© 2022 NTT DATA Corporation
情 報 種 別 : 公開
会 社 名 : (株)NTTデータ
情報所有者 : 金融ビジネス本部 技術戦略推進部
DVP決済実現に向けた挑戦
2022年7月1日
株式会社NTTデータ 金融戦略本部 技術戦略推進部
部長 世取山 進二
© 2022 NTT DATA Corporation 2
【 業務歴 】
金融大規模案件にてソフトウェアアーキテクトとして開発案件に従事
2015年よりブロックチェーンチームに参画し、企業や官公庁向けにPoC/コンサルタント業務に従事
分散台帳という技術特性が活かせる業務領域を模索するなかで貿易プラットフォーム「TradeWaltz®」の立ち
上げに参画、今後は様々なブロックチェーン基盤上で実現されたサービスを連携することで、新しい付加価値が
提供できるのではないかと考えインターオペラビリティ領域の技術研究を開始。
Web3時代に向けてどのような社会基盤が必要になっていくのか日々試案している。
自己紹介
世取山 進二 (せとりやま しんじ)
株式会社NTTデータ
金融戦略本部 技術戦略推進部 部長
ブロックチェーン領域責任者
© 2022 NTT DATA Corporation 3
目次
1. NTT DATAの取り組みについて
2. インターオペラビリティの重要性・必要性
3. インターオペラビリティの実現方式に求める要素
4. インターオペラビリティの適用領域
© 2022 NTT DATA Corporation
© 2022 NTT DATA Corporation 4
1.NTT DATAの取り組みについて
© 2022 NTT DATA Corporation 5
Outcomes
お客様の期待する成果
新たな収益源の創出
効率化と規模の拡大
ビジネススピードの加速
競争力向上
クライアントバリューの向上
Digital
Drivers
お客様にとってのデジタル化
Digital Focus
Areas
デジタル化を実現する6つの領域
Automate
Processes
NTT DATAのデジタル
Integrate
Ecosystems
Reinvent
Experiences
Provide
New Offerings
Create
New Business
Models
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Blockchain CoE(Center of Excellence)
グローバル横断で最先端技術の知見を蓄積
Agile/DevOps
AI Blockchain
Digital Design Intelligent Automation
IoT Software
Engineering
Automation
ビジネス機会創出 ナレッジ共有
グローバル
コラボレーション
技術整備 人材育成
Blockchain CoE
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NTT DATA Blockchain Initiative
Singapore
Japan
India
USA
Peru
Australia
China
Philippines
Thailand
Portugal
UK
Denmark
Romania
Netherland
France
Spain
Germany
Italy
Austria
Brazil
Canada
Argentina
Chile
Colombia
Saudi Arabia
世界25の国と地域で500名超のメンバで推進
ブロックチェーンへの取り組み:Blockchain CoE(Center of Excellence)
様々なバックグラウンドを持つ世界中のチームメンバがビジネス動向・技術ナレッジを共有
お客様にとって最適なプラットフォームを提供できる体制を確立
各国の多様な価値
社会インフラ
新しい技術を用いた
研究開発力
2021年3月現在
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© 2022 NTT DATA Corporation 8
2.インターオペラビリティの重要性・必要性
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様々なブロックチェーン基盤で様々なサービスが提供されている。
Corda
Ethereum
Hyperledger
Fabric
Binance
Smart Chain
Solana
Flow
サービスの特性に応じて、様々なブロックチェーン基盤でサービスが実現されてきているが、その一方でブロックチェーン基盤が乱立
している状況である。
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ブロックチェーン間をつなぐことで新しいサービスが実現できる。
暗号資産
仮想通貨
ステーブル
コイン
セキュリティ
トークン
モノ(NFT/UT)
Interope
rability
モノの移転 資産の移転
異なるブロックチェーン基盤で構築されている「モノ:NFT/UT」と「資金」を同時に交換することで、
ブロックチェーン基盤上でのDvP決済が実現できる。
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インターオペラビリティ技術で商流と金流をつなぐ
電子船荷証券とデジタル通貨の普及が進み、二者の同時交換(DvP)を実現
国際貿易において、輸出入者が遠隔地に所在
するため、物と価値の同時交換を行えない
船会社は、紙の船荷証券を
発行し、輸入者まで郵送する
輸出者
取引代金は、銀行経由で
輸出者に送金する
輸入者
電子船荷証券
輸出者
eB/L
ステーブルコイン、CBDC
輸入者
USDC、Digital-CNYなど
デジタル化
商流 金流
Interoperability技術で異なるブロックチェーンを接続し、
