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1. ホワイトペーパー
エンタープライズアプリストアの構築
統制を失うことなく IT のコンシューマライゼーションに対応する

2. 2
エンタープライズアプリストアの構築
統制を失うことなく IT のコンシューマライゼーションに対応する
エグゼクティブ・サマリー
テクノロジーが毎日の暮らしにもたらした驚くべき利便性に
ついて考えてみましょう。ある書評が、あなたの関心を捕え
ます。そこで、オンラインで本を注文し、iPad®
や Kindle®
に
ダウンロードします。友人とシェアしたい曲が、ラジオで
流れました。iTunes からダウンロードすれば、たちまち手元
の MP3 プレーヤーで再生できるようになります。
こうした利便性は、決してメディアコンテンツに限られるわ
けではありません。瞬時に入手できる何千ものアプリケー
ションがあります。こうしたアプリケーションは、ほぼあら
ゆる領域で役に立つサービスを提供します。さらに、デスク
トップコンピュータ、ノートパソコン、タブレット、スマー
トフォンなどあらゆるパーソナルデバイスからアクセスでき
ます。
あらゆる規模の企業、およびほぼ全ての産業の従業員が、現
在、同等レベルの利便性を職場で要求しています。このよう
な要求は、IT のコンシューマライゼーションという主要な
トレンドを牽引しています。これには、毎日の暮らしの中で
使用しているデバイスと同一かつ同様の方法で、事業アプリ
ケーションへのアクセスを従業員に提供することが含まれ
ます。オンラインのアプリストアは、IT とコンシューマライ
ゼーションのトレンドをむすび付けるための高度に効果的な
モデルとして実証されています。
エンタープライズアプリストアは、業務の遂行に必要なアプ
リケーションを簡単かつ直観的に検索、入手できる方法を従
業員に提供します。従業員は、自ら操作できる機能によって
高い生産性を達成できます。利用できるビジネスアプリケー
ションの概要が完全に可視化され、ほとんど瞬時に配布され
るため、ヘルプデスクとの電話に長い時間を費やす必要はも
うありません。
また、エンタープライズアプリストアによって、IT 部門は、
コストを下げると同時に、ビジネスで必要なより多くのサー
ビスとより高いサービス品質に適合することができます。
ユーザーによるセルフサービスの結果、ヘルプデスクへの問
い合わせが劇的に減少し、サポートコストが引き下げられま
す。さらに、アプリストアによって、IT 部門は、ビジネスを
透明化することができ、そのイメージがテクノロジープロバ
イダーからサービスプロバイダーへと変化します。また、
IT 部門がユーザー満足度を高めることも可能になります。
課題は、セキュリティを危うくすることなく、規制や許認可
へのコンプライアンスを損ねたり、経費の増加を招くことな
く、エンタープライズアプリストアを実装することです。そ
れには、要求の簡単さや実行の即時性と効果的な統制のバ
ランスをとることが必要です。このバランスを達成するため
に、アプリストアのソリューションは厳しい基準を満たさな
ければなりません。このホワイトペーパーでは、こうした基
準を調べ、Flexera Software の App Portal がどのようにして
こうした基準に適合するかを説明します。
成功の条件
Flexera Software の App Portal などのソリューションは、エン
タープライズアプリストアによって、ユーザー中心のコン
ピューティングへの転換を加速させることができます。ソ
リューションを評価する際は、ビジネスユーザーのニーズだ
けなく、IT 部門のニーズを解決するために、以下の 7 つの
主要な条件を忘れないでください。効果的なソリューション
は、以下を満たす必要があります：
• ユーザーによるセルフサービスの推進
• セキュリティおよび規制遵守の保証
• ソフトウェアライセンス遵守の保証
• コストの管理
• 迅速な履行
• 既存のリソースの活用
• エンドツーエンド・プロセスの自動化
ユーザーによるセルフサービスの推進
オンラインのアプリストアの主な目的は、ビジネスユーザー
に自分自身でアプリケーションを検索、要求できる権限を付
与することです。ただし、従業員にセルフサービスのメリッ
トを享受させたい場合は、使いやすくして、さまざまなユー
ザーデバイスからのアクセスを許可する必要があります。

3. アプリストアのソリューションが消費者志向の購買体験を実現
するには、以下の要件を満たす必要があります。エンドユー
ザー顧客が、音楽、書籍、その他のアイテムを通常購入するの
と同じ方法でオンラインの店頭を利用できる。エンドユーザー
顧客が、必要なアイテムを選択し、ショッピングカートに入
れ、使い慣れた清算プロセスへ進むことができる。
エンドユーザー顧客が混乱するのを防ぐため、ストアのカタロ
グを設定して、それぞれの顧客が要求できるアイテムだけを表
示できることが必要です。この機能によって、従業員にはアク
