本研究では，装着方向にかかわらず指側面でのジェスチャ入力を可能にするリング型デバイスSkinRing を提案する．SkinRing は，8個の反射型光センサがリングに取り付けられたもので，人差し指に装着し，親指が人差し指に触れた際の皮膚変形情報を取得することでジェスチャ識別を行う．さらに，初めに手の開閉動作によるキャリブレーションを行うことにより，装着時のリングの回転方向に依存しない入力が可能である．9種類のジェスチャの識別精度を検証した結果，87.8％の平均識別精度を示した．

1. SkinRing: 装着方向に依らない
指側面でのジェスチャ入力可能な
リング型デバイス
花山 勝吾1) 北村 莉久1) 山本 匠1)
01 経緯
反射型光センサを取り付けたリング型デバイス
- 3Dプリンタで出力されたリングに反射型光センサを8つ配置
- 指に赤外線を照射する向きで配置
- 人差し指第二関節付近の側面上の皮膚変形を計測
- 皮膚変形情報からキャリブレーション・ジェスチャ識別
- 装着方向を予測後、その回転方向でジェスチャを識別
ヘルストラッキングや入力デバイス
として、小さくて社会受容性の高い
リング型デバイスが注目されている
背景
リング型入力デバイスは、ユーザが
正確な入力座標を維持するために、
正しい回転方向での装着が必要
課題
- 人差し指側面でのジェスチャ入力
- 手の開閉によるキャリブレーション
- 装着時の回転方向に依らない入力
アプローチ
- 反射型光センサでセンサ
と皮膚の距離を測定
- 手の開閉時や、親指で
人差し指側面をなぞる際、
リング付近の皮膚が変形し、
センサ値が変化
- 8回転方向においてリングを装着した際の
9種類のジェスチャ識別実験 (N = 10)
- 9ジェスチャを各回転方向で3回ずつ取得
- 平均識別精度：87.8%
- デバイスの汎用性の拡大
- リングのサイズ幅の増加
- 中指への装着の可能性の検討
- ポインティング操作の実装
- 実用化への軌跡
- リング装着時の誤作動防止
のためのロック機能の追加
- デバイスの無線化
問い合わせ先 info-lcl-group@keio.jp
雨坂 宇宙1) 杉浦 裕太1)
02 提案手法 03 原理
識別精度評価実験
05 06 今後の展望
- ジェスチャ前にキャリブレーション
として二度の手の開閉を実施
- リングの装着回転方向を予測
- 回転方向の予測結果に基づき、取得した
ジェスチャのセンサデータを入れ替え
- ランダムフォレストにてジェスチャ識別
04 識別システム
Chan Liwei2)
1)慶應義塾大学 2)National Chiao Tung University