肢体不自由児の行動観察とコミュニケーションの拡大

1. 〜デジタル機器の活⽤による
⾃⼰表出を⽬指した取組を通して〜
特別⽀援教育
沖縄県⽴泡瀬特別⽀援学校
教諭 伊佐 真⼀

2. 2
コミュニケーション
社会⽣活を営む⼈間の間で⾏われる
知覚・感情・思考の伝達
あら奥様、
お久しぶ
り
あら奥様、
いいお天
気
ですね
今⽇は
サ〇エーが
お得ですよ
あら、さっそく
お買い物に
⾏かなきゃ

3. ⾳声のコミュニケーションが困難
意思の表出が容易ではない
重度重複障害児のコミュニケーション
対話者の受け⽌め次第の解釈

4. 重度重複障害児のコミュニケーション
伝えたい気持ちがある
伝える環境が整っていない
NEXT テーマ

5. 研究仮説 １
僅かな⼿や⾝体の動きで表出
個に応じた指導の展開
デジタル機器
5

6. 研究仮説 ２
獲得している⾝体の動き
コミュニケーションの拡⼤
デジタル機器
6

7. 選択⾏動の経験
OR
OR
移動
OR
服装
朝⾷
伝える⽅法として

8. AACの技法
ジェスチャ－・サイン
ノンテクコミュニケーション
コミュニケーションボード
ローテクコミュニケーション
ＩＣＴ機器
ハイテクコミュニケーション

9. コミュニケーションツールの種類
NEXT アンケートの実施
9
⽂字⼊⼒・出⼒
⼊⼒装置・⾳声出⼒
⼊⼒装置・⾳声出⼒
⼊⼒装置
⼊⼒装置

10. コミュニケーションツールの活⽤頻度
３
5
２
0
1
2
3
4
5
毎⽇活⽤している 時々活⽤している 活⽤していない
⼈数
機器の使い⽅が
分からない
どのツールを使えば
よいか分からない
NEXT 実態把握
実態が分からず

11. 実態把握
11
検証授業
情報機器を使った
実験的観察法
児童⽣徒の状態像を理解

12. 距離センサー（赤外線プロジェクター、赤外線カメラ）
RGBカメラ マルチアレイマイクロフォン
Kinect for Windows
12
ＯＡＫ（ソフトウェア）
エアスイッチ
フェイススイッチ
⼊⼒装置
モーションヒストリー
動きの履歴を表⽰

13. モーションヒストリー
・動きの履歴を頻度順に して表⽰
多少
13

14. 対象
教育課程
主な学習
内容 児童・⽣徒の実態
Ａ男⼦⽣徒
⾃⽴活動を主と
する
Ⅲ課程
・⽇常⽣活動作は全⾯介助
・コミュニケーションはまばたきで
応えることがある
Ｂ⼥⼦⽣徒
⾃⽴活動を主と
する
Ⅲ課程
・⽇常⽣活動作は全⾯介助
・追視、注視ができる
・右⼿をよく動かす
・コミュニケーションは快、不快を
表情や声で知らせることがある
14
自立活動
自立活動

15. ⾝体の動きに変化なし
15
無意識に⾏う周期性まばたき？
A男⼦
視覚・聴覚刺激の反応
多少

16. 触覚（冷たい）刺激の反応
16
動き有り
脈拍が
速い
A男⼦

17. 17
⾝体の反応の違い
好きの表現は⼿⾜を多く動かす
Ｂ⼥⼦

18. ＢＧＭを聴く
18
働きかけなし
画像保存が可能
時間
経過 後15秒30秒45秒１分
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19. Microsoft Excel2010・2013対応 19
いつ
どこで
内容 ⾝体の動き
わかったこと
授業者が

20. モーションヒストリーの注意
あくび：興味なし？ ⾒ている：⼼地よい⾳⾊
ツリーチャイムギロ
⾝体の動きのみで
判断はＮＧ
20

21. 21
モーションヒストリーの⼯夫
VTR映像 モーションヒストリー画像
表情や声 ⾝体の動き

22. 授業のフィードバック
22
児童⽣徒
l 対⼈関係
l 伝達⾏動
l 活動内容
教師
l 基本的な姿勢
l 雰囲気、働きかけ
l 学習活動

23. 授業のフィードバック及び改善
23
・働きかけに対し、追視、注視、表情、⾝体
の動きは反応しているように感じる。
評価
今後の活動
・違う曲では興味を持った動きがあるのか。
・曲を聴き、声を出して歌っている。
・情報の共有化
・興味関⼼を引き出す授業展開の⼯夫

24. 対象
教育課程
主な学習
内容 児童・⽣徒の実態
Ｃ⼥⼦児童
知的障害特別
⽀援学校代替
Ⅱ課程
・⽇常⽣活動作は全⾯介助
・普段の姿勢はうつむき加減
・簡単な⽇常会話や指⽰を理解
・コミュニケーションは
頷きや指さしで⾏う
24
自立活動

