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向けて
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藤野洋(2015)「日本のイノベーション・エコシステムに対するベンチャー・ファイナンスの課
題」一般財団法人商工総合研究所
ベンチャーエンタープライズセンター( 2015 ) 「 2014 年度ベンチャーキャピ2 0 タル等投資動向
調査結 果 」
藪下史郎・武士俣友生 (2006) 『中小企業金融入門』東洋経済新報社
OECD(2015)「対日審査報告書 2015年版」
ジャパンベンチャーエンタープライズセンターHP
http://www.vec.or.jp/
NECキャピタルソリューションHP
(http://www.necap.co.jp/service/innovative/index.html?industry&3&0&-1
Editor's Notes
- これから、龍谷大学経営学部三谷ゼミナールC班のプレゼンテーションを始めます。
- まず、目次としましては、このようになっています。始めに、日本における中小企業金融の現状と課題について説明します。そして、これらの現状と課題を踏まえた上でのわれわれの提言を説明します。具体的には、信用保証制度の改革と、CVCを活用した段階的支援策になっています。まず始めに、日本における中小・ベンチャー企業の役割について説明します。
- こちらは、中小・ベンチャー企業の成長段階を表した表になります。
中小・ベンチャー企業が成長するステップとして、まず起業を志す段階から、「シード期」、「スタートアップ期」、「アーリー期」、「ミドル・レイター期」と成長していきます。
しかし、このように成長していく中で、さまざまな課題に直面します。
- その中でも、特にこの事業化・市場化の段階では「販路開拓」「マーケティング戦略の策定」「広告・宣伝」を考慮しなければなりません。
ただ、資金を供給するだけでなく、このような付加価値を与えていくことが、中小・ベンチャー企業の成長にとっては、必要なのです。
- 実際、経済産業省が行ったアンケート調査によると、「経営面に関する支援で有効なもの、受けられれば有効だったもの」として、顧客先の紹介や、技術提携先の紹介、マーケティングへの助言といったものが、上位を占めています。
こういった経営面での支援や販路開拓支援といたものは、金融機関だけではなく、中小・ベンチャー企業の事業に即した経営支援やアドバイスができると考えられる、大企業や中堅企業、これらと密接な連携をとることが、必要かつ有効的な手段であると考えます。
- 二つ目の課題は、資金供給主体の目利き能力不足です。
中小企業は主に、金融機関に依存する形で資金を調達しています。しかし金融機関は中小・ベンチャー企業の事業性や将来性を評価する「目利き能力」が不足している
と言われています。
- 金融庁の調査によると、
約70%の中小企業が金融機関の目利き能力が十分ではないと回答しています。
- 3つめの課題は、リスクマネーの供給不足です。こちらは、日本における年間のVC投資額を示したものです。
近年ベンチャーキャピタルの投資額は増えているように見えますが、赤の海外向け投資金額が増えているだけで、青の国内向け投資は横ばいの状況が続いています。
投資件数においても、横ばいの状況が続いていることが分かります。
- このグラフはファンドによるシードステージへの新規投資先を示したものです。内訳を見ると、IT サービス系への投資が半分を占めており、ロボットやバイオ、製薬、医療といったいわゆる、研究開発型ベンチャー企業への投資は21%と、大きく不足していることが分かります。
- 中小企業金融の課題のまとめとしましては、こちらの3点です。
これら、3つの「事業化・市場化支援」「目利き能力の不足」「リスクマネー不足」という課題は、中小・ベンチャー企業の成長の足かせとなっています。
中小・ベンチャー企業が成長していく上で、これらの課題を解決できる主体を検討する必要があります。
- それでは、これらを踏まえた上で、われわれの提言について説明します。
- 1つめは、信用保証制度の改革です。現在、信用保証制度については、さまざまな問題が議論されていますが、
特に、金融機関と信用保証協会が分担する保証割合が、大きな問題であると考えます。
