11. 動車「EN-V」をデビューさせ、米 Ford(フォード)は、現行車種である「FORCUS」の電気自動
車として、「FOCUS Electric」を発表した。
CES の新たなプログラムとして、 CES に参加するエンターテイメント業界の専門家向けに 「エ
ンターテイメント・マターズ(Entertainment Matters)」も実施され、コンファレンス・プログラ
ムと特別展示のほか、ハリウッド・コミュニティのイベントなども開催された。
今年も、コンファレンス・プログラムでは約 900 人の講演者による 300 のコンファレンスセ
ッションが行われた。
2011 International CES では、展示会とともに、家電業界の全分野を網羅する 300 を超えるカ
ンファレンス・セッションも組まれるが、最も多数の来場者を集めて人気なのが、基調講演者
である。
今回は、 Microsoft の CEO の Steve Ballmer 氏、 Verizon
米 米
社の会長兼 CEO の Ivan Seidenberg 氏、独 Audi 会長の Rupert
Stadler 氏、韓国 Samsung の Visual Display Business 部門社長
の Boo-Keun Yoon 氏、Ford 社の Alan Mulally 氏らがステージ
に立った。
Bill Gates 氏の後を継いで 2 回目になる Steve Ballmer 氏は、
次期 Windows が ARM アーキテクチャーを含む SoC をサポー
トすることを発表した。ARM アーキテクチャーは、iPhone、
iPad、Android 端末、ニンテンドーDS、ソニーPSP などが採
用しており、同システムのパートナーとしては、NVIDIA、
Qualcomm、Texas Instruments があり、そうした企業製品によ
るデモを行われ、実際に Windows が ARM ベースのシステム
で動くことを実証した。ただし、ユーザーインタフェースは Windows 7 のままで、まだ開発半
ばであることも伺わせた。
今回の International CES で明らかになったことは、もはや製品・ハードウェアだけの競争は
終わり、家電製品においてもプラットフォームが成否を分かつということである。
アナログ時代には技術・経験を蓄え、組み立て生産ラインの稼働率を高めることが企業競争
力となったが、いまや要求される機能・性能は回路を集積した SoC(System-on-a-chip)に搭載さ
れており、それを調達すればだれでもが製品を大量に製造できるようになった。成熟した市場
においては、デザイン力、マーケティング力、意思・実行のスピード力が企業力の差別化の要
にもなる。
タブレット端末、スマート TV も 3D TV もハードウェア技術だけがすぐれていても、市場で
覇者になることはできず、製品がサービスと結びつき、コンシューマーにいかに豊かでパーソ
ナライズできる体験を与えられるかが焦点となっている。昨年、多数出展されていた電子書籍
リーダー(閲覧端末)は今年も台湾・中国メーカーを中心に多数出展されたが、それは製造を請
け負う企業からであったりして、Amazon.com や Apple に対抗する勢力の台頭はあまりなかっ
た。
特に、 電子ペーパーを使用した電子書籍リーダーは、 米国においては Amazon の Kindle(Wi-Fi
版 139 ドル、3G 版 189 ドル)がデファクトスタンダードになろうとしている。これは iPod がデ
ジタル音楽プレイヤーとしてデファクトになったのと同じ理由である。米国のテレビでは、連
日、139 ドルの Kindle の CM を見かけた。
百花繚乱の様相を見せているタブレット端末についても、性能・機能で iPad を超えるのは、
比較的難しいことではない。そのスペックはさほど高くないからだ。だが、ユーザーインタフ
ェースとデザインの重視およびユーザー志向とたぐいまれなプラットフォームで、iPad はユー
ザーの満足度で勝ち取り、他をしのいでいる。
このプラットフォーム競争時代がついにテレビにも到来したのが、 まさに 2011 年ということ
- 11 -
12. になる。日本メーカーではソニーが最もプラットフォームに力が入っている。だが、すでにサ
ムスン電子、 電子は世界中でスマート TV のプラットフォーム戦略を進めており、
LG 全家庭が
