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反転授業における事前学習への
取り組み方の変化
京都大学大学院教育学研究科 高等教育学コース D1 澁川幸加
京都大学高等教育開発推進センター 田口真奈
2019/6/1 大学教育学会 於 玉川大学
1
新しい授業形態としての反転授業の広まり
反転授業は、事前学習での知識獲得と対面授業での問題解決や
ディスカッションという形で内化と外化が組み合わせられている
→深い学習を促す新たな授業形態のひとつとして注目されている。
事前学習 対面授業
反転授業では事前学習時に
知識を習得する
反転授業
反転授業では対面授業時に
知識を活用する
2
学生が新たな授業形態である反転授業に
適応する必要性
 しかし、先行研究では反転授業形態に慣れない学生がいるという課題が
指摘されている(e.g.Van Sickle 2016)。
→学生には新たな授業形態への適応が求められる。
 学生は授業や状況に応じて学習への取り組み方やアプローチを変えると
報告されている(e.g.Entwistle 2009)
→新しい授業形態である反転授業についても学生の理解を促進するという
観点から適応のための支援方法を検討する必要がある。
 本研究では、学生がどのようにして反転授業形態へ適応したのかあるい
は適応できなかったのかというプロセスを捉えることとした。
→とりわけ本研究では、学生の事前学習への取り組み方の変化に着目する。
3
事前学習への取り組み方から反転授業への
適応を捉える意義
事前学習へ着目する理由
 反転授業では理解を深めるために事前学習時の内化が重要な役割を担うが
 事前学習時に十分に学習内容を理解できない学生がいる(e.g. 岩崎 2017)
 事前学習への取り組み方に困難を抱える学生がいる(澁川・田口 2018)
 日本の大学生の授業外学習時間は海外と比較して少ない(e.g. 国立教育政策研
究所 2016)
→事前学習へ取り組む習慣に不慣れな学生がいると推察される
取り組み方(≒学習方略)に着目する理由
n 自らの学業達成を直接規定し、さらに学習可能性の高い、学習方略の変容
を捉えることは重要だと考えられる(神藤・伊藤 2000)
これらを明らかにすることで
 1学期にわたる学生の事前学習遂行上の課題を把握する
 1学期にわたる事前学習上の課題を支援するための反転授業設計上の
示唆を得る。
4
本研究の目的と方法
本研究は、反転授業において学生の事前学習への取り組み方
が一学期に渡りいかに変化したかを明らかにする。
これをもとに、反転授業を実践する際に求められる学生に
対する事前学習の支援方法を提案する。
1タームにわたる事前学
習への取り組み方の変化
をインタビューデータか
ら質的に検討
K大学薬学部2年生を対象に開講された生理学の授業を対象に調査。
量的な検討(調査1) 質的な検討(調査2)
受講学生の事前学習への
取り組み方の全体的な傾
向をPRE-POST調査の回
答をもとに定量的に検討
5
調査対象科目の詳細 コースの流れ
6
 京都大学薬学部2年対象 必修授業科目「生理学2」
 薬が作用する生体分子に関する膨大な知識を学ぶ
 1タームの前半に生体分子に関する基本的な内容を学ぶ
 受容体,膜電位,シナプス伝達,トランスポータなど
 第7回の授業回に前半のまとめと事前学習時のノートを
学生同士で評価し合うノート評価を実施
 1タームの後半は各生体分子にまつわる各論を学ぶ
 抑制性アミノ酸,セロトニン,ヒスタミンなど
中間テスト
第14回
POST調査
第3回
PRE調査
期末テスト
第2〜6回
基礎的な知識
第9〜13回
各論
第7回
ノート評価
対象科目の概要
調査対象科目の詳細 1コマの授業の流れ
7
• 小テスト(多肢選択・5問)10分
• 小テストの解説5分
• 演習課題(5〜7問)70分
• 次週の学習目標(単元のポイント)を解説5分
対面授業の流れ
事前学習について
その他教材
図表を印刷したプリント 教科書
LMS上にスライドのレジュメ・過去問
講義映像
15~25分の自作映像 毎週1本
スライド+ナレーション
教員の指示
事前学習への取り組み方について教員からの指示はなし
第7回
ノート評価
中間テスト
第14回
POST調査
第3回
PRE調査
期末テスト
第2〜6回
基礎的な知識
第9〜13回
各論
調査対象科目の詳細 1コマの授業の流れ
8
• 小テスト(多肢選択・5問)10分
• 小テストの解説5分
• 演習課題(5〜7問)70分
• 次週の学習目標(単元のポイント)を解説5分
対面授業の流れ
提示された学習目標の例
第7回
ノート評価
中間テスト
第14回
POST調査
第3回
PRE調査
期末テスト
第2〜6回
基礎的な知識
第9〜13回
各論
7月10日ヒスタミン
 アレルギーで炎症を起こす物質として有名だが、胃酸分泌でも
中心的な役割、しかも中枢神経系でも覚醒に関与
 受容体サブタイプとの関連は?
