Rパッケージあり・なし



コミュニティ抽出アルゴリズムに関連する理論 

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[del] コミュニティ抽出のアルゴリズム:Louvain algorithm 

45
● モジュラリティ(Q)の最大化







● *Greedy法 (2ステップ)

○ ステップ0: すべてのノードを異なるコミュニティとする



*Greedy法: アルゴリズムの基本的設計技法の一つで、貪欲算法とも呼ばれる。最適化問題を解くとき、

計算の各段階で最も利益の大きい部分解を選んでいき、それらの部分解を組み合わせたものを最終的な解とする 



*S: コミュニティの集合



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[del] コミュニティ抽出のアルゴリズム:Louvain algorithm 

46
● モジュラリティ(Q)の最大化







● *Greedy法 (2ステップ)

○ ステップ0: すべてのノードを異なるコミュニティとする

○ ステップ1: ローカルにQを最大化する (optimization)



*Greedy法: アルゴリズムの基本的設計技法の一つで、貪欲算法とも呼ばれる。最適化問題を解くとき、

計算の各段階で最も利益の大きい部分解を選んでいき、それらの部分解を組み合わせたものを最終的な解とする 



*S: コミュニティの集合



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[del] コミュニティ抽出のアルゴリズム:Louvain algorithm 

47
● モジュラリティ(Q)の最大化







● *Greedy法 (2ステップ)

○ ステップ0: すべてのノードを異なるコミュニティとする

○ ステップ1: ローカルにQを最大化する (optimization)

○ ステップ2: 同じコミュニティのノードをまとめる (aggregation)





*Greedy法: アルゴリズムの基本的設計技法の一つで、貪欲算法とも呼ばれる。最適化問題を解くとき、

計算の各段階で最も利益の大きい部分解を選んでいき、それらの部分解を組み合わせたものを最終的な解とする 



*S: コミュニティの集合



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[del] コミュニティ抽出のアルゴリズム:Louvain algorithm 

48
● モジュラリティ(Q)の最大化







● *Greedy法 (2ステップ)

○ ステップ0: すべてのノードを異なるコミュニティとする

○ ステップ1: ローカルにQを最大化する (optimization)

○ ステップ2: 同じコミュニティのノードをまとめる (aggregation)

○ ステップ1へ



Blondel et al., 2008

*Greedy法: アルゴリズムの基本的設計技法の一つで、貪欲算法とも呼ばれる。最適化問題を解くとき、

計算の各段階で最も利益の大きい部分解を選んでいき、それらの部分解を組み合わせたものを最終的な解とする 



*S: コミュニティの集合



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[del] コミュニティ抽出のアルゴリズム: Infomap

49
● ランダムウォークに基づいた手法

○ ランダムウォーク:確率的に無作為な遷移過程







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[del] コミュニティ抽出のアルゴリズム: Infomap

50
● ランダムウォークに基づいた手法

○ ランダムウォーク:確率的に無作為な遷移過程

○ ランダムウォーカーの軌跡を符号で記述





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[del] コミュニティ抽出のアルゴリズム: Infomap

51
Rosvall and Bergstrom, 2008 

● ランダムウォークに基づいた手法

○ ランダムウォーク:確率的に無作為な遷移過程

○ ランダムウォーカーの軌跡を符号で記述




 111:0001

0:1011

110:000

10:0001

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[del] コミュニティ抽出のアルゴリズム: Infomap

52
Rosvall and Bergstrom, 2008 

● ランダムウォークに基づいた手法

○ ランダムウォーク:確率的に無作為な遷移過程

○ ランダムウォーカーの軌跡を符号で記述



● マップ方程式

○ ある分割Mに対する、1ステップあたりの記述長

○ 



● Greedyアルゴリズムによるマップ方程式の最小化



111:0001

0:1011

110:000

10:0001

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使用するデータとネットワーク



● データ:ゲームAに関連する6週間分のツイート・つながり



● ネットワーク:有向・重みあり (1週間ごと) * 6

● ノード:ツイート、リツイートなどを行ったユーザー

● エッジ:重み=1×フォロー+0.4×#リプライ

 +0.3×#メンション+0.2×#リツイート

● アルゴリズム: Infomap (Rosvall and Bergstrom, 2008)

53
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54
コミュニティの抽出

● コミュニティの属性(ストーリー好き、音楽好きなど)

○ ツイートのカテゴリー別の投稿数などを比較したが、明確な差は見られなかった

○ 考察:排他的な興味のあつまりを用いる (e.g. 複数ゲームに関するデータ)

コミュニティ

各コミュニティでの投稿カテゴリー 
コミュニティ抽出結果の可視化 

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コミュニティの時系列変化

55
Palla et al., 2007



時系列変化抽出のアルゴリズム (Greene et al., 2010)



1. 週ごとにコミュニティを抽出 (Infomap)



2. Jaccard係数(J)を用いた時系列での結びつけ









3. 閾値との比較

*A(t):時刻tにコミュニティAに属するノードの集合 

J > 閾値

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コミュニティの時系列変化

56
ユーザーコミュニティの遷移 

マージ→拡大→縮小→拡大 

縮小→維持→拡大→縮小 

C3.0: 288: コミュニティID 3, 時刻0, 288人 

c.f.) https://github.com/ponxosio/Dynamic-Community-Tracking

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まとめ

57


コミュニティの抽出と時系列変化



○ Infomapアルゴリズム + Jaccard係数



○ 各コミュニティのユーザー属性を調べる

 → 各コミュニティでの話題に明らかな差は認められず



○ 施策がコミュニティに及ぼす影響の観測

 → 各ゲーム内では難しそう



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今後の取り組み

58
  ライブ配信アプリ「Pococha」での活用

○ ライブ配信者のコミュニティ抽出

■ 配信者の属性ごとに分かれる (音楽、モデルなど)



○ コミュニティを活性化させる施策

■ 配信者をつなげる

■ 参加者の選定にコミュニティを活用



○ 施策を通じた、コミュニティの変化

■ つながりの増加

■ コミュニティのマージ

モデル

音楽

男性

配信者

視聴者の
重なり

音楽

音楽1

音楽2

マージ

より密に

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アジェンダ

59
1. スマートフォンゲームマーケティングの概要



2. 定量データによるマーケティング業務の改善



3. ネットワーク科学のマーケティングへの応用



a. 取り組み①: 情報の伝播



b. 取り組み②: コミュニティの抽出



c. 取り組み③: 情報拡散を最大化させる方法



4. まとめと展望

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このパートでお話しすること

1. ネットワーク科学 × バイラルマーケティング

○ 伝えたい情報(ツイート)を拡散してくれる人を見つけたい

○ 口コミに基づく情報拡散の最大化



2. 影響最大化問題

○ ネットワークの中から高い拡散力をもつ人を特定

○ 情報を最大限拡散させるアルゴリズム



3. 社内事例: Twitterにおけるプロモーション配信への活用

○ 社内タイトルのネットワーク上で

影響最大化問題を解いて配信方法を決定

○ 配信結果、既存手法との比較

60
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背景: バイラルマーケティング

● 情報拡散を利用したマーケティング

○ 口コミに基づく拡散を活用した手法

○ 企業が介入せず口コミで拡散するため、低コストで効率よく多くのユーザにリーチ

○ バイラル: viral(ウイルス性の)→ 人から人へ急速に情報が拡散されていくさま



このゲーム

面白いよ!

61
このゲーム

おすすめ!

友達に

教えよう!

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[del] 背景: ゲームにおけるバイラルマーケティング

62
• 感じていた課題

○ 市場では数多くのタイトルが存在している

○ 投資対効果が悪化していく傾向(有償広告全般)



• 重要性

○ お客様が好きな人や信頼できる人からの情報は響きやすい

• タイトル運営側の発信だけでは響きにくい

• コミュニティの中心にいる人、信頼し合える仲間からのレコメンド

○ 多様なお客様、コミュニティに情報を伝えられる

• 有名なインフルエンサーだけではない

ネットワーク科学で一つ突破口を開きたい

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このゲーム面
白いよ!

目的: 今回達成したいこと

63
このゲームお
すすめ!

友達に

教えよう!

伝えたい情報(ツイート)を拡散してくれる人を見つけたい

課題

• 人力では拡散力が高いユーザの発見に大きな工数がかかる

• 担当者による精度で差が出てしまう

目的

• バイラルを発生できる(情報をより拡散できる)確率が高い人たちを見つけたい

• 発見した人をピンポイントに狙うことで広告配信の精度を高め、効果を拡大したい(後述)

この人を

見つけたい!

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友達に

教えよう!

このゲーム面
白いよ!

目的: 今回達成したいこと

64
このゲームお
すすめ!

伝えたい情報(ツイート)を拡散してくれる人を見つけたい

多くの人に情報を届け

配信効果を拡大したい

この人を

見つけたい!

課題

• 人力では拡散力が高いユーザの発見に大きな工数がかかる

• 担当者による精度で差が出てしまう

目的

• バイラルを発生できる(情報をより拡散できる)確率が高い人たちを見つけたい

• 発見した人をピンポイントに狙うことで広告配信の精度を高め、効果を拡大したい(後述)

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口コミによる情報拡散の最大化

● 口コミに基づく拡散を意図して発生させるのは簡単ではない

○ 人と人の関係性、情報伝播の適切な理解

○ 拡散範囲の予測・推定

○ 拡散に適したコンテンツの作成



● 誰が(どこが)情報源となれば拡散を最大化できる?

小さな拡散
 大きな拡散(理想)

❤
 ❤

❤

❤

❤
❤

❤
❤

❤

❤

ネットワーク科学の世界では「影響最大化問題」として知られる

65
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影響最大化問題とは?

