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Androgen receptors and gender-specific distribution of alkaline phosphatase in human thyroid cartilage.
- 1. Histochem Cell Biol. 2006 Sep;126(3):381-8. Epub 2006 Apr 1.
Androgen receptors and gender-specific distribution of alkaline phosphatase in human thyroid
cartilage.
Claassen H, Mönig H, Sel S, Werner JA, Paulsen F.
Department of Anatomy and Cell Biology, Martin Luther University Halle-Wittenberg, Grosse Steinstrasse 52, 06097, Halle, Germany.
horst.claassen@medizin.uni-halle.de
Introduction
思春期に男性の喉頭は女性の喉頭より大きくなる。
10代の終わり頃から甲状軟骨の石灰化と骨化が始まる。男性では最終的に甲状軟骨は完全に骨化するが、女性では甲状軟骨の腹側
面は石灰化されず軟骨として残る。
右上)76歳男性の喉頭の骨化した部分だけ残した物。四角の部分が最後に骨化
する(Pufe 2004)。
右下)加齢に伴う甲状軟骨の骨化(黒い部分)(Pufe 2004)。
思春期の喉頭の発達は性ホルモンの影響を強く受ける。
軟骨が石灰化する過程では、軟骨細胞の細胞膜と、軟骨基質の小胞にあるアルカリ
フォスファターゼが重要である。ちなみに石灰化しない喉頭蓋軟骨の軟骨基質小胞にはアルカリフォスファターゼがない。
Materials and methods
1)喉頭癌の治療のために摘出したヒト喉頭8例(男性7例49-82歳、
女性1例36歳)を性ホルモン受容体の免疫染色に用いた。血清中のテス
トステロン、エストラジオール、プロゲステロン濃度も測定した。
アンドロゲン受容体抗体(モノクローナル、ラット)、陽性コントロールは
ヒト精巣
エストロゲン受容体 α 抗体(モノクロー
ナル、マウス)、陽性コントロールはヒト
子宮内膜
プロゲステロン受容体抗体(モノクロー
ナル、マウス)、陽性コントロールはヒト
子宮内膜
2)剖検あるいは喉頭摘出術によって得
られたヒト喉頭10例(胎生23週男、1
1歳男児、9歳女児、17歳男性、成人男性
3例(22,50,73歳)、成人女性3
例(31、50,74歳))を用いてアル
カリフォスファターゼの分布を酵素組織
化学的に調べた。陽性コントロールはヒト
- 3. トステロンと一緒に培養すると軟骨細胞のアルカリフォスファターゼ活性が上がること(Schwartz 1994)、今回の観察で、アルドステ
ロン受容体とアルカリフォスファターゼが陽性の部位が一致することから、骨化におけるアルドステロンの効果が示された。
エストロゲン:
粘膜に対して hypertrophic and proliferative effect を持つ。
表面の desquamation(落屑)を抑制し、脂肪細胞を成熟させる。
毛細血管の透過性を上げる。
腺細胞からの分泌を促進する。
横紋筋には影響しない。
プロゲステロン:
Antiproliferative effect
desquamation(落屑)を促進。
腺からの分泌を減らす。
毛細血管の透過性を抑制して、組織をうっ血させる。
アンドロゲン:
骨格筋の hypertrophy と脂肪細胞の減少を起こすことは知られているが、喉頭の筋で起きているかどうかは不明。
動物の喉頭に性ホルモンのリセプタはあるか?
Aufdemorte, Holt:
ヒヒの声帯筋、固有層、軟骨、軟骨膜にエストロゲンリセプタあり。
Wu:
カエルの喉頭筋にエストロゲンリセプタあり。
狩野・近藤:
モルモットの軟骨に腱が付着するところにアンドロゲンリセプタあり。
ヒトの喉頭に性ホルモンのリセプタはあるか?
Newman:
ヒトの喉頭において、腺細胞の細胞質にアンドロゲンリセプタが、表皮細胞の細胞質にエストロゲンリセプタが見つかったと報告。
Schneider:
ヒトの声帯において、エストロゲンリセプタ(ERα)、プロゲステロンリセプタ、アンドロゲンリセプタのいずれも見つからなかった。
性ホルモンリセプタは核にあるはずだから、Newman の結果は false positive であると批判。