そこで、われわれは、金融機関別の保証割合の設定を提言します。
ま ず 、 現 状 の 信 用 保 証 制 度 に お け る 1 0 0 % 保証 と 責 任 共 有 制 度 ( 8 0 % ) を 撤 廃 し 、 6 0 % ~ 9 0 % の 部 分 保 証 に 切 り 替 え ます。
そ の 後 、 代 位 弁 済 率 が 悪 化 し た 金 融 機 関 に お い て は 次 年 度 に 保 証 割 合 を 引 き 上 げ 、 代 位 弁 済 率 が 改 善 し て い る 金 融 機 関 は 次 年 度 に 保 証 割 合 を 引 き 下 げ ます。 こ の 金 融 機 関 ご と に 保 証 割 合 を 差 別 化 することによって、金 融 機 関 の モ ラ ル ハ ザ ー ド を 防 ぐ こ と が で き る と 考 え る 。 またモラルハザードの改善を、行員の目利き能力の向上につなげ、信 用 保 証 を 受 け る べ き 企 業 に 利 用 さ れ る こ と が 期 待 で き ます。
- 2つめの提言は、CVCについてです。最近では大企業がCVCを設立し、ベンチャー企業との連携が活発化しており、いわゆるオープンイノベーションの動きが加速しています。
そこで、我々は、このCVCを活用したファンドを提言します。
具体的には、コーポレートベンチャーキャピタル・金融機関系ベンチャーキャピタル・中小企業基盤整備機構がそれぞれ、ファンドに出資するといったスキームです。
- これら3者のノウハウとしては、コーポレートベンチャーキャピタルが「事業性・技術を評価できる目利き能力」、ハンズオン支援をし、
銀行系ベンチャーキャピタルが「ネットワークを生かした案件発掘・ビジネスマッチング」をし、
公的機関である中小機構においては、信用力とファンドのガバナンスの向上が期待できます。
そして、これらの共同ファンドを創出する有用性についても、浦木は、「VCとCVCは補完的な関係性にある」とし、内田・孫は、「銀行系VCによるベンチャー投資が、親銀行の貸出を増加させる」と指摘しています。
- こちらは、当スキームの各成長段階における支援の流れです。
研究開発や事業化・市場化における課題を、CVC、銀行系VC、中小機構、それぞれが特徴を生かした支援を行いながら、
資金を供給していくことで、解決することができると考えます。
- この段階的支援を行う前提として、3つの提案をします。まず1つ目は、「ベンチャー投資促進税制の恒久化」です。
アベノミクスの成長戦略の一環である、産業競争力強化法において、経済産業省に認定されたファンドは「投資先企業の株式の帳簿価額の80%までを損金算入」できる制度があります。これが、ベンチャー投資促進税制です。
しかし、この制度は2017年3月までの時限措置となっています。
そこで、我々はこの制度の時限措置を撤廃し、期間の恒久化を提案します。
- しかし、このベンチャー投資促進税制を受けるためには、国から認定されたファンドに投資しなければいけません。今、認定ファンドとして認可されているファンドは、3つしかなく、このような状況では中小・ベンチャー企業への投資が促進されません。認定ファンドが3つしかない現状を考えると、認定要件が厳しい可能性があると考え、要件の緩和を提案します。
具体的には、①ファンドの投資期間を10年から15年に延長。②出資約束金額を20億円から10億円以上に緩和します。
この緩和策により、少なくともこれまで以上に、ファンド組成が容易になり、中小・ベンチャー企業への投資が促進されると考えます。
- 3 つ目は、中小機構によるベストプラクティスの情報開示制度です。日本のコーポレートベンチャーキャピタルは、アメリカと比べ成功例が少なく、過去の失敗から中小・ベンチャー企業投資に消極的になっています。また様々な中小・ベンチャー企業支援策が行われてきたものの、結果検証が不十分であるという指摘がありました。そこで我々は、中小機構が情報開示を行うことを提案します。具体的には、これら 4 点のディスクロージャーを行うことで、新たにコーポレートベンチャーキャピタルを設立する企業へのベストプラクティスになると考えます。
- こちらは参考文献です。
- 以上で、(龍谷大学経営学部)三谷ゼミナールのプレゼンテーションを終わります。
ご清聴ありがとうございました。