25. 距離センサー（赤外線プロジェクター、赤外線カメラ）
RGBカメラ マルチアレイマイクロフォン
Kinect for Windows
25
ＯＡＫ（ソフトウェア）
エアスイッチ
フェイススイッチ
⼊⼒装置
モーションヒストリー
動きの履歴を表⽰

26. エアスイッチによる⼊⼒
領域内に⾝体の⼀部が⼊ると⼊⼒される
26

27. エアスイッチで⼊⼒するC⼥⼦
27
⾝体の硬直を防ぐ（⼆次障害の防⽌）
スイッチ操作に夢中（意欲的に活動）
具体物の⼊⼒スイッチに必要性を感じない課題：
実践：
実態に即した教材及びスイッチ

28. 対象
教育課程
主な学習
内容 児童・⽣徒の実態
Ｄ男⼦児童
⼩学校該当学年
に準ずる
Ⅰ課程
・⽇常⽣活動作は全⾯介助
・⼩学校の該当学年に準ずる教育
・会話でのコミュニケーションが可能
・両⼿⾜に意思に基づかない運動
28
自立活動

29. 距離センサー（赤外線プロジェクター、赤外線カメラ）
RGBカメラ マルチアレイマイクロフォン
Kinect for Windows
29
ＯＡＫ（ソフトウェア）
エアスイッチ
フェイススイッチ
⼊⼒装置
モーションヒストリー
動きの履歴を表⽰

30. フェイススイッチによる⼊⼒
顔の動きを捉え⼊⼒される
30

31. フェイススイッチで⼊⼒するD男⼦
31
主体的に⾝体を動かす事ができる顔の動きで⼊⼒
どのスイッチを使えば良いか分からない課題：
実践：モーションヒストリーで⾝体の動きを確認
初の⽂字⼊⼒

32. 成果
32
l ⾝体の動きから実態に適した⽀援機器
コミュニケーションの拡⼤
l 記録を撮り、教師間の共通理解が図られ
個に応じた指導の展開
l モーションヒストリーの⾝体の動きを分析
児童⽣徒の実態把握

33. 33
課題
l ＯＡＫの使⽤は部屋の明るさが必要
すべての動きを記録
顔認証が外れる
l ねらいを的確にとらえた
フィードバックの⽅法

34. 34
研究仮説 ３
⽀援機器で介助が必要
個に応じた⽀援機器の活⽤
⾝体の動きを分析

35. 35
研究仮説 ４
獲得している
コミュニケーション
⾃らコミュニケーションの発信
机に提⽰
頭が痛い元気

36. 36
教師 ⽣徒 ②②
対象⽣徒のコミュニケーション
①
①
教師 ⽣徒
現在
課題
⽣徒からの発信
教師から発信

37. 37
対象⽣徒のAAC機器活⽤
⼊⼒装置
ドリンクを注ぐ

38. 対象⽣徒の
教育課程
学習内容 ⽣徒の実態
男⼦⽣徒
知的障害特
別⽀援学校
代替
Ⅱ課程
・⽇常⽣活動作は全⾯介助
・全⾝の緊張が強い
・⾔葉の意味をある程度理解
・意思の確認を⾆の出し⼊れで⾏う
・⽂字やイラストのマッチングが可能
38
日生
自立活動
生単
国語
総合
音楽
美術
体育
特活

39. 39
これまでのAAC機器の活⽤

40. 40
介⼊なし 顔を左右に動かす動き ⾜を意識した動き
⾆の出し⼊れ
多少動きの頻度
左⼿を意識した動き右⼿を意識した動き

41. 41
介⼊なし ⾆の出し⼊れ
多少動きの頻度
リラックスした動き

42. 42
フェイススイッチによる⼊⼒（⾆）
顔の動きを捉え⼊⼒される

43. 43
フェイススイッチによる⽂字⼊⼒

44. 44
掲⽰板への張り出し

45. 45
コミュニケーションの⼯夫１
50⾳ シンボル １つ

46. 46
コミュニケーションの⼯夫２
50⾳
シンボル ２つ
単語

47. 47
コミュニケーションの⼯夫３
50⾳シンボル

48. 48
⾃発的なコミュニケーション

49. 49
成果
l シンボルと50⾳表を活⽤した主体的な
コミュニケーションの発信
l フェイススイッチの活⽤による
PCの⽂字⼊⼒及び印刷
l モーションヒストリーで⾝体の動きを分析
⽣徒の主体的な動きを確認

50. 50
課題
l 複数のシンボルを活⽤した
コミュニケーション発信
l 進路先でOAKを継続的に活⽤した
取り組み
l 携帯に便利なコミュニケーション
ツールの開発

51. 肢体不⾃由児の
コミュニケーションが豊かに
51