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Asahi 2014.1.4 0002
- 1. 政府が富岡町に受け入れを求めてい
る、放射性物質を含む稲わらなどのごみ
(指定廃棄物)を埋め立てる最終処分場
「フクシマエコテッククリーンセンタ
ー」の計画が晴礁に乗り上げている。同
町の住民の反対が強いためだ。
指定廃棄物などの埋め立てを政府が計画する
「フクシマエコテック」。自い部分は、地盤ヘ
の影響を防ぐ遮水シートだ=0、1
月4日富岡町
政府は放射性物質を含む
ごみのうち1計グラムあた
り1
0万じを超えるものと除
染土については、大熊・双
葉両町に中間貯蔵施設を造
って埋め、
0年以内に県外
3
に搬出する。県が9月に建
設計画の受け入れを決めた
ため、政府は今後、地権者
との間で土地の買い取り交
渉に入る。
これに対しエコテック
は、1♂グラムあたり1
0万
20
疹以下の廃棄物が受け入れ
の対象。東京電力福島第一
原発から計圏内で出た解
体家屋のがれきや、事故当
時に県内各地にあった稲わ
らなどが主なごみとなる。
一見、こちらの方が放射
性物質の濃度が低く受け入
れやすいように思えるが、
そう簡単ではない。最大の
違いは、中間貯蔵施設で保
管したごみはいずれ持ち出
されるのに対し、エコテッ
クヘのごみは埋め立てて最
終処分されることだ。
「計画が通ったら、除染
が終わっても若い人は帰っ
てこない。富岡の未来がな
\|
くなる」。6月、環境省が
郡山市で開いた住民説明会
で、農家の男性(7
6)は懸念
の声を上げた。エコテック
の施設は、富岡町内でも比
較的、空間放射線量の低い
避難指示解除準備区域にあ
ることが気になる。
この区域の生活圏は除染
が2016年度中に終了す
る。「なぜ住民が帰れる場
所に迷惑施設を置くのか。
どうせなら帰れない場所に
設けて欲しい」という本音
を話す住民も。宮本皓一町
長も「必要性は認めるが、
なぜこの場所でなければい
けないのか」と話す。
施設が放射性物質を含ん
だごみ用に造られたもので
はないことも、住民の不安
を呼んでいる。もとからあ
った産業廃棄物処分場の空
いている部分を、指定廃棄
物の埋め立てに転用する計
画だからだ。
政府は「10万珍以下のご
みであれば従来の産廃施設
でも安全に処分可能」と評
価する。だが、住民には安
全性に懐疑的な見方が強
い。同町の行政区長会の坂
本寿昭会長( 69
)は「埋め立
て後に施設の底で異常が見
つかったら、対処しようが
ないのでは」と話す。
6月の住民説明会後、町
はこうした住民の疑間を改
めて政府に投げかけたが、
宮本町長は3 日、取材に
「国から明確な回答はない
ままだ」と話した。
政府は今後、町議会の承
認を得た上で再度、住民説
明会を開き、計画への町側
の合意を得たい考えだ。
環境省の担当者も「ボー
ルはこちら側にある。町議
会や住民が納得してくれる
落としどころを模索してい
る」と話す。 一方で「福島
の指定廃棄物は他県より非
常に多い。それを収容でき
る用地を新たに探す余裕は
ない」と、現実的な選択肢
がエコテック以外にないこ
とに頭を悩ませる。
政府は、指定廃棄物の処
分場を、富城、茨城、栃一
木、群馬、千葉の5県にそ
れぞれ新たに造る計画だ。
しかし、受け入れを打診
された自治体はそれぞれ激
しく反発し、先行きは見え
ない。政府はすでに施設が
あるエコテックを先頭に5
県の計画を進めたいだけ
に、エコアック計画の成否
が指定廃棄物問題の解決の
1
託胡蒙負
「未来なくなる」地元反発強く
1 双葉町F
ll
■中間貯蔵施設とエコテツクの違い
: 大熊町
■
中間貯蔵施設エコァック
放射性物質が付着したごみ
(稲わらやがれき)のうち10
万ベクレル以下のものと、
双葉郡の一般の生活ごみ。
除染で出た土は含まれない
設置場所大熊町、双葉町富岡町(搬入路は檜葉町)
区域帰還困難区域避難指示解除準備区域
広さ約1600ヘクタール約9.4ヘクタール
保管され
るもの
除染廃棄物と、放射性物
質が付着したごみ(稲わ
らやがれき)のうち1■
グラムあたり10万ベクレ
ルを超えるもの
最長で搬入から30年半永久に保管
搬入量約3千万トン約72万トン
保管の期
間
民間施設の敷地を禾J用
用地主に住宅などの民有地を
国有化
既存の産廃処分場を原貝」そ
のまま使う。底は遮水シー
トで覆われている
10万ベクレル超の廃棄物
を保管できる施設を新た
に造る。コンクリートで
仕切られる部分も
施設の概
要