物と価値の同時交換を実現可能に
Delivery
Versus
Payment
デジタル化
8
貿易×決済
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ユースケースの例:「モノの移転」と「価値の移転」の統合
貿易文書(権利)と暗号資産(価値)の同時交換を実現
仮想通貨
(Bitcoin)
法定通貨/
ステーブルコイン
暗号資産/
セキュリティトークン
Interoperability
貿易プラットフォーム
銀行
(発行)
保険会社
サードパーティ
(サービス毎)
総合物流 船会社
監督官庁
税関
保険会社
船会社
サードパーティ
(サービス毎)
監督官庁
税関
銀行
(発行)
総合物流
ブロックチェーンネットワーク
輸入国 輸出国
輸入国ノード 輸出国ノード
決済プラットフォーム
Asset
輸出者(売主)
輸入者(買主)
Token
9
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© 2022 NTT DATA Corporation 13
3.インターオペラビリティの実現方式に求める要素
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インターオペラビリティの実現方式の求める要素
インターオペラビリティの実現を考えたときに下記3要素のを同時に実現することが難しい(トリレンマ)
A
B
C
秘密鍵を
ユーザが管理
自動実行
(取引中の
操作不要)
異なる
ブロックチェーン
基盤
4
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Interoperabilityの方式
ブロックチェーン間のInteroperabilityを実現するためには、主要には下記3つの方式がある
Relay方式
お互いのブロックチェーン同士で他方のブロック
チェーンのイベントや状態を検証することで、
仲介者の信頼に依存せずに相互接続を
実現する仕組み
Trusted Third Party(TTP)方式
お信頼できる第三者を仲介者として、仲介
者一方のブロックチェーンのTxを検証し、もう
一方のブロックチェーンに伝達する仕組み
「Notary Schemes」とも呼ばれる
HTLC方式
(Hashed Time-Locked Contract)
時間内にトークンを受け取りを受領した場合
にトークン交換が実行される仕組み。トークン
交換のみに用途が限定されており、任意の
データを扱うことはできない
相互検証
ブロックチェーンA
ブロックチェーンB
ブロックチェーンA
ブロックチェーンB
ブロックチェーンA
ブロックチェーンB
信頼される仲介者
監視
伝達
5
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トリレンマ課題の解決によって、仲介者不要の複数ブロックチェーン間の同時移転を実現
異なるブロックチェーンかつユーザ間で直接(仲介者を経由しない)、同時移転を可能にした。
ブロックチェーンで実現された様々なサービスと価値を交換する、DVP(PVP)を実現
本サービス
一般BCサービス
同時移転
仲介者 有
即時性 無
仲介者 無
即時性 有
ブロックチェーンA
単一チェーン
で完結
仲介者が必要
あるいは
ブロックチェーンB
ブロックチェーンA
ブロックチェーンB
6
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トリレンマ課題の解決によって、仲介者不要の複数ブロックチェーン間の同時移転を実現
秘密鍵をクライアントで管理することで、仲介者が不要、当事者間直接の取引で手数料と時間が低減できる
分散管理
中央集権
手数料コスト 高
取引時間 長
トレーサビリティ 高
手数料コスト 低
取引時間 短
トレーサビリティ 高
仲介者不要
User B
User A
Key
User A
User B
Key
BCサービス
サービス
プロバイダー
A
通知
User B
サービス
プロバイダー
B
User A
User A
Key 実
行
要
求
User A
Key
User B
Key
7
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© 2022 NTT DATA Corporation 18
4.インターオペラビリティの実現によって実現される世界
© 2022 NTT DATA Corporation 19
インターオペラビリティで個々のエコシステムをつなぐ
インターオペラビリティ技術で個々のエコシステムを繋ぎ、様々なサービスと価値の交換を実現。
仲介者が不要、当事者間直接取引することで低手数料・短時間のサービスを提供
貿易
HLP
Flow
Corda
Solana
Ethereum
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ご清聴ありがとうございました
(株)NTTデータ
金融戦略本部 技術戦略推進部
ブロックチェーンチーム
世取山 進二:Shinji.Setoriyama@nttdata.com
※ 本資料に記載されている会社名、商品名、サービス名は、各社の商標又は登録商標です。
本資料に関するお問い合わせ
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DVP決済実現に向けた挑戦 | 世取山 進二(株式会社NTTデータ 金融事業推進部 デジタル戦略推進部 部長)

  • 1.
    © 2022 NTTDATA Corporation 情 報 種 別 : 公開 会 社 名 : (株)NTTデータ 情報所有者 : 金融ビジネス本部 技術戦略推進部 DVP決済実現に向けた挑戦 2022年7月1日 株式会社NTTデータ 金融戦略本部 技術戦略推進部 部長 世取山 進二
  • 2.
