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東北大学 工学部 機械知能・航空工学科
2018年度 クラスC3 D1 D2 D3
情報科学基礎 I
大学院情報科学研究科
鏡 慎吾
http://www.ic.is.tohoku.ac.jp/~swk/lecture/
8. ブール代数と論理回路
(教科書2章)
2鏡 慎吾 (東北大学): 情報科学基礎I 2018 (1)
ブール代数
集合 { 0, 1 } の上の演算 AND, OR, NOT からなる数学的体系
何のため?
• ある演算をどのような回路で実現すればよいのか?
• どうすれば回路が小さくなるのか?
• どうすれば回路が速く動くのか?
3鏡 慎吾 (東北大学): 情報科学基礎I 2018 (1)
復習: 真理値表とゲート記号
A B A・B
0 0 0
0 1 0
1 0 0
1 1 1
A
B
A・B
A B A+B
0 0 0
0 1 1
1 0 1
1 1 1
A A
0 1
1 0
A
B
A+B A A
真理値表
ゲート記号
4鏡 慎吾 (東北大学): 情報科学基礎I 2018 (1)
論理関数と論理式
• 論理関数
• いくつかの論理値を引数として受け取り,論理値を返
す関数
• f : {0, 1}n → { 0, 1 }
• 真理値表と 1 対 1 対応
• 論理式
• 論理値を持つ変数(論理変数)と論理値定数(つまり 0
または 1) に対して,AND, OR, NOT 演算を何度か適
用して得られる式
• 演算子の優先順位は NOT → AND → OR の順
• ゲート記号による論理回路図と 1 対 1 対応
• 論理式は一つの論理関数を定める
• しかし,論理関数は論理式を一意に定めない
5鏡 慎吾 (東北大学): 情報科学基礎I 2018 (1)
論理式(論理回路)から真理値表へ: 例1
論理式
f(A, B) = A + B
真理値表
A B A+B
0 0 1
0 1 0
1 0 1
1 1 1
論理回路
A A+B
• 入力の組み合わせは高々有限個なの
で,地道に評価していけばよい
• 慣れてくると,まとめて値を定められる
場合がある.例えばこのページの例で
は,A = 1 なら OR ゲートの作用で結果
は必ず 1 になることがわかる
B
6鏡 慎吾 (東北大学): 情報科学基礎I 2018 (1)
例2
論理式
f(A, B) = A + A ・ B
真理値表 (cf. 前ページ)
論理回路
A
• 同じ論理関数を実現する論理式(論
理回路)は複数ある
• どうせ同じなら,できるだけ小さくて
速い回路で実現したい
A B A+A・B
0 0 1
0 1 0
1 0 1
1 1 1
B
A + A ・ B
7鏡 慎吾 (東北大学): 情報科学基礎I 2018 (1)
真理値表から論理式へ
• 真理値表から出力が 1 の行を抜き出し,それぞれについて
• 入力が 1 の変数はそのまま,0 の変数は否定
• それら全変数の論理積を取る
• それらすべての項の論理和を取る
• 後述する「主加法標準形」が得られる.必ずしも「簡単」な式で
はない
A B
A B
A B
(A = 0, B = 0 のときのみ1)
(A = 1, B = 0 のときのみ1)
(A = 1, B = 1 のときのみ1)
A B f(A, B)
0 0 1
0 1 0
1 0 1
1 1 1
8鏡 慎吾 (東北大学): 情報科学基礎I 2018 (1)
例3: 排他的論理和 (XOR)
XOR A B A  B
0 0 0
0 1 1
1 0 1
1 1 0
A
B
A B
A B
(A = 0, B = 1 のときのみ1)
(A = 1, B = 0 のときのみ1)
9鏡 慎吾 (東北大学): 情報科学基礎I 2018 (1)
例4
A B C f
0 0 0 0
0 0 1 0
0 1 0 0
0 1 1 1
1 0 0 0
1 0 1 1
1 1 0 1
1 1 1 1
ちょっと回路が複雑そうだ.もっと「簡
単な」回路(簡単な論理式)で表せな
いだろうか?