すぐに欲しいとも思わない 3D を切り札にするのであれば、日本勢は足をすくわれかねない。
これに関連して、ソニーは、PlayStation アプリをプレインストールした携帯電話として、
PlayStation Phone を出展する可能性があると事前報道されたが、 発表されなかった。 また、PSP2
も同様だった。
PlayStation Network(PSN のユーザーアカウント数が 6000 万に達した。昨年の CES ででは 3800
万だったことから、約倍に成長している。3D 立体視への対応や有料サービス PlayStation Plus
の導入が話題となった。
ソニーは、日本企業のブースでは最も見どころがあり、多くの来場者を集めた。2011
International CES において、最も自然な裸眼立体視ができる 3D TV を参考出展して、注目を集
めた。 ちなみに裸眼 3D TV として、 56 型 4K×2K の液晶テレビ、 型 1080p 液晶テレビ、
46 24.5
型有機 EL テレビの 3 モデルを展示した。
2.CES の主役はタブレット/スレート端末とスマート TV
3D TV は画質を落とさないでパッシブグラスへ移行、次世代は裸眼へ
●まさに百花繚乱のタブレット/スレート端末
2011 International CES で話題になったのは、タブレ
ット/スレート端末、スマート TV(Connected TV/
Net-Connected TV)のほか、裸眼立体視 3D TV、パッシ
ブ型 3D TV、3D 撮影機器、Android 搭載家電、スマー
トフォン、 ネット接続 TV、 (Over the Top Video)
OTT-V
サービスと端末、TV 向けアプリケーションストア、
TV Widget、ソーシャルメディアとの連動デバイス&
サービスなど。
特に、スマートフォン、タブレット端末/メディアイ
ブレット市場だけでなく、テレビがコンピューターに
なることで、テレビ向けのアプリケーション市場が生
まれることになり、コンテンツおよびビジネス分野の
アプリケーションが一つの焦点となった。
最もクローズアップされたのは、タブレット/スレート端末とスマート TV であり、タブレッ
ト/スレート端末は軽く 100 を軽く超えており、数え切れないものの、製造請負関係を含めると
数百ぐらいになると見られる。数量的には台湾・中国企業の製品が大半を占める。
Motorola、Research In Motion (RIM)、サムスン電子、LG 電子、Viliv(韓国)、東芝、パナソニ
ック、シャープ、Lenovo、Acer、MSI、Freescale Semiconductor をはじめ、多数の企業が発表・
出展した。
ただ、タブレット/スレート端末には、iPad を追
随するコンテンツ閲覧、 アプリ使用に重点を置いた
機種だけでなく、Windows7 を搭載した PC のモバ
イル版のようなタブレット PC タイプ、また電子書
籍リーダーに重心をおいた Kindle 追随型とともに、
それらの混合型があったりする。今回、特に話題と
なったのは、言うまでもなく、ネット PC タイプよ
りは、iPad に競合できるタイプのものである。なか
- 12 -
15. できる。すでに 2009 年末から RIM のアプリストア「App World」で PlayBook アプリの登録受
付を開始し、SDK の配布をしていた。
ディスプレイは、7 インチの 1024×600 ピクセル(WSVGA サイズ)の液晶パネルタッチスク
リーン。本体サイズは W130×H194×D10mm。重量は 400g。
ARM アーキテクチャーで最新世代の ARM Cortex-A9 デュアルコア 1GHz プロセッサーを
搭載し、 その処理能力を生かして、 エンタープライズ対応やセキュリティ機能に力点を置く。前
面 3 メガピクセル、背面 5 メガピクセルのデュアル HD カメラを装備し、1080p の動画撮影が
できる。
スマートフォンの BlackBerry と Bluetooth で接続して、データを同期させて、大画面でアプ
リがつかえる連携機能「amplified view」もある。
Wi-Fi(802.11a/b/g/n)ネットワークに対応した製品は、2011 年第 1 四半期中に、4G ネットワ
ークに対応した製品は米 Sprint と共同で 2011 年夏にはリリースする予定。 グローバル市場 2011