 創薬が最も進んだ標的
 ATPは細胞のエネルギー通貨、しかし神経伝達物質でもある
 代謝物であるはずのADPやアデノシンも、それぞれの役割
がある
 多種多様な受容体サブタイプ
 これからの創薬が期待される受容体
質問項目
事前学習への取り組み方(1:全く行わなかった〜5:とても熱心に行った)
講義映像を視聴する
配布プリントを参照する
ノートを作成する
ノートを読み直す
◯時間◯分と自由記述
1週間あたりの事前学習時間
2値(はい・いいえ)
学習目標を事前学習時に参照したか?
教科書を読む
過去問を解く
自分でテスト問題を作って勉強する
澁川・田口(2018)の調査結果をもとに
学生の事前学習への取り組み方を捉える質問紙調査を作成。
第3回と第14回の授業にて実施
調査1の結果
変数名
PRE POST
平均値 SD 平均値 SD
講義映像を視聴する 4.029 1.065 3.975 1.165
配布プリントを参照する 3.971 1.133 4.100 0.928
教科書を読む 2.239 1.220 2.800 1.114
ノートを作成する 3.941 1.359 4.200 1.224
ノートを読み直す 3.015 1.377 3.821 1.275
過去問を解く 1.368 0.809 2.923 1.365
自分でテスト問題を
作って勉強する
1.132 0.571 1.300 0.648
友人と予習する 1.676 1.215 2.025 1.349
10
事前学習への取り組み方(1:全く行わなかった〜5:とても熱心に行った)
変化量をt 検定で比較した結果(N=36),下記で有意に得点増加
 「ノートを読み直す」(t =−2.62, d =−0.41, p <.05)
 「過去問を解く」(t =−7.32, d =−1.32, p < .05)
→一学期を通してノートの読み直しと過去問を解くことに力を入れるよう
になった学生が多くなった
調査1の結果
変数名
PRE POST
平均値 SD 平均値 SD
講義映像を視聴する 4.029 1.065 3.975 1.165
配布プリントを参照する 3.971 1.133 4.100 0.928
教科書を読む 2.239 1.220 2.800 1.114
ノートを作成する 3.941 1.359 4.200 1.224
ノートを読み直す 3.015 1.377 3.821 1.275
過去問を解く 1.368 0.809 2.923 1.365
自分でテスト問題を
作って勉強する
1.132 0.571 1.300 0.648
友人と予習する 1.676 1.215 2.025 1.349
11
事前学習への取り組み方(1:全く行わなかった〜5:とても熱心に行った)
ノートの読み直しと過去問を解くことに力を入れるようになった学生の増加の要
因
 後半以降対象授業が各論に入ったこと,第7週目に中間テストを行った
ことにより、授業回が進むにつれてこれまでの授業内容と関連づける機
会が増えた可能性→取り組み方の変化に関係したと考えられる。
調査2の方法
 事前学習への取り組み方の変化の質的な側面を捉えるために、
協力の得られた受講学生4名に対しインタビュー調査を行った。
 事前学習への取り組み方がいかに変化したか
 PRE時・POST時の事前学習に対する学習アプローチ(Entwistle 2009)で捉える
 浅い学習アプローチ:記憶・反復中心な学習
 戦略的学習アプローチ:効率や好成績の獲得を重視した学習
 深い学習アプローチ:知識・概念間の理解や本質を重視した学習
 とくにノートのまとめかたに着目し,知識間の関係性を理解しようとしているか
を基準にアプローチの差異を判断した。
 事前学習への取り組み方の変化に影響を与えた要因
 協力者が回答したPRE・POST調査の結果を手元に用意。
 回答した得点を見ながら、以下の2点を尋ねた。
 ①PRE時・POST時にどのような事前学習への
取り組み方をしていたのか
 ②回答得点が変化した理由
 1人あたり50分ほどインタビューを実施。50分間
12
分析内容
調査2:インタビュー協力者の詳細
中間テスト+期末テストの成績(90点満点)をもとに上位15%(78~90点)を高,