セスが許可されているアイテムだけが表示されるので、アプリ
ケーションへのアクセスを強力にコントロールすることができ
ます。さらに、従業員は単一のポータルで、ソフトウェアの要
求、配送のスケジュール手配、注文ステータスのチェックなど
のすべての業務を遂行できる必要があります。
また、ユニバーサルアクセスも必要です。これは、いつで
も、どこからでもアイテムを要求できるように、インター
ネットを通じて店頭が利用可能でなければならないことを意
味します。また、ユニバーサルであることは、アプリケー
ションをデスクトップコンピュータだけでなく、モバイルデ
バイスにも配信できることも意味します。最終的には、企業
がグローバル市場で活動している場合には、世界中のユー
ザーに対してシンプルさを保証するために、多言語および多
通貨のサポートを備えていなければなりません。
セキュリティおよび規制遵守の保証
IT 組織は、アプリストアが機密のアプリケーションやデータ
をリスクに曝す可能性があることを認識しています（また、
認識していなければなりません）。たがって、効果的なソ
リューションは、許可されたユーザーだけがアプリケーション
にアクセスでき、許可されたユーザーであっても、企業にお
ける担当業務に基づいて許可されるアプリケーションだけに
アクセスできることが必要です。
ただし、たとえユーザーが特定のアプリケーションの使用を
許可されていても、内部のポリシーや外部の規制を遵守する
ために、管理者による承認が必要となることもあります。こ
のため、自動承認プロセスは必須の機能です。さらに、承認
が柔軟であるほど、プロセスは優れているといえます。
たとえば、ソリューションで、単一レベルおよび複数レベル
の両方の承認管理をサポートしている必要があります。承認
プロセスは、コスト、ライセンスの必要性やユーザーのプロ
ファイルに基づいて、動的である必要があります。指定され
た人、あるいはそうした人が選んだ代理人だけがリクエスト
を承認できる必要があります。承認は、要求者に対して追加
の情報の提供を依頼したり、代替のソフトウェアを推奨した
り、さらに別の承認者へリクエストを再割り当てしたりでき
る必要があります。IT 部門側では、アプリストアの管理に必
要なツールやデータへのアクセスを、許可された IT 管理者に
限定できることが必要です。
最後に、IT 部門が強力なアクセスコントロールを実現し、
セキュリティや規制対応の理由から活動を文書化できるため
に、すべての関係するアクションの監査証跡が必要です。
ソフトウェアライセンスのコンプライアンスの維持
正しく実行すれば、ユーザーによるセルフサービスは企業に
とって莫大なメリットをもたらします。逆に実装が貧弱であ
れば、特にソフトウェアライセンス契約の遵守に関する領域
で、セルフサービスは企業をリスクに曝す恐れがあります。
財務的ペナルティを回避するには、ソフトウェアライセンス
の使用過剰を防ぐことができるソリューションであることが
必要です。
理想的なソリューションであれば、必要以上に購入すること
なく、ライセンス契約条件を完全に遵守するのに役立ちま
す。所有しているライセンスの数量の追跡、その数量とイン
ストール済みのライセンスの比較、使用可能なライセンスの
数が指定されている閾値を下回った場合に必要な対処を行う
ことなどにより、ソフトウェアライセンスのモニタリング
は、この領域で非常に大きな助けとなります。必要な対処に
は、調達プロセスを開始する購入の通知なども含まれます。
コストの管理
一部の IT 組織は、エンタープライズアプリストアがコスト増
につながることを懸念しています。食べ放題のビュッフェの
客のように振る舞い、必要とするよりはるかに要求するので
はないかと考えるからです。そのため、企業が高価なソフト
ウェアライセンスや仮想サーバーの拡散で費用を浪費するこ
とを恐れます。
見境のないリクエストを最小化するには、店頭にある各アイ
テムのコストを表示することができ、高コストのアイテムに
ついては支出負担を可能にするソリューションが必要です。
コストを表示できる機能によって、ユーザーに自分のリクエ
ストのコストを認識した行動を取らせることが可能になりま
す。さらに望ましい機能として、ユーザーの要件を満たすこ
とができる代替のより低コストのアプリケーションを提示で
きる機能があります。
ライセンスの再利用は、導入済みであるが、使用されていな
いライセンスを IT 部門が特定し、ユーザーコミュニティで再
利用することを可能にします。再利用レポートを活用してい
る企業は、所有しているライセンスをフルに活用し、過剰に
購入してしまうことを避けられるため、ソフトウェアライセン
ス費用を大幅に節約できます。
柔軟な承認プロセスもコストコントロールを手助けします。
たとえば、ソリューションによって、アプリケーションのコ
ストに基づいて変動するレベルの承認管理を指定できるな
ら、部下が不必要なアイテムを要求している場合は、そのマ
ネージャをこのループに参加させ介入させることができま