ネットワークの中から影響を最大化させる k 人を選択する問題

1. ノード(人)→ノード(人)への情報の伝播確率を算出してネットワークを作成

○ 過去データから現実世界を模倣

○ 例: 10回中1回RTされたら10%で伝播



2. あるノードが情報源として発信した情報の影響度をシミュレーション

○ 影響度 = 拡散できる人数(の期待値)



3. 拡散力の高いノード(k 個)の組み合わせを選択

○ 予算上限、配信ツールの機能などによる現実的な制約

○ できるだけ少ないコストで大きな拡散

伝播確率=10%
拡散力が高いノード(人)

66
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影響最大化問題の特徴

有名人を情報源とした場合

→ フォロワー数、リツイート数が多い人

影響最大化問題を解いた場合

→ 全体の拡散を多くする人

重なり(オーバラップ)がある拡散

小さい拡散

ネットワーク構造を考慮した拡散

大きい拡散

情報源

影響を

受けた人

67
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情報の拡散シミュレーション (1/2)

• 独立カスケードモデル [Kampe et al., 2003]

○ 拡散量を推定する情報拡散の基本的なモデル

○ ネットワーク科学の研究で度々利用される

2
1
3
4
5
6
7
80%

10%

20%

50%

70%

70%

30%

50%

情報が伝わる確率

4から6へ情報が伝わる確率は30%

68
2
1
3
4
5
6
7
80%

10%

20%

50%

70%

70%

30%

50%

2 が情報発信したらどうなる…?

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情報の拡散シミュレーション (1/2)

• 独立カスケードモデル

○ 拡散量を推定する情報拡散の基本的なモデル

○ ネットワーク科学の研究で度々利用される

2
1
3
4
5
6
7
80%

10%

20%

50%

70%

70%

30%

50%

2が情報発信

69
情報が伝わる確率

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情報の拡散シミュレーション (1/2)

• 独立カスケードモデル

○ 拡散量を推定する情報拡散の基本的なモデル

○ ネットワーク科学の研究で度々利用される

2
1
3
4
5
6
7
80%

10%

20%

50%

70%

70%

30%

50%

2が情報発信

70
情報が伝わる確率

2
1
3
4
5
6
7
隣のノードに拡散

成功・失敗の2パターン

成功

失敗

失敗

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情報の拡散シミュレーション (1/2)

• 独立カスケードモデル

○ 拡散量を推定する情報拡散の基本的なモデル

○ ネットワーク科学の研究で度々利用される

2
1
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6
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80%

10%

20%

50%

70%

70%

30%

50%

2が情報発信

71
情報が伝わる確率

2
1
3
4
5
6
7
隣のノードに拡散

成功・失敗の2パターン

成功

失敗

失敗

2
1
3
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5
6
7
成功したノードから

新たに拡散の計算

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情報の拡散シミュレーション (1/2)

• 独立カスケードモデル

○ 拡散量を推定する情報拡散の基本的なモデル

○ ネットワーク科学の研究で度々利用される

2
1
3
4
5
6
7
80%

10%

20%

50%

70%

70%

30%

50%

2が情報発信

72
情報が伝わる確率

2
1
3
4
5
6
7
隣のノードに拡散

成功・失敗の2パターン

成功

失敗

失敗

2
1
3
4
5
6
7
成功したノードから

新たに拡散の計算

2
1
3
4
5
6
7
拡散が終了するまで

シミュレーション

2から情報伝播が

始まると3人に拡散

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情報の拡散シミュレーション (2/2)

• モンテカルロ シミュレーション

○ 情報伝播の成功可否は確率なので毎回変化

○ 何度もシミュレーションして正確な拡散量を推定

通常 100〜10000回 シミュレーションして平均の拡散量を算出

シミュレーション1

拡散量 = 3

シミュレーション2

拡散量 = 3

シミュレーション3

拡散量 =3

シミュレーション4

拡散量 = 0

シミュレーション5

拡散量 = 4

シミュレーション6

拡散量 = 3

シミュレーション7

拡散量 = 1

シミュレーション8

拡散量 = 2

平均の拡散量 = (3+3+3+0+4+3+1+2) ÷ 8 = 2.375

73
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社内ゲームタイトルのTwitterネットワーク上での

影響最大化問題

拡散力が高い人

74
拡散力が高い人

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社内事例: 影響最大化問題をTwitterにおけるプロモーション配信へ活用

• プロモーション配信

○ 広告主が様々なTwitterユーザーにリーチして情報を届けることができる広告配信

○ 認知拡大や新規ユーザ獲得が目的

○ 通常のツイートと同様にタイムラインや検索画面に表示

○ 様々な配信設定があり特定のユーザーにも配信可能

プロモーションツイート例(『メギド72』)

Twitterネットワーク

運営

75
プロモーション配信のフロー

反応

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プロモーション配信への技術応用であがった論点

1. 配信方法※
を定量的に決定したい

○ 運用者が経験的に得た情報から施策を実施することが多い

• 親和性がある競合タイトルやキーワード

• 配信ツールのデフォルト設定

○ さまざまな情報が行き交う今の時代では、

トレンドや変化を隈なくスピーディに把握することは難しい



2. コミュニティへ情報を十分に行き渡らせたい

○ サービス提供者が発信するだけでは不十分という感覚

○ ゲームのインフルエンサーやファンなどプレイヤー自身が主体となり

口コミに基づいた発信ができると活性化に繋がる

※配信方法: 配信の条件。例えば「ゲームに興味があるユーザーに配信」「日本に住むユーザーに配信」など。 

76
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取り組みの目的

1. 配信方法を定量的に決定したい

→ データから拡散力の高い人物を発見

→ その人物に向けてプロモーション配信



2. コミュニティへ情報を十分に行き渡らせたい

→ コアなコミュニティだけではなく幅広いコミュニティへの伝播

→ 配信の重なり(オーバーラップ)を無くす

影響最大化問題を活用して解決したい
77
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プロモーション配信の実験設定

● 使用データ

○ 配信するゲームタイトルのTwitterデータ(4ヶ月分)

○ 親和性の高い関連IP※1
のTwitterデータ(10種類)

● ネットワーク

○ ノード: ユーザー(約10万)

○ エッジ: リツイート、メンション、リプライ(約60万)

○ 伝播確率: 過去のリツイート、メンション、リプライの割合

● 影響最大化問題

○ 独立カスケードモデル+貪欲法※2

○ 抽出するユーザー数: 300

● 評価指標(既存手法の平均と比較)

○ インプレッション数(≒ 拡散数)

○ 1インプレッションあたりの費用



78
Twitterデータ

影響最大化問題

配信ユーザリスト

※1 Aを呟いているときBも呟く確率を算出し、高い値のIPを親和性の高いIPとしている

※2 貪欲法: 拡散力の高い人を順に選ぶ影響最大化問題の基礎的な解法アルゴリズム [Kampe et al., 2003]

配信

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影響最大化問題を用いたプロモーション配信の結果

79
※ 既存手法の結果は今までと同様の方法で配信した複数手法の結果の平均を取っている

  そのためこの結果は今までの手法の平均と比べてどの位置にいるかを表している

既存手法※

影響最大化問題

インプレッション数

● より多くのユーザに情報を届けられている

● 配信手法の一つとして十分に活用していける結果

既存手法※

影響最大化問題

1インプレッションあたりの費用 () 

● 費用はわずかに削減傾向

○ ニッチだが拡散力をもつユーザ層への配信

● 大きく下がらなかった理由

○ アクティブなユーザは獲得難易度が高い

○ 競合タイトルが存在する配信オークションの特性

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配信の振り返り

80
工数削減

認知向上

費用対効果 向上

システムが自動で配信設定を決定
多くの拡散を達成
費用を抑えて拡散数を伸長
既存手法

影響最大化問題 

インプレッション数 

既存手法

影響最大化問題 

1インプレッションあたりの費用 ()

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このパートのまとめ

● ネットワーク科学 × バイラルマーケティング

○ 伝えたい情報(ツイート)を拡散してくれる人を見つけたい

○ 拡散を最大化させる「影響最大化問題」が研究されている



● 影響最大化問題

○ ネットワークの中から高い拡散力をもつ人を特定できる

○ 情報を最大限拡散させるアルゴリズムの紹介



● 社内事例: Twitterにおけるプロモーション配信への活用

○ 影響最大化問題で特定した人にピンポイントに配信できた

○ 新しい配信の打ち手として活用できることを示した

■ 低コストで多くのお客様にリーチ

81
アジェンダ

82
1. スマートフォンゲームマーケティングの概要



2. 定量データによるマーケティング業務の改善



3. ネットワーク科学のマーケティングへの応用



a. 取り組み①: 情報の伝播



b. 取り組み②: コミュニティの抽出



c. 取り組み③: 情報拡散を最大化させる方法



4. まとめと展望

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我々のチームが行なったゲームマーケティング改革

83
分析ツールの開発による業務効率化

● 高いカスタマイズ性、網羅性、自動レポート、Looker

● 認識の齟齬や属人性の排除

● 大きな工数削減!(週 5 時間 × 2〜3人 → 週 30 分 × 1人)

今まではデータを手動集計で作成していましたが、

分析ツールができたことでレポート作成時間を大幅に

削減する事ができ、空いた時間を他業務に割り当てる

ことができるようになりました

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我々のチームが行なったゲームマーケティング改革

84
分析ツールの開発による業務効率化

情報伝播の可視化

● 高いカスタマイズ性、網羅性、自動レポート、Looker

● 認識の齟齬や属人性の排除

● 大きな工数削減!(週 5 時間 × 2〜3人 → 週 30 分 × 1人)

● 情報が伝播していく過程の分析が可能!

