大学ポートレート

大学ポートレートの評価と活用の実際
～中小大学から見たポートレートと広報パースンの新たな役割～
聖学院大学
広報センター
所長
山下研一

本日の内容
 1．大学ポートレートを検証してみる
 （1）私立大学の初年度大学ポートレート作成の実際（本学を実例に）
 （2）その後の情報更新・メンテナンスの実際
 （3）見えてきた問題点

 2．大学広報と大学ポートレートの役割を考える
 （1）各大学広報活動と大学情報ポータルサイトとの関係
 （2）大学広報の役割
 （3）広報パーソンに求められる姿勢とトレーニング

 3．大学ポートレートへの期待と要望
 （1）学校広報ソーシャルメディア活用勉強会（通称 GKB48）での「大学ポートレート」勉
強会を通じて出された問題点と要望
 （2）理想の大学ポートレートを考える（大学からの要望）

１．大学ポートレートを検証してみる
公開初年度の大学現場からの検証

大学改革実行プランより平成26年6月

設置・目的大学ポートレートより
• 大学ポートレートは、データベースを用いた大学の教育情報の公表・活用のための共通的な仕組みとして、
次のことを目的としています。
• 大学の多様な教育活動の状況を、１）国内外の様々な者にわかりやすく発信することにより、大学のアカウン
タビリティの強化、進学希望者の適切な進路選択支援、我が国の高等教育機関の国際的信頼性の向上を図る。
• 大学が教育情報を２）自らの活動状況を把握・分析することに活用することにより、エビデンスに基づく学内の
PDCAサイクルの強化による大学教育の質的転換の加速、外部評価による質保証システムの強化を図る。
• 基礎的な情報について共通的な公表の仕組みを構築し、３）各種調査等への対応に係る大学の負担軽減
することにより、大学運営の効率性の向上を図る。

大学ポートレートとは、データベースを用いた国公私立の大学の教育情報を公表・活用する共通的な仕組みとして、大
学の教育情報を広く社会一般に公表するものです。我が国の大学の教育活動を社会に明らかにするとともに、大学の多
様性を尊重しつつ、各大学の教育情報が共通の枠組みで公表される環境の中で大学教育の質の維持・向上が図られ
ることを期待するものです。
大学ポートレートでは、大学のオフィシャルな教育情報を共通のフォーマットに基づいて大学ポートレートの専用ウェブサイト
を通じて社会に公表します。大学ポートレートは、大学を比較するためのものではありません。それぞれの大学がどのような
個性・特色を有しているのか、どのような教育が行われているのかを把握するためのツールです。公表される教育情報は、
大学自らが責任を持って提供する情報であり、大学進学希望者をはじめ、政府、企業、大学等の様々な関係者など、
社会の各分野でそれぞれの用途に応じて広く活用されることが期待されるものです。
そのためにも、大学の自主自律の精神を尊重しつつ、大学ポートレートが大学の教育情報の公表の共通枠組みという社
会インフラとしての役割を果たすべく、関係者の皆様からの要望も踏まえつつ、継続的に改善・充実に取り組んでまいりま
す。
大学ポートレートについて大学ポートレートサイトより

• 国立大学例
• http://top.univ-info.niad.ac.jp/univ/outline/0384
• 私立大学例
• http://up-j.shigaku.go.jp/school/category01/00000000728401000.html

見えてきた問題点１－初年度の作成及びその後更新作業
 基本情報の更新やアンケートに回答してないと更新作業ができないという問題
 おそらく大きな大学は学部単位で担当者が必要
 趣旨から言うと各セクションに分担して集約するという作業が必要と思われるが現実は担当
者が一人で担当していてそこまでいかないところもある。大きな大学には大きな大学の悩み、
小さな大学には小さな大学の悩みがある。
 用語と文体の問題バラバラガイドブックや研修が必要

見えてきた問題点２－システムとデザイン
 官民をあげての日本を代表する教育サービスサイトであるならば、システ
ムの使い勝手とデザインにもっと予算をとって優れたものにすべきではな
いか。
 デザイン会社やシステム会社を巻き込んだプロジェクトにする
 海外を含めてコンペをやる
 多言語化に早急に取り組む
 イベントにする
 情報を公開するということに大学側が消極的
 根本的姿勢の問題
 そもそも広報ということ

２．大学広報と大学ポートレートの役
割を考える
ここで視点を変えて広報の立場から大学ポートレートを考えてみる

大学広報活動と
大学情報ポータルサイトとの関係
 大学の個性とは何か
 化粧より顔だちが大事まさに大学ポートレート
 鏡（姿見）である
 負けてないことより違うことを語る
 プレスリリースは広報の手段であるが、実は義務でもある
 商用大学情報ポータルサイトの問題点
 営利目的
 網羅性がない
 公平性がない
 非営利の情報ポータルサイトの必要性
 大学ポートレートへの期待

大学広報の役割－大学広報は転換点を迎えている
 見せ方よりも教育コンテンツ
 今まで大学広報は見せ方、見え方を工夫してきた
 しかしここ数年はコンテンツが重要になってきている
 情報公開の必要性がわかっていない
 大学という古い体質と広報のギャップ
 真実性・公開性・速報性・網羅性広報の原則

広報パーソンに求められる姿勢とトレーニング
－ソーシャルメディアを使った大学広報
 大学の日常を見せるという情報公開とは違うもう一つの情
報発信（広報）
 ソーシャルな広報（マスメディアではなくソーシャルメディアを使ったす
なわちOwend Mediaを育てていく学校広報）
 息をするように書き、瞬きするように撮る
 大学公式サイト・Facebookページ・twitter・YouTube・LINE・
Google+・Instagram・Pinterest

3. 大学ポートレートへの期待と要望
本日のまとめとして若干の提案

 学校広報ソーシャルメディア活用勉強会（通称 GKB48）での「大
学ポートレート」勉強会を通じて出された問題点と要望
 学校広報ソーシャルメディア活用勉強会とは1600名を越える学校広報
関係者のFBグループ
 広報関係者の関心が低い
 学内でも主体的に関わった人が少ない。
 公開後の関心もあまりない
 残念ではあるが、これは啓蒙と改善の努力をしていくことが肝要

ヒント：連想エンジンデモ
 http://shinshomap.info/search.php
 GETA
 もっと柔軟なデータベースの発想と人的ネットワークの活用
（集合知＝運営とアイデアの集め方）
 大学ポートレート自体の広報活動が重要

プロフィール
 昭和29年（1954年）鹿児島県生まれ
 昭和48年（1973年）東京大学理科二類入学
 昭和50年（1970年）東京大学農学部進学
 昭和52年（1972年）東京大学農学部卒業（農業生物学科）
 昭和54年(1974年）東京大学農学系研究科（植物病理）修士課程を中退
 昭和54年(1974年）出版会社勤務後出版企画とソフトウエア制作を主な業務と
する企画会社「クリエイトハウス」を経営。
 平成9年（1997年）学校法人聖学院に広報専門職として入職
 平成22年（2010年）聖学院大学広報局長に就任
 平成25年（2013年）学校法人聖学院評議員に就任
 平成27年（2015年）学校法人聖学院広報センター所長に就任

ご清聴ありがとうございました。
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