年第 2 四半期を予定している。価格は未定。
5.韓国のサムスン電子と LG 電子は国策で進めるスマート TV で勝負
家庭のデジタル化の中心に据え、世界市場に先鞭をつける
2011 International CES において、韓国のサム
スン電子と LG 電子は、 国策で推し進めている
スマート TV(SMART TV)を前面に押し出した
出展を行い、 昨年と同様アクティブグラスによ
る 3D TV に力点を置いている日本とは異なっ
たブース設計をした。
2009 年は LED TV、2010 年は 3D TV、2010
年はスマート TV と、 韓国メーカーは攻勢をか
けてきた。
なんといっても米国の薄型テレビ市場にお
いて、サムスン電子と LG 電子で合わせて 40
%以上のシェアを占め、 北米市場では圧倒的強
みを発揮している。
携帯電話がインターネットおよびコンピューターと融合してスマートフォンとなったが、こ
の市場は世界的に米 Apple に先を越されてしまい、携帯電話メーカーでもある韓国の家電メー
カーは、後塵を拝さざるを得なかった。この苦い経験を教訓にしたのがスマート TV 戦略であ
る。
スマート TV とは、スマートフォンと同様、
OS 搭載し、インターネット接続機能を強化
し、さまざまな OTT-V サービスとともに、ア
プリケーションストアからさまざまなアプリ
をダウンロードして、PC を経由しないで、さ
まざまなコンテンツが楽しめるだけでなく、
それらを友人・知人とコミュニケーションを
したりしながら共有できるソーシャル機能も
装備したデジタルテレビのこと。インターネ
ットを経由することで、テレビ番組を好きな
タイミングで見られたり、ゲームしたり、音楽を聴いたり、ラジオを聴いたり、オンラインで
- 15 -
16. 動画配信、VOD、レンタルビデオなどのサービスを受けたり、ときには電子書籍も読める。ス
マート TV は、各ユーザーによってカスタマイズされ、ユーザーの志向・趣味を学習する機能
もあったりする。もちろん、ソニーが投入した Google TV もスマート TV に含められる。いわ
ばテレビがコンピューターに内蔵され、コンピューター化したテレビということになる。
サムスンおよび LG は、すべての世帯が購入する可能性が低い 3D TV をスマート TV の一つ
の機能のなかに含め、3D TV をスマート TV の差別化要素の一つにすることで、3D TV の唐突
感とユーザーとの温度差の回避を始めた。この点では、日本勢は市場のマーケティング感覚で
遅れをとっている。すでに、アクティブシャッター方式の 3D TV は、2010 年ですでに市場が
拒否反応を示しているにもかかわらず、そのあたりの事情が生かされていない。
2011 International CES において、サムスンは LED バックライトの 75 インチの 3D 液晶テレビ
を発表したものの、インターネット接続とアプリの実行環境をうたったスマート TV として大
々的にプロモートし、アピールした。
サムスンは、2010 年 3 月に最初のスマート TV を発売しており、すでに同サービスを 107 カ
国で提供し、独自のアプリストア「Samsung Apps(サムスン・アップス)」を設けて、国別に 250
~300 を超すアプリが提供。このなかで、テレビ向けのアプリやウィジェット、ゲームなどの
コンテンツの配信を行っている。
Samsung Apps は、 スマートフォン向けに提供してきたアプリストアと同じシステムをスマー
ト TV に拡張した。Apple の App Store が対象領域を広げているのを追っている。
スマート TV は、スマートフォンやタブレット端末とも連携して、画面を共有したり、一度
購入した動画・ゲーム・音楽などのコンテンツについて、どのデバイスでも再生できるように
なっている。また、スマートフォンのタッチスクリーンをリモコン代わりに使うと、テレビリ
モコンでは操作しづらい機能もアイコンで簡単に操作できるようになっている。
サムスンは、Verizon の 4G LTE のプロモーションと連動して、LTE 対応スマートフォン
「Samsung 4G LTE Smartophone」を発表したが、これもスマート TV との連携ができるように
なっている。
●韓国で「スマート TV フォーラム」が成立