す。また、特定のリクエストについて、要求者にビジネス上
の妥当性を提出させたい場合があるかもしれません。こうし
た情報に基づいて、マネージャはそのリクエストを承認する
か、拒否するか、意思決定ができます。さらに、ソリュー
ションは、類似の機能を提供して、要求者のニーズに適合で
きる代替のよりコストが低いアプリケーションのリストを提
示できることが必要です。
ライセンスのリースは、指定した期間、ライセンスを一時的に
割り当てることで、必要なコストを削減できます。ライセンス
のリースは、IT 組織がソフトウェアライセンスの利用状況を最
適化して、対象となるコストを管理するのに役立ちます。
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4. 4
エンタープライズアプリストアの構築
迅速な履行
消費者は、個人的に使用するソフトウェア、書籍、音楽を簡
単にダウンロードできます。ビジネスアプリケーションで
も、同様のスピードが求められます。こうした需要を解決す
るために、アプリストアのソリューションは、アプリケー
ションがすべての普及しているプラットフォームやデバイス
フォーマットですぐに導入できるように準備しておく必要が
あります。また、こうしたソリューションは、自動承認のルー
ティングを含めて、リクエストの処理をかなりの程度まで自
動化できることが必要です。さらに、すべての承認を受け
取った後、ソリューションは、企業展開ツールを通じて自動
履行を起動できる必要があります。
既存のシステムや専門性の活用
おそらく、アプリケーションのユーザー・コミュニティへの
展開を支援できる、高度なツールや情報ベースが既にあるで
しょう。たとえば、Microsoft の System Center Configuration
Manager や Altiris Client Management Suite などが既にあれば、
強力なソフトウェア配布ツールであるだけでなく、アプリケー
ションの利用状況を追跡し、ユーザーのデバイス構成に関する
データを収集する機能もあります。Microsoft の System Center
Configuration Manager や Altiris Client Management Suite と統
合することで、アプリケーションを迅速かつ効率的に配布し、
Microsoft の System Center Configuration Manager や Altiris Client
Management Suite のデータを活用して、ソフトウェアに関する
リクエストや資産をより効果的に管理することができます。
Active Directory と統合したソリューションは、グループや
組織の単位、およびそのディレクトリに保存されている他の
ユーザー情報にアクセスできます。そして、ソリューション
は、その情報を使用して、企業内でのその人の役割に基づい
てどのアプリケーションへのアクセスを付与するかを決定で
きます。
さらに、ソリューションはそれぞれの人に対してカタログを
カスタマイズできることが必要です。このカタログのカスタ
ム表示で、要求の処理が簡単になり、セキュリティが強化さ
れます。
他の外部システムによる介入が可能なソリューションは、さら
に追加のメリットがあります。たとえば、サービスデスクのソ
リューションとインターフェースが可能であれば、インストー
ルが失敗した時に、サービスチケットを自動的に発行して、
履行の遅延を最小化することができます。あるいは、ソリュー
ションは、メインフレームへのログインを行うスクリプトを起
動することもできます。
エンドツーエンド・プロセスの自動化
Flexera Software の Workflow Manager などのワークフローソ
リューションと統合すると、管理者はアイテムをカタログに取
り入れ、注文時に、複数システムに渡るプロセスを自動的に起
動することができます。たとえば、新しいソフトウェアリクエ
ストアイテムによって、リクエストの承認、アプリケーション
の調達(FlexNet Manager Platform)、アプリケーションのパッ
ケージ化(AdminStudio)、アイテムのオンラインカタログへの挿
入などを含む完全なプロセスを起動することができます。
あるいは、Microsoft System Center 2012 Orchestrator などの
ワークフローソリューションと統合すると、管理者は複数シ
ステムに渡る自動化プロセスを作成できます。結果として、
管理者は、ソフトウェアリクエストの開始時のサービスデス
クチケットの作成、インストールが失敗した時にはチケット
をエスカレーションさせ、インストールが成功した場合には
チケットをクローズするなど、エンドツーエンドでプロセス
を自動化できます。実行しているワークフローのステータス
は、承認やインストールのステータスと共に App Portal のイン
ターフェースに表示されます。