3入力多数決関数 f(A, B, C)
10鏡 慎吾 (東北大学): 情報科学基礎I 2018 (1)
ブール代数の公式
冪等則
単位元の存在
零元の存在
交換則
二重否定
相補則
分配則
ド・モルガン則
双対性
11鏡 慎吾 (東北大学): 情報科学基礎I 2018 (1)
各公式の理解
• 相補則までは AND, OR, NOTの性質からすぐわかる
• 分配則はスイッチング回路図で考えるとよい
b
a
c
a a
b c
a
a
ab
c
b
c
• ド・モルガン則はよく知られている通り (ベン図で考えるとよい)
a b
12鏡 慎吾 (東北大学): 情報科学基礎I 2018 (1)
• 双対性:
• ある命題における AND と OR,および 1 と 0 をそれぞれ入
れ替えたものを,その命題の双対 (dual) と呼ぶ
• 正しい命題の双対は常に正しい.なぜならば
• AND と OR の真理値表は互いの 0 と 1 を入れ替えたも
のであり,NOT の真理値表は 0 と 1 を入れ替えても変わ
らない.あらゆる論理式はAND, OR, NOTで表せるので,
上記の入れ替えによって,命題の真偽は保存される
• (別の説明) ブール代数の定理(正しいと証明できる命
題)は,すべて前々ページの公式(の一部: ハンチントンの
公理)から証明できる.ある定理の証明に用いた公式をす
べて双対に置き換えれば,元の定理の双対が証明できる
13鏡 慎吾 (東北大学): 情報科学基礎I 2018 (1)
公式の適用例
相補則
単位元
単位元
分配則
こんなのどうやって思いつくのか? → 「カルノー図」を勉強するまで待とう
冪等則
分配則
相補則
単位元
(例2)
(例1)
(例4)
零元
分配則
14鏡 慎吾 (東北大学): 情報科学基礎I 2018 (1)
論理関数の標準形
• ある論理関数を論理式で表す方法は無数にあるため,例え
ば2つの論理式を直接見比べても,それらが論理関数として
等価かどうかは判断できない
• 論理関数を一意に表すことができる「標準形」があると便利
である
• 特に,真理値表と関係の深い標準形として,主加法標準形と
主乗法標準形が挙げられる
15鏡 慎吾 (東北大学): 情報科学基礎I 2018 (1)
主加法標準形
• リテラル
ある入力変数,またはその否定
• 基本積
リテラル,または2つ以上のリテラルの積で,
同じ入力変数を2度以上含まないもの
• 最小項
基本積のうち,すべての入力変数を含むも
の
• 主加法標準形
論理関数を最小項の和で表した形式
A B C f
0 0 0 0
0 0 1 0
0 1 0 0
0 1 1 0
1 0 0 0
1 0 1 1
1 1 0 0
1 1 1 0
最小項 A B C に対応する行
16鏡 慎吾 (東北大学): 情報科学基礎I 2018 (1)
主加法標準形の作り方
真理値表から主加法標準形へ
• 1になる行の最小項を並べて論理和を取る
(つまり,先に学んだ「真理値表→論理式」の変換方法で
得られるのは,主加法標準形そのものだった)
任意の論理式から主加法標準形へ
• 分配則などを使って展開して積和形へ
• 最小項でない積項に対して,その積項に含まれないすべ
てのリテラル xi について,(xi + xi) を乗ずる
• さらに展開して,冗長な項を除去
17鏡 慎吾 (東北大学): 情報科学基礎I 2018 (1)
例題
ド・モルガン則
18鏡 慎吾 (東北大学): 情報科学基礎I 2018 (1)
主乗法標準形
• 基本和
リテラル,または2つ以上のリテラルの
和で,同じ入力変数を2度以上含まな
いもの
• 最大項
基本和のうち,すべての入力変数を含
むもの
• 主乗法標準形
論理関数を最大項の積で表した形式
A B C f
0 0 0 1
0 0 1 1
0 1 0 0
0 1 1 1
1 0 0 1
1 0 1 1
1 1 0 1
1 1 1 1
最大項 A + B + C に対応する行の集合
19鏡 慎吾 (東北大学): 情報科学基礎I 2018 (1)
参考: 主乗法標準形の作り方
真理値表から主乗法標準形
• 0になる行の最小項を並べて論理和を取り,ド・モルガン
則を適用
(つまり,主加法標準形を作ることさえできれば,主乗法標準形へは
変換できる)
任意の論理式から主乗法標準形へ
• 分配則などを使って展開して和積形へ
• 最大項でない和項に対して,その和項に含まれないすべ
てのリテラル xi について,(xi xi) を加える
• さらに展開して,冗長な項を除去
(分配のしかたに慣れないと難しいかも知れない)
20鏡 慎吾 (東北大学): 情報科学基礎I 2018 (1)
練習問題
右表の f(A, B, C) を適当な論理
式で表せ.(表したあと,A,B,Cに
各値を代入して自分で検算して
みるとよい)
A B C f
0 0 0 1
0 0 1 0
0 1 0 0
0 1 1 0
1 0 0 0
1 0 1 1
1 1 0 1
1 1 1 0
(1)
(2) 4入力の論理関数 g(x4, x3, x2, x1) を,
2進数 x4x3x2x1 が 3の倍数と (10進
表示で) 3のつく数のときだけ 1 にな
る関数とする.ただし 0 は3の倍数に
含まないものとする.論理関数gの真
理値表を書き,それに基づいてgを適
当な論理式で表せ.
