情報法研究会内でのグループワーク成果物

1. メルカリ
マネーロンダリング事案
2017年春学期 新保史生研究会
梅崎健理・佐野仁美・柏木大地・境雄大
2017/04/25

3. ここでの問題
①クレジットカード枠（与信）の現金化＋α
②違法な売買の決済手段として
メルカリが使われている恐れがある
③違法な収益を足跡がつかずに
現金化できる恐れがある
④そもそもメルカリはどのような立場であるのか？

5. 問題の背景
IoT、ビッグデータ、AI技術の進展に伴って、より便利に、かつ、
乗り物、空間、モノ、カネ、ヒトをは じめ、世の中に存在するあ
らゆる「資産」がシェアリング対象に。既存企業からシェアリン
グ に対する出資の動きも相次いできている。
出典：総務省「社会課題解決のための新たなICTサービス・技術への人々の意識に関する調査研究」
（平成27年）
例）モノのシェア メルカリ
新たな価値を生みだす世界的な マーケットプレイスを創る
by CEO 山田進太郎
課題：
シェアリングエコノミーのルール
整備はできているのだろうか？

6. 買い手
売り手メルカリ
千円紙幣9枚
1万円
①出品
②クレジット
カード
で決済
④郵送で9千円を即日発送する
③1万円の売上
差額千円の儲け
カード会社
⑤後日、次の支払い日に
1万円請求される
クレジットカード枠の現金化の問題（１）

7. 「カード会社が規約で現⾦化禁⽌を定める理由」
①カードのキャッシング枠を使ってもらえない
②キャッシングはカード会社が個⼈の⽀払い能⼒に応じてお⾦を貸す、ショッピ
ング枠で現⾦化すると利⽤⾦額をカード会社が回収できない可能性がある
「消費者庁の警告」
現⾦化をする際、その現⾦が送られないという詐欺に遭う可能性がある
その点、メルカリは詐欺の対策をしているので消費者庁の警告には当たらない
クレジットカード枠の現金化の問題（２）

8. 生活保護
受給者
売り手メルカリ
千円紙幣9枚
1万円
②出品
③ポイントで
支払い
⑤郵送で9千円を即日発送する
④1万円の売上
差額千円の儲け
①メルカリでの収入
（ポイント）
メルカリ
【付録】現金化の問題（３）
収入・所得が明らかにならない
※売上金でメルカリ上の商品が購入できることがポイント

9. 決済手段として使われて、
足がつかずに現金化される恐れがある
掲示板等
オンライン
で連絡
①お薬が欲しいョ ②10gで1万円ネ
メルカリ
◎◎様専用
小麦粉
10g 1万円
③出品
④購入・
決済
⑤1万円分
メルカリ
ポイント
⑥物を発送
メルカリ
千円紙幣9枚
1万円
⑧1万円分
メルカリ
ポイント
⑦出品
⑨9千円を
郵送
第三者
買い手
売り手
※売上金でメルカリ上の商品が購入できることがポイント

10. メルカリの責任は？
・電子商取引ガイドライン（経産省）
→個人間での取引に責任は負わない（メルカリに責任なし）
・犯罪による収益の移転防止に関する法律
→メルカリは当たらない（理由：特定事業者の定義に当てはまらない）
※銀行法の「為替取引」に当たらないように「決済代行・収納代行」である
立場をとっている
メルカリ
売り手 買い手
だから、資金移動業の登録も回避している
（売上金を1年間メルカリが保持しているにも関わらず）
①売買契約の成立
（原因取引）
②代金送金
②入金通知
③商品の発送
④商品
受領通知
⑤代金支払
資金移動業の規制
① 資金移動業者としての登録
② 資産保全義務
③ 情報の安全管理のための措置等
④ 資金移動業者に対する監督
⑤ 本人確認義務等

11. メルカリはなぜ対策をするのか（結論）
・マネーロンダリングという公序良俗に反する行為
を取り締まる社会的責任
・自社が健全なサービスを行っているとしたい
・事業を存続させたい
・そもそもメルカリの立場がハッキリしないから
→収納代行・決済代行とは言い切れず、
本当に純粋な収納・決済代行ならば、
このような問題にはならないのでは