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Yoshinori Yamanouchi
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PyCon Kyushu 2022 Kumamotoで登壇した内容です。
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Room D 13:50-14:20 山ノ内祥訓 PyCon Kyushu 2022 Kumamoto 1
2.
おまえだれよ 名前 年齢 住まい お仕事 山ノ内 祥訓(よしのり) 0x2A 熊本県 現在は大学病院の特任助教で臨床研究のデータに関する設 計及び開発と運用をやっています。 某SIerで医療情報システムの導入及び開発を10年ぐらい やっていました。 SNS Facebook
https://www.facebook.com/yoshinori.yamanouchi.12 Github https://github.com/eolla1013 資格等 医療情報技師 修士(医科学) 現在博士課程(6年目突入!!) 2
3.
臨床研究支援以外のお仕事 ➢ 病院情報システム関連 ➢ 院内データ分析 ➢
医療情報学分野の研究 院内で診療に関係する情報システムの企画、開発、運用。医療情報の担当部署は 別にあるのでそのお手伝い。 医療安全や質改善のため院内の各部署からデータの収集と分析を頼まれることがある。 外来患者の待ち時間、転倒転落、血栓予防、薬剤の有害事象、などなど 医療情報システムの開発、ウェアラブルデバイス、機械学習による各種予測、最近は診 療記録のテキスト解析。医療画像はみんなやっているのでやっていないww 3
4.
FHIR®とは Fast Health Interoperable
Resources http://hl7.org/fhir/ 医療情報の標準化団体であるHL7協会が策定している次世代標準規格。 これまでの規格とは異なり、一般的なWeb技術を用いて実装に フォーカスしたデータ交換用のデータフォーマットとプロトコルと なっている。80%のシステムが利用するであろう項目を標準で定義 し、あとは拡張項目で吸収する。 4
5.
これまでの主な医療情報標準規格 ➢ DICOM ➢ HL7
version2.5 ➢ HL7 version3/CDA ➢ SS-MIX2 放射線画像の標準交換規格。最近では放射線に限らずエコーや内視 鏡などの動画像データも対応している。 患者情報や処方、検査依頼などの医療における指示実施情報のデー タ交換規格。現状一番よく使われている。 医療情報のほぼすべてをモデリングすることを目指したバージョン。 XMLベースだが、CDAという医療文書のデータモデル以外はほとん ど使われていない。 日本発祥のデータ保存と交換に関する規格。データリポジトリとし てファイルシステムを用いているので実装が簡単。国内では電子カ ルテを導入している病院の多くが整備しており、バックアップや地 域医療連携、データの二次利用でよく使われている。 5
6.
例えばDICOM 6
7.
例えばHL7v2.5 7
8.
一方、FHIRは GET https://fhirtestjp.med.gunma-u.ac.jp/Patient/1/_history/1?_format=json ✓ データフォーマットは基本JSON。 ✓
リソースと呼ばれる同じ性質を持つ情報の 断片(例:Patient, Observation)と、リ ソースを一意に識別するURIで表されるアド レスを持つ ✓ RESTFullなWebAPIを標準とする。 ✓ Bundleで目的別に複数のリソースの組み合 わせが可能。 ✓ Profileでリソースの制約条件を指定できる。 HTTPメソッド サービスエンドポイント リソースとID 引数 8
9.
電子処方箋の例 JAMI電子処方箋 HL7 FHIR
記述仕様書 パブリックコメント用20211206 より引用 電子処方箋が実用化されるとFHIRで医療機関 と院外薬局がやり取りすることになる。 https://std.jpfhir.jp/ 9
10.