● 媒介者としての拡散力に基づく施策(絵師施策)

● 技術: カスケード分析

今まではバズが起きた際のコンテンツにばかり着目していまし
たが、そのコンテンツを生成した「ユーザー」を深く知る事によ
り、一度発生したバズの再現可能性を以前よりも格段に高め
る動きにつながっています

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我々のチームが行なったゲームマーケティング改革

85
分析ツールの開発による業務効率化

情報伝播の可視化

コミュニティの可視化

● 高いカスタマイズ性、網羅性、自動レポート、Looker

● 認識の齟齬や属人性の排除

● 大きな工数削減!(週 5 時間 × 2〜3人 → 週 30 分 × 1人)

● 情報が伝播していく過程の分析が可能!

● 媒介者としての拡散力に基づく施策(絵師施策)

● 技術: カスケード分析

● コミュニティの時間的な遷移の把握が可能!

● コミュニティを活性化させる施策(人と人を適切に繋げる)

● 技術: Infomap

コミュニティの全体像を理解する事で、運営側がまだ

発見できていなかった成長率が著しい小さなコミュニティを発
見する事ができ、今後のコミュニティマネジメント戦略に活かせ
る示唆を得る事ができました

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● コミュニティの時間的な遷移の把握が可能!

● コミュニティを活性化させる施策(人と人を適切に繋げる)

● 技術: Infomap

我々のチームが行なったゲームマーケティング改革

86
分析ツールの開発による業務効率化

情報伝播の可視化

コミュニティの可視化

情報拡散の最大化

● 高いカスタマイズ性、網羅性、自動レポート、Looker

● 認識の齟齬や属人性の排除

● 大きな工数削減!(週 5 時間 × 2〜3人 → 週 30 分 × 1人)

● 情報が伝播していく過程の分析が可能!

● 媒介者としての拡散力に基づく施策(絵師施策)

● 技術: カスケード分析

● 情報拡散の最大化シミュレーションが可能!

● 広告配信で活用(低コスト高拡散)

● 技術: 影響最大化問題

今まで大きな工数がかかり、人的には見つけるのが難しかっ
たインフルエンス力が高いユーザーを発見し、ターゲティング
に設定できるようになり、効果を拡大する

ことができました

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我々のチームが行なったゲームマーケティング改革

87
分析ツールの開発による業務効率化

情報伝播の可視化

コミュニティの可視化

情報拡散の最大化

● 高いカスタマイズ性、網羅性、自動レポート、Looker

● 認識の齟齬や属人性の排除

● 大きな工数削減!(週 5 時間 × 2〜3人 → 週 30 分 × 1人)

● 情報が伝播していく過程の分析が可能!

● 媒介者としての拡散力に基づく施策(絵師施策)

● 技術: カスケード分析

● コミュニティの時間的な遷移の把握が可能!

● コミュニティを活性化させる施策(人と人を適切に繋げる)

● 技術: Infomap

● 情報拡散の最大化シミュレーションが可能!

● 広告配信で活用(低コスト高拡散)

● 技術: 影響最大化問題

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ネットワーク科学で挑戦するゲームマーケティング改革

● 実現できたこと・得た知見

○ 把握しづらい情報の可視化・理解

○ 新たな切り口からの施策(絵師施策、広告配信)

○ ゲームに依らず汎用的に活用可能



● 将来の展望

○ つながりを活用した施策・事例の展開

○ SNS以外のゲームにおけるつながりのデータへの応用

■ キャラクターネットワーク、プレイヤー行動ネットワーク

88
データに基づく環境理解や施策を“狙って”できるように!

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ご清聴ありがとうございました

Q&A

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[del] マーケティングの現場からの実際の声 (全文)

90


■Twitter運用担当Mさん 

今まではSNSの投稿内容を複数人で目視で観測し、自社タイトル
に対する反応をソーシャルレポートに纏めていました。 

ソーシャルレポートにはSNS投稿の件数推移やポジティブネガティ
ブの比率などをデータを手動集計で作成していましたが、SNS分
析ツールができた事でレポート作成時間を大幅に削減する事がで
き、空いた時間を他業務に割り当てる事ができるようになりまし
た。





■Twitter運用担当Tさん 

Twitterで発生したバズを「誰を起点にして」「なぜ起きたのか」という
観点で分析ができるようになり、その分析結果から新しい施策の考
案に繋がっています。 

今まではバズが起きた際のコンテンツ(投稿内容)にばかり着目し
ていましたが、そのコンテンツを生成した「ユーザー」を深く知る事に
より、一度発生したバズの再現可能性を以前よりも格段に高める動
きにつながっています。 





■コミュニティマネジメント担当 

ユーザーのコミュニティは流動的で変化し続けるものなので、人
によってコミュニティに対する理解が異なっている状態でした。し
かし、特定タイトルに紐付いて存在しているコミュニティの全体像
を理解する事で、今まで把握していたコミュニティの規模や他コ
ミュニティとの関係性が見えたり、運営側がまだ発見できていな
かった成長率が著しい小さなコミュニティを発見する事ができ、今
後のコミュニティマネジメント戦略に活かせる示唆を得る事ができ
ました。



人的には見つけるのが難しいインフルエンス力が高いユーザー発見し、ター
ゲティングに設定できるようになったのは大きな一歩です。

Twitter広告は「ユーザーのつぶやき」「アカウント」によって柔軟なターゲティ
ングができることが大きな特徴の一つです。

しかし柔軟な分、担当者による精度に差がでたり、サービスと相性のよいター
ゲティングの洗い出しに工数がかかってしまうことが課題でした。

本施策によって、上記課題が解消されました。

そしてなにより、人的には見つけるのが難しいインフルエンス力が高いユー
ザー発見し、ターゲティングに設定できるようになり、効果を拡大することがで
きました。



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参考文献

91
Bakshy, E., Hofman, J. M., Mason, W. A., & Watts, D. J. (2011, February). Everyone's an influencer: quantifying influence on twitter. In Proceedings of the fourth ACM international conference on
Web search and data mining (pp. 65-74).
Blondel, V. D., Guillaume, J. L., Lambiotte, R., & Lefebvre, E. (2008). Fast unfolding of communities in large networks. Journal of statistical mechanics: theory and experiment, 2008(10),
P10008.
Cha, M., Mislove, A., Adams, B., & Gummadi, K. P. (2008, August). Characterizing social cascades in flickr. In Proceedings of the first workshop on Online social networks(pp. 13-18).
Goel, S., Anderson, A., Hofman, J., & Watts, D. J. (2016). The structural virality of online diffusion. Management Science, 62(1), 180-196.
Greene, D., Doyle, D., & Cunningham, P. (2010, August). Tracking the evolution of communities in dynamic social networks. In 2010 international conference on advances in social networks
analysis and mining (pp. 176-183). IEEE.
Kempe, D., Kleinberg, J., & Tardos, É. (2003, August). Maximizing the spread of influence through a social network. In Proceedings of the ninth ACM SIGKDD international conference on
Knowledge discovery and data mining (pp. 137-146).
Kang, A. R., Jeong, S. H., Mohaisen, A., & Kim, H. K. (2016). Multimodal game bot detection using user behavioral characteristics. SpringerPlus, 5(1), 523.
Kwak, H., Lee, C., Park, H., & Moon, S. (2010, April). What is Twitter, a social network or a news media?. In Proceedings of the 19th international conference on World wide web (pp. 591-600).
Liu, X., Xie, M., Wen, X., Chen, R., Ge, Y., Duffield, N., & Wang, N. (2018, November). A semi-supervised and inductive embedding model for churn prediction of large-scale mobile games. In
2018 IEEE International Conference on Data Mining (ICDM) (pp. 277-286). IEEE.
Palla, G., Barabási, A. L., & Vicsek, T. (2007). Quantifying social group evolution. Nature, 446(7136), 664-667.
Papadopoulos, S., Kompatsiaris, Y., Vakali, A., & Spyridonos, P. (2012). Community detection in social media. Data Mining and Knowledge Discovery, 24(3), 515-554.
Rosvall, M., & Bergstrom, C. T. (2008). Maps of random walks on complex networks reveal community structure. Proceedings of the National Academy of Sciences, 105(4), 1118-1123.
Son, S., Kang, A. R., Kim, H. C., Kwon, T., Park, J., & Kim, H. K. (2012). Analysis of context dependence in social interaction networks of a massively multiplayer online role-playing game. PloS
one, 7(4), e33918.
Ying, R., He, R., Chen, K., Eksombatchai, P., Hamilton, W. L., & Leskovec, J. (2018, July). Graph convolutional neural networks for web-scale recommender systems. In Proceedings of the 24th
ACM SIGKDD International Conference on Knowledge Discovery & Data Mining (pp. 974-983).

