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- 1. 特集 育てる
JASC における人材育成
(財)全国科学博物館振興財団 髙安礼士(JASC 理事)
1.はじめに 表-1 SC 養成講座のある機関(
「日本科学普及リーダー養成研修会)資料から)
サイエンスコミュニケーション協会は、科
学が文化として社会に定着することを設立の
目的とし、研究事業などとともに「サイエン
スコミュニケータ等の人材育成」を重要な目
的として掲げている。研究活動を中心とする
学会との区別を考えて名称を協会とし、積極
的にサイエンスコミュニケーション活動の社
会実装化を進めることを重視している。研究
「
委員会」 その意味としては
は、 「調査・研究・
開発」委員会ともいうべきもので、単に研究
会を開催するばかりではなく協会独自の調
査・研究・開発事業を行い、人材育成を通じ
て成果の社会への実装化を図ることとしてい
る。ここでは、協会における人材育成につい
て紹介する。
2.我が国におけるSC養成について
以下にサイエンスコミュニケーション講座 識などが求められるが、講座を実施する場合 一般会員 40%、正会員 60%であり、領域別
を開催している大学、
博物館等の例をあげる。 は、
「サイエンスのとの出会い」
「サイエンス の構成は「市民:18.0% 学協会:17.0%、
伝える科学の「コンテンツ重視」と場をコー の体系的な価値」
「社会への実装化」への各領 博物館:17.0%、企業:7.5%、行政:4.0%、
ディネートする「伝える技術重視」の二傾向 域にわたる知識・技術で構成することが有効 メディア 6.8%、
: NPO:8.8%、 :
学校 21.0%」
があることが分かる であろう。 である。ちなみに男女比率は約 2:1=男:女で
3.JASC における人材育成 ある。これらのことから、分野構成は当初予
研究委員会では、サイエンスが文化として 想していた構成となっており、教育分野の会
社会に定着するためには「個人的文脈」
「学術 「個人的文脈」 員が比較的多いことが言える。
認識としての SC
的価値」
「社会的機能」を考え、研究会のテー 4.今後の人材育成事業
マを これまでさまざまな機関が取り組んできた
「学術的文脈」 「社会的文脈」
① 認識としてのサイエンスコミュニケー 学問体系としての SC 社会機能としての SC SC 養成は、
「資格要件の明確化」
「質の確保」
ション:個人的文脈から考える 「キャリアパス」等の課題があると指摘され
② 学問体系としてのサイエンスコミュニ 図-1 サイエンスコミュニケーション活動の展開の方向 てきた。
性
ケーション:学術的価値を考える JASC の人材育成は、サイエンスコミュニ
③ 社会的機能としてのサイエンスコミュ 研究委員会では、研究委員会主催の調査研
「 ケーションの目的に即したものとなるべきで
ニケーション:社会的文脈から考える 究活動」や「リスク・コミュニケーションな あり、本協会の目的である「サイエンスが文
等の 3 領域として構成している。人材育成の どのいくつかのテーマ設定に基づく定例会」 化として社会に定着する」ことを進める人材
構成内容を考える上で参考とすることができ を実施する方向で検討を行っている。そのた の育成が求められる。現在は定例会を実施し
る。もちろんサイエンスコミュニケータに求 めには、所属による区分を行わずに分野横断 て、
その目的に応えるよう事業を進めており、
められる資質能力には、最低限のコミュニケ 的な共通テーマで定例会することとしている。 来年度は「サイエンスコミュニケータ養成」
ーション技術やサイエンスの内容に関する知 2012 年 6 月 16 日現在の協会員の構成は、 事業が開始出来るよう準備を進めている。
- 2. 特集 育てる
JASC における人材育成
(財)全国科学博物館振興財団 髙安礼士(JASC 理事)