Microsoft Teamsやコミュニケーションツールを利用したチームコミュニケーションの改善施策の考え方とその効果測定(KPI)について説明しています。

1. チームコラボレーションの
改善施策と効果測定(KPI)方法
日本マイクロソフト株式会社
デジタルトランスフォーメーション事業本部
ワークスタイルイノベーション推進本部
カスタマーサクセスマネージャー
澤本雅之

2. 効果測定(KPI)の勘どころ
⚫ 何の施策によって変わったと定義するか？
⚫ 施策に期待した効果とは？
「何がどう変わって、
良くなったのか？」
減ったもの
(定量)
増えたもの
(定量)
満足度(定性)
定量例
⚫ O365ログ
⚫ 出張経費
⚫ 電話料金
⚫ 調整のコスト
定性例
⚫ アンケート
⚫ 座談会

3. (例) 増やせるものと削減できるもの
• 出張経費
• 電話の空振り
• オフィスの電気代
• 電話代
• 調整のための時間
• 印刷コスト（紙、インク、コピー機）
• 不要な社内会議の時間
• 資料作成時間
• 問い合わせ対応時間
• 正しい人にたどり着くまでの時間
• メール送受信量
• 重要なメールの見逃し
削減できるもの
• 顧客訪問回数
• IM によるディスカッション
• Web 会議（計画的、突発的）
• 部門間のコミュニケーション
• 国や拠点間のコミュニケーション
• プライベートの時間
• 社員満足度
• リモートからの会議参加
増やせるもの

4. 改善施策の決定から効果測定までの流れ
問題提起と
解決法定義
ビジネス上
効果の試算
施策の施行
準備と実行
施策の効果
測定
施策と効果測定のポイント
⚫ ビジネス上の課題を解決する施策であること
⚫ 効果があるだろう試算を用意する
⚫ 実施可能な施策であること
⚫ 施策の効果が即手出来る見込みを考えておく

5. コミュニケーション＆コラボレーション
方法の棚卸と改善施策例

6. マッキンゼーの調査報告書によると、従業員は毎日1.8 時間、
平均で1週間に9.3 時間を情報の検索と収集に費やしています。
出典: Time Searching for Information.
Interactの調査では、「業務時間の19.8%は、情報を効率的に
検索することに費やされ無駄になっています」
出典: A Fifth of Business Time is Wasted Searching for
Information, says Interact.
IDC のデータによると、「ナレッジ・ワーカーは1日あたり約2.5 時間、
または就業時間の約 30% を情報検索に費やしています。
企業幹部の 60% が、情報の検索方法についての理解の欠如や時間的制約
が原因で、従業員は必要な情報を見つけることができません。」
出典: Information: The Lifeblood of the Enterprise.
https://tracyvanderschyff.com/2017/10/05/digital-literacy-and-the-impact-on-user-adoption/
企業に潜む無駄な時間

7. チームコラボレーションにおける
成果を出すための5つの施策 (案)
無駄な時間の削減と時間の創出
① 通勤に関わる無駄な時間の削減(1名1日辺り創出できる時間)
② 内線電話利用の削減(シナリオ1: 1名1日あたり15分創出。シナリオ2: 1名1日あたり54分創出)
③ 共同編集による1部社員の負荷を軽減（例:30名のまとめ仕事1名1日あたり90分創出）
ツール統一化による無駄なコストと会議設営に掛かる時間の削減
④ バラバラの会議ツール（無駄なコスト、混在する会議設営に掛かる時間）
⑤ 共通の予定表の利用（相手を捕まえて会議日を決める時間vs自分で決める場合）

8. ① 本当に集まらないとできない仕事ですか？
Teams会議ならどこからでも参加可能
IMや音声に加え共同編集もできるので
どこからでも仲間と一緒に作業できます
本当に出社が必要ですか？
他の方法を考えてみませんか？
全国平均
通勤時間
1時間19分

9. ① 通勤による機会損失時間
社員10名が全員出社会議とTeams会議を比較した場合
通勤にかかる時間
全国平均1時間19分
1. 神奈川県 1.45
2. 千葉県 1.42
3. 埼玉県 1.36
4. 東京都 1.34
出典：総務省統計局「社会生活基本調査から
わかる47都道府県ランキング」
全国平均
通勤時間
1時間19分
全員出社して会議 Teamsを使った会議
会議時間 1時間 1時間
移動時間 2時間40分(往復) 0時間
合計(1人あたり) 3時間40分 1時間
試算