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ネットワーク科学で挑戦するゲームマーケティング改革

  • 1. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. ネットワーク科学で挑戦するゲームマーケティング改革
 CEDEC 2020 Sep. 4, 2020
 
 安達 涼 / 田中 一樹
 DeNA Co., Ltd. 
 1
  • 2. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. *スライドタイトルが[del]で始まるもの
 e.g.) [del] ネットワークを組むメリット
 は時間の制約上、発表では省いたものです。
 
 2
  • 3. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 自己紹介
 ❏ 安達 涼
  - DeNA ゲーム事業部 マーケティング統括部 分析部
 
 ❏ 統計・機械学習手法を用いたビッグデータ分析
 ❏ ゲームプレイ、マーケティング関連のデータ
 ❏ 参考:CEDEC 2019「逆転オセロニア」における、機械学習モデルを用いたデッキのアーキタイ プ抽出とゲーム運用への活用
 https://www.slideshare.net/RyoAdachi/deck-archetype-extraction-cedec2019
 
 ❏ 分析部ブログ:https://medium.com/dena-analytics-blog
 3
  • 4. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. ■ 分析組織としては2011年から継続しており、現在はゲーム事業に
 100%コミットしている
 
 ■ 各ゲームタイトルに専属アナリストをアサインする体制
 参考:CEDEC 2017「一周年で爆発した「逆転オセロニア」における、
 ゲーム分析の貢献事例 〜開発・運営の意思決定を全力でサポートする、DeNAのゲーム分析体制〜」
 https://www.youtube.com/watch?v=bcCiRqmvR2o
 
 ■ 行動ログ分析、ユーザー調査等、様々な分析手法を用いて分析に
 取り組んでいる
 
 ■ 新たな分析手法や、機械学習等の高度な技術を活用したR&Dにも
 トライしており、今回の発表はその文脈での実践例
 
 [del] DeNA ゲーム事業部 マーケティング統括部 分析部について
 4
  • 5. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 
 ■ 分析部ブログ:
 https://medium.com/dena-analytics-blog
 
 ■ ゲームバランス調整、因果推論、
 分析基盤、ユーザーリサーチなど
 [del] 分析部ブログについて
 5
  • 6. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 自己紹介
 6 ❏ 田中 一樹
  - AIシステム部 データサイエンティスト
 
 ❏ 2017年4月 DeNA入社
 ❏ AI 研究開発、データサイエンス
 ❏ 『逆転オセロニア』対戦 AI、デッキレコメンド AI※1
 ❏ 各種サービスへの AI・データサイエンス応用※2 
 ❏ 強化学習・機械学習を用いたゲームAI開発
 ※1 CEDEC 2018:『逆転オセロニア』におけるAI活用 https://www.slideshare.net/juneokumura/cedec2018ai
 ※2 CEDEC 2019: 組織的に Game x AI を 推進していくための方法論 https://speakerdeck.com/kenoss/2019-09-04-cedec2019- zu-zhi-de-ni-game-x-ai-wo-tui-jin-siteikutamefalsefang-fa-lun-ni-zhuan-oseronia-false-ai-false-bu-xian-he
 ※ オセロ・Othelloは登録商標です。TM&© Othello,Co. and MegaHouse / © 2016 DeNA Co.,Ltd.
 👈『逆転オセロニア』 のゲーム AI 開発を執筆
 強化学習理論の 訳書を執筆 👉
 👇 GDCやCloud Next など海外/国内で多数発信
 @ikki407
  • 7. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 講演の全体像
 7 スマホマーケティングの 背景・課題
 分析ツール開発
 による業務効率化
 ネットワーク科学
 のマーケティング応用

  • 8. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. アジェンダ
 1. スマホゲームマーケティングとSNS
 
 2. 定量データによるマーケティング業務の改善
 
 3. ネットワーク科学のマーケティングへの応用
 
 a. 取り組み①: 情報の伝播
 
 b. 取り組み②: コミュニティの抽出
 
 c. 取り組み③: 情報拡散を最大化させる方法
 
 4. まとめと展望
 8
  • 9. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. スマホゲームマーケティングとSNS
 ● 新規・復帰ユーザー獲得
 ○ TVCM
 ○ WEB・SNS広告
 ○ ASO(App Store Optimization)
 
 ● ユーザー維持
 ○ SNS運用
 ○ 公式番組
 ○ リアルイベント 
 9
  • 10. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. SNS活用におけるこれまでの課題点
 ● 取得するデータに客観性・網羅性が足りない
 ○ データの理解が主観的になりがち(e.g. 感情分析)
 ○ 大量のデータから必要な情報を取捨選択する難しさ・効率が悪い
 ○ ユーザー理解を統一することが難しい
 
 ● 投稿数、投稿内容、コメント数などの単純な情報のみを利用してきた
 ○ 情報の伝播を追跡できない
 ○ SNS上のコミュニティを把握することが難しい
 10 
 SNSを活用したマーケティングの質 を上げ、お客様へよりよい体験を提 供していくためには、データをフル活 用していく必要があるフェーズに来て いる。
 しかし、SNSデータの取得や分析が 十分にできる環境が整っておらず、 PDCAの水準を全体的に高める環境 がまだできていない。
 
 ソーシャルメディアブランディンググループ
 マネージャー 鶴川さん

  • 11. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 取り組みの概要
 SNS上のビッグデータ × スマホゲームマーケティング
 
 ○ Twitter上のデータを活用 (ツイート、つながりなど)
 
 ○ テーマ①: 定量データを集約したSNS分析ツールの作成と活用による業務の改善
 
 ○ テーマ②: ネットワーク科学を活用した、新たな知見の発掘とその活用
 ■ 情報伝播の過程
 ■ コミュニティの抽出
 ■ 情報拡散の最大化
 11
  • 12. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. アジェンダ
 12 1. スマートフォンゲームマーケティングの概要
 
 2. 定量データによるマーケティング業務の改善
 
 3. ネットワーク科学のマーケティングへの応用
 
 a. 取り組み①: 情報の伝播
 
 b. 取り組み②: コミュニティの抽出
 
 c. 取り組み③: 情報拡散を最大化させる方法
 
 4. まとめと展望

  • 13. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 弊社でのSNSを用いたユーザー理解の課題点
 
 ● これまでの運用
 ○ 既存のSNS分析ツール
 ○ SNS運用チームの手作業での情報収集
 
 ● これらの課題点
 ○ 欲しい情報が得られない、自由度が低い
 ○ ユーザーの意見や施策への反応を網羅的・客観的に把握できない、効率が良くない
 
 ● 改善方法
 ○ 必要な情報だけを網羅したSNS分析ツールの導入による情報収集の自動化
 ○ 施策の検討、振り返りのワークフローの整備
 13
  • 14. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. SNS分析ツールの作成
 ● 必要な情報を網羅
 ○ ツイート数・投稿者数・リツイート数など
 ○ フォロワー数の増減
 ○ 投稿内容の感情分析(Google sentiment API)
 ○ 投稿内容をカテゴリーに分類(機械学習)
 
 ● Lookerを採用 (Google社のBIツール)
 ○ 使いやすく、シンプルなUI
 ○ 自由度が高い (*ドリルダウンなど)
 投稿内容の感情変化 
 カテゴリー別投稿数の変化 
 Twitter投稿数/投稿者数/RT数 
 
 14 *データは架空のものです
 *集計範囲を一段階絞って、より詳細な集計を行うこと
 ■ https://cloudonair.withgoogle.com/events/google-cloud-inside-games-and-a pps-11?talk=gc-inside-game-11-session2 ■ https://ja.looker.com/events/beacon/japan ポジティブツイート

  • 15. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. SNS分析ツールを活用したワークフローの整備
 
 ● ユーザー状態の把握
 ○ ユーザーの感情の変化や盛り上がっている話題をチェック
 ○ 定期的にレポートを展開し、開発や施策の方向性決定に活用
 ○ ユーザー把握、施策の効果確認の関係者間での認識の統一 
 
 ● 施策の振り返りへの活用
 ○ 過去の類似施策との比較が容易
 
 ● ツール活用による効率化
 ○ 週5時間*2〜3人 → 30分*1人
 15
  • 16. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. ここまでのまとめ
 
 ● Lookerで作成したカスタムSNS分析ツールを導入
 ○ ユーザー理解が客観的・網羅的になり、ユーザー状態の認識を統一できた
 ○ データの取捨選択を自動化し、大幅な効率化を達成した
 
 ● SNS分析ツール活用の今後の展開
 ○ ゲーム以外の事業への導入
 ○ Youtube(公式チャンネルなど)のデータでの活用
 ○ カスタマーサポートの運用での活用
 
 16
  • 17. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. アジェンダ
 17 1. スマートフォンゲームマーケティングの概要
 
 2. 定量データによるマーケティング業務の改善
 
 3. ネットワーク科学のマーケティングへの応用
 
 a. 取り組み①: 情報の伝播
 
 b. 取り組み②: コミュニティの抽出
 
 c. 取り組み③: 情報拡散を最大化させる方法
 
 4. まとめと展望

  • 18. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. ネットワーク
 ソーシャル
 ネットワーク
 タンパク質の相互作用
 銀行間の貸借
 鉄道網
 ● G(V, E): V:ノード, E:エッジ
 
 ● 有向・無向グラフ、エッジの重みあり・なし
 18
  • 19. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. [del] ネットワークを組むメリット
 
 ● 把握しづらい情報の可視化・理解
 ● ネットワーク作成の自由度が高く、活用の幅が広い
 19
  • 20. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. [del] ソーシャルネットワークとネットワーク科学

 ● データ
 ○ ”ゲームA”というキーワードを含むツイート
 ○ ツイートのリツイート・メンション・リプライ
 ○ 上記アクティビティをしたユーザーのフォローしている人・フォロワー
 
 ● ネットワークの作成方法
 ○ ノード:アクティビティに関与したユーザー
 ○ エッジ:リツイートなどツイート関連、フォロー関係
 
 ● 活用例
 ○ リンク予測 / コミュ二ティ検知 / ノード類似性 / ネットワーク類似性 / 伝播予測
 20
  • 21. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. ネットワーク科学の活用例
 ● レコメンド機能
 ○ Uber Eats (c.f. https://eng.uber.com/uber-eats-graph-learning/ )
 ○ Pinterest (Ying et al., 2018)
 
 ● ゲーム関連
 ○ MMORPGのアイテムトレード分析 (Son et al., 2012)
 ○ ボット検知 (Kang et al., 2016)
 ○ 離脱予測 (Liu et al., 2018)
 21 Ying et al., 2018
 Jain et al., 2019

  • 22. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. アジェンダ
 22 1. スマートフォンゲームマーケティングの概要
 
 2. 定量データによるマーケティング業務の改善
 
 3. ネットワーク科学のマーケティングへの応用
 
 a. 取り組み①: 情報の伝播
 
 b. 取り組み②: コミュニティの抽出
 
 c. 取り組み③: 情報拡散を最大化させる方法
 
 4. まとめと展望

  • 23. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. カスケード
 
 情報が伝播していく様子=カスケード
 ○ 自分のタイムラインに表示された
  フォロワーのツイートをリツイート...
 ○ 情報、疫病、電気など
 
 Bakshy et al., 2011
 23
  • 24. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. カスケード分析:課題と目的
 
 ● 課題、疑問点
 ○ バズとは何だろう?
 ○ バズのきっかけとなるユーザーは誰?
 
