[ITmedia Cloud Native 2023] モノタロウのクラウドネイティブ.pdf
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間接商材を中心としたECサービス「モノタロウ」では、AWSやGCPへのリフト＆シフトを進めている。＠ITが主催した「ITmedia Cloud Native Week 2023春」に登壇したMonotaROの藤本洋一氏が、同社におけるクラウドネイティブ推進とマネージドサービスを活用する上での注意点や組織に根付かせるためのポイントを語った。
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- 1. モノリスからの変革。 商品点数1900万点のモノタロウの 強みを伸ばすクラウドネイティブ戦略とは 1 2023.3.15 © 2020 MonotaRO Co., Ltd. All Rights Reserved. 株式会社MonotaRO IT部門 CTO-Officeグループ 藤本 洋一
- 3. MonotaRO（モノタロウ） とはどういう会社か？ 3 BtoB を対象に、 自ら間接資材の在庫を持ち、 自らオンラインで売るEC 企業 コールセンター、商 品 採 用、物 流、 マーケティング、データサイエンス、 IT など多くの業務とシステムを 自社開発、自社運用している フルスタック EC カンパニー
- 7. 7 モノタロウのシステムとスコープ 出荷倉庫 お客様 海外 サプライヤ 倉庫 海外の港 国内の港 デバン可能 倉庫 倉庫間輸送 配送 ● SoE・SoR ● 商流と物流
- 9. ビジネス成長とシステム複雑化 9 ビジネス成長に向けた複雑性の解消と コスト意識が求められる 2017 2023 未来 商品点数 1300万 1900万 ? システム オンプレ 基幹システム AWS monotaro.com +OMS GCP データ基盤 +PIM、商品情報・検索基盤 物流 尼崎DC、笠間DC 笠間DC、茨城中央DC、猪名川DC
- 10. Rehost Replatform Refactor Rebuild Replace 10 モダナイゼーション戦略 クラウド移行 コンテナ化 + Kubernetes 12 Factor App化 商品情報・検索基盤 パッケージ導入 Lift&Shift の加速
- 11. ● 2017にECサイトをAWSへ移行 ○ VMに移行したためホストOSのEOL、VMコ ストの増大、インフラチーム依存 ⇨ Lift&Shiftをコンテナ化で進める ● アプリはAs-Isで進めて責任分解点を見出す ○ 🙅オーケストレーションが決まるまで待ち ○ 🙆まずは開発環境からコンテナ化する 11 モダナイゼーションの考え方
- 12. ● 複雑性に立ち向かう ○ 複雑性を分割する ○ 複雑性を減らす ○ 複雑性をなくす ● システムを顧客価値につなげる ● 守→破→離 ● データとテクノロジーの徹底活用 12 モノタロウのTechVision
- 14. Rehost Replatform Refactor Rebuild Replace 14 モダナイゼーション戦略 クラウド移行 コンテナ化 + Kubernetes 12 Factor App化 商品情報・検索基盤 パッケージ導入 複雑性に立ち向かう
- 16. ● ビルドパイプライン、コンテナリポジトリ ● Infrastructure-as-Code ○ 開発用Dockerfile ○ 再現性、環境依存の分離 ● テスト、計測、ログ、監視 ● DevOps, DORA(4Keys), カナリアリリース 16 なる早でコンテナ化のメリットを享受する
- 17. ● コンセプトを明確にする ● スコープを限定する ● ピザ2枚のチーム ● 定期的に進捗を共有する ● 達成度を評価する 17 例：EKS PoC 🙆あるシステムが移行可能か 🙅全社の基盤として適切か
- 18. 18 例：EKS PoCのコンセプト 検証項目 目的 観点 権限委譲 開発チームの自律性向上 インフラ業務の分担 システムのスケーラビ リティの向上 可用性とキャパシティの要件を満たし たまま、システムリソースを最適化す る オートスケールのスピードがはやくな るか コストのコントローラ ビリティの向上 Spotインスタンスなどの活用 ノードあたりのCPU稼働率をあげられ るか(それによってコスト削減につな がるか) CI/CD DevOps Four Keysの向上 k8s のエコシステム(ArgoCD 等) に乗 れるか ネットワーク構成 IPアドレスの枯渇を避ける アプリ側である程度構成できる VPCを作成し Peering ができるか k8s の構成 将来に渡って問題ないK8sの構成を行 う 再現性のある構成手順、IaCを行う マルチテナント / マルチクラスタ …
- 21. ● コンセプトとスコープに基づいて評価 ○ 全て自力で解決する必要はない ● 体制、学習コスト、サポート、 コミュニケーションなど多角的に評価 ○ 合理的な判断を尊重 ○ 評価の蓄積 ⇨ 技術を評価できる組織 ● 達成度を確認してプロジェクト化 21 PoCでのコンセプト評価
- 22. Rehost Replatform Refactor Rebuild Replace 22 モダナイゼーション戦略 クラウド移行 コンテナ化 + Kubernetes 12 Factor App化 商品情報・検索基盤 パッケージ導入 守→破→離
