7月19日開催「コミュニティフォーラム2020〜今、あらためてコミュニティと出会う〜」 HP：https://crfactory.com/6074/ ＜ゲストのみなさん＞ 【キーノートスピーチ】 ■早稲田大学 教授 文学学術院 石田光規氏 -------------------- 【家族×コミュニティ】 家族を取り巻くつながりやコミュニティのかたちとは？ ■認定NPO法人こまちぷらす　理事長　森祐美子 ■NPO法人オトナノセナカ 凸凹推進事務局 柳橋 歩 ■NPO法人tadaima! 代表理事 三木 智有氏 ■認定NPO法人マドレボニータ 理事長 吉岡マコ氏 -------------------- 【健康×コミュニティ】 つながりの中で健康になるとは？〜コミュニティの健康効果〜 ■一般社団法人CANnet　代表理事 杉山 絢子氏 ■家庭医療専門医 コミュニティ・ドクター 密山 要用氏 ■千葉大学予防医学センター 客員研究員 長嶺 由衣子氏 -------------------- 【教育×コミュニティ】 関係性とコミュニティが豊かな教育・人間成長の土壌となる？ ■NPO法人DNA 代表理事　沼田 翔二朗氏 ■NPO法人コモンビート 事務局長 花宮 香織氏 ■群馬県立高崎北高等学校 探究推進部長 志村 克樹氏 ■NPO法人 みらいずworks 代表理事 小見 まいこ氏 -------------------- 【職場×コミュニティ】 社員・スタッフが人生を豊かに生きるための組織とは？ ■GCストーリー株式会社 常務取締役 萩原典子氏 ■非営利型株式会社Polaris 取締役ファウンダー 市川 望美氏 ■株式会社CRAZY IWAI General Manager 吉田 勇佑氏

1. オンラインと対面接触の狭間で
コミュニティフォーラム2020
2020年3月8日
石田光規（早稲田大学）

2. ０ 本日の報告
1. 効率軸への懸念と接触軸の模索
2. 接触を考える
3. アフターコロナの懸念（接触の選別）
4. オンラインで事⾜りるのか？
1. 思考編
2. 接触編
5. まとめ：オンラインへの振り返り

3. １ 効率軸への懸念と接触軸の模索
• コロナ騒動を受けての違和感
学校（幼稚園）の対応
• 分散登校
• オンライン教材の充実
• 討論などの中止
• 距離をおいた座席配置
新しい生活様式
• 人と距離をあける
• 会話は真正面を避ける
• マスクを着用する
• 手洗いの重視
働き方のスタイル
• テレワークの活用
• 会議はオンライン
• 対面時は換気とマスク
• オフィスはひろびろと
何か違和感が
ある
どうも効率ばかり優先
されている気がする

4. • 学びをとらえ直す
接触についてもっと考えた方がよいのではないか
いわゆる教育的な学び
• 教科書、授業をつうじた学び
• 学習指導要領の学び
学
校
幼
稚
園
学
身体的接触をつうじた学び
• 同学年、上下学年とのつきあい
• 日常の共同活動
新
生
活
様
式
学
教育的な学びに重点化
• 学びに遅れを出さないために
• 十分な教育効果を得るために
身体的接触をつうじた学びの配慮？
• ポスト「新しい生活様式」

5. 効率性ではなく接触という軸で色々な物
事を計画したほうがよいのではないか？
２ 接触を考える
集団生活をつうじて共感する力や互酬性
を身につける
多感な時期に接触を奪われてしまった
子どもたちはどうなってしまうのか？
こんな時代だから
こそ、接触を軸と
したコミュニティの
あり方を模索する
共食
共同
作業
• 霊長類学の権威・山極先生がみた人間社会の特徴
• 私（石田）が考える不安とみんなで考えたいこと
対面接触で鍛
え上げた特性

6. ３ アフターコロナの懸念（接触の選別）
オンライン生活の浸透
（技術面＋文化面）
接
触
選
別
1. 対面する必要の
ある事項
2. わざわざ対面しな
くてもよい事項
対面接触にコスト計
算の論理を侵入させ
る
＝何が対面に足る用
事なのか
計
算
論
理
徹
底
れ
対
面
接
触
世
界
1. 対面接触のさいには接
触に足る理由が必要
2. 必然的に対面接触は縮
小する
3. 接触に足る理由を用意
できない人が疎外される
私たちが考
えたいこと
そもそも「必要でない接触」
は存在するのか？
接触の理由を問われない社
会づくりへ
接触を要不要で分ける社会
への疑問

7. 4-1 オンラインで事足りるのか？：思考編
• 考え方に対してもつ疑問
• それぞれのメディアと身体
私たちはオンラインでも、対面の空間と
同じように考えられるのか？
「空間」と「思
考」を考える
読書
視覚＋脳
消えないテキスト
電話
聴覚＋脳
テレビ会議
視覚＋聴覚
＋脳
身体は思考に
影響していない
のか？
目・耳以外の身
体の欠落

8. • 私自身の雑感（あくまで感覚なので学説に基づいていません）
思考は身体に連動する！
身体を感覚器
として思考を
導く
全身で刺激を
受容する
個人的体験
オンライン化の懸念
感覚器としての身体の
機能の鈍化
オンライン型思考に慣
れてゆく身体
オンライン授業だ
と言葉が出てこな
い（気がする）
オンラインの作業環境
私
部
屋
場
合
モニタウェブカメラ
窓・机
モニタから目
線を外した瞬
間に違う世界
に飛び込む！
視聴覚に感覚
を集中させる

9. 4-2 オンラインで事足りるのか？：接触編
• オンライン授業でよく出てくる意見
1. 「他愛ない会話」が
できなくて寂しい
• オンラインの特性
• 目的ベース（必要・不必要）で場が形成さ
れやすい
• 沈黙が許容されにくい
• ふと目にしたものなどが話題に上がらない
• 発想が硬直的になりやすい
• 居場所として機能しにくい
2. 新しい関係ができに
くい
• 「隣の席」という概念がない
• 話者が1人に限定される
• 近場で盛り上がることができない
• みんなで盛り上がるという雰囲気に欠ける

10. ５ まとめ：オンラインへの振り返り
• オンラインの優れている点
1. きっかけをつくる：結びつきの出発点として
Ø配信力の強さ
Ø検索力の強さ
2. マイナスの補填：マイナスを0に戻す
Ø居住地などの事情でアクセスできない人への補填
Ø災害などによりアクセスできない事態への対応
Ø特定の事情で「仲間」を見つけにくい人への対応
Øただし、0以上のものをもたらすかは不明
• 今後の判断材料：
→いったんコストとして省けば元に戻すのは難しい
→デバイスが進化すれば対面接触はさらに縮小する
対面接触をどのように入れておくか

11. ご静聴ありがとうございました
オンラインとつきあいつつ
豊かな関係性（コミュニティ）を！