 ● 目的
 ○ バズの定量化
 ■ 公式アカウントのツイートとユーザーのツイートの違いを比較
 ■ ゲームタイトル間の比較
 
 ○ 意図的に大きな拡散を作りたい
 ■ ツイートの拡散を加速させるユーザーの抽出 
 24
  • 25. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. ツイートのカスケードの構築
 Aがツイート①をツイートした。そしてAをフォローしているBが、
 Aより後にツイート①をリツイートしたとき、AからBに伝播が起こったとする
 Cha et al., 2008
 25
  • 26. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. カスケードの例
 投稿者
 拡散力の大きいユーザー
 
 ● ゲームAに関連するツイート1ヶ月分:約60万ツイート
 ● このうち一回でもリツイートされたツイート:約1万ツイート
 ● ユーザーのフォローしている人&フォロワー
 26
  • 27. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. カスケードの分析1
 Q:公式のツイートとユーザーのツイートのカスケードの違いは?
 公式ツイートの例
 ユーザーツイートの例
 27 浅い・一つの傘
 深い・枝分かれ

  • 28. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. カスケードの分析1
 Goel et al., 2016
 カスケードの形状の測り方
 ● Structural virality (バイラリティ指標)
 28 距離:1
 距離:2
 バイラリティ指標が高い=ツイートが人づてに広く拡散
 c.f.) 青点間の距離

  • 29. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. カスケードの分析1
 公式ツイートの例
 ユーザーツイートの例
 公式とユーザーのツイートのバイラリティの比較
 p<0.001
 29 公式ツイート ユーザーツイート バイラリティ指標:公式ツイート < ユーザーツイート
 公式
 ユーザー
 バイラリティ指標
 バイラリティ指標
 カスケードの大きさ (ノード数) 

  • 30. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. [del] カスケードの分析1
 公式ツイートの例
 ユーザーツイートの例
 公式ツイートとユーザーツイートの伝播速度の比較
 30 伝播速度:公式ツイート > ユーザーツイート
 公式
 ユーザー

  • 31. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. カスケードの分析2
 Q:ゲームタイトル間でのカスケードの違いは?
 31 *CCDF=1-CDF
 バイラリティ指標:ゲームB < ゲームA
 バイラリティ指標
 ゲーム間のバイラリティ指標の比較

  • 32. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. カスケードの分析2
 32 *CCDF=1-CDF
 バイラリティ指標:ゲームB < ゲームA
 バイラリティ指標
 
 ● ゲームAは、よりバイラルな伝播を起こしやすいフォ ロー・フォロワー構造を持つ
 
 ● ゲームBをAに近づけたい 
 ○ 絵師施策
 ○ ハッシュタグキャンペーン
 ゲーム間のバイラリティ指標の比較

  • 33. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. カスケードの分析3
 Q:ツイートの拡散を加速させるユーザーはだれ?
 発信者ではない、
 拡散力の大きいユーザー
 33 発信者

  • 34. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. カスケードの分析3
 ユーザーA
 34 ユーザーAの発信者としての拡散力

  • 35. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. カスケードの分析3
 ユーザーB
 35 ユーザーBの媒介者としての拡散力

  • 36. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. カスケードの分析3
 36 発信者
 媒介者
 発信↓媒介↑
 発信↑媒介↓
 発信↑媒介↑
 各ユーザーの発信力と媒介力

  • 37. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. カスケードの分析3
 37 発信者
 媒介者
 発信↓媒介↑
 発信↑媒介↓
 発信↑媒介↑
 各ユーザーの発信力と媒介力

  • 38. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. カスケードの活用例
 38 
 ● 絵師施策
 ○ ゲームに関連したイラストを絵師に依頼
 
 ● 絵師施策の振り返り
 ○ リツイート数・バイラリティ
 ○ 拡散への寄与の大きいユーザー
 
 ● 絵師の選定
 ○ 各施策で媒介力の高いユーザーが
  共通してフォローしている絵師を選定
 リツイート数
 バイラリティ指標
 リツイート数
 バイラリティ指標
 施策A
 施策B
 施策Aでの媒介力
 施策Bでの媒介力
 絵師S
 共通フォロー数のランキング 
 高バイラリティ

  • 39. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. ここまでのまとめ
 39 
 ● カスケードの抽出と、バイラリティ指標を用いたバズの定量化
 
 ● 公式アカウントのツイートとユーザーのツイートの違い
 ○ 浅い一つの大きな傘 vs 枝分かれをもつ深い木
 ○ バイラリティ指標: 公式ツイート < ユーザーツイート
 
 ● ゲームタイトル間での違い
 ○ つながりを促進する施策でバイラリティ指標を向上
 ○ バイラリティ指標の変化の観測
 
 ● ツイートの拡散を加速させるユーザーの抽出 
 ○ 絵師施策などへの活用

  • 40. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. アジェンダ
 40 1. スマートフォンゲームマーケティングの概要
 
 2. 定量データによるマーケティング業務の改善
 
 3. ネットワーク科学のマーケティングへの応用
 
 a. 取り組み①: 情報の伝播
 
 b. 取り組み②: コミュニティの抽出
 
 c. 取り組み③: 情報拡散を最大化させる方法
 
 4. まとめと展望

  • 41. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. コミュニティとコミュニティマーケティング
 ● コミュニティ(マーケティングの観点)
 ○ 同じ価値観・目的を持った人が集まり共感し合う集合体
 
 ● コミュニティマーケティング
 ○ コミュニティを形成/拡大し、コミュニティからの発信力を強化することで、
 新規ユーザー獲得や既存ユーザーの維持に繋げていくマーケティング活動
 ○ 例1:絵師施策
 ■ コミュニティ内でファンが多い絵師からゲーム関連のイラストを発信し、
 話題を提供する事で、コミュニティからの発信力を強化する
 ○ 例2:リアルイベント
 ■ 同じ目的を持ったユーザーが集まる場を提供し、ユーザー間の繋がりを強化する
 41
  • 42. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. コミュニティの抽出と可視化:課題と取り組み
 
 ● 課題
 ○ SNS上の‘‘コミュニティ” を把握することは容易ではない
 ■ これまではSNSの投稿内容の観察や、ユーザーインタビューを活用
 
 ● 取り組み
 ○ SNS上のコミュニティを抽出する 
 ■ 各コミュニティのユーザー属性の検証
 
 ○ コミュニティの時系列変化を捉える
 ■ 施策が意図したコミュニティに及ぼす影響の観測
 42
  • 43. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. コミュニティの定義とアルゴリズム
 
 ● コミュニティの定義 (ネットワーク科学の観点)
 ○ ノード:ユーザー
 ○ エッジ:フォロー関係、リツイートなどツイート関連
 ○ コミュニティ内ではエッジが密に、
  コミュニティ間ではエッジが疎になるようなノードの分割
 
 ● コミュニティ抽出のアルゴリズム
 ○ Louvain (Blondel et al., 2008)
 ○ Infomap (Rosvall and Bergstrom, 2008)
 
 コミュニティ
 43 ユーザー
 つながり

  • 44. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. [del] コミュニティ抽出のアルゴリズム
 44 Papadopoulos et al., 2012
 アルゴリズムの選択
 ● ネットワークの種類
 ○ 有向・無向 / エッジに重みあり・なし
 ● コミュニティの種類
 ○ 重なりあり・なし
 
 ● アルゴリズムの計算複雑度
 ● python・Rパッケージあり・なし
 
 コミュニティ抽出アルゴリズムに関連する理論 

  • 45. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. [del] コミュニティ抽出のアルゴリズム:Louvain algorithm 
 45 ● モジュラリティ(Q)の最大化
 
 
 
 ● *Greedy法 (2ステップ)
 ○ ステップ0: すべてのノードを異なるコミュニティとする
 
 *Greedy法: アルゴリズムの基本的設計技法の一つで、貪欲算法とも呼ばれる。最適化問題を解くとき、
 計算の各段階で最も利益の大きい部分解を選んでいき、それらの部分解を組み合わせたものを最終的な解とする 
 
 *S: コミュニティの集合
 

  • 46. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. [del] コミュニティ抽出のアルゴリズム:Louvain algorithm 
 46 ● モジュラリティ(Q)の最大化
 
 
 
 ● *Greedy法 (2ステップ)
 ○ ステップ0: すべてのノードを異なるコミュニティとする
 ○ ステップ1: ローカルにQを最大化する (optimization)
 
 *Greedy法: アルゴリズムの基本的設計技法の一つで、貪欲算法とも呼ばれる。最適化問題を解くとき、
 計算の各段階で最も利益の大きい部分解を選んでいき、それらの部分解を組み合わせたものを最終的な解とする 
 
 *S: コミュニティの集合
 

  • 47. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. [del] コミュニティ抽出のアルゴリズム:Louvain algorithm 
 47 ● モジュラリティ(Q)の最大化
 
 
 
 ● *Greedy法 (2ステップ)
 ○ ステップ0: すべてのノードを異なるコミュニティとする
 ○ ステップ1: ローカルにQを最大化する (optimization)
 ○ ステップ2: 同じコミュニティのノードをまとめる (aggregation)
 
