ビジネスインテリジェンス入門
 ~OSSでBIを始めよう~

 日本JasperServerユーザ会
  管理人 佐伯 健介
一応自己紹介
佐伯 健介 (調布市在住)
Twitterアカウント @masteryupa
mixiネーム Yupa
(たぶん本名でも引っかかると思います。)
Facebookもやってます。
(たぶん本名でも引っかかると思います。)
日本JasperServerユーザ会 管理人
Agenda
BIとは何か
なぜBIが必要なのか
BIツールとは何か
JasperReports Serverについて
日本JasperServerユーザ会について
まとめ
1.BIとは何か
「BI」の定義

1989年 ハワード・ドレスナー
(Gartner社アナリスト)が提唱
「経営者や一般のビジネスパーソンが、
 情報分野の専門家に頼らずに自らが
 売上分析、利益分析、顧客動向分析などを行
 い、
 迅速に意思決定する」
           @IT 情報マネジメント用語事典より


企業の持つデータ分析を専門家から実際にビジネスを
動かす現場に取り戻す仕組みがBI。
BI

   Business Intelligence
もともとは政府の諜報機関が敵国の限られた情報を
様々な角度から分析し、自国に必要な情報を引き出す活動
インテリジェンス活動(Intelligence)と言っていた。

その考え方を民間活動(Business)に応用したのがBI
インテリジェンス(予備知識)
少ないデータを元に「そのデータのあらわす情報
 とインテリジェンス(自分たちにとっての意
 味)」を
 導き出す
新しいデータが追加される毎に見直し
機械的に判断できる手法的な部分と
 長年の経験に基づく人間的判断の部分がある
データや情報(infomation)と区別するために「知
 恵」という場合もある
Data:事実
Information:情報
Intelligence:知恵・知見
Decision:意思決定

Action:行動
2.なぜBIが必要なのか
業務システムごとに分断されているデータを
    活用し、経営資産としたい!
ビジネスのスピード重視
グローバル化                       蓄積されているデータを迅
                             速に分析・判断・共有する
経営者の責任増大                     必要
複雑化する業務
                             データは企業共有の資産と
                             して活用されるべき!
                        会計    情報集めるだけでも一苦労!
                              どこに必要な情報があるのかも分から

           生産/在庫/購買




                販売/顧客
3.BIツールとは何か
BI=BIツールではない!
「経営情報システム」だけではない
「OLAP分析」だけでもない
決まった概念でもない
企業システム等で大量に蓄積されているデー
タを有効に活用・見える化するためのツール
どんなことをするのか
データを集める、整理する
データを眺める
データを表現する




データを情報化し、そこからインテリジェ
ンスを導き出すことで、経営意思決定の支
援を行う
BIツールの構成
積しているデータを経営資産として利用可能にする、「見える化」のためのツール


   データマイニング
  テキストマイニング
             ETL処理   リレーショナルデータベース(RDB)

                                          経営者、管理者
    会計                          データマート
 ①データを集める、整理す
     DSA データウェアハウス

 る
 生産/在庫/購買

                                     ③データを表現す
  販売/顧客                              る
             ODS
            ODS           ②データを眺める
                          データマート
                        (多次元データベース)
①データを集める、整理する

データ抽出、統合
データ・マイニング
テキスト・マイニング
ETL(DSAおよびODS)
データの保管
データウェアハウス
データ・マイニング

企業に大量に蓄積されるデータを解析し、そ
の中に潜む項目間の相関関係やパターンなど
を探し出す技術。




           IT用語辞典 e-Words
           http://e-words.jp
テキスト・マイニング

定型化されていない文章の集まりを自然言語
解析の手法を使って単語やフレーズに分割
し、それらの出現頻度や相関関係を分析して
有用な情報を抽出する手法やシステム。




           IT用語辞典 e-Words
           http://e-words.jp
ETL(DSAおよびODS)
にすでにある業務システムから
されたデータを抽出(Extract)
タウェアハウス等で利用しやすい形に加工(Transform)
となるデータベースに書き出す(Load)
う一連の処理を行い、DWH(BIするためのデータベース)に格納する

                            DS
                            A
      会計
                                      
                                      
                                      
                  ク                   
   生産/在庫/購買   抽   リ              変   ロ
              出
                  ー
                                 換
                                     ー   DWH
                  ニ                  ド
     販売/顧客        ン
                  グ
     CRM




                      ODS
データウェアハウス

経営分析を行うためにデータ集積を行う
「サイロ」にあったデータを集めてきて貯めて
おく「倉庫」
データウェアハウスのデータ構造

                        ファクトテーブルに対して、
               製品キー     ディメンジョンテーブルが複数連携し
                製品名     た形
               製品分類
              メーカ-名
                        になるのでスタースキーマと呼ばれ
               ・・・・     る。