21鏡 慎吾 (東北大学): 情報科学基礎I 2018 (1)
解答例
x4 x3 x2 x1 g
0 0 0 0 0
0 0 0 1 0
0 0 1 0 0
0 0 1 1 1
0 1 0 0 0
0 1 0 1 0
0 1 1 0 1
0 1 1 1 0
1 0 0 0 0
1 0 0 1 1
1 0 1 0 0
1 0 1 1 0
1 1 0 0 1
1 1 0 1 1
1 1 1 0 0
1 1 1 1 1
(2) 真理値表は右の通り.論理式の表示例
は
(1) 論理式で表すと,例えば
その他,正解は無数に存在する.
22鏡 慎吾 (東北大学): 情報科学基礎I 2018 (1)
練習問題
a, b, c の 3人の男がいる.そのうち一人以上は正直者で,一人
以上は嘘つきである.正直者は常に本当のことを言うが,嘘つき
の言うことは本当かも知れないし嘘かも知れない.彼らは言う.
a 「bは正直者だ」
b 「cは正直者だ」
c 「この中に正直者は一人しかいない」
a, b, c が正直者であるときに 1 になる論理変数をそれぞれ A, B,
C とおく.a の発言からは「A = 1 かつ B = 1 であるか,または,A
= 0 でなくてはならない」ことが読み取れる.つまり
という式(が 1 であること)によって a の発言が表される.
(1) 同様に b, c の発言を論理式で表し,それらの論理積を
取ることですべての条件を表す一つの論理式を導け.
(2) (1) の論理式を主加法標準形にせよ.
(3) a, b, c が正直者か嘘つきかを決定せよ.
23鏡 慎吾 (東北大学): 情報科学基礎I 2018 (1)
解答例
b:
c:
(1)
(2)
(3) 正直者は一人以上いなくてはならないので,c が正直者である.
24鏡 慎吾 (東北大学): 情報科学基礎I 2018 (1)
例題
天国と地獄の分かれ道に門番が立っている.門番は天国または
地獄のどちらから派遣されているが,どちらかはわからない.門
番には「はい」または「いいえ」で答えることのできる質問を一つ
だけすることができる.ただし,天国からきた門番は本当の答え
を教えてくれるが,地獄から来た門番は必ず嘘をつく.どのような
質問をすればよいか.
(1) X を「左側の道が天国のときに 1,さもなくば 0」,Y を「門
番が天国から来たなら 1,さもなくば 0」 である論理変数と
する.門番にする質問を論理関数 f(X, Y),門番から返る答
え g(X, Y) とする.ただし「はい」を論理値 1 に対応させる
とする.f(X, Y) を g(X, Y), X, Y を使った論理式で表せ.
(2) g(X, Y) = X となるような f(X, Y) を求めたい.そのような
f(X, Y) を論理式で表せ.これを日本語ではどう質問すれば
よいか.
25鏡 慎吾 (東北大学): 情報科学基礎I 2018 (1)
解答例
よって質問すべき内容は:
「左の道は天国行きであってかつあなたは天国から来た」
かまたは「左の道は地獄行きであってかつあなたは地獄
から来た」のどちらかですか?