 
 *Greedy法: アルゴリズムの基本的設計技法の一つで、貪欲算法とも呼ばれる。最適化問題を解くとき、
 計算の各段階で最も利益の大きい部分解を選んでいき、それらの部分解を組み合わせたものを最終的な解とする 
 
 *S: コミュニティの集合
 

  • 48. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. [del] コミュニティ抽出のアルゴリズム:Louvain algorithm 
 48 ● モジュラリティ(Q)の最大化
 
 
 
 ● *Greedy法 (2ステップ)
 ○ ステップ0: すべてのノードを異なるコミュニティとする
 ○ ステップ1: ローカルにQを最大化する (optimization)
 ○ ステップ2: 同じコミュニティのノードをまとめる (aggregation)
 ○ ステップ1へ
 
 Blondel et al., 2008
 *Greedy法: アルゴリズムの基本的設計技法の一つで、貪欲算法とも呼ばれる。最適化問題を解くとき、
 計算の各段階で最も利益の大きい部分解を選んでいき、それらの部分解を組み合わせたものを最終的な解とする 
 
 *S: コミュニティの集合
 

  • 49. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. [del] コミュニティ抽出のアルゴリズム: Infomap
 49 ● ランダムウォークに基づいた手法
 ○ ランダムウォーク:確率的に無作為な遷移過程
 
 
 

  • 50. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. [del] コミュニティ抽出のアルゴリズム: Infomap
 50 ● ランダムウォークに基づいた手法
 ○ ランダムウォーク:確率的に無作為な遷移過程
 ○ ランダムウォーカーの軌跡を符号で記述
 
 

  • 51. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. [del] コミュニティ抽出のアルゴリズム: Infomap
 51 Rosvall and Bergstrom, 2008 
 ● ランダムウォークに基づいた手法
 ○ ランダムウォーク:確率的に無作為な遷移過程
 ○ ランダムウォーカーの軌跡を符号で記述
 
 
 111:0001
 0:1011
 110:000
 10:0001

  • 52. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. [del] コミュニティ抽出のアルゴリズム: Infomap
 52 Rosvall and Bergstrom, 2008 
 ● ランダムウォークに基づいた手法
 ○ ランダムウォーク:確率的に無作為な遷移過程
 ○ ランダムウォーカーの軌跡を符号で記述
 
 ● マップ方程式
 ○ ある分割Mに対する、1ステップあたりの記述長
 ○ 
 
 ● Greedyアルゴリズムによるマップ方程式の最小化
 
 111:0001
 0:1011
 110:000
 10:0001

  • 53. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 使用するデータとネットワーク
 
 ● データ:ゲームAに関連する6週間分のツイート・つながり
 
 ● ネットワーク:有向・重みあり (1週間ごと) * 6
 ● ノード:ツイート、リツイートなどを行ったユーザー
 ● エッジ:重み=1×フォロー+0.4×#リプライ
  +0.3×#メンション+0.2×#リツイート
 ● アルゴリズム: Infomap (Rosvall and Bergstrom, 2008)
 53
  • 54. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 54 コミュニティの抽出
 ● コミュニティの属性(ストーリー好き、音楽好きなど)
 ○ ツイートのカテゴリー別の投稿数などを比較したが、明確な差は見られなかった
 ○ 考察:排他的な興味のあつまりを用いる (e.g. 複数ゲームに関するデータ)
 コミュニティ
 各コミュニティでの投稿カテゴリー 
コミュニティ抽出結果の可視化 

  • 55. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. コミュニティの時系列変化
 55 Palla et al., 2007
 
 時系列変化抽出のアルゴリズム (Greene et al., 2010)
 
 1. 週ごとにコミュニティを抽出 (Infomap)
 
 2. Jaccard係数(J)を用いた時系列での結びつけ
 
 
 
 
 3. 閾値との比較
 *A(t):時刻tにコミュニティAに属するノードの集合 
 J > 閾値

  • 56. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. コミュニティの時系列変化
 56 ユーザーコミュニティの遷移 
 マージ→拡大→縮小→拡大 
 縮小→維持→拡大→縮小 
 C3.0: 288: コミュニティID 3, 時刻0, 288人 
 c.f.) https://github.com/ponxosio/Dynamic-Community-Tracking

  • 57. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. まとめ
 57 
 コミュニティの抽出と時系列変化
 
 ○ Infomapアルゴリズム + Jaccard係数
 
 ○ 各コミュニティのユーザー属性を調べる
  → 各コミュニティでの話題に明らかな差は認められず
 
 ○ 施策がコミュニティに及ぼす影響の観測
  → 各ゲーム内では難しそう
 

  • 58. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 今後の取り組み
 58   ライブ配信アプリ「Pococha」での活用
 ○ ライブ配信者のコミュニティ抽出
 ■ 配信者の属性ごとに分かれる (音楽、モデルなど)
 
 ○ コミュニティを活性化させる施策
 ■ 配信者をつなげる
 ■ 参加者の選定にコミュニティを活用
 
 ○ 施策を通じた、コミュニティの変化
 ■ つながりの増加
 ■ コミュニティのマージ
 モデル
 音楽
 男性
 配信者
 視聴者の 重なり
 音楽
 音楽1
 音楽2
 マージ
 より密に

  • 59. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. アジェンダ
 59 1. スマートフォンゲームマーケティングの概要
 
 2. 定量データによるマーケティング業務の改善
 
 3. ネットワーク科学のマーケティングへの応用
 
 a. 取り組み①: 情報の伝播
 
 b. 取り組み②: コミュニティの抽出
 
 c. 取り組み③: 情報拡散を最大化させる方法
 
 4. まとめと展望

  • 60. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. このパートでお話しすること
 1. ネットワーク科学 × バイラルマーケティング
 ○ 伝えたい情報(ツイート)を拡散してくれる人を見つけたい
 ○ 口コミに基づく情報拡散の最大化
 
 2. 影響最大化問題
 ○ ネットワークの中から高い拡散力をもつ人を特定
 ○ 情報を最大限拡散させるアルゴリズム
 
 3. 社内事例: Twitterにおけるプロモーション配信への活用
 ○ 社内タイトルのネットワーク上で
 影響最大化問題を解いて配信方法を決定
 ○ 配信結果、既存手法との比較
 60
  • 61. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 背景: バイラルマーケティング
 ● 情報拡散を利用したマーケティング
 ○ 口コミに基づく拡散を活用した手法
 ○ 企業が介入せず口コミで拡散するため、低コストで効率よく多くのユーザにリーチ
 ○ バイラル: viral(ウイルス性の)→ 人から人へ急速に情報が拡散されていくさま
 
 このゲーム
 面白いよ!
 61 このゲーム
 おすすめ!
 友達に
 教えよう!

  • 62. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. [del] 背景: ゲームにおけるバイラルマーケティング
 62 • 感じていた課題
 ○ 市場では数多くのタイトルが存在している
 ○ 投資対効果が悪化していく傾向(有償広告全般)
 
 • 重要性
 ○ お客様が好きな人や信頼できる人からの情報は響きやすい
 • タイトル運営側の発信だけでは響きにくい
 • コミュニティの中心にいる人、信頼し合える仲間からのレコメンド
 ○ 多様なお客様、コミュニティに情報を伝えられる
 • 有名なインフルエンサーだけではない
 ネットワーク科学で一つ突破口を開きたい

  • 63. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. このゲーム面 白いよ!
 目的: 今回達成したいこと
 63 このゲームお すすめ!
 友達に
 教えよう!
 伝えたい情報(ツイート)を拡散してくれる人を見つけたい
 課題
 • 人力では拡散力が高いユーザの発見に大きな工数がかかる
 • 担当者による精度で差が出てしまう
 目的
 • バイラルを発生できる(情報をより拡散できる)確率が高い人たちを見つけたい
 • 発見した人をピンポイントに狙うことで広告配信の精度を高め、効果を拡大したい(後述)
 この人を
 見つけたい!

  • 64. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 友達に
 教えよう!
 このゲーム面 白いよ!
 目的: 今回達成したいこと
 64 このゲームお すすめ!
 伝えたい情報(ツイート)を拡散してくれる人を見つけたい
 多くの人に情報を届け
 配信効果を拡大したい
 この人を
 見つけたい!
 課題
 • 人力では拡散力が高いユーザの発見に大きな工数がかかる
 • 担当者による精度で差が出てしまう
 目的
 • バイラルを発生できる(情報をより拡散できる)確率が高い人たちを見つけたい
 • 発見した人をピンポイントに狙うことで広告配信の精度を高め、効果を拡大したい(後述)

  • 65. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 口コミによる情報拡散の最大化
 ● 口コミに基づく拡散を意図して発生させるのは簡単ではない
 ○ 人と人の関係性、情報伝播の適切な理解
 ○ 拡散範囲の予測・推定
 ○ 拡散に適したコンテンツの作成
 
 ● 誰が(どこが)情報源となれば拡散を最大化できる?
 小さな拡散
 大きな拡散(理想)
 ❤
 ❤
 ❤
 ❤
 ❤
❤
 ❤
❤
 ❤
 ❤
 ネットワーク科学の世界では「影響最大化問題」として知られる
 65
  • 66. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 影響最大化問題とは?
 ネットワークの中から影響を最大化させる k 人を選択する問題
 1. ノード(人)→ノード(人)への情報の伝播確率を算出してネットワークを作成
 ○ 過去データから現実世界を模倣
 ○ 例: 10回中1回RTされたら10%で伝播
 
 2. あるノードが情報源として発信した情報の影響度をシミュレーション
 ○ 影響度 = 拡散できる人数(の期待値)
 
 3. 拡散力の高いノード(k 個)の組み合わせを選択
 ○ 予算上限、配信ツールの機能などによる現実的な制約
 ○ できるだけ少ないコストで大きな拡散
 伝播確率=10% 拡散力が高いノード(人)
 66
  • 67. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 影響最大化問題の特徴
 有名人を情報源とした場合
 → フォロワー数、リツイート数が多い人
 影響最大化問題を解いた場合
 → 全体の拡散を多くする人
 重なり(オーバラップ)がある拡散
 小さい拡散
 ネットワーク構造を考慮した拡散
 大きい拡散
 情報源
 影響を
 受けた人
 67
  • 68. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 情報の拡散シミュレーション (1/2)
 • 独立カスケードモデル [Kampe et al., 2003]
 ○ 拡散量を推定する情報拡散の基本的なモデル
 ○ ネットワーク科学の研究で度々利用される
 2 1 3 4 5 6 7 80%
 10%
 20%
 50%
 70%
 70%
 30%
 50%
 情報が伝わる確率
 4から6へ情報が伝わる確率は30%
 68 2 1 3 4 5 6 7 80%
 10%
 20%
 50%
 70%
 70%
 30%
 50%
 2 が情報発信したらどうなる…?