図 1. App Portal カタログ

5. Flexera Software の App Portal でストアを作成
Flexera Software の App Portal は、ここまでに説明したすべ
ての条件を満たす、総合的で統一的なソリューションです。
Microsoft の System Center Configuration Manager や Altiris
Client Management Suite と密接に連携し、Microsoft の System
Center Configurat ion Manager のデータを活用して、エ
ンタープライズアプリストアでのインベントリ管理をサ
ポートできます。Configuration Manager 2007 および 2012
ですべての展開タイプをサポートし、ユーザー中心またはコ
ンピュータ中心の展開モデルの両方をサポートできます。ま
た、App Portal は Microsoft の System Center Configuration
Manager や Altiris Client Management Suite のステータスメッ
セージ、マシンのインベントリやコレクションを活用し、現
在展開されているシステムや専門性の利点をフルに活かすこ
とも可能です。
使い慣れたオンライン店頭モデル
App Portal では、ユーザーは単一のポータルを経由して、アイ
テムの参照や要求、リクエストのステータスの確認、リクエ
ストの履歴の表示などを実行することができます。図 1 に示
すように、消費者指向のカタログでユーザーが要求すること
が認められているすべてのアプリケーションを表示すること
ができます。こうしたアプリケーションとしては、Microsoft
の System Center Configuration Manager または Altiris Client
Management Suite のソフトウェアオブジェクトがあり、ソフ
トウェアによる店頭を通じた展開のために App Portal で発行
されます。
カタログの表示は、以前に展開していたものだけではなく、
使用可能なアプリケーションをすべて表示します。承認が必
要であるかどうか、どのような承認が必要であるか、ハード
ウェアの前提条件やコストなどを表示することもできます。
すぐに威力を発揮
App Portal を高速かつ簡単に導入し、お客様独自の要件に合
わせて設定することができます。さらに、単一のソリュー
ションに必要なすべての機能を含んでいるため、複数のソ
リューションのインストール、統合、またはクライアントソ
フトウェアの展開などが不要になります。
管理者は、テンプレートからカタログを迅速かつ簡単に作成
することができます。色の選択、ロゴの追加、言語の選択な
どのカタログの外観のカスタマイズは、シンプルで無駄があ
りません。また、管理者はテンプレートからカタログを作成
し、ユーザーのグループ、役割、部門、地域に基づいて、そ
れぞれのアイテムに誰がアクセスできるかなどの属性を指定
することもできます。
強力なアクセス制御
カタログは、ユーザーと管理者の両方によるアクセスについ
て強力なコントロールを可能にします。ユーザーが要求でき
るアイテムだけが表示されるようにカタログを設定できるた
め、許可されていない要求を簡単に防ぐことができます。ア
クセス権限は、セキュリティグループ、組織の単位、Active
Directory プロパティ、ユーザーとコンピュータの両方につい
てのコレクションメンバーシップをベースとすることができ
ます。また、どのカタログアイテムに承認が必要であるかを
指定することもできます。
管理者に関して、App Portal では、どの管理者（または指名
された人）がカタログにアクセスできるかを指定したり、そ
れぞれの承認されている管理者に複数レベルのアクセス権限
を割り当てたりすることができます。
確実な承認ワークフロー
App Portal では、ユーザーとマシンの両方に対して、コスト、
ライセンスの使用可能性、セキュリティグループ、組織の単
位、Active Directory のプロパティ、コレクションメンバー
シップを含む複数の要因に基づいて承認を要求することがで
きます。また、単一レベルあるいは複数レベルの承認を確立
することも可能です。たとえば、コストが $1,000 未満のア
イテムはマネージャが承認し、コストが $1,000 以上である
アイテムはマネージャとディレクタの両方のレベルが承認す
るように指定することができます。
自動化された承認ルーティングで履行時間を短縮。このソ
リューションは、名前によって動的に承認者を特定すること
で、適切な人だけがリクエストを承認できるように保証でき
ます。たとえば、Active Directory を通じて、要求者のマネー
ジャの名前を挿入することができます。また、このソリュー
ションは、部門、組織の単位、コレクションメンバーシップ
などのその他の Active Directory の属性に基づいて、適切な承
