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良い事業計画書と悪い事業計画書

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良い事業計画書と悪い事業計画書

  1. 1. TRIGGER2011 第一次審査応募者向け    「良い事業計画書、悪い事業計画書」  2011 年 8 月 8 日 ブレイクポイント株式会社 若山 泰親
  2. 2. そもそも事業計画書の本質とは? <ul><li>事業計画書は事業の成功、成長を実現させるために作る「仮説」である( PLAN ) </li></ul><ul><li>事業計画書作りそのものはゴールではなく、次のステップである、行動( DO )につなげられなければ意味がない </li></ul><ul><li>その後、結果検証( CHECK )とそれを踏まえた対応( ACTION )を経て、 PLAN は繰り返し見直していくことになる </li></ul>
  3. 3. そして、事業計画書を書く目的とは? <ul><li>内向き:事業推進と価値創造に役立てる </li></ul><ul><ul><li>事業の目標を整理する </li></ul></ul><ul><ul><li>目標達成の手段を整理する </li></ul></ul><ul><ul><li>検証と改善につなげる </li></ul></ul><ul><li>外向き:リソースを提供してもらう、協力してもらう </li></ul><ul><ul><li>資金の提供 </li></ul></ul><ul><ul><li>人的リソースの提供 </li></ul></ul><ul><ul><li>コンペで勝つ </li></ul></ul><ul><ul><li>その他、事業推進に対する支援 </li></ul></ul><ul><li>副次的効果 </li></ul><ul><ul><li>ビジネスプランを書き、発表し、批判を受けることは貴重 </li></ul></ul>良い事業計画書を書くこと自体は目的ではなく、手段であることを意識して取り組む
  4. 4. 良い事業計画書と悪い事業計画書 概略 <ul><li>事業の意義、取り組む価値が感じられる </li></ul><ul><li>事業の目的が具体的で明確 </li></ul><ul><li>自分を主語として、何をやるかが書いてあり、起業家の主体性が感じられる、 </li></ul><ul><li>誰を顧客にするのかが明確 </li></ul><ul><li>顧客が魅力を感じる価値を提案している </li></ul><ul><li>事業の立ち上げ、進め方が明確で納得できる </li></ul><ul><li>資金の有効な使い道、リターン(投資家にとっての EXIT) に関する提案がある </li></ul><ul><li>ワクワクするビジョンがある </li></ul><ul><li>応援したい気持ちがしてくる </li></ul><ul><li>事業の意義、取り組む価値が伝わってこない </li></ul><ul><li>事業の目的が拡散していてわからない、あるいは目的として小さすぎる </li></ul><ul><li>評論家的な文章になっていて、起業家の主体性が感じられない </li></ul><ul><li>誰を顧客にするのかがわからない </li></ul><ul><li>なぜ顧客が使用・購入してくれるかが弱い </li></ul><ul><li>具体的な事業の立ち上げ方、進め方がわからない </li></ul><ul><li>資金の有効な使い道がわからない、リターン( EXIT )が不明 </li></ul><ul><li>ビジョンが心に響かない </li></ul><ul><li>応援したい気持ちがしてこない </li></ul>良い事業計画書 悪い事業計画書
  5. 5. 良い事業計画書、悪い事業計画書 <ul><li>ここでは、事業計画書の中でも特に重要な5つのポイントに絞って、良い事業計画書、悪い事業計画書の例を示します。 </li></ul>TRIGGER2011  応募書類の該当箇所 項目 1.2  この事業を通じて実現させたいビジョン ビジョン 2.9  収益計算 収益計算 2.4  市場性  1  ターゲット  2  市場のニーズ  3  市場規模 顧客 2.3  商品・サービスの概要(提供する価値・価格など) 提供する価値 1.3  事業概要(ビジネスモデル) ビジネスモデル
