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データ分析PMの第一歩
目次
➢ プロジェクトの目的は?
➢ 「精度が~」っていうけど、精度って何?
➢ 例:買いそうなお客を予測したい
プロジェクトの目的は?
➢ プロジェクトの目的を決めないとグダグダになりやすい
「こんな感じ」でプロジェクトを始めると、ゴールが定まらずグダグダになることが多いです。
分析を始めると「あれも気になる、これも気になる」というクライアントも少なくありません。
しっかりとプロジェクトのゴールを定め「当該プロジェクト内でやること(サービス含む)」「追加
費用をもらってやること」をしっかりとコントロールするのが大切です。
ゴール
分析
スタート
中間報告
派生分析
派生分析
派生分析
プロジェクト外
要追加費用
プロジェクト外
要追加費用
サービス対応
追加費用がいるものはしっかりと区分けを!そうしないとズルズル行きます!
「精度が~」って言うけど、精度って何?
➢ ビジネス目的に合致した精度指標の決定を!
ビジネス側の感覚もあるデータサイエンティストならば、良い精度指標を提案してくれるかと思いま
す。そうでない場合はPMが「ビジネス目的は〇〇」と示し、データサイエンティストの方と相談し
て精度指標を決める必要があります。そのためにはPMがしっかりとクライアントのニーズを把握す
る必要があります。また、ニーズを把握できていないと「ゴールの設定」も困難になります。
5W1Hを意識し、「何ために、何を予測すべきなのか」等しっかりとした聞き取りを!
クライアントの
ニーズを把握
データサイエンティストと
精度指標を決定
例:買いそうなお客を予測したい
➢ 相談概要(実際に相談された例です)
ゴールを定めきれていなかったゆえに、追加費用をもらうべきか否かの線引もできず、たくさん出て
くる顧客の要望をどんどん当該プロジェクト内で受けてしまい、回っていない状態でした。その上、
クライアントもPMもデータ分析に明るくないがため、精度指標も不適切であり「Pythonが悪いので
は?Rやデータロボットでやると、精度がよくなるのでは?」という意見すら出ている状態でした。
➢ アドバイス概要
● Pythonが悪いということは考え難い。精度が悪いとしたら、説明変数が予測する上で不十分
● たくさん出てきた要望を、それぞれビジネス上何をするために知りたいのか?をしっかりと整
理すべき。そのうえでビジネス上の優先順位から取り組む課題に優先順位つけるべき
● それが難しい場合は、まずは当初の課題から一つ一つ解決していく
● 精度指標が不適切なので見直すべき(次スライドに続きます)
例:買いそうなお客を予測したい
➢ 精度指標をよく考えよう
予測
買わない 買う
実際
買わない 80人 10人
買う 6人 4人
100人中10人が「買う」お客さん、という状況でして、下記のような予測状況でした
しかし、この場合全員を「買わない」に予測すれば、正答率は90%にもなります。
ただ、それにどれだけ意味があるでしょうか?
ビジネス上は「買う」と予測したお客さんにアクションを取りたいはずです。
そこで次のアドバイスをしました。(次スライドに続く)
正答率(精度指標)
(80+4)/100 = 0.84
例:買いそうなお客を予測したい
➢ 注目すべきは「買う」お客
予測
買わない 買う
実際
買わない 80人 10人
買う 6人 4人
まず注目すべきは①です。
「買う」と予測したお客にプロモーションをかけるので、ここの率が低いと意味がありません。
では、どの程度高いと良いのでしょうか?絶対的な基準はなく、「○%で良しとする」という基準
を決めなければなりませんが、そのとき参考にすべきは「現状では□%なのか?」です。そこから
の改善していることを示し、クライアントを納得させましょう。この例の場合は、100人中10人が
「買う」お客なので、勘では10%です。それと比較すると大きく良いと言えるでしょう。
次にみたい数字は②です。ここは実際に「買う」お客さんがどのくらい「買う」と予測されている
かを示します。ここの割合が低いとプロモーションのインパクトが小さくなります。①が同等のモ
デルが複数有る場合は②が良い方を採用しましょう。
①「買う」予測で実際に「買う」確率
4/(10+4) = 0.285
②「買う」お客さんが「買う」と予測される率
6/(6+4) = 0.6
①
②

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