  • 69. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 情報の拡散シミュレーション (1/2)
 • 独立カスケードモデル
 ○ 拡散量を推定する情報拡散の基本的なモデル
 ○ ネットワーク科学の研究で度々利用される
 2 1 3 4 5 6 7 80%
 10%
 20%
 50%
 70%
 70%
 30%
 50%
 2が情報発信
 69 情報が伝わる確率

  • 70. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 情報の拡散シミュレーション (1/2)
 • 独立カスケードモデル
 ○ 拡散量を推定する情報拡散の基本的なモデル
 ○ ネットワーク科学の研究で度々利用される
 2 1 3 4 5 6 7 80%
 10%
 20%
 50%
 70%
 70%
 30%
 50%
 2が情報発信
 70 情報が伝わる確率
 2 1 3 4 5 6 7 隣のノードに拡散
 成功・失敗の2パターン
 成功
 失敗
 失敗

  • 71. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 情報の拡散シミュレーション (1/2)
 • 独立カスケードモデル
 ○ 拡散量を推定する情報拡散の基本的なモデル
 ○ ネットワーク科学の研究で度々利用される
 2 1 3 4 5 6 7 80%
 10%
 20%
 50%
 70%
 70%
 30%
 50%
 2が情報発信
 71 情報が伝わる確率
 2 1 3 4 5 6 7 隣のノードに拡散
 成功・失敗の2パターン
 成功
 失敗
 失敗
 2 1 3 4 5 6 7 成功したノードから
 新たに拡散の計算

  • 72. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 情報の拡散シミュレーション (1/2)
 • 独立カスケードモデル
 ○ 拡散量を推定する情報拡散の基本的なモデル
 ○ ネットワーク科学の研究で度々利用される
 2 1 3 4 5 6 7 80%
 10%
 20%
 50%
 70%
 70%
 30%
 50%
 2が情報発信
 72 情報が伝わる確率
 2 1 3 4 5 6 7 隣のノードに拡散
 成功・失敗の2パターン
 成功
 失敗
 失敗
 2 1 3 4 5 6 7 成功したノードから
 新たに拡散の計算
 2 1 3 4 5 6 7 拡散が終了するまで
 シミュレーション
 2から情報伝播が
 始まると3人に拡散

  • 73. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 情報の拡散シミュレーション (2/2)
 • モンテカルロ シミュレーション
 ○ 情報伝播の成功可否は確率なので毎回変化
 ○ 何度もシミュレーションして正確な拡散量を推定
 通常 100〜10000回 シミュレーションして平均の拡散量を算出
 シミュレーション1
 拡散量 = 3
 シミュレーション2
 拡散量 = 3
 シミュレーション3
 拡散量 =3
 シミュレーション4
 拡散量 = 0
 シミュレーション5
 拡散量 = 4
 シミュレーション6
 拡散量 = 3
 シミュレーション7
 拡散量 = 1
 シミュレーション8
 拡散量 = 2
 平均の拡散量 = (3+3+3+0+4+3+1+2) ÷ 8 = 2.375
 73
  • 74. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 社内ゲームタイトルのTwitterネットワーク上での
 影響最大化問題
 拡散力が高い人
 74 拡散力が高い人

  • 75. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 社内事例: 影響最大化問題をTwitterにおけるプロモーション配信へ活用
 • プロモーション配信
 ○ 広告主が様々なTwitterユーザーにリーチして情報を届けることができる広告配信
 ○ 認知拡大や新規ユーザ獲得が目的
 ○ 通常のツイートと同様にタイムラインや検索画面に表示
 ○ 様々な配信設定があり特定のユーザーにも配信可能
 プロモーションツイート例(『メギド72』)
 Twitterネットワーク
 運営
 75 プロモーション配信のフロー
 反応

  • 76. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. プロモーション配信への技術応用であがった論点
 1. 配信方法※ を定量的に決定したい
 ○ 運用者が経験的に得た情報から施策を実施することが多い
 • 親和性がある競合タイトルやキーワード
 • 配信ツールのデフォルト設定
 ○ さまざまな情報が行き交う今の時代では、
 トレンドや変化を隈なくスピーディに把握することは難しい
 
 2. コミュニティへ情報を十分に行き渡らせたい
 ○ サービス提供者が発信するだけでは不十分という感覚
 ○ ゲームのインフルエンサーやファンなどプレイヤー自身が主体となり
 口コミに基づいた発信ができると活性化に繋がる
 ※配信方法: 配信の条件。例えば「ゲームに興味があるユーザーに配信」「日本に住むユーザーに配信」など。 
 76
  • 77. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 取り組みの目的
 1. 配信方法を定量的に決定したい
 → データから拡散力の高い人物を発見
 → その人物に向けてプロモーション配信
 
 2. コミュニティへ情報を十分に行き渡らせたい
 → コアなコミュニティだけではなく幅広いコミュニティへの伝播
 → 配信の重なり(オーバーラップ)を無くす
 影響最大化問題を活用して解決したい 77
  • 78. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. プロモーション配信の実験設定
 ● 使用データ
 ○ 配信するゲームタイトルのTwitterデータ(4ヶ月分)
 ○ 親和性の高い関連IP※1 のTwitterデータ(10種類)
 ● ネットワーク
 ○ ノード: ユーザー(約10万)
 ○ エッジ: リツイート、メンション、リプライ(約60万)
 ○ 伝播確率: 過去のリツイート、メンション、リプライの割合
 ● 影響最大化問題
 ○ 独立カスケードモデル+貪欲法※2
 ○ 抽出するユーザー数: 300
 ● 評価指標(既存手法の平均と比較)
 ○ インプレッション数(≒ 拡散数)
 ○ 1インプレッションあたりの費用
 
 78 Twitterデータ
 影響最大化問題
 配信ユーザリスト
 ※1 Aを呟いているときBも呟く確率を算出し、高い値のIPを親和性の高いIPとしている
 ※2 貪欲法: 拡散力の高い人を順に選ぶ影響最大化問題の基礎的な解法アルゴリズム [Kampe et al., 2003]
 配信

  • 79. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 影響最大化問題を用いたプロモーション配信の結果
 79 ※ 既存手法の結果は今までと同様の方法で配信した複数手法の結果の平均を取っている
   そのためこの結果は今までの手法の平均と比べてどの位置にいるかを表している
 既存手法※
 影響最大化問題
 インプレッション数
 ● より多くのユーザに情報を届けられている
 ● 配信手法の一つとして十分に活用していける結果
 既存手法※
 影響最大化問題
 1インプレッションあたりの費用 () 
 ● 費用はわずかに削減傾向
 ○ ニッチだが拡散力をもつユーザ層への配信
 ● 大きく下がらなかった理由
 ○ アクティブなユーザは獲得難易度が高い
 ○ 競合タイトルが存在する配信オークションの特性

  • 80. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 配信の振り返り
 80 工数削減
 認知向上
 費用対効果 向上
 システムが自動で配信設定を決定 多くの拡散を達成 費用を抑えて拡散数を伸長 既存手法
 影響最大化問題 
 インプレッション数 
 既存手法
 影響最大化問題 
 1インプレッションあたりの費用 ()

  • 81. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. このパートのまとめ
 ● ネットワーク科学 × バイラルマーケティング
 ○ 伝えたい情報(ツイート)を拡散してくれる人を見つけたい
 ○ 拡散を最大化させる「影響最大化問題」が研究されている
 
 ● 影響最大化問題
 ○ ネットワークの中から高い拡散力をもつ人を特定できる
 ○ 情報を最大限拡散させるアルゴリズムの紹介
 
 ● 社内事例: Twitterにおけるプロモーション配信への活用
 ○ 影響最大化問題で特定した人にピンポイントに配信できた
 ○ 新しい配信の打ち手として活用できることを示した
 ■ 低コストで多くのお客様にリーチ
 81
  • 82. アジェンダ
 82 1. スマートフォンゲームマーケティングの概要
 
 2. 定量データによるマーケティング業務の改善
 
 3. ネットワーク科学のマーケティングへの応用
 
 a. 取り組み①: 情報の伝播
 
 b. 取り組み②: コミュニティの抽出
 
 c. 取り組み③: 情報拡散を最大化させる方法
 
 4. まとめと展望

  • 83. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 我々のチームが行なったゲームマーケティング改革
 83 分析ツールの開発による業務効率化
 ● 高いカスタマイズ性、網羅性、自動レポート、Looker
 ● 認識の齟齬や属人性の排除
 ● 大きな工数削減!(週 5 時間 × 2〜3人 → 週 30 分 × 1人)
 今まではデータを手動集計で作成していましたが、
 分析ツールができたことでレポート作成時間を大幅に
 削減する事ができ、空いた時間を他業務に割り当てる
 ことができるようになりました