10. 無理な通勤を減らし生産性を向上させる
コミュニケーション改善施策
Step1.
リモート会議の
全社的な推奨と周知
Step2.
マニュアルや
トレーニングの準備
Step3.
トレーニングや
ウェビナーの提供
4月
 HR＆総務との合意
 スポンサーの確定
 社内通達方法の確認
5月
 マニュアル＆手順確認
 トレーニング内容確定
 トレーナーの予定確保
6月
 トレーニングの提供
 ウェビナーの提供
①
タスク＆スケジュール例

11. 無理な通勤を減らし生産性を向上させる
コミュニケーション改善施策の効果測定
削減させる
(定量系)
オフィスビルの出社/退社の記録より出社日数の減少
会議室利用の減少
増加させる
(定量系)
Teams会議の利用率の増加
他の会議/コミュニケーションツール利用率の増加
満足度
(定性系)
仕事上コミュニケーション環境の満足度
在宅/リモートワーク環境に対する満足度
①
期待される効果を測定

12. ② まだ内線電話を使ってますか？
Teamsなら
相手の状況に応じて対応可能
相手に繋がらない電話を
いつまでもいつまでも
かけ続けますか？
①プレゼンスで在席確認
②インスタント
メッセージで連絡
③必要に応じて
音声通話
⚫ 自分の作業を中断させる
⚫ 業務効率を下げる電話の取次ぎ

13. 直接電話 Teamsを使ったコミュニケーション
1. 電話番号を調べる 1分 1. プレゼンスを確認 1分
2. 電話する 2分 2. オンライン通知機能 1分
⚫ 1と2を繰り返すｘ6回/日 18分 3. IMする 1分
合計 18分 合計 3分
グロリア・マークの調査によると、
人は一度途切れた集中力が戻るために
平均23分15秒かかることが分かりました
Gloria Mark, Professor in the Department of Informatics
at the University of California, Irvine
シナリオ1: 忙しい人を捕まえる時間
直接電話
1. 電話を受ける 1分
2. 取次ぎメモを書き渡す時間 3分
3. 集中力が戻るまでの時間 23分
⚫ 1-3を繰り返すｘ2回/日 54分
合計 54分
シナリオ2: 電話の取次ぎ
試算
Teamsを活用した
新しいコミュニケーションと比較する②

14. 新しいコミュニケーションを採用し
生産性を向上させる改善施策
Step1.
内線電話からTeamsへ
業務コミュニケーショ
ン手法を周知する
Step2.
マニュアルや
トレーニングの準備
Step3.
トレーニングや
ウェビナーの提供
4月
 HR＆総務との合意
 スポンサーの確定
 社内通達方法の確認
5月
 マニュアル＆手順確認
 トレーニング内容確定
 トレーナーの予定確保
6月
 トレーニングの提供
 ウェビナーの提供
②
タスク＆スケジュール例

15. 新しいコミュニケーションを採用し
生産性を向上させる改善施策の効果測定
削減させる
(定量系)
PBXの内線利用量の減少
増加させる
(定量系)
Teams チャットの増加
Teams コールの増加
満足度
(定性系)
連絡したい人が捕まり易くなった
コミュニケーション環境における満足度
創造性の時間が増えた
期待される効果を測定
②

16. ③ 誰かに押し付けていませんか？
まとめ仕事係や議事録係 Teamsの共同編集なら
全員で同時編集！

17. 共同編集と比較する
メールでフォーム配布 Teamsを使って共同編集
1. Excelでフォームを作る 3分 1. Excelでフォームを作る 3分
2. メールに添付して送る 1分 2. Teamsに投稿 1分
3. 受信メールを開いて保存 1分
4. 2つのExcelを開いてコピペする 2分
⚫ 3-4を繰り返すｘ30回 90分
合計 94分 合計 4分
30名の資料をまとめる時間
試算③

18. Teamsによるファイル共有/共同編集を採用し
生産性を向上させる改善施策
Step1.
IT推奨のファイル
共有と編集方法を
定義する
Step2.
マニュアルや
トレーニングの準備
Step3.
トレーニングや
ウェビナーの提供
4月
 IT推奨の使い方の定義
 社内通達方法の確認
5月
 マニュアル＆手順確認
 トレーニング内容確定
 トレーナーの予定確保
6月
 トレーニングの提供
 ウェビナーの提供
③
タスク＆スケジュール例

19. Teamsによるファイル共有/共同編集を採用し
生産性を向上させる改善施策の効果測定
削減させる
(定量系)
ファイルのロック数の減少（ファイルサーバー使ってる場合）
ファイルの枝分かれバージョン数の減少
増加させる
(定量系)
Teams/SharePointに保存される資料の増加
満足度
(定性系)
まとめ仕事に対する満足度の変化
創造性の時間が増減について
③
期待される効果を測定