韓国においては、政府主導で 2010 年 9 月に、サムスン、LG のほか、KBS、EBS、KTSK ブ
ロードバンド、 NHN など、放送局、通信会社、 コンテンツ企業、 関連研究所などが参加する 「ス
マート TV フォーラム」を設立し、早期立ち上げと、研究・開発の推進、関連制度の改革・改
善を進めながら、世界進出に先手を打つ施策をとっている。
このなかで、3D TV との統合も視野に入れており、放送・通信・コンテンツ業界が連携して、
スマート TV 市場も成長させるため、ソフトウェア開発者の育成、クラウドコンピューティン
グの促進などを進める方針。
同フォーラムの会長を務めるのが、 サムスン電子映像
ディスプレイ事業部の部門社長の尹富根 (ユン ブグン)
・
氏である。尹富根氏は、2011 International CES で会期 2
日目(1 月 6 日)午後 4 時半から Las Vegas Hilton Center で
基調講演の臨み、 その多くの時間をスマート TV に割き、
「テレビは家電製品のリーダーであり、 家庭に欠かせな
い存在である。このテレビを軸にして、生活を楽しく豊
かにする『ヒューマン・デジタリズム』を実現していく
べきだ」語り、スマート TV を中心に家庭内のデジタル
機器をネットワーク化していく方向性を示した。
●LG はネットワークで連携できる白物家電「Smart Appliance」も
- 16 -
17. スマート TV は、 アプリやオンライン上のコンテンツや情報を視聴できるだけにとどまらず、
家庭内の電化製品とのネットワーク化も視野に入れている。
この分野に関連して、LG が「THINQ」という家電制御のための新技術を発表し、「Smart
Appliance(スマートアプライアンス)」という言葉を使いながら、冷蔵庫、調理機器、洗濯機、
ロボット掃除機など、インターネット接続できる白物家電のネットワーク化コンセプトを示し
た。
どの白物家電も Wi-Fi や赤外線、Bluetooth などの無線通信機能を備え、Wi-Fi 対応スマート
フォン使って白物家電の操作ができることもデモした。この家電のスマート化は、省エネ対策
やスマートグリッドとの連携も視野に入れている。
LG が出展したスマート TV の専用リモコンは、手の動きを認識できるため、空中で 3D マウ
スを使う感じで操作できる。このリモコンは、米ベンチャー企業の HillCrest Labs が開発したユ
ーザーインタフェース技術が導入されており、EMS (Micro-Electrical-Mechanical Systems)、DSP
(Digital Signal Processing)、RF(Radio Frequency:高周波数電気信号)を組み合わせて実現してい
る。
日本企業のなかでは、最もスマート TV の分野にコミットしたのは、すでに Google TV を市
場投入しているソニーだった。 2011 International CES では、 機種のデジタルテレビ
27 「BRAVIA」
の新製品を発表し、 そのうち 22 機種がインターネットに接続可能なモデルとなっている。 すで
に、40 種類のアプリケーションやサービスを提供可能となっている。
開幕前夜にソニーのブースで実施されたプレスブリーフィングで、CEO に就く Howard
Stringer 氏は、「Television Redefined(テレビの再定義)」が必要とし、GoogleTV、スマート
TV に力を入れていることを強調した。
6.LG、東芝からも Android 3.0 搭載タブレット
「G-SLATE」は HSPA+に対応し最初から 4G 対応タブレット
米 Motorola Mobility が Android 3.0(開発コード:
Honeycomb)を搭載した「Droid XOOM」を発表した
ことで、タブレット OS の流れは Honeycomb へ移っ
た。 現時点で、 Android 2.2 を採用していても、 Android
3.0/Honeycomb への対応を表明しているところがほ
とんど。
Honeycomb を搭載したタブレットについては、LG
電子も 8.9 インチディスプレイの「G-SLATE(ジース
レート)」発表した。
G-Slate も Motorola Xoom と同様に Honeycomb が
搭載するため、インタフェースはほぼ同じ。最初から T-Mobile の HSPA+に対応し、最初から