  • 84. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 我々のチームが行なったゲームマーケティング改革
 84 分析ツールの開発による業務効率化
 情報伝播の可視化
 ● 高いカスタマイズ性、網羅性、自動レポート、Looker
 ● 認識の齟齬や属人性の排除
 ● 大きな工数削減!(週 5 時間 × 2〜3人 → 週 30 分 × 1人)
 ● 情報が伝播していく過程の分析が可能!
 ● 媒介者としての拡散力に基づく施策(絵師施策)
 ● 技術: カスケード分析
 今まではバズが起きた際のコンテンツにばかり着目していまし たが、そのコンテンツを生成した「ユーザー」を深く知る事によ り、一度発生したバズの再現可能性を以前よりも格段に高め る動きにつながっています

  • 85. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 我々のチームが行なったゲームマーケティング改革
 85 分析ツールの開発による業務効率化
 情報伝播の可視化
 コミュニティの可視化
 ● 高いカスタマイズ性、網羅性、自動レポート、Looker
 ● 認識の齟齬や属人性の排除
 ● 大きな工数削減!(週 5 時間 × 2〜3人 → 週 30 分 × 1人)
 ● 情報が伝播していく過程の分析が可能!
 ● 媒介者としての拡散力に基づく施策(絵師施策)
 ● 技術: カスケード分析
 ● コミュニティの時間的な遷移の把握が可能!
 ● コミュニティを活性化させる施策(人と人を適切に繋げる)
 ● 技術: Infomap
 コミュニティの全体像を理解する事で、運営側がまだ
 発見できていなかった成長率が著しい小さなコミュニティを発 見する事ができ、今後のコミュニティマネジメント戦略に活かせ る示唆を得る事ができました

  • 86. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. ● コミュニティの時間的な遷移の把握が可能!
 ● コミュニティを活性化させる施策(人と人を適切に繋げる)
 ● 技術: Infomap
 我々のチームが行なったゲームマーケティング改革
 86 分析ツールの開発による業務効率化
 情報伝播の可視化
 コミュニティの可視化
 情報拡散の最大化
 ● 高いカスタマイズ性、網羅性、自動レポート、Looker
 ● 認識の齟齬や属人性の排除
 ● 大きな工数削減!(週 5 時間 × 2〜3人 → 週 30 分 × 1人)
 ● 情報が伝播していく過程の分析が可能!
 ● 媒介者としての拡散力に基づく施策(絵師施策)
 ● 技術: カスケード分析
 ● 情報拡散の最大化シミュレーションが可能!
 ● 広告配信で活用(低コスト高拡散)
 ● 技術: 影響最大化問題
 今まで大きな工数がかかり、人的には見つけるのが難しかっ たインフルエンス力が高いユーザーを発見し、ターゲティング に設定できるようになり、効果を拡大する
 ことができました

  • 87. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 我々のチームが行なったゲームマーケティング改革
 87 分析ツールの開発による業務効率化
 情報伝播の可視化
 コミュニティの可視化
 情報拡散の最大化
 ● 高いカスタマイズ性、網羅性、自動レポート、Looker
 ● 認識の齟齬や属人性の排除
 ● 大きな工数削減!(週 5 時間 × 2〜3人 → 週 30 分 × 1人)
 ● 情報が伝播していく過程の分析が可能!
 ● 媒介者としての拡散力に基づく施策(絵師施策)
 ● 技術: カスケード分析
 ● コミュニティの時間的な遷移の把握が可能!
 ● コミュニティを活性化させる施策(人と人を適切に繋げる)
 ● 技術: Infomap
 ● 情報拡散の最大化シミュレーションが可能!
 ● 広告配信で活用(低コスト高拡散)
 ● 技術: 影響最大化問題

  • 88. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. ネットワーク科学で挑戦するゲームマーケティング改革
 ● 実現できたこと・得た知見
 ○ 把握しづらい情報の可視化・理解
 ○ 新たな切り口からの施策(絵師施策、広告配信)
 ○ ゲームに依らず汎用的に活用可能
 
 ● 将来の展望
 ○ つながりを活用した施策・事例の展開
 ○ SNS以外のゲームにおけるつながりのデータへの応用
 ■ キャラクターネットワーク、プレイヤー行動ネットワーク
 88 データに基づく環境理解や施策を“狙って”できるように!

  • 89. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. ご清聴ありがとうございました
 Q&A

  • 90. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. [del] マーケティングの現場からの実際の声 (全文)
 90 
 ■Twitter運用担当Mさん 
 今まではSNSの投稿内容を複数人で目視で観測し、自社タイトル に対する反応をソーシャルレポートに纏めていました。 
 ソーシャルレポートにはSNS投稿の件数推移やポジティブネガティ ブの比率などをデータを手動集計で作成していましたが、SNS分 析ツールができた事でレポート作成時間を大幅に削減する事がで き、空いた時間を他業務に割り当てる事ができるようになりまし た。
 
 
 ■Twitter運用担当Tさん 
 Twitterで発生したバズを「誰を起点にして」「なぜ起きたのか」という 観点で分析ができるようになり、その分析結果から新しい施策の考 案に繋がっています。 
 今まではバズが起きた際のコンテンツ(投稿内容)にばかり着目し ていましたが、そのコンテンツを生成した「ユーザー」を深く知る事に より、一度発生したバズの再現可能性を以前よりも格段に高める動 きにつながっています。 
 
 
 ■コミュニティマネジメント担当 
 ユーザーのコミュニティは流動的で変化し続けるものなので、人 によってコミュニティに対する理解が異なっている状態でした。し かし、特定タイトルに紐付いて存在しているコミュニティの全体像 を理解する事で、今まで把握していたコミュニティの規模や他コ ミュニティとの関係性が見えたり、運営側がまだ発見できていな かった成長率が著しい小さなコミュニティを発見する事ができ、今 後のコミュニティマネジメント戦略に活かせる示唆を得る事ができ ました。
 
 人的には見つけるのが難しいインフルエンス力が高いユーザー発見し、ター ゲティングに設定できるようになったのは大きな一歩です。
 Twitter広告は「ユーザーのつぶやき」「アカウント」によって柔軟なターゲティ ングができることが大きな特徴の一つです。
 しかし柔軟な分、担当者による精度に差がでたり、サービスと相性のよいター ゲティングの洗い出しに工数がかかってしまうことが課題でした。
 本施策によって、上記課題が解消されました。
 そしてなにより、人的には見つけるのが難しいインフルエンス力が高いユー ザー発見し、ターゲティングに設定できるようになり、効果を拡大することがで きました。
 

  • 91. Copyright (C) 2020 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 参考文献
 91 Bakshy, E., Hofman, J. M., Mason, W. A., & Watts, D. J. (2011, February). Everyone's an influencer: quantifying influence on twitter. In Proceedings of the fourth ACM international conference on Web search and data mining (pp. 65-74). Blondel, V. D., Guillaume, J. L., Lambiotte, R., & Lefebvre, E. (2008). Fast unfolding of communities in large networks. Journal of statistical mechanics: theory and experiment, 2008(10), P10008. Cha, M., Mislove, A., Adams, B., & Gummadi, K. P. (2008, August). Characterizing social cascades in flickr. In Proceedings of the first workshop on Online social networks(pp. 13-18). Goel, S., Anderson, A., Hofman, J., & Watts, D. J. (2016). The structural virality of online diffusion. Management Science, 62(1), 180-196. Greene, D., Doyle, D., & Cunningham, P. (2010, August). Tracking the evolution of communities in dynamic social networks. In 2010 international conference on advances in social networks analysis and mining (pp. 176-183). IEEE. Kempe, D., Kleinberg, J., & Tardos, É. (2003, August). Maximizing the spread of influence through a social network. In Proceedings of the ninth ACM SIGKDD international conference on Knowledge discovery and data mining (pp. 137-146). Kang, A. R., Jeong, S. H., Mohaisen, A., & Kim, H. K. (2016). Multimodal game bot detection using user behavioral characteristics. SpringerPlus, 5(1), 523. Kwak, H., Lee, C., Park, H., & Moon, S. (2010, April). What is Twitter, a social network or a news media?. In Proceedings of the 19th international conference on World wide web (pp. 591-600). Liu, X., Xie, M., Wen, X., Chen, R., Ge, Y., Duffield, N., & Wang, N. (2018, November). A semi-supervised and inductive embedding model for churn prediction of large-scale mobile games. In 2018 IEEE International Conference on Data Mining (ICDM) (pp. 277-286). IEEE. Palla, G., Barabási, A. L., & Vicsek, T. (2007). Quantifying social group evolution. Nature, 446(7136), 664-667. Papadopoulos, S., Kompatsiaris, Y., Vakali, A., & Spyridonos, P. (2012). Community detection in social media. Data Mining and Knowledge Discovery, 24(3), 515-554. Rosvall, M., & Bergstrom, C. T. (2008). Maps of random walks on complex networks reveal community structure. Proceedings of the National Academy of Sciences, 105(4), 1118-1123. Son, S., Kang, A. R., Kim, H. C., Kwon, T., Park, J., & Kim, H. K. (2012). Analysis of context dependence in social interaction networks of a massively multiplayer online role-playing game. PloS one, 7(4), e33918. Ying, R., He, R., Chen, K., Eksombatchai, P., Hamilton, W. L., & Leskovec, J. (2018, July). Graph convolutional neural networks for web-scale recommender systems. In Proceedings of the 24th ACM SIGKDD International Conference on Knowledge Discovery & Data Mining (pp. 974-983).