ワクチン接種証明書の例 新型コロナウィルスワクチンの接種証明書アプリに使用されている二次元バー コードは2種類ありそのうちSMART Health Cards規格はFHIRで作られている。 https://www.digital.go.jp/policies/posts/vaccinecert https://spec.smarthealth.cards/ bundle entry[0]:patient
resource entry[1]:Immunization resource entry[2]:Immunization resource 接種者の情報 1回目の接種情報 ・・・ 2回目の接種情報 10
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FHIRの情報 FHIRの仕様についてはFHIRのサイトで 入手できる。各種リソースの説明もこ こがオリジナル。ただし英語。 http://hl7.org/fhir/ 現行バージョンはR4(4.0.1)だが、現在R4Bと R5がリリースに向けて作業中なので実際に 使うときはR4であることを確認する。 11
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FHIRの情報(日本国内向け) 日本語の情報は、日本医療情報学会の「次世代健康医療記録システム共通プラッ トホーム研究会(NeXEHRS研究会)」が策定を進めている日本向け実装ガイド(JP CORE)のサイトを見るとよい。関連団体として日本HL7協会やHL7FHIR研究会な どがあり解説記事も多く掲載されている。 https://jpfhir.jp/ https://jpfhir.jp/jpcoreV1/ NeXEHRS研究会のサイト HL7 FHIR JP
Core 実装ガイド <Draft Ver.1> ちなみに私はメンバー ではありません。 12
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PythonでFHIRを使うには(クライアント) FHIRはデータフォーマットはJSON、操作はRESTFull APIなので基本的にはこんな感じ。 with urllib.request.urlopen('https://fhirtestjp.med.gunma-u.ac.jp/Patient/27')
as response: fhir = response.read() pat = json.loads(fhir.decode('utf-8')) print('患者ID:' + pat['identifier'][0]['value’]) print('氏名:' + pat['name'][0]['text']) jsonpat=‘PatientリソースのJSON文字列’ request = urllib.request.Request(url= 'http://hapi.fhir.org/baseR4/Patient/’, headers={'Content-Type': 'application/json’}, method=‘POST’, data=jsonpat.encode('utf-8')) with urllib.request.urlopen(request) as response: fhir = response.read() pat = json.loads(fhir.decode('utf-8')) pprint.pprint(pat) 13
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ライブラリを使う場合 簡単な操作は通常のWeb開発と同様に実装できるが、スキーマチェックや実装の 効率化を図るならクライアントライブラリを使ったほうが良い。 FHIRに関連するソフトウェアライブラリのサイトがあるのでそこから各種言語別 のライブラリが確認できる。 https://confluence.hl7.org/display/FHIR/Open+Source+Implementations 今回はこれを使う Github上はR4が使えるが pipには古いバージョンし かないので注意!! 14
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fhir-py MITライセンス。 インストールはpipでOK。 >pip install fhirpy https://github.com/beda-software/fhir-py 簡単な使い方。 client=SyncFHIRClient('https://fhirtestjp.med.gunma-u.ac.jp') patres=client.resources('Patient') pat=patres.search(_id='27').get() print('患者ID:'
+ pat.identifier[0].value) print('氏名:' + pat.name[0].text) 15
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PythonでFHIRを使うには(サーバ) FHIRサーバは当然のことながらリソースデータの永続化環境が必要。 想定されている実装パターンは主に二つ。 1)電子カルテのデータを読み込みレスポンスとして返す。 2)FHIRリポジトリを構築しそこに電子カルテデータを同期させる。 1)はサーバとしてはただのWebAPIサーバなのでURLの仕様を確認しながらイチ から実装することになる。2)はOSSのFHIRリポジトリがあるのでそれを使った ほうが手っ取り早い。 今回は1)を想定してデモしてみる。Webサーバはflask。 なお、データベースはないのでリソースは直書き。 16
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まとめ 医療分野のデジタル化は遅れているといわれることが多いが、その理由の一つ に各社オリジナルの仕様が長く続いて標準仕様がなかなか普及せず、参入ハー ドルが高いことがある。 HL7 FHIRはオープンで一般的な技術に近く、さらに80%ルールを適用することで 実装の容易化を図っているので、今後普及が進むと考えられる。 特にこれまで院内ネットワークの奥底深くに閉じ込めていた診療データは、地 域医療連携や個人向けヘルスケアサービス連携で外部との接続需要が高まって いる。 ヘルステック分野の実装技術の一つとして 興味を持ってもらえるとありがたいです。 17
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謝辞 今回の内容は、自分も所属している日本Mテクノロジー学会のハンズオン資料を参 考にさせていただいております。資料及びサーバ環境を提供いただいた東京大学医 学部附属病院の土井俊祐先生、群馬大学医学部附属病院の鳥飼幸太先生に感謝いた します。 【会期】 2022年9月2日(金)~3日(土) 【大会長】東京大学医学部附属病院 企画情報運営部 特任講師(病院)
土井 俊祐 【テーマ】「標準化との戦い」 【開催地】COMING SOON! 第50回日本Mテクノロジー学会大会記念大会 MTA2022 (ハイブリッド開催) 18
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