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農林水産研究情報総合センター
           林賢紀
          tzhaya@affrc.go.jp
大学図書館問題研究会第43回全国大会 第10分科会 研究支援・文献管理ツール
      2012年8月5日(日) 13:00-15:30 コミュニティ嵯峨野
 文献管理ツールのひとつ
 デスクトップクライアント、Web、iPhoneな
  どで利用可能
 「グループ」の作成と参加により、文献情報
  の共有が可能
 自著のセルフアーカイブと公開が可能
 ソーシャルネットワーク的機能も有する
     グループ内でのディスカッション
     ユーザ間の簡易メッセージ送信
     登録論文の検索
自機関ユーザの利用領域のアップグレード

• 有償版相当に領域が拡張される

自機関ユーザの利用動向の統計把握

• 登録した文献の雑誌別件数
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• 公開した文献の閲覧数(登録数)の雑誌別件数と閲覧数の多いユーザ
• ユーザが参加しているグループと参加人数

機関内共通機能の利用

• リンクリゾルバや購読雑誌の設定
• 引用文献書式の設定
• 文献管理ツールへの関心は高い
• 「共同研究者との文献情報の共
  有」のニーズは高い
• セルフアーカイブ、機関リポジト
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  ないか?
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2011/02                  2011/12           2012/02
• Code4Lib Conferenceで   • SPARCセミナーの直後に   •Swetsと契約条件、トライ
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2012/04                  2012/05           2012/07
• 省内研究者のうち、              • トライアル開始、17名参加   • 機関版契約
  Twitterのヘビーユーザに
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http://twitter.com/tzhaya/status/187804077   http://twitter.com/tzhaya/status/18780251
462261761                                    6195512320




                                                                       Twitterで
                                                                        研究者に
                                                                       聞いてみた


http://twitter.com/zui298/status/18781253
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   疾きこと風の如く
       機能の改良や追加、質問への対応が速い
   徐かなること林の如く
       プライバシーポリシーはかなり厳密
       機関版管理者でも知ることのできない情報がある
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Mendeley個人版と機関版の紹介と導入事例

  • 1. 農林水産研究情報総合センター 林賢紀 tzhaya@affrc.go.jp 大学図書館問題研究会第43回全国大会 第10分科会 研究支援・文献管理ツール 2012年8月5日(日) 13:00-15:30 コミュニティ嵯峨野
  • 2.  文献管理ツールのひとつ  デスクトップクライアント、Web、iPhoneな どで利用可能  「グループ」の作成と参加により、文献情報 の共有が可能  自著のセルフアーカイブと公開が可能  ソーシャルネットワーク的機能も有する  グループ内でのディスカッション  ユーザ間の簡易メッセージ送信  登録論文の検索
  • 3. 自機関ユーザの利用領域のアップグレード • 有償版相当に領域が拡張される 自機関ユーザの利用動向の統計把握 • 登録した文献の雑誌別件数 • 公開した文献の雑誌別件数、公開数の多いユーザ • 公開した文献の閲覧数(登録数)の雑誌別件数と閲覧数の多いユーザ • ユーザが参加しているグループと参加人数 機関内共通機能の利用 • リンクリゾルバや購読雑誌の設定 • 引用文献書式の設定
  • 4. • 文献管理ツールへの関心は高い • 「共同研究者との文献情報の共 有」のニーズは高い • セルフアーカイブ、機関リポジト リ(未導入)のニーズ把握に使え ないか? • APIが高機能そう
  • 5. 2011/02 2011/12 2012/02 • Code4Lib Conferenceで • SPARCセミナーの直後に •Swetsと契約条件、トライ Mendeley機関版のプロト Swetsにコンタクト アル開始時期などを調整 タイプのデモに触れる • 課内での検討開始 •本契約に必要な予算確保 2012/04 2012/05 2012/07 • 省内研究者のうち、 • トライアル開始、17名参加 • 機関版契約 Twitterのヘビーユーザに トライアルを打診
  • 6. http://twitter.com/tzhaya/status/187804077 http://twitter.com/tzhaya/status/18780251 462261761 6195512320 Twitterで 研究者に 聞いてみた http://twitter.com/zui298/status/18781253 2289933312
  • 7. 疾きこと風の如く  機能の改良や追加、質問への対応が速い  徐かなること林の如く  プライバシーポリシーはかなり厳密  機関版管理者でも知ることのできない情報がある (「誰がどの論文を購読」まではわからない)  侵略すること火の如く  省内にもユーザは少なくなかった  若い利用者が多い?  競合他社への影響大  動かざること山の如し  日本語などインターフェースの多言語化の予定は当面ない模様  ただし、日本語論文の取り扱いなどは徐々によくなっている
  • 8. これまでの知見  EndNote Webなどでは使われ方まではわからない  Twitterを追うだけでも研究者の「日常」が見える  TwitterやMendeleyは新しいコミュニケーショ ン手段になりえる  今後の計画  Mendeleyのグループ機能の使われ方を見たい  グループに図書館員が加わり、直接支援が可能か