  6. 6. ビジョン (良い例) ※内容は架空の事例です。 <ul><li> 私は●●大学●学部に在籍している、中国からの留学生です。 </li></ul><ul><li> 現在中国では、所得水準の向上やビザ発給制限の緩和などの背景により、日本への旅行や日本の商品の購買への意欲が高まってきています。実際に私も、日本での生活を通じて、中国には知られていない素晴らしい商品やサービス、観光地やそこで得られる感動的な体験などが数多く日本に存在していることを実感しました。 </li></ul><ul><li> 一方、日本の中小企業や農水産品の生産者は中国人顧客への商品販売に関心はあるものの、言語、習慣などの理由により実際の商品・サービスの PR や販売は実現していない状況にあります。 </li></ul><ul><li> 私は日本語・中国語の語学力、 IT エンジニアとしてのスキル、中国でのネットワークを活用し、 </li></ul><ul><li>1.中国語版 Web サイ制作、中国向け SEO などの Web プロモーション支援事業 </li></ul><ul><li>2.日本の優れた商品・サービスを直接中国の中・高所得者層に知ってもらうための情報ポータル運営事業 </li></ul><ul><li>を展開を通じて、日本と中国との民間レベルでの情報ギャップを解消し、両国の一般市民がお互いを理解し、互いの国の商品、サービスをもっと気軽に購買・利用できる世界を実現させることを目指します。 </li></ul><ul><li>起業の動機が明確で、納得できる </li></ul><ul><li>事業としての意義が感じられる </li></ul><ul><li>より良い世界を実現させるというビジョンがある </li></ul><ul><li>経営者のバックグラウンドがわかり、起業家としての主体性が感じられる </li></ul>
  7. 7. ビジョン (悪い例) ※内容は架空の事例です。 <ul><li> 現在、日本の作家が作る漫画は世界的に高い評価を受けている一方、一部大人気作家を除き、作家は経済的に恵まれていません。特にプロ予備軍の漫画家は過酷な労働環境、低収入に加え、自分たちの作品を発表する場に恵まれず、読者からの評価を得られる機会がない状況です。  本事業では、全ての漫画家が自分の作品を Web 上で自由に発表することが出来、知名度や収益を獲得する機会を Web コミュニティの形成を通じて実現させることを目指します。 </li></ul><ul><li>課題認識は正しいかもしれないが、臨場感に欠ける </li></ul><ul><li>ビジョンの記述が評論家的で、上滑りである </li></ul><ul><li>起業家の人柄が伝わってこない </li></ul>
  8. 8. ビジネスモデル (良い例) ※内容は架空の事例です。 <ul><li> 本事業は、比較的短期間、小資本で実施可能であり、マネタイズしやすい、下記2つの事業から開始します。 1. Web サイト多言語化および国際 SEO などのプロモーション支援事業  中国の消費者が関心が高い商品・サービスを提供している企業、団体からの制作業務を受託します。  中国語 Web サイトの構築、運営管理: 初期制作 10 万円~ 50 万円、月額管理は 5,000 円~ 20,000 円   Web ページの翻訳業務(当面は中国語): 1ページあたり 5,000 円~ 20,000 円  国際 SEO (当面は中国語での SEO ): 月額 10,000 円~ 50,000 円 </li></ul><ul><li>2.日本の優れた商品・サービスを直接中国の一般消費者に知ってもらうための情報ポータル運営事業  中国人の中・高所得者層の関心が強いテーマの商品・サービスについて、当初は無料で中国へ情報発信できる会員を募り、ポータルサイトの情報充実とトラフィックの向上を図ります。当面取り扱う商品・サービスカテゴリーとしては、不動産、医療・健康サービス、旅行・観光、宿泊施設、教育機関の 5 カテゴリーを想定しています。  無料会員であっても、基本情報の中国語翻訳など、中国人マーケット向けへの情報発信のために有力なポータルとなる目安として、各カテゴリーの会員数が 200 名を超えたところで、より詳細な情報掲載、 Web 通販、サービスマッチング事業などプレミアムサービスを有料化することで、会社としての収益力強化を図ります。  有料会員:各カテゴリー別に 20 社程度から、月額 5 万円の掲載料(将来的には、クーポン発行手数料、成約手数料も検討。)をもらう。 </li></ul><ul><li>サービス提供の実現性、マネタイズの可能性が明確である </li></ul><ul><li>市場の成長性が感じられる </li></ul><ul><li>ビジネスとしての成長戦略が示されている </li></ul><ul><li>市場で No.1 になれる可能性がある </li></ul>