下位15%(0~55点)を低,中位(56~77点)を平均として,学生の成績を分類。
PRE事前学習時間:平均約150分,POST事前学習時間:平均約156分
協力者 学生A 学生B 学生C 学生D
成績 低 平均 平均 高
3週目 14週目 3週目 14週目 3週目 14週目 3週目 14週目
事前学習時間(分)
300
長い
300
長い
180
やや長
120
やや短
120
やや短
180
やや長
150
平均
180
やや長
講義映像を視聴する 4 5 4 4 3 5 4 4
配布プリントを参照する 4 4 5 5 3 4 4 5
教科書を読む 3 2 2 2 1 3 3 4
ノートを作成する 4 5 5 5 4 5 5 5
ノートを読み直す 4 5 4 5 3 2 4 5
過去問を解く 1 3 2 3 3 2 1 5
友人と事前学習をする 1 1 3 1 1 1 5 5
予習のポイントを
活用したか
いいえ はい はい はい はい いいえ いいえ はい
13
調査2の結果:学習アプローチから見る事前学習へ
の取り組み方の変化
学生A(浅い→浅い)
 初期:知識間の関係を理解することに困難を抱える。
終盤:予習のポイントを参考にしながら重要単語の意味を先に調べるなど方略
を変えるも,初期と同様に,知識間の関係を理解することに困難を抱える。
→初期から終盤にかけて取り組み方の変化はあるが学習アプローチの変化はなし
学生B(深い→深い&戦略的)
 初期:新しく学ぶ知識同士を関連づけることを意識
終盤:上記に加え,これまでの授業で学んだ知識とも関連づけることを意識
→初期から終盤にかけて取り組み方・学習アプローチの変化あり
学生C(深い→深い)
 初期:全体の流れや新しく学ぶ知識間の関係を意識したノートテイク
終盤:引き続き初期と同様のことを意識していた
→初期から終盤にかけて取り組み方・学習アプローチともに大きな変化はなし
学生D(深い→深い)
 初期:文字中心で知識間の関係を理解しながら取り組んでいた
終盤:上記に加え,図表も活用して知識間の関係を理解するようになった。
→初期から終盤にかけて取り組み方の変化はあるが学習アプローチの変化はなし
14
調査2の結果:学習アプローチから見る事前学習へ
の取り組み方の変化
 他の学生は、深い学習を意識・遂行できていたが、学生Aは
1学期に渡り浅い理解に留まっていた。
→学生によっては知識を関連づけることに困難を抱える可能性
→授業回が進むに連れて関連づける知識が多くなるため,
授業終盤ではより一層,知識を関連づける支援が求められる
15
学生A(浅い→浅い)
 初期:知識間の関係を理解することに困難を抱える。
終盤:予習のポイントを参考にしながら重要単語の意味を先に調べるなど方略
を変えるも,初期と同様に,知識間の関係を理解することに困難を抱える。
→初期から終盤にかけて取り組み方の変化はあるが学習アプローチの変化はなし
調査2の結果:事前学習への取り組み方の
変化に影響を与えた要因
協力者全員が、反転授業の初期に事前学習への取り組み方に悩んでいたが
第6週目に行われたノート評価などをもとに取り組み方を変化
→ノート評価が学生が自分に合った学習方略を選ぶための機会を提供してい
たことが確認された。
→反転授業の初期は取り組み方に悩む学生に例などを見せ,中盤以降個々に
合った事前学習への適応を支援するためにノート評価が有益だと示唆される
学生B
学生D
初期は頭の中で関係性を理解してから取り組んだが,ノート
評価を機に事前学習時間の長さを改善しようと判断した。
ノート評価を機に知識の関係を深く理解することが重要だ
と気づき、プリントの図や構造式を活用するようになった。
16
学生C
ノート評価では図を書いたり工夫を凝らしたノートも作る学
生もいたが,自分は今までどおりの作り方が合っていると思
い,他の人のとり方は参考にはしなかった。
調査2の結果:
意図した事前学習の支援が十分に機能しなかった
 「予習のポイント」の提示方法
 対象科目では学生が事前学習時に知識を構造化するため
の支援方法として、教員が毎週「予習のポイント」を提
示していた。
 学生A:初期から予習のポイントは見るものの知識を関連
づけ理解することには困難を抱えていた。