同じことだが,もう少しスマートにしたければ X = Y かどうか聞
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(1)
(2)

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  • 1. 東北大学 工学部 機械知能・航空工学科 2018年度 クラスC3 D1 D2 D3 情報科学基礎 I 大学院情報科学研究科 鏡 慎吾 http://www.ic.is.tohoku.ac.jp/~swk/lecture/ 8. ブール代数と論理回路 (教科書2章)
  • 2. 2鏡 慎吾 (東北大学): 情報科学基礎I 2018 (1) ブール代数 集合 { 0, 1 } の上の演算 AND, OR, NOT からなる数学的体系 何のため? • ある演算をどのような回路で実現すればよいのか? • どうすれば回路が小さくなるのか? • どうすれば回路が速く動くのか?
  • 3. 3鏡 慎吾 (東北大学): 情報科学基礎I 2018 (1) 復習: 真理値表とゲート記号 A B A・B 0 0 0 0 1 0 1 0 0 1 1 1 A B A・B A B A+B 0 0 0 0 1 1 1 0 1 1 1 1 A A 0 1 1 0 A B A+B A A 真理値表 ゲート記号
  • 4. 4鏡 慎吾 (東北大学): 情報科学基礎I 2018 (1) 論理関数と論理式 • 論理関数 • いくつかの論理値を引数として受け取り,論理値を返 す関数 • f : {0, 1}n → { 0, 1 } • 真理値表と 1 対 1 対応 • 論理式 • 論理値を持つ変数(論理変数)と論理値定数(つまり 0 または 1) に対して,AND, OR, NOT 演算を何度か適 用して得られる式 • 演算子の優先順位は NOT → AND → OR の順 • ゲート記号による論理回路図と 1 対 1 対応 • 論理式は一つの論理関数を定める • しかし,論理関数は論理式を一意に定めない
  • 5. 5鏡 慎吾 (東北大学): 情報科学基礎I 2018 (1) 論理式(論理回路)から真理値表へ: 例1 論理式 f(A, B) = A + B 真理値表 A B A+B 0 0 1 0 1 0 1 0 1 1 1 1 論理回路 A A+B • 入力の組み合わせは高々有限個なの で,地道に評価していけばよい • 慣れてくると,まとめて値を定められる 場合がある.例えばこのページの例で は,A = 1 なら OR ゲートの作用で結果 は必ず 1 になることがわかる B
  • 6. 6鏡 慎吾 (東北大学): 情報科学基礎I 2018 (1) 例2 論理式 f(A, B) = A + A ・ B 真理値表 (cf. 前ページ) 論理回路 A • 同じ論理関数を実現する論理式(論 理回路)は複数ある • どうせ同じなら,できるだけ小さくて 速い回路で実現したい A B A+A・B 0 0 1 0 1 0 1 0 1 1 1 1 B A + A ・ B
  • 7. 7鏡 慎吾 (東北大学): 情報科学基礎I 2018 (1) 真理値表から論理式へ • 真理値表から出力が 1 の行を抜き出し,それぞれについて • 入力が 1 の変数はそのまま,0 の変数は否定 • それら全変数の論理積を取る • それらすべての項の論理和を取る • 後述する「主加法標準形」が得られる.必ずしも「簡単」な式で はない A B A B A B (A = 0, B = 0 のときのみ1) (A = 1, B = 0 のときのみ1) (A = 1, B = 1 のときのみ1) A B f(A, B) 0 0 1 0 1 0 1 0 1 1 1 1
  • 8. 8鏡 慎吾 (東北大学): 情報科学基礎I 2018 (1) 例3: 排他的論理和 (XOR) XOR A B A  B 0 0 0 0 1 1 1 0 1 1 1 0 A B A B A B (A = 0, B = 1 のときのみ1) (A = 1, B = 0 のときのみ1)
  • 9. 9鏡 慎吾 (東北大学): 情報科学基礎I 2018 (1) 例4 A B C f 0 0 0 0 0 0 1 0 0 1 0 0 0 1 1 1 1 0 0 0 1 0 1 1 1 1 0 1 1 1 1 1 ちょっと回路が複雑そうだ.もっと「簡 単な」回路(簡単な論理式)で表せな いだろうか? 3入力多数決関数 f(A, B, C)
  • 10. 10鏡 慎吾 (東北大学): 情報科学基礎I 2018 (1) ブール代数の公式 冪等則 単位元の存在 零元の存在 交換則 二重否定 相補則 分配則 ド・モルガン則 双対性
  • 11. 11鏡 慎吾 (東北大学): 情報科学基礎I 2018 (1) 各公式の理解 • 相補則までは AND, OR, NOTの性質からすぐわかる • 分配則はスイッチング回路図で考えるとよい b a c a a b c a a ab c b c • ド・モルガン則はよく知られている通り (ベン図で考えるとよい) a b