  9. 9. ビジネスモデル (悪い例) ※内容は架空の事例です。 <ul><li>本事業では、下記2つの事業を展開します。 1. Web 上での漫画作品発表ポータル運営事業  この漫画作品発表ポータルでは、日本の漫画作家が自分の作品を自由に発表することが出来るほか、自分の作品のダウンロード販売を行なうことが出来ます。読者側は、無料コンテンツに加え、有力会員制度の導入により、有料会員限定コンテンツの閲覧が出来ます。  当社の収益は、有料読者会員から会費、及び作家が有料コンテンツを読者会員に販売する場合の販売手数料となります。  有料読者会員: 月額 315 円  コンテンツ販売: 販売金額に対して 10 % </li></ul><ul><li> なお、本ポータルの開発、運営については、コスト競争力がある外注業者を選定する予定です。 </li></ul><ul><li>2.作家会員の作品が読めるカフェの経営  当事業では、通常の漫画喫茶とは異なり、 Web サービスの会員である作家のオリジナル作品が読めることや、作家本人を招いたイベント開催などを特徴とするカフェを経営します。カフェ事業においては、通常の漫画喫茶などとは異なる付加価値があることから、高い収益性を持つ事業として確立することで、 Web サービス事業の黒字転換までのキャッシュフローを支えることも事業展開目的の一つとなっています。 </li></ul><ul><li>漫画作品発表ポータル事業については、良質な作品、作家の募集、品質確保の実現性が乏しい </li></ul><ul><li>読者会員の確保方法が検討されていない </li></ul><ul><li>Web サイトの開発・運用が外注では初期コストが大きくなりがちであり、運営ノウハウも蓄積されない </li></ul><ul><li>カフェ事業については、片手間に出来る事業ではなく、逆に事業全体の足を引っ張る可能性がある </li></ul>
  10. 10. 提供する価値 (良い例) ※内容は架空の事例です。 <ul><li> 本事業の顧客は、簡単に言と、中国人向けのマーケティングに強い関心を持つ日本の企業・団体です。 現状、中国人向け Web マーケティングを有効に展開している企業が少なく、また、当社と同様のサービスを提供できる競合企業も少数であることから、当社が上記の顧客に対して最高の評価をいただくことができるサービスを提供し、大きな成長を実現できる可能性は高いと考えています。  また、本事業がユーザーとして想定している中国人にとっても、関心がある領域に特化して、中国語で深い情報を提供している情報ポータルは存在していないことから、当社が、「日本の商品・サービスについて中国人が最も活用している情報ポータルになれる可能性は十分存在しています。  日本において、 Yahoo Japan など総合的な情報ポータルについては運営企業の規模がものを言う世界である一方、市場を限定して狭く深い情報に特化したサービスの場合、総合的な情報ポータルに勝ち、成長できることが証明されています。当社が有する言語力、 Web プロモーション力を活かし。この領域での No.1 企業となり、にて提出来る可能性は高く、事業の展開スピードによっては、 No.1 のシェアを獲得できる可能性があります。 </li></ul><ul><li>顧客、ユーザーそれぞれに対して提供する価値が整理されており、納得できる </li></ul><ul><li>競合関係についても、最低限の検討は行なわれている </li></ul>
  11. 11. 提供する価値 (悪い例) ※内容は架空の事例です。 <ul><li>本事業は、漫画作家に対しては、作品を自由に発表できる機会と収益獲得の新しい機会を提供することが大きな価値となっています。 </li></ul><ul><li>漫画の読者に対しては、これまで目にすることのなかった作品をどこよりも多く読むことが出来ることが最大の価値提供となります。 </li></ul><ul><li>また、カフェ事業については、これまでになかった業態のカフェであり、オンリーワンの人気店になることが期待されます。 </li></ul><ul><li>漫画家、読者にとって本当に価値があるサービスなのかが不明 </li></ul><ul><li>潜在顧客、ユーザーとのコミュニケーションを通じて、価値提案に対するフィードバックを得る努力をしていない </li></ul><ul><li>類似のサービスを提供する競合企業と比較して、どうして自社のサービスを選んでもらえるのかという部分が 検討されていない </li></ul>