20. ④ バラバラの会議ツール使っていませんか？
会議室予約も別々に予約だし
イライラも最高潮！
ビデオ会議システム
医療器部門
ウェブ会議システム
製造部門
音声会議システム
営業部門
もう他部門と
ミーティング
したくない‼
Teams会議に統一すれば
IMから会議まで全社で対応可能

21. ツールの混在と比較する
慣れないツールで会議に参加 Teamsを使って会議に参加
1. 別ツールのインストール 5分 1. Teamsはインストール済み 0分
2. 慣れないツールマニュアル確認 7分 2. Teamsで会議に参加 1分
3. 会議に参加 1分 3. 会議中のマニュアル確認 0分
4. 会議中のマニュアル確認 3分
⚫ 3-4を繰り返すｘ2回/日 8分
合計 20分 合計 1分
複数ツール混在のコスト
試算④
複数ツール混在に掛かる時間(1日辺り)
慣れないツールで会議に参加(例: 部門単位) Teamsを使って会議に参加
1. 会議ツールA 5万円 1. Teams会議(Office365に含まれる) 0円
2. 会議ツールB 7万円
3. 会議ツールC 1万円
合計 13万円 合計 0円

22. コミュニケーションツールを統一し
生産性を向上させる改善施策
Step1.
IT推奨の会議ツール
を定義する
Step2.
マニュアルや
トレーニングの準備
Step3.
トレーニングや
ウェビナーの提供
4月
 IT推奨の使い方の定義
 社内通達方法の確認
5月
 マニュアル＆手順確認
 トレーニング内容確定
 トレーナーの予定確保
6月
 トレーニングの提供
 ウェビナーの提供
④
タスク＆スケジュール例

23. コミュニケーションツールを統一し
生産性を向上させる改善施策の効果測定
削減させる
(定量系)
他の会議ツールの利用率の減少
煩わしい会議設営に掛かる時間の削減 (アンケート内で確認)
増加させる
(定量系)
Teams 会議利用の増加
満足度
(定性系)
リモート会議の操作性の満足度
リモート会議設営に掛かる効率について
④
期待される効果を測定

24. ⑤ 全社で共通の予定表使ってますか？
まだ、手帳使ってる部門がある
Aさん
Bさん
Cさん
電話する
会議調整係
予定表をOutlookに
全社統一同僚の予定表も
会議予約もシンプルに共有

25. デジタル予定表と比較する
内線電話でスケジュール調整(10人の場合) Outlookを使ってスケジュール調整
1. 社員名簿で内線番号を確認 2分 1. Outlookで相手の予定を開く 1分
2. 担当部門に内線電話 2分 2. 相手の空いている時間を選択 2分
3. 担当者とスケジュール調整 5分 3. 空いている会議室を選択 2分
4. 会議室の予約 5分
⚫ 1-3を繰り返すｘ10人分 90分
合計 95分 合計 5分
試算⑤
社員間のスケジュールの確認に掛かる時間

26. 統一化したコミュニケーションを採用し
生産性を向上させる改善施策
Step1.
IT推奨の従業員
予定表を定義する
Step2.
マニュアルや
トレーニングの準備
Step3.
トレーニングや
ウェビナーの提供
4月
 IT推奨の使い方の定義
 社内通達方法の確認
5月
 マニュアル＆手順確認
 トレーニング内容確定
 トレーナーの予定確保
6月
 トレーニングの提供
 ウェビナーの提供
⑤
タスク＆スケジュール例

27. 統一化したコミュニケーションを採用し
生産性を向上させる改善施策の効果測定
削減させる
(定量系)
行き先掲示板数の減少
電話の取次ぎ数の減少
増加させる
(定量系)
Outlookアイテム数の増加
Teams上のリモート会議の増加
満足度
(定性系)
社内の会議調整へ対する満足度
フォーカス時間の向上
⑤
期待される効果を測定

28. ユーザーの羅針盤となるアプリの使い分け

29. 星の数ほど存在するアプリ
どれをどのタイミングで使用するのですか？

30. アプリの使い分け(例)
個人/1対1 グループ/部門 全社
緊急度/低
緊急度/時間的感度
個人/組織/社内外
社外
Teams
Live Event
ファイル共有
共同編集
音声/ビデオ
通話
音声/ビデオ会議
プレゼンス共有
インスタントメッセージ
社外との会議
OneDrive
ファイル共有
共同編集
OneDrive
ファイル共有
共同編集
ファイル共有
共同編集
フォーム
ひな形共有
全社SNS メール
動画共有 社外ファイル共有
高
ユーザーに使わせたい推奨アプリや
全社で使いたいアプリを提示し羅針盤とする