2018年3月10日開催「コミュニティフォーラム2018」 主催：NPO法人CRファクトリー ■分科会A：理念共感と貢献意欲 ～「この団体のためにがんばりたい」をどうつくるか～ ▷認定NPO法人マドレボニータ 理事 高橋葉子氏

1. 理念を体現するプログラムの
追究と考察の繰り返しが
真の理念共感を生む
コミュニティフォーラム2018
認定NPO法人マドレボニータ 高橋葉子

2. 母となった女性が、
産後の養生とリハビリに取り組み、
本来持っている力を発揮できる
日本社会
実現したい社会

3. マドレボニータが考える、適切な産後ケア
身心不調の改善
・体と心のリハビリ
母子孤立の予防
・外出の機会
・地域の仲間づくり
社会復帰支援
産後7～12ヶ月
夫婦で講座に参加
親となった働き方を考える
一時保育を体験
地域活動・ﾎﾞﾗﾝﾃｨｱ活動参画
生活支援
・家事支援
・上の子預かり
入院 → 自宅安静
「取り組む」ケア
リハビリ
産後2～6ヶ月
養生（産褥期）
産後約1か月間
出産
「受ける」ケア
治療
看護

4. 「産後」が起点となる社会問題
産後うつ
11人に1人（約9%）
（厚生労働省 平成25年度）
乳児虐待
虐待死の61%が0歳児
加害者の64%が実母
（厚生労働省 平成28年）
早期離婚
産後2年以内の離婚39,000件
子どものいる家庭の離婚の3割
（厚生労働省 平成26年）

5. 原因は
身心の不調 孤立

6. 問題解決を阻む壁
知らない
（知識）
受け入れ
られない
（価値観）
実践
できない
（行動）
本来持っている力を
発揮できない

7. 産後ケア教室
全国60か所
身心のリハビリ
プログラム
を届ける
指導者の養成

8. 啓 発
調査研究
書籍発行
アプリ開発

9. 力を発揮する
プラットフォーム

10. 《沿革》
吉岡マコが産後ケア教室開始
指導者の養成を始める
活動に「マドレボニータ」と名付ける
認定制度導入、同一プログラム展開へ
SVP東京の支援を受けNPO法人化準備
NPO法人設立
マドレ基金設立、「産後ケアバトン制度」開始
1998
Googleインパクトチャレンジグランプリ受賞
ボールエクササイズ指導士養成コース開始
中期経営計画を作成
内閣府「女性のチャレンジ賞」受賞、認定NPO取得
西友の助成先に選定され、産後ケアバトン制度拡充
2002
2006
2008
『産後白書』発行2009
2011
2014
2015
2017
ミッション、ビジョンの再検討2013
受益者数累計51,400人
創業20年
法人化10年

11. 《組織》
●認定インストラクター：27名
→個人事業主、ライセンス契約
●職員：12名
→雇用契約、有給
●役員：5名（代表＋職員兼3名＋監事1名）
マレーシア
アメリカ
（事務局長・理事）
正会員：137名
賛助会員：138名
ﾏﾝｽﾘｰｻﾎﾟｰﾀｰ：54名
オフィスなし
全員リモート

12. 「理念共感と貢献意欲」
～マドレの場合～

13. コミュニティキャピタル診断
第1因子「理念共感と貢献意欲」
9.46点／10点
サンプル全体との差：＋0.7
2017年7月
●メンバー自身が当事者
●理念に基づく活動

14. 「理念」は
活動の根幹となる価値観

15. 活動は
「理念」を体現するもの

16. 「理念」
活動の根幹となる価値観
共感

17. ①代表のメッセージ力
ニューズレター、ブログ
SNS、動画
プレゼンテーション etc.

18. ②「全員」で再検討
2013年、半年かけて実施
今すでに体現されていることを
一人ひとりが「言語化」
みんなで「納得」を見つけていく

19. 理念を体現する活動を
支える仕組み

20. ① 誰をバスに乗せるか
エントリーシート
面談
課題提出

21. ・その人が何を実現したいか？
・マドレボニータの理念・活動とマッチするか？
→本人が実現したいことの優先順位を再確認
→意志、認識のすり合わせ

22. ・本人の状況・環境
→パートナーとの共通理解
→子どもを預ける環境
＊「研修課題」を体験して判断してもらう

23. ②研修～プログラムを伝えるために
インストラクター養成コース
・オンライン研修、スクーリング：3か月間
・筆記試験、実技試験
・実地研修、オンライン研修（身体ｽｷﾙ・開業）：3か月間
・アシスタント研修
身体スキル ﾌﾟﾛｸﾞﾗﾑ理解 ﾌﾟﾛｸﾞﾗﾑ進行
自己表現 ｱｲﾃﾞﾝﾃｨﾃｨ ｺﾐｭﾆｹｰｼｮﾝ 開業視点
ﾚｼﾞﾘｴﾝｽ

24. ②研修～プログラムを伝えるために
NECワーキングマザーサロン進行役研修
（＝プログラムを担うボランティアスタッフ）
・オンライン研修：2か月間
・実地研修（1泊2日）
・運営研修＋チームキックオフサロン（1日）
ﾌﾟﾛｸﾞﾗﾑ理解 対話の基本となる「聴く」
安心して話せるための場づくりﾌﾟﾛｸﾞﾗﾑ進行

25. ネットワークで支えあう
ボランティア
複数メンバーの
チームで担う
インストラクター
1人で担う
（職業）
③体制～支えあう仕組み

26. 理念を体現するプログラムの
追求と考察の繰り返し

27. ■振り返り（考察）
・ボランティアメンバー：活動直後にチームで実施
観点を記入した「振り返りシート」を使用
■活動報告書（考察の言語化）
・振り返りでの考察を、メンバー共有のために言語化する
・インストラクター：「自慢したいエピソード」or「教訓になったエピソード」
→報告書係（持ち回り）がコメントを記入

28. ■「エピソード」の考察（さらなる考察）
・報告書係が、全員のエピソードを読み込む
・考察MTGを行い、「共有したい」「話し合いたい」エピソードを選出する
→選出したエピソードとその論点を全体に共有（オンラインで）
■活動報告会（共有と考察）
・選出された「話し合いたい」エピソードを、論点に基づきディスカッション
→プログラムのブラッシュアップにも
考察の視点が「理念」

29. 理念は活動の根幹となる価値観
活動は理念を体現するもの
↓
追求と考察の繰り返し
↓
真の理念共感を生む

30. 《マドレボニータの活動理念》
「美しい母」文化の追求
「美しい母」文化とは
母となった女性が、健康な心と体を取り戻し
家庭で、社会で、自分の持つ力を発揮し
そのエネルギーが個人の枠を超え、
コミュニティや多世代に開かれ、
循環していくこと。
「美しい母」とは
親となったことをきっかけに
自分自身の生き方に向きあい、
人としての真の美しさを
追求しようとする人のこと。