  12. 12. 顧客 (良い例)  ※内容は架空の事例です。 <ul><li>本サービスの顧客は、 1.日本で不動産、医療・健康サービス、旅行・観光、宿泊施設、教育機関の商品・サービスを提供しており、 2.中国における中・高所得者層へのマーケティングの開始、強化に関心がある 日本の企業・団体です。 現状、日本の企業・団体の Web サイトは、英語版の整備は進んでいるものの、中国語版の整備については、当社が調査した 100 社のうち●●社と、整備が遅れている状況であり、また、中国語での SEO を実施している企業については、 100 社中●社となっており、さらに取り組みが遅れています。 </li></ul><ul><li>当社では、メール DM 、セミナー開催、 Web プロモーション、電話営業により、現在●社からの中国語版 Web サイト制作案件を受注しており、さらに●社については、中国語 SEO の実施について受注見込みとなっています。 </li></ul><ul><li> また、中国人向け情報ポータルへの無料掲載については●●社からの承諾を得ており、サイトの構築が完了次第、開設の予定です。 </li></ul><ul><li>顧客ニーズの存在が明確で、納得できる </li></ul><ul><li>潜在顧客の調査、コミュニケーションをしっかりと実施している </li></ul><ul><li>顧客のニーズが真剣であることがわかる </li></ul><ul><li>サービスの有料化についても可能性が高いと思われる </li></ul><ul><li>想定している価格で販売出来る可能性が高いと思われる </li></ul>
  13. 13. <ul><li>本サービスの顧客は、 1.他では読めないオリジナル漫画作品を読みたい読者 </li></ul><ul><li>2.作品発表機会と収益獲得手段の少なさに苦しむ漫画作家 である。 </li></ul><ul><li>これまで、アンケートを通じ、 90 %以上の漫画愛好者からは、他では読めないオリジナル作品がある Web サイトがあったら会員になりたいという回答を得ています。 </li></ul><ul><li>また、漫画作家については、作品発表だけであれば費用負担もなく、作品販売の場合でも成約手数料だけなので、多くの会員数を確保することが可能です。 </li></ul>顧客 (悪い例) ※内容は架空の事例です。 <ul><li>他では読めない作品を読めることが読者にとって本当に価値があるのかは疑問。多分、読者は作品が面白いかどうかが、先に来るはず。 </li></ul><ul><li>無料で作品を発表できるから作家の会員を集めやすいというのは短絡的過ぎる。 </li></ul><ul><li>サイト運営者が、良い作品の確保や多数の読者の確保のためにどんな価値を提供できるのか、が不明。 </li></ul>
  14. 14. 収益計画 (良い例) ※内容は架空の事例です。 <ul><li>売上については数量x単価で作成されている </li></ul><ul><li>売上成長の根拠が合理的であり、成長率自体も魅力的である </li></ul><ul><li>必要コストについても合理的な検討が行なわれている </li></ul>6,000 4,000 2,000 売上原価(外注仕入れ等)  60,000 26,000 10,000 売上合計 12,000 8,000 4,000 人件費 54,000 22,000 8,000 売上総利益 150 100 50 顧客数 Web プロモーション 事業 200 200 200 単価 30,000 20,000 10,000 売上 50 10 0 有料会員 ポータル事業 600 600 600 単価 32,000 7,000 1,000 営業損益 22,000 15,000 7,000 販売管理費合計 10,000 7,000 3,000 その他販売管理費 30,000 6,000 0 売上 3 期目 2 期目 1 期目 (金額単位:千円)
  15. 15. 収益計画 (悪い例) ※内容は架空の事例です。 <ul><li>カフェ事業が収益の柱になっているため、カフェ事業の事業性がわからないと評価が難しい </li></ul><ul><li>ポータル事業の会員数増が、利益率のアップにつながっていない </li></ul>50,000 25,000 5,000 販売数 ポータル事業 (作品販売) 0.03 0.03 0.03 当社手数料単価 1,500 750 150 売上 14,400 7,200 3,600 売上原価 85,500 42,750 15,750 売上合計 30,000 15,000 8,000 人件費 71,100 35,500 12,150 売上総利益 10,000 5,000 1,000 顧客数 ポータル事業 (有料会員) 3.6 3.6 3.6 単価 36,000 18,000 3,600 売上 カフェ事業 6,100 550 △ 1,000 営業損益 65,000 30,000 18,000 販売管理費合計 35,000 15,000 10,000 その他販売管理費 48,000 24,000 12,000 売上 3 期目 2 期目 1 期目 (金額単位:千円)

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