中小企業診断士の税効果会計の資料

1. 税効果会計
資格キラー

2. 税効果会計とは
• 会計上の利益と税法上の所得のズレを調整
会計上の利益？
税法上の所得？

3. 税効果会計とは
• 会計上の儲けを利益⇐会社都合で操作可能
• 税法上の儲けを所得⇐課税の公平性のため統一基準
会計上の利益を『収益』、税法上の所得を『益金』

4. 税効果会計とは
• 会計上は見積りで費用を計上
• 税法上は実際に債務が確定した時点で費用を計上
見積りのような不確定要素は損金として認められない

5. 税効果会計が生じるケース
• 会計上と税法上の認識のズレには２種類
一時差異
賞与引当金
貸倒引当金の損金算入超過
圧縮積立金
永久差異
交際費の損金不算入額
還付金の益金不算入額
解消される差異（税効果会計対象） 解消されない差異（税効果会計対象外）
試験対策としては一時差異がより重要⇒本資料では一時差異に注力

6. 一時差異の種類
• 一時差異の中にも２種類
将来減算
賞与引当金
貸倒引当金の損金算入超過
将来加算
圧縮積立金

7. 税効果会計が生じるケース
年度 利益 法人税等（税率は30%）
１年目 100 40
２年目 100 20
同じ利益じゃが
年度で異なる場合に
一時差異が起こるの
じゃ
ど、どゆこと！？

8. 減価償却の耐用年数
世の中の流れは早い
5年使ったら廃棄じゃ
耐用年数は8年ですね
異論は認めません
新規購入した機械
800万円

9. 減価償却の耐用年数
新規購入した機械
800万円
経済的耐用年数
５年
法定耐用年数
８年
国は時代を分かって
おらんのぉ……

10. 経済的耐用年数（5年[800万円]）
1年目 2年目 3年目 4年目 5年目 6年目 7年目 8年目
売上 200 200 200 200 200 200 200 200
償却費 160 160 160 160 160 0 0 0
税引前利益 40 40 40 40 40 200 200 200
税金(30%) 12 12 12 12 12 60 60 60
税引後利益 28 28 28 28 28 140 140 140
8年間の税引後利益
合計 560

11. 法定耐用年数（8年[800万円]）
1年目 2年目 3年目 4年目 5年目 6年目 7年目 8年目
売上 200 200 200 200 200 200 200 200
償却費 100 100 100 100 100 100 100 100
税引前利益 100 100 100 100 100 100 100 100
税金(30%) 30 30 30 30 30 30 30 30
税引後利益 70 70 70 70 70 70 70 70
8年間の税引後利益
合計 560

12. 税効果会計が生じるケース
このように、
将来的に課税価格の
差がなくなるものを
一時差異と呼ぶ
耐用年数が違うが
一致してる？！
8年間の税引後利益
合計 560

13. 減価償却の耐用年数
減価償却費
経済的耐用年数 160万
法定耐用年数 100万
• 経済的耐用年数は企業が恣意的に設定できるため、年度ごとを
単位とした場合に企業間に不公平が生じる
恣意的なんて許さんよ
皆平等に支払って下さい
160万ー100万=60万
60万分の利益に相当する
税金を調整する必要がある

14. 繰延税金資産
• 法人税率が30%の場合：
経済的耐用年数と法定耐用年数で計算された減価償却費の差額
60万円にかかる法人税18万円(60万円×30%)を前払いする
(繰延税金資産) 18 (法人税等調整額) 18
耐用年数の差：160万ー100万=60万(利益の差)
法人税の差：60万×30%=18万(前払する額)
前払した法人税は資産となるため繰延税金資産として借方に記載

15. 繰延税金資産
• 経済的耐用年数が終わった後は、経済的耐用年数と法定耐用年
数で計算された減価償却費の差額100万円にかかる法人税30万
円(100万円×30%)を取り崩す
(法人税等調整額) 30 (繰延税金資産) 30
耐用年数の差：0万ー100万=-100万(利益の差)
法人税の差：-100万×30%=-30万(取り崩す額)
取り崩した法人税は負債となるため繰延税金資産を借方に記載

16. 繰延税金資産
新規購入した機械
800万円
経済的耐用年数
５年
法定耐用年数
８年
このケースで繰延税金資産はどうなるのか？

17. 繰延税金資産
1年目 2年目 3年目 4年目 5年目 6年目 7年目 8年目
経済的耐用年数
法定耐用年数
(法人税等調整
額) 30
(繰延税金資産)
30
(繰延税金資産)
18
(法人税等調整
額) 18

18. 繰延税金資産
1年目 2年目 3年目 4年目 5年目 6年目 7年目 8年目
経済的耐用年数
法定耐用年数
(法人税等調整
額) 30
(繰延税金資産)
30
(繰延税金資産)
18
(法人税等調整
額) 18
(繰延税金資産)
90
(法人税等調整
額) 90
全期間合計
(法人税等調整
額) 90
(繰延税金資産)
90
全期間合計
相殺

19. 将来減算一時差異
繰延税金資産のように
前払いをして一時的に資
産となるものを
将来減算一時差異という
将来減算一時差異
（例）
引当金/減価償却の
損金不算入額
減損損失
繰越欠損金
退職給付費用
棚卸資産評価損
こんなにあるんだ

20. 将来加算一時差異
圧縮記帳
積立金方式
大金はありがたいけど
今年は税金支払えないよ
5年に分割して
支払ってもいいですよ
それはありがたい
助かるわー
100万

21. 繰延税金負債
• 法人税率が30%の場合：
助成金100万円を5年間に繰り延べて20万円ずつ支払うことにな
る。
(法人税等調整額) 20 (繰延税金負債) 20
毎年の負債額：100万÷５年=20万(圧縮記帳の積立額)
繰り延べた法人税は負債となるため繰延税金負債として貸方に記載

22. 繰延税金負債
繰延税金負債のように
将来に支払いを先延ばし
した負債を
将来加算一時差異という
将来加算一時差異
（例）
積立金方式の
圧縮記帳
レアケースなのかぁ

23. 永久差異
• 税効果会計の対象にはならず、計上分は課税対象
〇田総理が嫌いだから
利益を全額寄付しちゃお
駐禁とられたけど
経費から支払っちゃえ
税金払いたくないから
飲み会代で使っちゃえ

24. 永久差異
• 税効果会計の対象にはならず、計上分は課税対象
〇田総理が嫌いだから
利益を全額寄付しちゃお
駐禁とられたけど
経費から支払っちゃえ
税金払いたくないから
飲み会代で使っちゃえ
寄付金
罰科金
交際費

25. 繰延税金負債
会計上経費としていても
税法上は認められず、
その差が永久に埋まらな
いものを永久差異という
こんだけあるんだぁ
永久差異
（例）
交際費/寄付金の
益金不算入額
交通違反の罰科金
受取配当金の
益金不算入額

26. 一時差異と永久差異の一覧
差異の種類 項目
一時差異
将来減算一時差異
引当金/減価償却の
損金不算入額
減損損失
繰越欠損金
退職給付費用
棚卸資産評価損
将来加算一時差異 積立金方式の圧縮記帳
永久差異
交際費/寄付金の
益金不算入額
交通違反の罰科金
受取配当金の益金不算入額