  • 12. 12鏡 慎吾 (東北大学): 情報科学基礎I 2018 (1) • 双対性: • ある命題における AND と OR,および 1 と 0 をそれぞれ入 れ替えたものを,その命題の双対 (dual) と呼ぶ • 正しい命題の双対は常に正しい.なぜならば • AND と OR の真理値表は互いの 0 と 1 を入れ替えたも のであり,NOT の真理値表は 0 と 1 を入れ替えても変わ らない.あらゆる論理式はAND, OR, NOTで表せるので, 上記の入れ替えによって,命題の真偽は保存される • (別の説明) ブール代数の定理(正しいと証明できる命 題)は,すべて前々ページの公式(の一部: ハンチントンの 公理)から証明できる.ある定理の証明に用いた公式をす べて双対に置き換えれば,元の定理の双対が証明できる
  • 13. 13鏡 慎吾 (東北大学): 情報科学基礎I 2018 (1) 公式の適用例 相補則 単位元 単位元 分配則 こんなのどうやって思いつくのか? → 「カルノー図」を勉強するまで待とう 冪等則 分配則 相補則 単位元 (例2) (例1) (例4) 零元 分配則
  • 14. 14鏡 慎吾 (東北大学): 情報科学基礎I 2018 (1) 論理関数の標準形 • ある論理関数を論理式で表す方法は無数にあるため,例え ば2つの論理式を直接見比べても,それらが論理関数として 等価かどうかは判断できない • 論理関数を一意に表すことができる「標準形」があると便利 である • 特に,真理値表と関係の深い標準形として,主加法標準形と 主乗法標準形が挙げられる
  • 15. 15鏡 慎吾 (東北大学): 情報科学基礎I 2018 (1) 主加法標準形 • リテラル ある入力変数,またはその否定 • 基本積 リテラル,または2つ以上のリテラルの積で, 同じ入力変数を2度以上含まないもの • 最小項 基本積のうち,すべての入力変数を含むも の • 主加法標準形 論理関数を最小項の和で表した形式 A B C f 0 0 0 0 0 0 1 0 0 1 0 0 0 1 1 0 1 0 0 0 1 0 1 1 1 1 0 0 1 1 1 0 最小項 A B C に対応する行
  • 16. 16鏡 慎吾 (東北大学): 情報科学基礎I 2018 (1) 主加法標準形の作り方 真理値表から主加法標準形へ • 1になる行の最小項を並べて論理和を取る (つまり,先に学んだ「真理値表→論理式」の変換方法で 得られるのは,主加法標準形そのものだった) 任意の論理式から主加法標準形へ • 分配則などを使って展開して積和形へ • 最小項でない積項に対して,その積項に含まれないすべ てのリテラル xi について,(xi + xi) を乗ずる • さらに展開して,冗長な項を除去
  • 17. 17鏡 慎吾 (東北大学): 情報科学基礎I 2018 (1) 例題 ド・モルガン則
  • 18. 18鏡 慎吾 (東北大学): 情報科学基礎I 2018 (1) 主乗法標準形 • 基本和 リテラル,または2つ以上のリテラルの 和で,同じ入力変数を2度以上含まな いもの • 最大項 基本和のうち,すべての入力変数を含 むもの • 主乗法標準形 論理関数を最大項の積で表した形式 A B C f 0 0 0 1 0 0 1 1 0 1 0 0 0 1 1 1 1 0 0 1 1 0 1 1 1 1 0 1 1 1 1 1 最大項 A + B + C に対応する行の集合
  • 19. 19鏡 慎吾 (東北大学): 情報科学基礎I 2018 (1) 参考: 主乗法標準形の作り方 真理値表から主乗法標準形 • 0になる行の最小項を並べて論理和を取り,ド・モルガン 則を適用 (つまり,主加法標準形を作ることさえできれば,主乗法標準形へは 変換できる) 任意の論理式から主乗法標準形へ • 分配則などを使って展開して和積形へ • 最大項でない和項に対して,その和項に含まれないすべ てのリテラル xi について,(xi xi) を加える • さらに展開して,冗長な項を除去 (分配のしかたに慣れないと難しいかも知れない)
  • 20. 20鏡 慎吾 (東北大学): 情報科学基礎I 2018 (1) 練習問題 右表の f(A, B, C) を適当な論理 式で表せ.(表したあと,A,B,Cに 各値を代入して自分で検算して みるとよい) A B C f 0 0 0 1 0 0 1 0 0 1 0 0 0 1 1 0 1 0 0 0 1 0 1 1 1 1 0 1 1 1 1 0 (1) (2) 4入力の論理関数 g(x4, x3, x2, x1) を, 2進数 x4x3x2x1 が 3の倍数と (10進 表示で) 3のつく数のときだけ 1 にな る関数とする.ただし 0 は3の倍数に 含まないものとする.論理関数gの真 理値表を書き,それに基づいてgを適 当な論理式で表せ.