4G 対応タブレットとして販売する予定。 T-Mobile USA から 2011
年下半期にも米国で販売する予定。 大きさとしては、 iPad とサム
スン電子の GALAXY Tab(ギャラクシータブ)の中間。
東芝は、2 タイプのタブレット端末を発表した。1 タイプは
Android 搭載モデルで、もう 1 タイプは Windows 7 導入モデル。
回転する透明プラスティックケースに縦置きで入れられて展示
され、最終スペックは決まっていない。もちろん、来場者の関心
は Android 搭載モデルで、Windows 7 モデルにはほとんど人だか
りはしていなかった。
- 17 -
18. Android モデルでは、やはり Android 3.0 を導入予定。ディスプレイは 10.1 型ワイドディスプ
レイで、マルチタッチに対応。解像度は 1280×800 ドット。東芝ならではの特徴として、独自
開発の「Adaptive Display Technology」によって、SD 画質を HD 画質にアップコンバートでき
る。
NVIDIA Tegra 2 を備え、Adobe Flash Player 10.1 に対応しており、オンライン上の高解像度動
画再生ができるほか、HDMI 出力により外付けディスプレイでフル HD による再生ができる。
本体には Mini USB と SD メモリーカードリーダーも装着。 バッテリー駆動時間を長くするため、
ディスプレイのバックライトを消灯したモードもサポートする電力管理をする。
ショウケースの下部にボディカラージャケットの見本が置かれてあったが、本体カラーが変
えられるジャケットを用意する予定。米国では 2011 年春に出荷する予定。
また、Windows 7 を採用したタブレット PC は、11.6 型ワイド液晶ディスプレイで、解像度
は 1366×768 ドット。マルチタッチに対応する。DLNA に対応して LAN 経由でホームサーバ
ーから配信されるコンテンツを利用できる。
7.NEC は 2 画面型の Android 端末を出展
最初は B2B2C で販売し、2011 年後半にコンシューマー市場に投入
NEC は、2011 International CES において、2 画面の折りた
たみ型の Android 端末「LT-W」を発表した。 LVCC サウスホー
ルに専用ブースを構え、この端末だけをプロモートした、
7 インチのタッチパネル式液晶ディスプレイが見開きで使
えるようになっており、実際の本のような形で電子書籍を読
めることを意識したという。
Android 2.1 を搭載し、Android Market が使えるものの、
Android 2.1 はデュアル画面をサポートしていないため、 片面
だけの表示になる。2 画面型のコンテンツが開発できるよう
NEC として SDK をリリースすることも検討している。
まずは B2B2C で企業・団体・公共機関向けに発売し、今
週にはコンシューマー向けに販売をしたい意向。
専用の手書きの文字認識に最適化しているため、 画面の拡大・縮小のマルチタッチには対応
していない。
用途として、たとえば左側の画面に授業の様子を撮影した動画を映し、右側の画面にその授
業で使う教科書を電子書籍として表示するなど教育現場での利用シーンなどを想定している。
8.米 Hillcrest Labs/ソニー、LG、任天堂などがライセンシー
次世代 TV、ゲーム機向けモーションコントロール技術を開発
2011 International CES において、米 HillCrest Labs(ヒルクレスト
・ラボラトリーズ) は、ラスベガス・コンベンションセンター
(LVCC)に隣接するルネッサンス・ホテル(Renaissance Las Vegas
Hotel)のスイートに出展し、次世代 TV、DVR、ゲーム機など向け
のポインターデバイス用のモーションコントロール技術
「Freespace」 および画面ナビゲーションシステム開発用プラットフ
ォーム「HoME」についてアピールした。
Freespace は、手の動きを認識して、それを動作に換えるユーザ
- 18 -
26. MeeGo は、Moblin をベースとするが、アプリケーション開発用のライブラリーは、Mameo
が採用していたノキアのオープンソース GUI ライブラリーである Qt が標準になる。