時間キー   製品キー    地域キー   売上数量    売上金額   売上金額




                       地域キー
       時間キー            所在住所
         日              番地
         月               市
        四半期              県
        半期              地方
       ・・・・              国
②データを眺める
オンライン処理分析(OLAP)
 キューブ
 ドリルダウン/スライシング/ダイシング
 R-OLAP、M-OLAP


その他の分析
オンライン処理分析(OLAP)
データを多角的に分析する

    地域
                  製品


                   スライシング




                       期間
 ダイシング

         ドリルアップ   ドリルダウン
ドリリング
目に見えている「ディメンジョン」を掘り下
げる操作
スライシング
目に見えてない「ディメンジョン」を絞り込む操
作
          製品すべてが含まれている



                 ドリンクのみを集計している
スライシング
目に見えてない「ディメンジョン」を絞り込む操
作
          製品すべてが含まれている



                 ドリンクのみを集計している
ダイシング
目に見えている「ディメンジョン」と見えて
いない「ディメンジョン」を入れ替える操作
R-OLAPとM-OLAP
          SQL

RDBMS
         データ

                                レスポンス:遅い
                R-OLAP          データ集約:早い


                          リクエスト
        事前集計
        (バッチ)
RDBMS


                          データ
                                レスポンス:早い
                 M-OLAP         データ集約:遅い
その他の分析
統計分析
 回帰分析、シュミレーション等

マーケット分析
 RFM分析、SWOT分析、バスケット分析等

BIツールで対応出来るものと、難し
 い物がある。
R等の統計ツールなどと組み合わせ
 ることで、より高度な分析も可能
 になってくる。
③データを表現する
レポート




ダッシュボード
レポーティング
目的に応じたデータ集計、表現
分析結果を共有する
帳票(情報を受け手が望む形式で表示)
BIの場合、集計や解析結果といった
「データを分析した結果」をレポートとして表示
する。
レポートの例
ダッシュボード
ユーザの必要な情報を画面で一覧表示
一種のレポートだが、一目で知りたい情報の
概略がわかるように、KPIを設定してトップ画
面に配置する
問題が有りそうなところはドリルダウンして
詳細を見る

            ピッ
         コク
      経 営 ト
4.JasperReports Serverについて
JasperReports Serverとは

フルオープンソースで実装されたBIツール
Javaで実装
コミュニティ版とプロフェッショナル版が存
在
周辺製品とあわせて、BIアプリケーションを
カバー(BI suite)
JasperReports Server
             アーキテクチャー
  多様な      Ad hocレポート   ダッシュボード           データ分析/探査
 レポート




        iReport                       JasperAnalysis
                         JasperServer


                  JasperReports




 オペレーショナル                 JasperETL               データマート /
     RDBMS                                       データウェアハウス/
POJO、EJB、 XML、                                       ODS
   Hibernate、
  MDX、Custom
JasperAnalysis((OLAP)
 ドリルダウン
処理(OLAP) 機能を提供します。OLAPとは、基本的にドリルダウン、スライシング、ダイシング操作
下げることができます(ドリルダウン)。



          “+”マークをクリックすると展開されます。
          例えばQ1をクリックすると1,2,3月と展開されます。




                                        pdfに出力しま
                                        す。
JasperAnalysis(OLAP)
スライシング
          ある製品を対象に、データを絞り込むことができます(スライシング)。
          例えば、ある製品の販売データを四半期ごとに出すことができます。
          さらに円グラフなどの図を出せば、もっとわかりやすくなりますよね!?



ある対象に絞り込んでデータを分析することができます。
JasperAnalysis(OLAP)
ダイシング
                       ディメンションを入れ替えることができます。
                       結果をエクセルファイルに保存することもできます。




                                  Excelファイルに出力します
JasperServer Pro
アドホックレポート作成機能
                                   プロフェショナルバージョン限定
                                   機能
     各ユーザが自由自在にWeb画面上で、ドラッグ&ドロップで帳票を作成して出力できます。




      IT部門なしでレポートを作れます。
JasperServer Pro
 ダッシュボード

しい営業担当は顧客情報や社内の各種情報に速やかにアクセスできることが必要です。
sSquareBIは企業内の様々なシステムから情報を収集して表示するダッシュボードを提供いたします
ーザ・役割ごとに最適なダッシュボードを作成して表示させることが出来ます。



                     必要な情報を一画面で表示。詳細な情報には各要素をク
JasperServer Pro
 ダッシュボードデザイナー

れまでレポートを作成するのと同じ手順を踏む必要がありました。Version3より、「ダッシュボード
用の部品を並べるだけで、自分専用のダッシュボードを作成することが出来ます。




                      部品をドラッグ&ドロップで自由に配置し、独自のダッ
JasperServer Pro管理機能
ユーザ・ロール管理
スケーラビリティに対応した、検索可能なユーザインターフェース




                               ユーザを検索して編集・管理が可能。
                                エンドユーザが大人数になっても
                                   対応可能になった。




