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現行の学習指導要領に対応して,「「指導と評価の一体化」のための学習評価に関する参考資料 小学校 外国語・外国語活動」が出された。本研究では,外国語科の授業における,話すこと【発表】の指導で,中学校や高等学校の参考資料で示されているようなルーブリックを作成し,教員評価と児童の自己評価にそのルーブリックを活用することで,その効果や一致度を検証した。対象は筆者が指導している小学校5・6年生である。 知識・技能の評価では,教員評価と自己評価との間に一致が見られた。しかし,思考・判断・表現の評価ではずれが生じる部分があり,ルーブリックを改良し,その改善を図った。本実践を通して,小学校の外国語科の評価でも,中学校・高等学校のようにルーブリックを作成・活用することが可能であることが分かった。またルーブリックを作成することで,指導のねらいと評価の観点が明確になり,教員が曖昧に採点していた部分が明らかになった。
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1.
質的なデータの分析方法
2.
授業の感想 • 生徒児童が自由に書いた毎回の授業の感想
文が束になっている。 授業のフィードバックや感想 を、どのようにしたら客観的に 分析できるだろうか? – 自由に書いている – 感想文のようなもの
3.
教師は集めるだけ • 生徒児童の感想文を集めて、眺めるだけ
やったー! – 良い意見があれば喜び – 悪い意見があれば反省する • 感想の抜粋で判断 明日こそは・・・
4.
客観的な評価ができない • しかし、
クラスの全体的な考えの傾向が把握できていない。 • また、クラスの評価の際、客観的な評価ができな い。 しかし、良い感想と悪い感想が混ざってる。 全体的にはうまくいっているのだろうか?
5.
2つのまとめ方 1. カテゴリー分類 2. 似た物同士で分類
6.
1.カテゴリー分類 これは、あらかじめカテゴリーを設定して、 各感想文をカテゴリーに分類する方法である。
7.
カテゴリー分類の進め方1 • カテゴリーを決める。 例 カテゴリー
肯定的 否定的 中立 判断不可
8.
カテゴリー分類の進め方2 • 感想文をカテゴリーで分類し、カウントする。 例 カテゴリー
カウント 肯定的 正正正 否定的 正正一 中立 正正 判断不可 正
9.
カテゴリー分類の進め方3 • 感想文をカテゴリーで分類し、カウントする。 例 カテゴリー
カウント 肯定的 15 否定的 11 中立 10 判断不可 5
10.
カテゴリー分類の進め方4 • 感想文をカテゴリーで分類し、カウントした数
値データを表やグラフで表す。 例 表で表す カテゴリー 回答数 肯定的 15 (37%) 否定的 11 (27%) 中立 10 (24%) 判断不可 5 (12%)
11.
カテゴリー分類の進め方4 • 感想文をカテゴリーで分類し、カウントした数値デー
タを表やグラフで表す。 例 グラフで表す 回答数 12% 肯定的 37% 否定的 24% 中立 判断不可 27%
12.
カテゴリー分類のまとめ 例で示した肯定的、否定的程度の分類 から、少し深く、「教師似関すること」、
「授業内容に関すること」、などで分 カテゴリー けた上で分類してもよい。 教師に関 肯定的 基本的には、各教師が知りたいことでカ すること 否定的 テゴリーを決めるのが望ましい。 中立 授業内容 肯定的 に関するこ 否定的 と 中立 判断不可
13.
2.似た物同士の分類 似た物同士の分類は、カテゴリー分類とは異なり、 あらかじめカテゴリーを設定しない。 似た感想を述べている感想文ごとに分類して カウントする方法である。
14.
似た物同士の分類の進め方1 • 似ている感想の自由記述データごとに分ける。(紙ベース
で) 例 • 「先生の声が大きい」、「先生の声が聞き取りやすい」・・・ • 「黒板の字がわからない」、「字が汚い」・・・ • 「関ヶ原の戦いが面白い」、「石田光成の最後がよくわかっ た」・・ • 「参勤交代についてわからなかった」、「なんで江戸と地方 を行ったり来たりしたのかがはっきりとわかった。」・・・
15.
似た物同士の分類の進め方2 • 集まった自由記述データから、ふさわしい名
前を付ける。 • 名前をつけづらいときは、コメントを付記して もよい。 例 授業内容1 (関ヶ原の 教員の声に 戦い)に言 授業内容2 黒板の表記 言及 (参勤交代) に言及 及 に言及
16.
似た物同士の分類の進め方3 • 各まとまりの回答数をカウントする。 例 分類 黒板の表記に言及
正 教員の声に言及 正一 授業内容1(関ヶ原の戦い)に言及 正正正正 授業内容2(参勤交代)に言及 正正
17.
似た物同士の分類の進め方3 • 各まとまりの回答数をカウントする。 例 分類
回答数 黒板の表記に言及 5 教員の声に言及 6 授業内容1(関ヶ原の戦い)に言及 20 授業内容2(参勤交代)に言及 10
18.
似た物同士の分類の進め方4 • 各分類でカウントした数値データを表やグラ
フで表す。 例 表で表す 分類 回答数 黒板の表記に言及 5 教員の声に言及 6 授業内容1(関ヶ 20 原の戦い)に言及 授業内容2(参勤 10 交代)に言及
19.
似た物同士の分類の進め方4 • 各分類でカウントした数値データを表やグラ
フで表す。 例 グラフで表す 回答数 25 20 15 10 5 0
20.
似た物同士の分類のまとめ • 似た物同士の分類は、カテゴリー分類とは異な
り、あらかじめカテゴリーを設定しない。 • つまり、似た感想ごとにグループ化するのは教 師の調べたいことにもとづくとよい。 • また、カテゴリー分類のカテゴリーの数の設定 にも言えるが、グループが多くなりすぎないよう にする必要がある。
21.
参考になる文献やサイト • TTM: TinyTextMiner
– http://mtmr.jp/ttm/ – 上記のフリーソフトのための参考文献 松村真宏・三浦麻子 著 「人文・社会科学のためのテキストマイニング」 誠信書房
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