 学生C:対面授業時にポイントと重なる演習課題を扱うと
気づき、中盤以降予習のポイントを聞かなくなった。
→学習目標を提示した意図が学習者に十分に伝わっていない
→提示された学習目標を知識の関連づけに役立てるなど,
反転授業の初期から教示の意図や活用方法を説明する必要性
17
まとめ
18
調査1の結果から
• 授業回が進むにつれてこれまでの授業内容と関連づける機会が増え
たため,ノートを読み直す・過去問を解く学生が増えた可能性
• 対面授業やコースデザインが,事前学習への取り組み方の変化に影
響を与えることが考えられる。
調査2の結果から
本研究では事前学習を下記の支援が必要だと示唆された
① 知識を関連づける支援をし,授業終盤ではそれを手厚くする
② 反転授業の初期に取り組み方に悩む学生多数
→ノートの作成例を紹介するなど初期に取り組み方の支援提供
③ ノート評価など学生に合った取り組み方を選ぶための機会を設ける
④ 事前学習時の学習目標を知識の関連づけに役立てるなど,教示の
意図やその活用方法を反転授業の初期から説明する
補足
• これまでの研究成果をもとに
事前学習への取り組み方ハンドブックを作成
19
① 理 解 の た め に 何 を す る か :
理解の伴わない精緻なノートではなく
「理解に繋がるノート」を作る
6
§ ⾒た⽬が華やかなだけが「良いノート」ではない!
理解に繋がると期待できるノートの例
§ 語句の意味を説明している(基本的な知識の理解)
§ 新たにわからないところを調べて加筆している(基本的な知識の理解)
§ A→B→Cと作⽤する関係性や作⽤するプロセスをまとめる (深い理解に繋がる学習活動)
§ ⾃分の⾔葉で⾔い換えて説明をしている(深い理解に繋がる学習活動)
§ ある知識を⾝近な現象や薬に例えている(離れた問題への適⽤:深い理解に繋がる学習活動)
§ 別の授業や週で学んだ知識と関連づけている(深い理解に繋がる学習活動)
→必ずしもノートにまとめなくとも、同様のことを意識すると深い理解に効果あり!
§ 例年,事前学習のときに、わかりやすくきれいなノートを作る学⽣さんがたくさんいらっしゃいます。
§ しかし,⽂字を書き写すことに必死で内容を理解しないまま何時間と費やす⼈も少なくありません。
§ 「ノートにまとめる」ことは有効な学習⽅法ですが、理解に繋がるように⼼がけたり意識することが⼤切です。
先輩の声
毎週何時間もかけてスライドの⽂字を全部ノートに書き写した
けど、結局頭の中には何も残っていなかった…
② 何 を 意 識 し て 理 解 を す る か :
シラバス・予習のポイント・過去問をもとに
学習⽬標を明確にし 活⽤する
8
事前学習をするときのお役⽴ちアイテム
§ シラバス:1学期かけて何をどのように理解をしたらいいか、他の授業との
関連を俯瞰する際に役⽴つ
§ 予習のポイント:毎週の授業で何を意識したらいいのか、新しい学習事項
のうち重要な関係性はなにかを理解する際に役⽴つ
§ 過去問:1学期かけて学んだことの総合的な理解度を把握したり、毎週学ん
でいることがどのように関係するか俯瞰したりする際に役⽴つ。
§ 例年、「講義映像を視聴しても、⾚字で強調されたところ以外どこが⼤事かわからない」、
「新しく学ぶ内容だからどこが⼤事かわからず、結果的に⼀字⼀句書き写すようなノートを作った」
「事前学習が⼤変すぎて諦めた」という声が報告されています。
§ 予習のポイントにあった知識や⽤語に注⽬し、それがどのように作⽤していくの
か、流れや機能を確認しながら取り組んだ。
§ 今週学ぶ単元と過去問の対応を毎週確認し、どのように出題されるのかや、既に
学んだこととの関係を意識しながら取り組んだ。
先輩の声
§ ⼤事なところを意識しながら学ぶことは、理解をするためにも効率を上げるためにも重要です。
§ ⼤事なところを把握するために、 シラバス・先⽣が提⽰する「予習のポイント」・過去問を
うまく使うことをオススメします。
参考文献
 Entwistle, N. (2009). Teaching for understanding at university: Deep
approaches and distinctive ways of thinking. Palgrave Macmillan.
