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JSET 2014 ワークショップ 
タブレット型思考支援ツールを 
利用した集散的協調活動のデザ 
イン 
鈴木栄幸(茨城大学) 
舟生日出男(創価大学) 
久保田善彦(宇都宮大学)
本日のワークショップ 
1. XingBoardの背景思想とコンセプト 
2. 操作説明 
3. 活用事例の紹介 
4. XingBoardを使った議論体験 
2
協同学習における「個」と「集団」 
一人で考える双方向パースペクティブ一緒に考える 
• 自分のペースで考える 
• 想いやこだわりを表現する 
• 「私」の判断 
• 自分の経験に基づく理解 
• みんなのペースで考える 
• 差異を認め合い,譲り合う 
• 「私達」の判断 
• 合意としての理解 
相互的な資源 
協同の学びが 
創られる領域 
「個」と「集団」を行き来する学習:集散的協同学習
1 
2 
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1 
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α 
α 
α 
α 
α 
α 
1 
α 
2 
α 
3 
α 
4 
β 
α 
1 α 
3 
α 
2 α 
4 
個人活動Ⅰ 
グループ活動Ⅰ 
(持ち寄り型検討) 
個人活動Ⅱ 
(持ち帰り型検討) 
グループ活動Ⅱ 
(持ち寄り型検討) 
全 
体 
発 
表 
・議 
論 
な 
ど 
集散型学習のモデル
XingBoardのコンセプト 
複数タブレット端末の合体・切り離しが可能 
な付箋紙システム 
一人で考える 
一緒に考える 
付箋の端末間移動 
分配コピー
XingBoard 操作説明 
基本機能 
ログイン 
付箋の生成(文字入力,色)・削除 
グループ化・解除 
付箋の端末間移動(付箋飛ばし) 
表示反転 
飛ばしのブロック・ブロック解除 
背景色設定 
分配コピー 
6
XingBoard利用事例:デマ情報を考えよう 
(1) 
東日本大震災の時のSNSとデマ 
数々のデマとデマの問題点を理解した。
XingBoard利用事例:デマ情報を考えよう 
(2) 
東日本大震災の時,デマを見抜けずに拡散し 
てしまったのはなぜだろう? 
クリティカルな情報読み取り,非常時の心理状況を検討。 
1,個人でじっくり考える2,視点の異なるアイディ 
アを持ち寄り議論する 
3,議論を個人で振り返り, 
納得いくまで再考する 
2だけでなく,3においても新しいアイディアが 
生まれる。
XingBoard利用事例:風刺絵から考える 
小学校6年生歴史 
9 
赤:風刺絵からの気づき 
青:地図(戦争と領土)の 
気づき 
黄:日本とアジアの関係 
緑:その他・感想
XingBoard利用事例:新潟の新交通を考 
える 
複数のインタビューをまとめよう 
1,取材をしながらXBに直接入力 
(取材班ごとにラベルの色を変える) 
3,個人でまとめる2,情報の精選と各取材の交流
XingBoard利用事例:授業研究 
教師同士が学び合う授業研究(教師の授業力向上) 
付箋で情報を整理するワークショップ型(保存と持ち帰り 
が課題) 
1,授業ビデオを見ながら気づきを入力2,意見を持ち寄り分類・分配コピー3,個人で情報を再整理
XingBoard利用事例:植物の分類 
【中学1年理科】植物の分類から進化を考え 
る 
1,分担した分類の特徴をまとめる 
2,4つの分類について情報交換 
3,分配コピー 
4,各分類の特徴を手がかりに 
進化の順番に並べ替え
XingBoard利用事例:日本のエネルギー 
【小学6年理科】様々な電力の利点・欠点を 
考える 
各班が異なった発電方法を選 
択し,利点と欠点をまとめる 
新たなグループでディスカッション
XingBoardを利用した議論 
テーマ 
XingBoardを使った協同学習をデザインする 
誰に,何をゴールとして,どのように利用してもらう 
そこで得られる価値は何か 
実施上の制約(XBの問題点を含む)は何か 
14
第一段階個人活動Ⅰ(10分) 
XingBoardを使った協同学習をデザインする 
誰に,何をゴールとして,どのように利用してもらう 
そこで得られる価値は何か(誰にとっての?) 
実施上の制約(XBの問題点を含む)は何か 
考えたことを自由に入力する 
グループ内で重ならないように「自分の付箋色」を 
決めてから始める 
一つのアイデアを一つの付箋に 
なるべく短い言葉でまとめる 
15
第二段階グループ活動Ⅰ(15分) 
XingBoardを使った協同学習をデザインする 
誰に,何をゴールとして,どのように利用してもらう 
そこで得られる価値は何か(誰にとっての?) 
実施上の制約(XBの問題点を含む)は何か 
アイデアを持ち寄ってまとめる 
似たもの,対立するものに着目 
合意の成立を目指す 
なるべく具体的な活動を立案する 
4つの領域,背景色をうまく利用してまとめる 
議論が終了したら,分配コピーをおこなう 
16
第四段階個人活動Ⅱ(10分) 
アイデアを持ち帰り個人的振り返り・修正 
話し合いの中でうやむやにしたことは? 
自分の想いとずれたことはないか 
自分が納得できる形にまとめ直す
18 
第五段階グループ活動Ⅱ(10分) 
個人的振り返り・修正結果をもちより紹介し 
あう 
全体結果に取り入れるべきアイデアはあるか 
今回は,代表者のタブレット上にグループ活動Ⅱの 
発表結(果結を果まと,め感てく想だ・さいコメント含め 
て

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