- 23. ● 状態を持つものを分離 ○ ファイルシステムなど ● Configの外出し ● クレデンシャル分離・管理 ● リリース手順 ● ブランチ戦略 ● ログ基盤化 23 12 Factor App 化 I. コードベース II. 依存関係 III. 設定 IV. バックエンドサービス V. ビルド、リリース、実行 VI. プロセス VII. ポートバインディング VIII. 並行性 IX. 廃棄容易性 X. 開発/本番一致 XI. ログ XII. 管理プロセス https://12factor.net/ja/
- 24. ● 既存のリリース手順 ⇨ クレデンシャルの分離 ⇨ SecretManager移行 ● 本番ログ参照 ⇨ fluentd導入 ⇨ BigQuery ● 手動構築 ⇨ EC2オートスケール ⇨ カナリアリリース 24 12FA化での守→破→離 社内事例の展開・ 学習の動機付け 持続的な モダナイゼーション
- 25. Rehost Replatform Refactor Rebuild Replace 25 モダナイゼーション戦略 クラウド移行 コンテナ化 + Kubernetes 12 Factor App化 商品情報・検索基盤 パッケージ導入 システムを顧客 価値につなげる
- 26. ● ビジネス上のパフォーマンスが要求される ○ SolrをElasticsearch+KVSで置き換え、スト ラングラーパーターンで移行 ● 背景: SolrのEOL、バッチ突き抜けや手動オ ペレーション増大、大企業CX改善 ● 前提: 社内にスペシャリストがいる 26 例：商品情報・検索基盤のRebuild 「モノタロウの1900万商品を検索するElasticsearch構築運用事例」のポイント深掘り〜第 50回 Elasticsearch勉強会後記〜 - MonotaRO Tech Blog
- 29. ● コストはかかる ○ お金、期間、人 ● マネージドサービスとエラーハンドリング ○ マネージドサービスのAPIの内部エラー等 ■ エクスポーネンシャルバックオフ ○ リトライと再実行のバランス、冪等性 ● 積極的なサービスアカウントの活用 29 Rebuildからの学び (1/3) とはいえお金で解決できることも重要
- 30. ● 並列処理・ノンブロッキング ○ 🙅マネージドは速い ○ 🙆マネージドはスケールする ○ Profiler等を活用する ● ネットワークの遅延はある ○ Tracing等を活用する 30 Rebuildからの学び (2/3) 垂直スケールはあまりしない
- 31. ● 早く疎通させて継続的な負荷テストをする ○ 『推測するな、計測せよ』 ○ RunBook作成、SLI/SLOベースの運用 31 Rebuildからの学び (3/3) この辺りが考慮不足だと失敗しがち?
- 33. ● 新規・Rebuildに全振りするとその後が続か ず息切れしてしまいかねない ○ 機能面での移行・プロセス整備・コスト対策 を同時に進めるのは困難 ● 既存の12FA化やコンテナ化を通じて着実に 組織に根付いた活動にしていく ○ チームトポロジー・Enablingが鍵 33 モノタロウのクラウドネイティブ化
- 34. 先行領域で得られた知見&人を社内で展開 ⇨ Cross-Functional-TeamとIT Infra Vision 34 モダナイゼーションの社内展開 コンテナ化 12FA Kubernetes 商品情報・検索基盤 ECサイト 基幹システム クロスファンクショナルチーム
- 35. ● IT課題を集約 ○ 権限分離、コスト、DR、セキュリティ ● 中央集約できるのか？ ● マルチクラスターの管理 ● 責任分解点 構築前にチェックシートをCFTでレビュー => クラウドネイティブの活用 35 CFTとIT Infra Vision クロスファンクショナルチーム
- 37. クラウドベンダーとの連携 37 ● チケット（イシュー、質問） ● 定例 ● ワークショップ ● その他リリース共有等 例：RBAC, HPA, Ingress/LBの設定, SLI/SLO設計, AWS Control Towerの活用など https://github.com/awslabs/federated-amazon-eks-clusters-on-aws
- 40. ● ドメイン分割と インターフェース ○ 疎結合化 ● エンジニア組織の ケイパビリティ向上 ⇨ アジリティ 40 今後のモダナイゼーション 業務知識 開発 SRE アーキテクチャ 高度化、CX DevOps ドメイン分割 Observability
- 41. 41 モノタロウの今後の技術的チャレンジ モノリス クラウド + コンテナ化 モダナイゼーション・マイ クロサービス化 サプライチェーン高度化 サービスメッシュ Kubernetes導入 Value-Stream-Mapping eBPF デジタルツイン イベント駆動 EventStorming Enterprise Knowledge Graph クラウド移行 12FA+Beyond データと テクノロジーの 徹底活用 Lift&Shift の先へ
- 42. まとめ ● Visionを通じて組織の強みを伸ばす ● 変化を組織にインプリメントする ○ まず変化にreadyになる ○ 組織的に変化に立ち向かう ● ビジネスの変化を強みに変える クラウドネイティブ戦略 42
- 43. 43 © 2020 MonotaRO Co., Ltd. All Rights Reserved.