認プロセスを決定することもできます。
App Portal は管理者が指定したワークフローに従って自動的
に承認をルーティングします。図 2 が示すように、承認者は
該当するボックスにチェックを入れて、承認または拒否をク
リックするだけで、リクエストを承認または拒否することが
できます。プロセスを速やかに進行させたい場合は、メール
で承認者へ通知することも可能です。
図 2. リクエストの承認/拒否
エンタープライズアプリストアの構築
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6. 6
エンタープライズアプリストアの構築
承認プロセスは、履行の遅延を防ぐために必要であれば、追
加のアクションを起動することもできます。たとえば、手元
に十分なライセンスがない場合、ソリューションは購入部門
をループに入れて、追加ライセンスの取得を起動することが
できます。
チェックアウトプロセス中に要求者に、たとえばそのリクエ
ストのビジネス上の妥当性などの追加情報の入力を求めるこ
とも可能です。App Portal には、この情報を求めるための質
問テンプレートが用意されています。回答はリクエストと共
に承認者へ転送され、マネージャやディレクタには意思決定
をサポートする詳細が示されます。要求者への質問の提示に
加えて、質問を承認者に提示することも可能です。したがっ
て、要求者と承認者の両方のための入力があります。
柔軟なリクエスト
管理者には、要求者が要求する相手の指定で幅広い柔軟性が
あります。一般には、大半のユーザーは自分自身や自分が所
有しているデバイスのためのアイテムしか要求できません。
App Portal は、一部の人が他のユーザー、デバイス、場所の
ためにアイテムを要求できるように設定できます。たとえ
ば、
• マネージャーは、直属の部下のためにアイテムをリクエ
ストすることができます。
• ヘルプデスクエージェントは、エンドユーザーの代わり
にアイテムをリクエストすることができます。
一部のアプリケーションでは、ユーザーは即座に配布、また
は後で指定した時刻での配布をリクエストできます。管理者
は、配布時刻を制限して、インストールによってネットワー
クのパフォーマンスが低下したり、ビジネスの運営を干渉し
ないようにできます。
インベントリおよびソフトウェアアセットの管理
App Portal は、Microsoft の System Center Configurat ion
Manager からのソフトウェアアセット情報を活用して、エン
タープライズアプリストアのインベントリを管理します。こ
うした機能によって、現在配置されているソフトウェアの利
用状況を改善し、投資回収を最大化することができます。
図 3 は、App Portal のソフトウェアインベントリの表示を示
しています。これによって、それぞれのアプリケーションに
ついて、自社がいくつのライセンスを保有していて、どの程
度現在使用されているかを確認できます。App Portal を設定
して、ライセンスが使用可能でない場合にはリクエストを拒
否したり、動的に承認プロセスを変更して、追加ライセンス
の購入を含めたりすることができます。
ライセンスの再利用は、ソフトウェア計測データを活用し
て、コンピュータにインストールされているにもかかわら
ず未使用のアプリケーションを特定することができます。
このソリューションは、未使用のライセンスを回収し、必
要としている人に割り当てることができます。結果とし
て、不要なライセンスの購入やソフトウェア支出の保持
を排除することができます。[資産インテリジェンスの前
回の使用日]のサポートによって、個別の Microsoft System
Center Configuration Manager Software Metering Rules を作成
することなく、基本的なソフトウェア利用状況を追跡でき
ます。
オプションで、メールによるキャンペーンを再利用プロセス
の一部として含め、指定された期間、そのアプリケーション
を使用しなかった人にメッセージを送信することができま
す。受信者には、アプリケーションを保持するか、返却する
かの選択肢が与えられます。ライセンスを保持する場合、受
信者は有効なビジネス上の理由を入力しなければなりませ
ん。ユーザーが引き渡しを選ぶと、App Portal は Microsoft の
System Center Configuration Manager を起動して、ライセンス
をアンインストールし、ライセンスプールに戻します。
また、特定のアイテムに対してリースオプションを提供する
こともできます。リースされているアイテムに対して、App
Portal は、リース期間が終了すると関連ソフトウェアを自動
的にアンインストールします。
企業が追加のインベントリソフトウェア資産管理機能を探
しているのであれば、Flexera Software の FlexNet Manager