    © 2022 NTTDATA Corporation 2 【 業務歴 】 金融大規模案件にてソフトウェアアーキテクトとして開発案件に従事 2015年よりブロックチェーンチームに参画し、企業や官公庁向けにPoC/コンサルタント業務に従事 分散台帳という技術特性が活かせる業務領域を模索するなかで貿易プラットフォーム「TradeWaltz®」の立ち 上げに参画、今後は様々なブロックチェーン基盤上で実現されたサービスを連携することで、新しい付加価値が 提供できるのではないかと考えインターオペラビリティ領域の技術研究を開始。 Web3時代に向けてどのような社会基盤が必要になっていくのか日々試案している。 自己紹介 世取山 進二 (せとりやま しんじ) 株式会社NTTデータ 金融戦略本部 技術戦略推進部 部長 ブロックチェーン領域責任者
  • 3.
    © 2022 NTTDATA Corporation 3 目次 1. NTT DATAの取り組みについて 2. インターオペラビリティの重要性・必要性 3. インターオペラビリティの実現方式に求める要素 4. インターオペラビリティの適用領域
  • 4.
    © 2022 NTTDATA Corporation © 2022 NTT DATA Corporation 4 1.NTT DATAの取り組みについて
  • 5.
    © 2022 NTTDATA Corporation 5 Outcomes お客様の期待する成果 新たな収益源の創出 効率化と規模の拡大 ビジネススピードの加速 競争力向上 クライアントバリューの向上 Digital Drivers お客様にとってのデジタル化 Digital Focus Areas デジタル化を実現する6つの領域 Automate Processes NTT DATAのデジタル Integrate Ecosystems Reinvent Experiences Provide New Offerings Create New Business Models
  • 6.
    © 2022 NTTDATA Corporation 6 Blockchain CoE(Center of Excellence) グローバル横断で最先端技術の知見を蓄積 Agile/DevOps AI Blockchain Digital Design Intelligent Automation IoT Software Engineering Automation ビジネス機会創出 ナレッジ共有 グローバル コラボレーション 技術整備 人材育成 Blockchain CoE
  • 7.
    © 2022 NTTDATA Corporation 7 NTT DATA Blockchain Initiative Singapore Japan India USA Peru Australia China Philippines Thailand Portugal UK Denmark Romania Netherland France Spain Germany Italy Austria Brazil Canada Argentina Chile Colombia Saudi Arabia 世界25の国と地域で500名超のメンバで推進 ブロックチェーンへの取り組み:Blockchain CoE(Center of Excellence) 様々なバックグラウンドを持つ世界中のチームメンバがビジネス動向・技術ナレッジを共有 お客様にとって最適なプラットフォームを提供できる体制を確立 各国の多様な価値 社会インフラ 新しい技術を用いた 研究開発力 2021年3月現在
  • 8.
    © 2022 NTTDATA Corporation © 2022 NTT DATA Corporation 8 2.インターオペラビリティの重要性・必要性
  • 9.
    © 2022 NTTDATA Corporation 9 様々なブロックチェーン基盤で様々なサービスが提供されている。 Corda Ethereum Hyperledger Fabric Binance Smart Chain Solana Flow サービスの特性に応じて、様々なブロックチェーン基盤でサービスが実現されてきているが、その一方でブロックチェーン基盤が乱立 している状況である。
  • 10.
    © 2022 NTTDATA Corporation 10 ブロックチェーン間をつなぐことで新しいサービスが実現できる。 暗号資産 仮想通貨 ステーブル コイン セキュリティ トークン モノ(NFT/UT) Interope rability モノの移転 資産の移転 異なるブロックチェーン基盤で構築されている「モノ:NFT/UT」と「資金」を同時に交換することで、 ブロックチェーン基盤上でのDvP決済が実現できる。
  • 11.
    © 2022 NTTDATA Corporation 11 インターオペラビリティ技術で商流と金流をつなぐ 電子船荷証券とデジタル通貨の普及が進み、二者の同時交換(DvP)を実現 国際貿易において、輸出入者が遠隔地に所在 するため、物と価値の同時交換を行えない 船会社は、紙の船荷証券を 発行し、輸入者まで郵送する 輸出者 取引代金は、銀行経由で 輸出者に送金する 輸入者 電子船荷証券 輸出者 eB/L ステーブルコイン、CBDC 輸入者 USDC、Digital-CNYなど デジタル化 商流 金流 Interoperability技術で異なるブロックチェーンを接続し、 物と価値の同時交換を実現可能に Delivery Versus Payment デジタル化 8 貿易×決済
  • 12.
