自治体戦略的広報広聴の	
  
課題と展望	
  ver1.5	
西田亮介	
  
立命館大学大学院先端総合学術研究科	
  
特別招聘准教授	
  
2015年7月3日	
  
ryosukenishida@gmail.com	
  
戦略的広報広聴の行程案	
①  広報広聴課業務の体系化
–  広報広聴課内における広報広聴ガバナンスの体系化、クロス
メディア化の実現とガバナンスの作成
②  全庁における広報広聴業務の体系化
–  全庁的な広報広聴の体系化と広報広聴戦略(戦略広報広聴
プラン?)、広報広聴マニュアルの作成、研修等の実施
③  市民協働の広報広聴に向けて
–  市民協働の「インフォメーション・ミックス」型広報広聴の実現と
透明性、アーカイブの改善	
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戦略広報広聴の工程イメージ	
① 広報広聴課内の体系化	
・「広報広聴」の定義	
	
・事務事業の要綱、要領、	
ガイドライン等の再定義	
  
	
・クロスメディアと事業ごと	
  	
  	
  
	
  	
  の予算規模等の再検討	
  
② 全庁における広報広聴業務の体系化	
・広報広聴担当の統一	
	
・シティセールス、パブリ	
シティ等との連動?	
  
	
  
・広報広聴マニュアルの	
作成、研修の実施	
③ 市民協働の広報広聴
に向けて	
・市民協働、選択肢提供
のための広報広聴へ	
  
	
・行政の透明性の改善へ	
	
・「インフォメーション・ミッ	
クス」の利活用へ	
3
① 広報広聴課業務の体系化	
•  課題	
  
–  「広報広聴」の定義の不在。	
  
–  事業ごとの、正統性のバラツキ(要綱、要領、ガイドライン等)	
  
–  事業ごとのパフォーマンスを横断的、総合的に判断する基準が
乏しく、一元的な広報広聴に至っていない。また事業規模と予算
規模の間の合理的説明が不十分	
  
•  解決策	
  
–  「広報広聴」の定義。	
  
–  事業単位ごとに文書レベルを統一?	
  
–  費用対効果が不明瞭な事業の説明責任をより顕著なものにす
るという意味でも、クロスメディア化の実施	
  
•  ラジオ、テレビ、ラジオ収録コンテンツの権利買い上げを前提にした企
画案、市HP等での利活用	
  
•  CATV事業の再検討 等	
  
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② 全庁における広報広聴業務の体系化	
•  課題	
  
–  担当者が統一されていない。	
  
–  シティセールス、パブリシティ等との一元化がなされていない。	
  
–  広報マニュアルの老朽化と、研修の未実施	
  
•  解決策	
  
–  担当者の統一。「広報広聴主任」等への一元化?	
  
–  とくに本来、広報広聴施策の効果測定に関するKPIであるはず
の、パブリシティの動向、あるいは結果のフィードバックを共有
する?	
  
–  広報広聴マニュアルの作成と研修コンテンツの作成、実施	
  
5
③ 市民協働の広報広聴に向けて	
•  課題	
  
–  市域内の情報発信主体の縦割り化	
  
–  セグメントごとのメディア参照、時間等の固定化	
  
–  「選択肢の顕在化」を可能にし、市民ニーズを先取りする広報広聴の
未実施	
  
•  解決策	
  
–  「インフォメーション・ミックス」を活用した情報発信主体、クロスメディ
アの情報発信の実現	
  
•  ひとつのアカウントに、情報が集約されているほうがフォローする誘因が向上	
  
–  マス/ネット/イベント横断型のクロスメディア広報	
  
–  ウェブサービス、オープンデータ、観光集客、情報 開制度、公文書
保存等と連動した行政の透明性確保、市民が取りうる選択肢を顕在
化し、ニーズを先取りする広報広聴を実現	
  
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※インフォーメーション・ミックス	
•  情報の発信者を明確にしつつ、各媒体で情報発信主体を
混ぜる。	
  
–  すでに紙媒体等では部分的に実施。ソーシャルメディアやHPに
おける実施の可否を検討?	
  
•  媒体ごとに世代、情報の受け手が異なる。意図的にコンテ
ンツの「質」を混ぜる。	
  
–  ラジオのニュアンス。役に立つ情報/エンタテイメント等々をひ
とつの媒体で発信していく	
  
•  情報の「発信回数、頻度、時間」を混ぜる。	
  
–  クロスメディアや過去収録コンテンツを活用しつつ、もっとも受
け手のエンゲージメントが高い時間帯等での情報発信を行う。	
  
7
目指すべき自治体の戦略広報広聴?	
個人、PR
ファーム等の
広報広聴	
あるべき自治体、
公的機関の戦略
広報広聴	
多くの民間企業
の広報広聴	
現在の自治体、
公的機関の広報
広聴	
8	
汎用的	
  
(発信者の軸)	
属人的	
個性的(コンテンツの質の軸)	
一般的、均質的	
民間企業等の	
  
広報広聴のGP	
  
間違い!	
  
発信主体の性質
の違いに注意	
※	
  	
  
行政の一貫性、継続
性の観点から、オリジ
ナルなコンテンツを、
体系的な仕組みで発
信する必要あり
情報のインプット、アウトプット、フロー
を(すべて)トレースし、フォローする	
9	
	
  
	
  
	
  
	
  
	
  
	
  
	
  
	
  
市民	
	
  
	
  
	
  
	
  
	
  
	
  
	
  
	
  
	
  
	
  
	
  
市役所	
  
・市長への手紙	
  
・各課への要望	
  
・SNS etc	
・回答	
  
・事業への反映	
  
・SNS etc	
・分析、リプライ	
  
・対応、事業化等検討	
  
・担当課への示唆	
  
 etc
※自治体版戦略広報広聴の特殊性	
•  一般に、自治体事業に対する「取り敢えずやってみ
る」圧力が増している。	
  
•  「取り敢えずやってみる」系では実証実験やゼロ予算
事業ばかり増える。	
  
–  予算消化後、人事異動後、実質的に機能しなくなるケー
スが多数	
  
•  既存のガバナンスとの「接合」の工夫が重要。	
  
–  過去に、多くの施策が接合に失敗し、換骨奪胎され、姿を
消した。	
  
–  自治体事業は、一般に国の事業と比べて、正統性が曖昧
で担当者自体もよく理解していなかったりする。	
  
–  きちんとガバナンスに落としこむ作業が重要。	
  
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「Simpler」 ?	
•  Cass	
  R.	
  Sunstein,	
  2013,	
  “Simpler:	
  The	
  Future	
  
of	
  Government.”	
  
– 「複雑さ」が、市民の政治参加と政策イノベーショ
ンを阻害	
  
– 政策は透明かつ単純に	
  
– デフォルト・ルールの重要性	
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