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-協働と発見のための可視化-
2012.7.24及び31 キラカフェ
西村 一/Yan Lauria (JAMSTEC)
渡邉英徳/Hid Voom (首都大学東京)
三淵啓自/In Yan (デジタルハリウッド大学院)
小山田耕二(京大高等教育研究開発推進機構)
2. お願い
• SL Viewer以降のShared Media (Web on a Prim)機能でWebをSL内で共有するため、なる
べく公式ビュワーの最新版(Ver.3.3.4)をお使いください。Phoenixほか1.23互換ビュワー
ではSL内でウェブが表示できません(「これはウェブ上のコンテンツです・・・」と表示される)。
• SL内でYouTubeページの動画の画面が真っ黒の場合(「動画の再生には、Adobe Flash Player また
は HTML5 対応のブラウザが必要です」と表示される)は、Adobe Flash PlayerとShockwave Playerを
再インストールしてください。それでも見えない場合は、HTML5対応ブラウザ(FireFoxや
Google Chromeなど)をインストールして「既定のブラウザ」に指定し、 Flash Playerと
Shockwave Playerを再インストールしてください。
• YouTubeの画面右下の右から二番目(拡大)をクリックすると画面が大きくなります。一
番右(全画面表示)はSL内では効きません。
• GIFアニメやYouTubeが表示されず、いつまでも真っ白い場合は、球や板の表面をタッチ
してズームし、左上の再読み込みボタン をクリックすると見える場合があります。
• 表示できない方向けに、URLをチャットしますので、それをビュワー外のウェブブラウザ
にペーストしてご覧ください。
• フィールド・トリップでは可聴範囲を超えてしまう場合があるので、キラのグループチャッ
トを用います。まだメンバーでない方はグループ加入し、「グループ通知を受信」がチェ
ックされているか確認願います。
3. 小松左京の遺言
小松左京マガジン第42巻「”災害防衛国家構想”てどやろ?」より
• 「・・・仮想災害に備えて技術や情報データを蓄積して、世界中に提
供することも可能や。・・・」
• 「・・・ここで「総合防災学」とでもいうべき、超学際的研究体制が欲し
いんや。」
• 「日本列島を襲う自然災害・・・・・・そんなんの基本的性格にきちんと
自然科学系の専門家に輪郭を与えてもらう。そしてそれを越えて 、
工学系、社会学系、経済学系、政治学系、法学系、むろん医学系も、
さらにマスコミ、ジャーナリズム系も参加して「総合防災学会」が 組
織化されるべきやろ思うねん。」
• 「近代世界を襲った「巨大自然災害例」の記録は世界各地にようけ
あるはずや。今ならそういう記録をインターネットなどで取りこんで、
人類共有の「知的資源」にプールすることはさして難しいないて思う
ぜ。
• ・・・・ そういう蓄積を得て、われら生物がこれまで35億年にわたって
生き抜いてきたんやと言う地球の現実を常識とすんのや。それが”
世界市民 ”という、これからの人類全体の生命社会いうもんの「安
全のための連帯」を担保するようなるんやないか?」
4. 小松左京と私
• 「日本沈没」で地震研究を目指すようになった研究者
は多い。
• 「日本沈没」での「わだつみ号」の活躍がなければしん
かい2000、しんかい6500は誕生しなかった。
・・・・・・・・
• 2005年、小松左京研究会に入会、建造中の「ちきゅう」
見学会を実施→リメイク映画でのJAMSTECの活躍
• 2006年、便乗本「日本列島は沈没するか?」(早川書
房)を出版
• 2010年、小松左京の前でセカンドライフを実演
• 2011年、遺言の実現を約束
7. 発見のための可視化
・データから情報へ、情報から知識へ
データ 情報 知識 創発知へ
どこにどんなデータがあ それが何に役立つかが 新たな成長を促す基盤
るかがわかると・・・ 分かると・・・
・情報探索のマントラ“Visual information seeking mantra” (Shneiderman)
Zoom & Detail on
Overview
Filter Demand
Human in a loop な Visual Data Exploration
・さまざまな形式のデータの重層表示(GIS)
・キュレーティング:ユーザーに応じたNarrativeな配置
10. レコード・コンティニュアム・モデル
Sue McKemmishが提唱
コミュニティ内において、人や組織間の行為
や相互作用の多層的な積み重ねによって生 渡邉英徳
み出される、あらゆる形態の記録の集合体 http://blog.hiroshima.mapping.jp/2011/03/blog-post_08.html
11. 集合知連携のためのリゾーム型マネージメントモデル
ティーチ・
オープンソース ゼルダの伝説
TED Google Wikipedia Facebook App Store フォー・
(GNU) (開発)
アメリカ
象徴 クリス・アンダー リチャード・ エリック・シュミッ ジミー・ウェール マーク・ スティーブ・ジョブ
ウェンディ・コップ 宮本茂
(提唱者) ソン ストールマン ト ズ ザッカーバーグ ズ
ソフトウェアは人 いつか、すべて
類の共有財産で 地球上の誰もが の子供たちに、
ワンクリックで世
ideas worth あり、誰でも開 無料で全人類の オープンな世界 世界に衝撃を与 優れた教育を受 謎と冒険を届け
運営理念 spreading 発・供給に参加
界の情報へアク
知識を入手でき をつくる える ける機会が与え る
セス可能にする
でき、自由に使 るようにする られることをめざ
用できるもの そう
18分以下のプレ
扱うサービス ゼン ソフトウェア (ウェブ)ページ 項目 人 App 教師 ダンジョン
軸
好奇心をかきた super easy to 強くて豊かなアメ
(サービスの てる コピーレフト not evil 中立性ポリシー 実名主義
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ゼルダらしさ
価値)
対象ユー オープンソースコ 編集チーム(各 エリート大学の
全人類 全ウェブページ 全人類 アプリ開発者 開発者
ザー ミュニティ 言語100-300人) 学生
商品で使われる、
有名になる、プレ コミュニティ内で 編集チーム内で 過去とのつなが 有利な就職、有
ユーザーへ 世界中からアク 仲間からの賞賛、
ゼンテーションス の敬意、面白い の評価、世界へ り、昔の彼女、人 ゴールドラッシュ 利なキャリアプラ
の動機づけ セスされる 次のプロジェクト
キル向上 仕事、報酬 の貢献 脈形成 ン、スキルアップ
へのアサイン
いいね!数、
ユーザーへ 複数基準による コミュニティ内で 編集チーム内で 複数基準による
ページランク シェア数、 認知、賞賛 商品で使われる
の評価 ランキング の評価、知名度 の敬意、評価 ランキング
ともだち数
12. なにができれば実現?