    © 2022 NTTDATA Corporation 12 ユースケースの例:「モノの移転」と「価値の移転」の統合 貿易文書(権利)と暗号資産(価値)の同時交換を実現 仮想通貨 (Bitcoin) 法定通貨/ ステーブルコイン 暗号資産/ セキュリティトークン Interoperability 貿易プラットフォーム 銀行 (発行) 保険会社 サードパーティ (サービス毎) 総合物流 船会社 監督官庁 税関 保険会社 船会社 サードパーティ (サービス毎) 監督官庁 税関 銀行 (発行) 総合物流 ブロックチェーンネットワーク 輸入国 輸出国 輸入国ノード 輸出国ノード 決済プラットフォーム Asset 輸出者(売主) 輸入者(買主) Token 9
  • 13.
    © 2022 NTTDATA Corporation 13 © 2022 NTT DATA Corporation 13 3.インターオペラビリティの実現方式に求める要素
  • 14.
    © 2022 NTTDATA Corporation 14 インターオペラビリティの実現方式の求める要素 インターオペラビリティの実現を考えたときに下記3要素のを同時に実現することが難しい(トリレンマ) A B C 秘密鍵を ユーザが管理 自動実行 (取引中の 操作不要) 異なる ブロックチェーン 基盤 4
  • 15.
    © 2022 NTTDATA Corporation 15 Interoperabilityの方式 ブロックチェーン間のInteroperabilityを実現するためには、主要には下記3つの方式がある Relay方式 お互いのブロックチェーン同士で他方のブロック チェーンのイベントや状態を検証することで、 仲介者の信頼に依存せずに相互接続を 実現する仕組み Trusted Third Party(TTP)方式 お信頼できる第三者を仲介者として、仲介 者一方のブロックチェーンのTxを検証し、もう 一方のブロックチェーンに伝達する仕組み 「Notary Schemes」とも呼ばれる HTLC方式 (Hashed Time-Locked Contract) 時間内にトークンを受け取りを受領した場合 にトークン交換が実行される仕組み。トークン 交換のみに用途が限定されており、任意の データを扱うことはできない 相互検証 ブロックチェーンA ブロックチェーンB ブロックチェーンA ブロックチェーンB ブロックチェーンA ブロックチェーンB 信頼される仲介者 監視 伝達 5
  • 16.
    © 2022 NTTDATA Corporation 16 トリレンマ課題の解決によって、仲介者不要の複数ブロックチェーン間の同時移転を実現 異なるブロックチェーンかつユーザ間で直接(仲介者を経由しない)、同時移転を可能にした。 ブロックチェーンで実現された様々なサービスと価値を交換する、DVP(PVP)を実現 本サービス 一般BCサービス 同時移転 仲介者 有 即時性 無 仲介者 無 即時性 有 ブロックチェーンA 単一チェーン で完結 仲介者が必要 あるいは ブロックチェーンB ブロックチェーンA ブロックチェーンB 6
  • 17.
    © 2022 NTTDATA Corporation 17 トリレンマ課題の解決によって、仲介者不要の複数ブロックチェーン間の同時移転を実現 秘密鍵をクライアントで管理することで、仲介者が不要、当事者間直接の取引で手数料と時間が低減できる 分散管理 中央集権 手数料コスト 高 取引時間 長 トレーサビリティ 高 手数料コスト 低 取引時間 短 トレーサビリティ 高 仲介者不要 User B User A Key User A User B Key BCサービス サービス プロバイダー A 通知 User B サービス プロバイダー B User A User A Key 実 行 要 求 User A Key User B Key 7
  • 18.
    © 2022 NTTDATA Corporation 18 © 2022 NTT DATA Corporation 18 4.インターオペラビリティの実現によって実現される世界
  • 19.
    © 2022 NTTDATA Corporation 19 インターオペラビリティで個々のエコシステムをつなぐ インターオペラビリティ技術で個々のエコシステムを繋ぎ、様々なサービスと価値の交換を実現。 仲介者が不要、当事者間直接取引することで低手数料・短時間のサービスを提供 貿易 HLP Flow Corda Solana Ethereum
  • 20.
    © 2022 NTTDATA Corporation 20 ご清聴ありがとうございました (株)NTTデータ 金融戦略本部 技術戦略推進部 ブロックチェーンチーム 世取山 進二:Shinji.Setoriyama@nttdata.com ※ 本資料に記載されている会社名、商品名、サービス名は、各社の商標又は登録商標です。 本資料に関するお問い合わせ
  • 21.
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