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学校は⼀つでなくていい
―学校というものは、⼦どもにとって
どういう場であることが望ましいのか?
(⾔語学・教育学の視点から)―
北杜2050 2019年3⽉12⽇(⽕)
ほそかわ ひでお
学校というものへの基本的な考え⽅
•⼦どもは家族の中に⽣まれ,学校を含む地域社会
の中で育つ。
•「学校」は,地域コミュニティ(家族を含む)の
⼀つ。
•「学校」は,⼦どもがどのような⼈間としてある
べきかを考える場。
•既成の知識を与える/与えられることを⽬的化す
べきではない。
地域コミュニティの⼀つとしての「学
校」のあり⽅
•他者を管理せず,他者から管理されない⾃
由を尊重すること。例:校則等
•すべての解決に⾃⼰と他者の対話を尊重す
ること。例:⺠主的・対話的活動
•⾃⼰と他者の存するコミュニティのあり⽅
について責任を持つこと。例:社会とは何か
基本理念に基づく学びの活動への考え⽅
•学びの個別性(学びは⼀⼈ひとり異なる):⼦ど
も⼀⼈ひとりの興味(⾃分のしたいこと、やりた
いこと)を起点として,それぞれの知的関⼼・芸
術的感性・⾝体的感覚を活性化。
•学びの協働性(共に活動する学び):⼀つの正解
を求めるのではなく,参加者全員が共に考える。
•インクルーシブ(統合的)な環境:国籍,年齢,
性別など,さまざまな差別・区別を可能な限り乗
り越える全⼈的(ホリスティック)な学び。
学びの構造と展開
想像・創造
どのような社会をつくるのか
思考・対話 考えるための発信基地
プロジェクト(⾃分あるいは⾃分たちで問いを⽴て、それをテーマとし
て活動するための⺟体)― Project Based Learning:
PBL
情報・知識
必要なものは⾃分で探す
「学校は⼀つでなくていい」という⽅向性
•「学校」は、⼦ども⼀⼈ひとりの⽣きる⽬的(⾃
分のしたいこと)の発⾒の場になっているか?
•⽣きる⽬的にあった場所を⾃分で選べるような、
さまざまな選択肢は、制度的に保障されている
か?
•多様性の中で個⼈が⾃分の⽣き⽅を選ぶ責任の重
さを⼦どもに考えさせているか?
•現⾏の学校の制度と体質を、地域コミュニティと
して総合的に⾒直していく対話の必要性。

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