• いろんなデータをさまざまな分野から集める(集合
知の形成)→提供者の貢献(YouTube、Wikipedia・・・)=ヘビーユー
ザーに自己実現の場を提供
• どこにどんなデータがあるかが分る(情報の構造化
とデータマイニング):Overview→Zoom→Filtering→Detail
on Demand
• いろんな分野の人々が協力して何かを発見(協働と
発見)→遠隔協働参加できる可視化プラットフォーム、同期/非同期ア
クセスユーザー間のコミュニケーション
13. セカンドライフは?
• 任意の視点からズームイン/ズームアウト
• リアルタイム物理シミュレーション
• マルチユーザー(遠隔協働参加)
• 直感的オブジェクト製作によるアイデアの可視化と蓄積
• コミュニティーとマーケットプレース
(欠点)
• 技術的ハードルの高さ
• 非同期アクセスユーザー間のコミュニケーションが不得
意。ウェブとユーザーインタフェースが統合されていない
(渡邉英徳)
• 昨年度よりJAMSTEC/DrCで「協働と発見のための可視化」のテストベッド
• 英Open大学、シンガポールの国立教育研究所、京大高等教育研究開発
推進機構、首都大学東京、デジハリ大学院等と協力
15. デモその1
• 海洋大循環モデルOFES
JAMSTECのEarth Simulation Centerが開発し、松岡大祐が可視化。
1カ月ごと1年分の計算結果をGIFアニメ化。7色が海面水温、明るさが流
速に対応し、流れ場を認識しやすいよう配色が最適化。
黒潮の大蛇行が発達する様子が再現。
• 全球雲解像モデルNICUM
JAMSTECと東京大学が開発。本実験は文部科学省「21世紀気候変動予測革新プ
ログラム」の一環として実施。
2004年4月2日から6日まで4時間ごとの計算結果18ステップをGIFアニメ化。
日本を直撃する台風が再現。
• 米Terra衛星またはAqua衛星のMODIS
中解像度イメージング分光計 による陸上と雲の実際の色の画像。
• 粒子拡散法による風の場の可視化(Draceina Pinion)
16. デモその2:巨大津波
• YouTubeの津波映像(省略)
• Google Earthによる東日本大震災アーカイブ(YouTube)
• 地球シミュレータによる巨大津波シミュレーション(断念)
• Smoothed Particle法による津波シミュレーション(YouTube)
• みんなでインタラクティブに観察(SL: MeteoraとCrab Island)
• 新たな可視化プラットフォームの提案
17. 津波ほか地球環境情報のインタラクティブ
な協働プラットフォームの提案
スパコン 地球科学データ共有
プラットフォーム SPMエン
(4D Earth) ジン搭載
パソコン
各地域で観察しコメント
GIS情報を Zoomしたい SPMエン
送信 地域を指定 ジン搭載
パソコン
各地域の津波の SPMエン
ジン搭載 地域ごとにコメント
初期値・境界条件
履歴を共有
をライブラリ化 境界条件を送信 パソコン
(例えばDIAS)
ある地域の津波シミュレーション
結果をインタラクティブに観察
ユーザー
18. Q&Aその1
Q. データベースの話と可視化の話、専門家向けの話と一般ユーザー向けの話が混在し
てて分りにくい。
A. 昨晩の話題を以下の表に整理してみました。実はデータベースと可視化は不可分で
あり、また専門家向けと一般向けも不可分であるのに、これまで別個に考えられてき
たことに問題があったと考えられます。
一般・専門家向け 専門家向け
データベース ・データから情報へ、情報から知識へ、情報の
構造化/キュレーティング
・集合知形成、オントロジー検索
・コミュニティー形成、同期/非同期アクセス
ユーザー間のコミュニケーションインタフェース
の統合化
表示・可視化 ・Overview→Zoom→Detail on Demand ・ビジュアルデータマイニング:
・情報の多層表示(GISなど) Filtering、特徴抽出、カラーマッ
・リアルタイムレンダリング ピングの最適化
・遠隔協働参加可能な可視化プラットフォーム ・リアルタイム物理シミュレーシ
ョン
19. Q&Aその2
Q. だんだん抽象的な話になってわかりにくかった。
A. 東日本大震災の教訓をどう共有し後世に伝え、次の災害への備えとする
かという問題と、長期的・グローバルに見て初めて分る地球温暖化ほかの
地球規模問題について科学的ベース、原因と結果、対策を見出せるように
し、それを世の中に役立たせるという2つの問題が基本的な動機となりま
す。
これらの問題を含め、さまざまな情報をさまざまな分野の人々の協働に
よって、これまでになかった新しい価値を生み出していくことを促すことの
できる情報基盤のあり方を考える、というのが今回の話のポイントです。
2回目はもう少し具体例を使った話をしてみたいと思います。