                        役割も同様の機能で
                       複雑な役割設定にも対応
JasperServer Pro管理機能
組織管理
・組織の概念を導入。マルチテナントにも対応。→SaaS対応




                            組織を階層的に設定可能。
                            それぞれにユーザを配置することが出来る。




            ログイン時に所属する組織を指定するようにログイン画面も変更された。
JasperAnalysis Pro
ODBO Connect
ョンより、JasperAnalysisのデータをExcelに取り込める、「ODBO Connect」機能が提供されるようになりま
データを取り込んで、Excelの「ピボットテーブル」として呼び出すことが出来ます。



         OpusSquare BI




ODBO Connect経由でJasperServerに接続して、分析データをExcel上のピボットテーブルとして読
周辺製品
JasperReports
iReport
JasperETL
JasperReports
レポート ライブラリ
アプリケーションに容易に組み込んで、洗練された印刷レポートや Web ベース レポートを作成でき

、高度なレポート管理要件にも十分対応できます。
JasperReports
仕組み

        JasperReportsは、帳票出力を実現するためのJava用のレポートエンジンです。
        同一のテンプレートから様々なファイル形式で帳票を出力することができます。




                                                                   ・PD F
                                                                   ・Excel
                                                                   ・HT M L
                                                                   ・RT F(リッチテキスト形式)
                                                                       F(リッチテキスト形式)
                                                                   ・ テキスト
                                                                   ・CSV
                                                                   ・OpenOffice.org形式
                                                                    OpenOffice.org形式
                                                                   ・ダイレクト印刷




                JasperReportsの仕組み (2007年現在、JasperForge公開ページより抜粋)
iReport
帳票作成
           iReportは、グラフィックな帳票テンプレートのデザインツール。
           NetBeansベースのリッチクライアント()




  グラフィカルな帳票レイアウトツールで簡単に帳票を作成
iReport
 JasperServerのレポジトリ管理ツール
portはJasperServer Pluginを使用してJasperServerのレポジトリにアクセスし、レポジトリの管理を




           編集したレポートテンプレートや各種リソース類を登録するほか、登録されているレポート
JasperETL (1/3)
 データ統合
perETLは分散されているデータを集積し、必要なデータを帳票用DBに必要な形で蓄積するためのツールで



      企業内データ

                                  JasperServer
           財務     データの収集・変換・蓄積



           購買




           在庫
                    JasperETL    帳票用DB



           営業




            ・
            ・
            ・
            ・
            ・
JasperETL (2/3)
データ統合
    GUIでプログラミングレスでETL処理手順を定義できます。
    JavaやPerlのプログラミング技術者であればより柔軟な定義が可能になります
JasperETL (3/3)
 スケジューリング機能
     JasperETLにはスケジューリング機能があります。
     一度作成されたジョブは定期的に決められたタイミングで実行させることができます。




     一度スケジュールを設定すると・・・
                      定期的に必要なデータを収集し、帳票データへ蓄積します。
                      (月次レポートの作成など)
5.日本JasperServerユーザ会
      について
日本JasperServerユーザ会
JasperReports Serverおよびその周辺製品の情報
  を交換・共有すべく発足
基本はGoogleグループ上での情報共有
http://groups.google.com/group/japan-jasperserver-user-group
「JasperServer」(日本語のページを検索)でググると3番目く
 らいに出てきます。

Webサイトも立ち上げ
http://sites.google.com/site/japanjasperserverusergroup/

Twitterハッシュタグ
  「#JJSUG」
JJSUG Qshu
やっていることはサイトをご参照ください
https://sites.google.com/site/jjsugq/
6.まとめ
まとめ
BIとは
 → データの山から自分たちに必要な
   価値を導きこと
なぜBIが必要なのか
 → IT化が進んで蓄積されたデータを生かし、
 企業が厳しい状況を打開するため
BIツールとは何か
→ BIすることを目的としたツール
JasperReports Serverについて
  → とにかく一度使ってみて!
日本JasperServerユーザ会について
ありがとうございました
日本JasperServerユーザ会(JJSUG)
Webサイト:
https://sites.google.com/site/japanjasperserverusergroup/about_jjsug

メーリングリスト
http://groups.google.com/group/japan-jasperserver-user-group

Japan Jasper Server User Group Qshu (JJSUG
Qshu)
https://sites.google.com/site/jjsugq/

Twitterでも情報発信していきます。
JJSUG本体のハッシュタグ #JJSUG
JJSUG Qshuのハッシュタグ #JJSUG_Qshu

ビジネスインテリジェンス入門~OSSでBIを始めよう~

Editor's Notes

  • #40 15 , 16 , 17 , 18 番スライドは一セットで、 19 、 20 , 21 番は一セットです。 15 , 16 , 17 , 18 番はプレゼン用で、 19 、 20 , 21 番は配布用です。