  • 21. 21鏡 慎吾 (東北大学): 情報科学基礎I 2018 (1) 解答例 x4 x3 x2 x1 g 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 1 0 0 0 0 1 1 1 0 1 0 0 0 0 1 0 1 0 0 1 1 0 1 0 1 1 1 0 1 0 0 0 0 1 0 0 1 1 1 0 1 0 0 1 0 1 1 0 1 1 0 0 1 1 1 0 1 1 1 1 1 0 0 1 1 1 1 1 (2) 真理値表は右の通り.論理式の表示例 は (1) 論理式で表すと,例えば その他,正解は無数に存在する.
  • 22. 22鏡 慎吾 (東北大学): 情報科学基礎I 2018 (1) 練習問題 a, b, c の 3人の男がいる.そのうち一人以上は正直者で,一人 以上は嘘つきである.正直者は常に本当のことを言うが,嘘つき の言うことは本当かも知れないし嘘かも知れない.彼らは言う. a 「bは正直者だ」 b 「cは正直者だ」 c 「この中に正直者は一人しかいない」 a, b, c が正直者であるときに 1 になる論理変数をそれぞれ A, B, C とおく.a の発言からは「A = 1 かつ B = 1 であるか,または,A = 0 でなくてはならない」ことが読み取れる.つまり という式(が 1 であること)によって a の発言が表される. (1) 同様に b, c の発言を論理式で表し,それらの論理積を 取ることですべての条件を表す一つの論理式を導け. (2) (1) の論理式を主加法標準形にせよ. (3) a, b, c が正直者か嘘つきかを決定せよ.
  • 23. 23鏡 慎吾 (東北大学): 情報科学基礎I 2018 (1) 解答例 b: c: (1) (2) (3) 正直者は一人以上いなくてはならないので,c が正直者である.
  • 24. 24鏡 慎吾 (東北大学): 情報科学基礎I 2018 (1) 例題 天国と地獄の分かれ道に門番が立っている.門番は天国または 地獄のどちらから派遣されているが,どちらかはわからない.門 番には「はい」または「いいえ」で答えることのできる質問を一つ だけすることができる.ただし,天国からきた門番は本当の答え を教えてくれるが,地獄から来た門番は必ず嘘をつく.どのような 質問をすればよいか. (1) X を「左側の道が天国のときに 1,さもなくば 0」,Y を「門 番が天国から来たなら 1,さもなくば 0」 である論理変数と する.門番にする質問を論理関数 f(X, Y),門番から返る答 え g(X, Y) とする.ただし「はい」を論理値 1 に対応させる とする.f(X, Y) を g(X, Y), X, Y を使った論理式で表せ. (2) g(X, Y) = X となるような f(X, Y) を求めたい.そのような f(X, Y) を論理式で表せ.これを日本語ではどう質問すれば よいか.
  • 25. 25鏡 慎吾 (東北大学): 情報科学基礎I 2018 (1) 解答例 よって質問すべき内容は: 「左の道は天国行きであってかつあなたは天国から来た」 かまたは「左の道は地獄行きであってかつあなたは地獄 から来た」のどちらかですか? 同じことだが,もう少しスマートにしたければ X = Y かどうか聞 いてもよい: あなたは左の道から来ましたか? (1) (2)