 国立教育政策研究所(2016)平成28年度 大学生等の学習状況に関する
調査研究:結果の概要(大学昼間部)
http://www.nier.go.jp/05_kenkyu_seika/pdf_digest_h29/gaiyou.pdf (参
照日 2018.07.15 )
 岩崎千晶(2017) 高等教育における反転授業に関する教員調査と教員
支援. 関西大学高等教育研究, 8:23-33
 神藤貴昭, & 伊藤崇達. (2000). 大学の学業文化への参入と学習方略
の変容. 京都大学高等教育研究, 6, 35-52.
 澁川幸加,田口真奈(2018)反転授業における学生の事前学習の
取り組み方:事前学習時間と成績に着目して. 大学教育学会第40回
大会. 筑波大学.
 Van Sickle, J. R. (2016). Discrepancies between student perception and
achievement of learning outcomes in a flipped classroom. Journal of
the Scholarship of Teaching and Learning, 16(2), 29-38.
20

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反転授業における学生の事前学習への取り組み方の変化

Editor's Notes

  1. そこで,2018年度の実践では毎授業の終わりに次週の学習目標を解説するよう授業デザインを変更して実施いたしました. K大学
  2. そこで,2018年度の実践では毎授業の終わりに次週の学習目標を解説するよう授業デザインを変更して実施いたしました.
  3. 具体的な学習目標は
  4. 調査に使用した質問項目です.事前学習時間と学習目標を活用したかどうか.事前学習への取り組み方として講義映像を視聴する,配布プリントを参照する,ノートを作成する,過去問を解くといったインタビューから見られた項目で構成しました.1を行わなかった,5をとても熱心に行ったとする5件法でとりました. さらに,講義映像をどのように視聴していたのか把握するべく,視聴しなかったのか,スキップしながら,1度だけ,何度も見たのかの4種類の項目をいれました. さらにPOST調査ではこれらに加えて,取り組み方で新たに工夫・変更したことがある場合,それは何かを自由記述で回答を求めました.
  5. 次に取り組み方に着目すると,こうした項目が多いことがわかりました. また,POSTではLMS上で公開されている過去問を解く学生が増えたのですが,これはテスト対策というよりは,担当科目の教員が学習内容を横断的・統合的に理解する手段として過去問を普段から活用することを推奨する授業観を持っていたことが関係する可能性があります. 1
  6. 次に取り組み方に着目すると,こうした項目が多いことがわかりました. また,POSTではLMS上で公開されている過去問を解く学生が増えたのですが,これはテスト対策というよりは,担当科目の教員が学習内容を横断的・統合的に理解する手段として過去問を普段から活用することを推奨する授業観を持っていたことが関係する可能性があります.
  7. 中盤
  8. 詳細は要旨
  9. アプローチに着目
  10. とくに学生Aの支援が必要
  11. 次に取り組み方の変化 先行研究では、教員が学生の活動を規定しすぎることにより、学生が「やらされ」感を抱くことが課題としてあげられている。 教員から学習方略を直接的に与えるのではなく、広く自分に合う学習方略を選択する機会を設けることは、この課題を解決しうるのではないか?
  12. 意図していた支援が十分に機能していなかった