発表者：特定非営利活動法人ACE 事務局長 白木朋子（2012年5月10日）

1. コットンＣＳＲサミット2012
課題提起：
人権に関する世界の動きとアパレル業界の
社会的責任
2012年5月10日
特定非営利活動法人ACE 事務局長 白木朋子

2. CSRにまつわるクエスチョン？？
企業の社会的責任って？
企業の「責任の範囲」は
どこまで？
企業と人権の関わりって？
実際何をすればいいの？
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3. 企業の社会的責任（ＣＳＲ）
環境
社会 経済
トリプル
ボトムライン
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Corporate ＝ 企業
Social ＝ 社会的
Responsibility ＝責任

4. 新しいCSR時代の幕開け
 企業と人権の指針原則：国連「保護、尊重、
救済」枠組み（ラギー・フレームワーク）（2008）
 ISO26000（SR規格）（2010）
サプライチェーンの「人権」への
企業の責任が明確になった
海外も含めたサプライチェーンの問題を、
「社会的責任」と「経営上のリスク」の両面から捉える必要
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5. ラギー・フレームワーク
 国連事務総長特別代表ジョン・ラギー氏（ハーバード大
学教授、グローバルコンパクト発案者）が国連人権理
事会に提出（2008）。ラギー報告として2011年に採択。
 「ラギー・フレームワーク」３つの中核原則
① 国家：人権侵害から国民を保護する義務
② 企業：人権を尊重する責任
③ 人権侵害の救済措置の実効性を高める
 「デュー・ディリジェンス」、「加担」、「影響力の範囲」
 既に起きている人権侵害に対応するだけでなく、発生しうる
人権侵害を回避するためのリスク管理、予防策までを含む。
 直接的に人権侵害を行っていなくても、取引先が行っている
場合や、知らずに悪影響を及ぼしている場合も加担にあた
るとして、企業の責任範囲に含む。
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6. 開発
原料
調達
生産 販売 物流
保守
適正
処理
「影響力の範囲」が責任の範囲
6
企業
取引先
（一次）
取引先
（二次）
納入先
消費者
労働者 労働者 労働者
取引先
（一次）
取引先
（二次）
現地法人
/支社
納入先
労働者 労働者 労働者
消費者
各ステークホルダー（地域住民・行政・NGO・投資家など）
地域コミュニティ 地域コミュニティ
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図：「『ビジネスと人権』を巡る国際動向と企業経営への影響」、大和総研調査季報 2012年新春号 Vol.5
労働者
日
本
国
内
海
外
地域住民
サプライチェーン/バリューチェーン

7. ISO26000
 2010年11月に、国際標準化機構（ISO）が発行。
世界初の社会的責任の国際規格（SR規格）
 あらゆる組織にあてはまる（CSRのCがとれた）
 ガイダンス文書＝組織が社会的責任を実現す
るための推奨事項の「パッケージ」
 ステークホルダーの参画を重視＝約400名の
マルチステークホルダーからなるワーキンググ
ループによって審議
 持続可能な発展への組織の貢献を最大化す
ることが目的＝コミュニティへの参画・発展
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8. SRの「7つの原則」「7つの中核主題」
「7つの原則」
① 説明責任
② 透明性
③ 倫理的な行動
④ ステークホルダーの
関心の尊重
⑤ 法の支配の尊重
⑥ 国際行動規範の尊重
⑦ 人権の尊重
「7つの中核主題」
① 組織統治
② 人権
③ 労働慣行
④ 環境
⑤ 公正な事業慣行
⑥ 消費者課題
⑦ コミュニティ参画と
開発
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9. 9
電力会社
原子力発電所
電力利用者
発電所周辺の
地域・住民
廃棄物処理施設
原料輸入
バリューチェーンの例
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10. 10Copyright © ACE (Action against Child Exploitation) , All rights reserved.

11. まとめ
 わたしたちはつながっていて、影響を与え、
受け合っている
 見て見ぬふりをしない
 「知らなかった」では済まされない。あらゆ
る悪影響を想定して、未然に防いでいこう
 組織も社会の一員。「みんなで協力して」、
よりよい社会にしていこう
 問題は解決し、起きないように予防する
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12. （特活）ACE
サプライチェーンに児童労働がないか、
第三者の立場からCSRレビューを実施
リー･ジャパン株式会社
Uganda Organic Cotton の商品
開発・製造・販売。
原料の50％をオーガニック・フェアト
レードコットンにすることを目指す。
売上の一部をHFWへ寄付。
（特活）ハンガー・フリー・ワールド
ウガンダでの井戸建設
住民の生活改善
Lee 「Uganda Organic Cotton Project」 CSRレビュー
•サプライチェーン関係者と共にウガンダの原料生産地を訪問。 オーガニック・コットン
栽培状況、生産者の生産技術、生活状況などを視察。安全衛生等のリスクを把握。
•リスク管理のシステム構築、ウェブでの発信など継続中。
•ファッションを通じて、「貧困」「飢餓」「児童労働」「環境」を考えるきっかけ作り、発信
Lee
ACEHFW
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13. ■特定非営利活動法人ACE（エース）
〒110-0015 東京都台東区東上野1-6-4 あつきビル3F
TEL: 03-3835-7555 FAX: 03-3835-7601
http://acejapan.org/
CSRレビュー、CSRに関する講演など
まずは、ACEへお問い合わせください。
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会員、マンスリーサポーターも募集中！
募金やオーガニック・コットンハンカチの販売などの
ご協力もお待ちしています！
csr@acejapan.org
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14. 参考資料
 人権と多国籍企業及びその他の企業の問題に関する
事務総長特別代表、ジョン・ラギーの報告書、ビジネス
と人権に関する指導原則：国際連合「保護、尊重及び
救済」枠組み実施のために（2011年3月21日、国連人
権理事会に提出された報告書の日本語訳）
 鈴木裕、横塚仁士（2012）「ビジネスと人権」を巡る国際
動向と企業経営への影響、大和総研調査季報 2012年
新春号 Vol.5
 熊谷謙一（2011）「組織の社会的責任」の新たな潮流
動き出すISO26000、公益法人日本生産性本部生産性
労働情報センター
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