使えるアドラー心理学スクール　第5講

『使えるアドラー心理学講座』
第5講
2016年6月26日
Copyright©2016 Japan Individual Psychology Association 一般社団法人日本アドラー心理学協会

第1講アドラー心理学とは？
第2講自己理解①
第3講交友のタスク
第4講自己理解②
第5講愛のタスク① 家族・子育て
第6講愛のタスク② 夫婦・男と女
第7講仕事のタスク
第8講全7回の振り返りと修了式
使えるアドラー心理学講座全8回

家族とは
夫婦とその血縁関係者を中心に構成され、共同生活
の単位となる集団
近代家族では、夫婦とその未婚の子からなる、核家
族が一般的形態
私にとっての家族とは？
第5講愛のタスク・家族子育て
新しい家族の形とは?

あなたの家族はどんなルールがありますか?
家族の雰囲気とは、どんなものがありますか?
家族価値・(家族の雰囲気)

定期的に話し合う場
お互いを尊敬・尊重の態度で
公平に、自由に
ルールは守られるものを決める。守られないと
きはルールに無理がある
＊「愛と勇気づけの親子関係セミナー（SMILE）」
家族会議のすすめ

守られるルールを作るための３つの原則
1. 全員が制定に参加すること
2. 合理的であること
3. 全員に効力があり、例外的特権階級がないこと
ルール自体が不合理であるとき
・誰かがルールを不合理だと言い出したら、家族全員
が取り上げて、改正を考えてみよう。
・ルール違反の取り扱いについては罰してはいけない。

褒美と罰
甘やかしの子育て
過保護
過干渉
過許可
虐待
よくある子育ての状況

1. 罰する人がいなければ、不適切な行動をする
2. 罰では適切な行動を学習できない
3. 罰には褒美と同じようにエスカレートの道を
走りがちな傾向がある
4. 罰は相手の勇気をくじき、消極的･依存的に
する
5. 罰を与えると、当人を憎むようになり、関係
が悪くなる
褒美と罰の問題点

1. スパルタスタイル
2. 放任的スタイル
3. 甘やかしスタイル
4. 勇気づけ
子育ての３つのスタイル

教育の目標
当面の指針ドン・ディンクメイヤー
①責任感
②自立心
レイモンド・コルシーニ４R
①respect 尊敬
②responsibility 責任
③resourcefulness 創意工夫力
④responsiveness 対応力

誰の課題なのか?
親の課題・・・その行為の結果を親が引き受
ける
親の交友関係、仕事関係・趣味・経済的問題、
夫婦の問題、親の性格、感情
子どもの課題・・その行為の結果を子どもが引
き受ける
子どもの交友関係、学校の問題、宿題・勉強、性
格、感情
課題の分離

子どもの課題
子どもの行為の結果が、最終的には子ども自身にふりか
かり、親にはふりかからないとき、それを子どもの課題
という
学業学校へ遅刻する、勉強しない、宿題をしない
交友友達と仲良くできない、友達にいじめられる
生活習慣自分の部屋を片付けない、朝起きられない
家庭内での行動きょうだいげんかをする、自分の物をなく
す
性格落ち着きがない等
子どもの感情
誰の課題か？

褒美に代わる「勇気づけ」
甘やかし・罰に代わる
「自然の結末」
「論理的結末」
アドラー心理学では
「子どもは何を学ぶか？」

1．子ども自身に体験を通して学ばせるし
つけ法
2．褒美に代わる子育て
3．過保護･過干渉に代わる子育て
自然の結末と論理的結末

自然の結末
1．定義
親の干渉なしで子どもが自
分の行為の結末を体験する
ことを成長のチャンスとす
る子育て法
2．タブー
重大な被害・喪失などが予
想されるとき
子どもが体験から学ぶ発達
レベルに達していないとき
＜ケース＞
・朝食抜きで遊びに行く
・トースターへの接触
・奇妙な取り合わせの服
・靴を反対に履く
・夜遅くのテレビ
・友達との喧嘩
・勉強机や部屋の整理/整頓
・傘を持たずに出かける
・提出物/持参品忘れ
・食べ物の好き嫌い

論理的な結末
1．定義
子どもが実際に行動を起こ
す前に、関係する家族との
間に話し合いを持ち、合意
に達したら、その行為の結
末については、子どもに責
任を引き受けてもらう子育
て法
2．タブー
怒り・脅しを使うと罰として
作用する。
親の対応は、子どもの不適切
な行動と直接関係していなけ
ればならない
親子の関係が悪化していて冷
静な話し合いが不可能なとき
＜ケース＞
・学校に遅刻する
・きょうだい喧嘩
・夕食時間
・電車などの公共の場や車
の中での騒ぎ
・家事の分担
・物をなくす
＊子どもに選択の機会を与え
る。

論理的結末と罰の違い
論理的結末罰
現実の状況が教育する。権威者が力で支配する。
行動に対して論理的な関わ
りを持つ。
専制的で、行動とは無関係
で非論理的でありがち。
子どもに自分の行動に責任
を持つことを教える。
大人は子どもに対して制限
を加えることができる。
子どもが自己コントロール
を学ぶ。
権威者を気にする子どもに
なりがち。
子どもの自己訓練につなが
り永続的な効果がある。
支配ー依存関係が続き、一
時的な効果しかない。

不適切な行動の目的
1．注目・感心
2．力を誇示
3．復讐
4．無力
思春期には遊び・エキサイト
子供の行動には目的がある

不適切な行動の4つの目的
目標子どもの典型的な行動の例子どもの考えているこ
と
注目乱暴、落ち着きがない、いたずら、
のろい、邪魔する、作り話、優等
生的
「私を見て」「ほめて
もらえないなら、責め
て叱られよう」
権力頑固、反抗、非協力、威張る、暴
力、のろい
「お前なんかに負けな
いぞ」「自分が一番強
い」
復讐身体的、言語的自他を傷つける、
不機嫌、毒づく、意地悪
「私の不幸はあいつの
せい。仕返ししてや
る」「せめて傷つけて
やる
無気力孤独、何もしない、ひきこもり、「ひとりにして」「私
には無理、ほっておい
て」

不適切な行動の対処法
目標相手役の感情対処法のポイント
注目イライラする不適切な行動に注目しな
い
権力怒りが湧く争わない、戦わない、
できるだけ穏やかに過ご
す、エネルギーの使い道
を考える
復讐傷ついた感じ罰の応酬、報復をしな
い、けっして見捨てない
しせいを示す、子どもが
信頼している人に協力を
求める
無気力絶望感批判しない、憐れまない、
共感する、小さな動き、
努力を勇気づける、専門
家の支援を考える

勇気づけとほめるの違い
相互尊敬と相互信頼
ほめる勇気づけ
・行動の結果・行動のプロセス
・過去を重視・未来を重視
・縦の関係・横の関係
・できたときだけ・失敗した時も
・他者と比較・自身の成長に注目
・減点主義・加点主義
・条件付き・無条件
・競争する・協力する
・不完全さを認める

勇気づけのワーク
10年後の自分から、今の自分へ
あなたのこんなところがステキです

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