MeeGo のアプリケーションは、インテルアーキテクチャーの製品だけでなく、ARM アーキ
テクチャーによるスマートフォンもサポートされる予定。ターゲットにしているデバイスは、
ネットブック、ネット TV、スマートフォン、車載情報端末、タブレット端末、メディアフォ
ン(IP 電話端末)などである。インタラクティブ操作ができ、インターネットに接続され、高度
なマルチメディアに対応した汎用や特定の用途デバイスに最適な OS である。
タブレットとしての WeTab は、2010 年 9 月に発表されているが、2011 International CES にお
いて、実機が世界的に広くお披露目された。11.6 インチの 1366×768 画素のマルチタッチ対応
ディスプレイを備え、インテルの Atom プロセッサーを搭載する。
短距離無線規格の Bluetooth 2.1 + EDR(Enhanced Data Rate)と無線 LAN 規格の IEEE
802.11b/g/n に対応。オプションで 3G 携帯電話や GPS にも対応できる。 Adobe Flash を基本サポ
ートしている。
インテルは、2011 年に MeeGo ベースのネットブックやタブレット端末(PC)が増えることを
期待している。
14.東芝/裸眼立体視が可能な 65V 型グラスレス 3D レグザを初出展
2011 年度に日米で 40 型以上投入へ
東芝も 2011 International CES において意欲的
なブース設計をした。昨年は、CELL を使った
超解像技術や 2D-3D 変換、4K パネルへの超解
像処理、LED バックライト技術など、CELL TV
一色といってもいいデモンストレーションを
したが、今年は裸眼で立体 3D 映像が視聴でき
る「グラスレス 3D レグザ」を前面に押し出し
た。裸眼立体視できる 3D TV は、東芝だけでな
く、ソニー、LG 電子も出展した。
東芝(東芝ビジュアルプロダクツ)は、2011 年
度に日米で 40 型以上の「グラスレス 3D レグザ」を投入すると発表し、いち早い製品化意思を
示し、ブースでは 56V 型、65V 型の製品を参考出品した。12V 型、20V 型については、2010
年末に国内で発売されている。
2010 年 10 月に日本で開催された CEATEC JAPAN 2010 において、56V 型の試作機と裸眼立
体 3D 対応ノート PC が参考出品されたが、今回初となったのは 65V 型グラスレス 3D レグザ。
グラスレス 3D レグザは、新映像エンジン「CEVO ENGINE(シーボ・エンジン)」を搭載し、
レンチキュラーレンズを使うインテグラルイメージング方式で裸眼 3D を実現した。
3D の視差数/解像度も公開されていないが、 レンチキュラーの指向性(屈折)を電気的にコント
ロールし、2D 表示時にも解像度を落とさずに、そのパネルの精細さを出せるようにしており、
2D モードでも 3860×2160 ドットの 4K/2K の表示ができるのが特徴。この措置をしなければ、
約 9 分の 1 の HD 解像度になる。
CEVO エンジンで、2D モードの時に 4K/2K 超解像を適用して高画質化を図り、超解像方式
も複数フレームを参照する新方式を採用している。現時点において、4K/2K の放送番組やパッ
ケージソフトがないため、 フル HD 映像を 4K2K にアップコンバートして表示することになる。
コンシューマー市場にとどまらず、デジタルサイネージ用途などの市場も積極的に開拓す
る。価格は未定。
- 26 -
27. 東芝は、 このほか裸眼立体視が可能な 「グラスレス 3D ノート PC」 Android および Windows
、
の搭載モデルのタブレット PC とともに、各種アプリケーションが利用できるネット TV につ
いても出展した。
ネット TV については、2011 年に Google TV を開発・市場投入する意思は示していても、こ
れまでのインターネット TV の延長線上のもので、Yahoo! Connected TV とほぼ同等のもの。
実際、PC のデスクトップ上で動作する小さなソフトウェアツールである Yahoo! Widgets
のほか、YouTube を大画面表示してマウスなしで操作ができる You Tube Leanback (リーンバッ
ク)とともに、P2P 技術を使ったネット電話の Skype のデモを実施した。
- 27 -