Platform と統合することで、App Portal のソフトウェア資産管
理が機能します。
この統合によって、所有しているライセンスの数、ソフト
ウェアのコピーがインストールおよび/または使用された回
数、現在使用可能であるライセンスの数などを含め、それぞ
れのアプリケーションの詳細な資産データが利用できるよう
になります。承認プロセスにおいて、このデータに基づき、
リクエスト経路が自動的に指定されます。App Portal は、プ
ラットフォームにある Application Recognition Library (ARL)
を使用して、それぞれのデバイスにどのようなアプリケー
ションがインストールされているかの情報を取得します。ARL
は、Microsoft Windows、Linux、UNIX (2,000 件以上の IBM
タイトルを含む)、MAC OS を含む複数のプラットフォーム
に渡り、14,000 社を超えるソフトウェアベンダーからの約
110,000 点の商用アプリケーションを網羅しています。
あるアイテムをユーザーが注文すると、App Portal は FlexNet
Manager Platform によってライセンスの使用可能性をチェッ
クします。その後、ライセンスは承認および履行のプロセス
中保持され、すべての承認が得られると、要求者はそのソフ
トウェアを使用できるようになります。
また、管理者は、全体としての割り当てではなく、特定の部
門、コストセンター、国に割り当てられているライセンスを
企業グループ毎にフィルタリングして、アプリケーション毎
のソフトウェア資産データを取得することができます。企業
グループには、所有しているライセンスの数、使用回数、現
在使用可能な数が含まれます。

7. IT サービス管理およびワークフローシステムとの統合
App Portal は、さまざまな他システムと統合できます。
BMC Remedy、ServiceNow、Microsoft Service Manager な
どの IT サービス管理 (ITSM) システムとの統合によって、ア
プリストアをサービス管理プロセスに含めることができま
す。この統合によって、ソフトウェアの配布が確実に内部
の企業ポリシーや外部の規制を遵守できるようにします。
Microsoft Orchestrator との統合では、複数システムに渡る
自動化プロセスを作成できます。この統合によって、サ
ポートが拡張され、アプリケーションだけでなくサービス
や他のアイテムに対するリクエストも含めることができま
す。たとえば、新しいファイル共有やパスワードのリセッ
トのリクエスト、あるいは購入システムからのアイテムの
リクエストなどをオンラインカタログに組み込むことがで
きます。
レポート作成
App Portal は、Microsoft SQL Reporting Services を使用し
て作成するレポートをサポートしています。また、40 を
超える組み込みレポートを含めることもできます。管理者
は、既存のレポートの表示、レポートカテゴリーの作成お
よび編集、カスタマイズしたレポートの作成ができます。
App Portal はソフトウェアのリクエスト、承認、インス
トールや購入の完全な履歴を保持しているため、ソフト
ウェアライセンスや規制遵守の目的で監査証跡を組み込む
ことができます。
結論
エンタープライズアプリストアは、セルフサービスで IT
部門からソフトウェアを取得できる機能を従業員に提供し
ます。この権限付与によって、ユーザーおよび IT 部門の
両者に大きなメリットがもたらされます。現在、Flexera
Software の App Portal を使用すれば、ユーザーのセルフ
サービスによる自由と、セキュリティ、コンプライアンス、
コストの制約を保証するために必要な統制のバランスを取
ることができます。こうして、エンタープライズアプリス
トアへのドアが開かれ、統制を失うことなく数多くのメ
リットを実現することができます。
詳細については、次のサイトをご覧ください。
www.flexerasoftware.com/app-portal
エンタープライズアプリストアの構築
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8. Flexera Software LLC
1000 East Woodfield Road,
Suite 400
Schaumburg, IL 60173 USA
Schaumburg
（グローバル本社）：
+1 800-809-5659
英国（欧州、中東本社）：
+44 870-871-1111
+44 870-873-6300
オーストラリア
（アジア、太平洋地域本社）：
+61 3-9895-2000
事業所の所在地の詳細について
は下記サイトをご覧ください。
www.flexerasoftware.com
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