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量子コンピュータのエラー訂正・耐性と時空の創発
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量子コンピュータのエラー訂正・耐性と時空の創発
1.
QuantumTokyo Qt 量子コンピュータのエラー訂正・耐性と時空の創発 Kenji Tanaka IT architect
2.
QuantumTokyo 概要 量子コンピュータは、エラー訂正できないので使い物にならないと言われていた (1980年頃) が、 エラー訂正の研究が進み理論的に可能であることがわかった
(2000年頃)。 現在、実機での実現を目指して研究されている。
3.
QuantumTokyo エラー訂正とエラー耐性 Error Correction :
エラー訂正、Fault Tolerance: エラー耐性 – Fault Tolerance は直訳すると ”過失容認” ? – Fault Tolerance はエラー訂正し続けて計算すること • エラーチェック回路にもエラーが生じる可能性があるから → 量子コンピュータには、エラー訂正とエラー耐性の量子版が必要
4.
QuantumTokyo FTQC のアルゴリズム • FTQC
になると量子回路は何が変わるか? →変えなくて良い。でも T は高い – 状態は Logical 版になる • |0L>, |1L> – Clifford ゲートは Logical 版になる • XL, YL, ZL, HL, CnotL, … – T と R(θ) の Logical 版は重い! • T の実現にはコストがかかる。ゲートトランスポーテーションで実現する。 • R(θ) は別のゲートに展開する。T を使うとコストがかかる。
5.
QuantumTokyo ゲートトランスポーテーション T ゲートの実装の仕方 (ザ・フライ式テレポート:
テレポーターの中にハエが入っていたのでハエ人間になった) T 以外のゲートは論理版。Tゲートを前に移動し初期値に追い出す。 T|+> は distillation (エラー訂正を繰り返す) で作る X SX |ψ> |+> |ψ> T|+> T|ψ> T |Ψ>をトランスポートして T を作用する → |ψ> を T|+> にトランスポートする → T もエラー耐性版ができる!(コストはかかるけど) T|ψ>
6.
QuantumTokyo エラー訂正 • エラー訂正の難しさ(古典と比べて) – 情報が連続値(アナログ) –
コピーできない – 観測すると壊れる • 量子ビットではどうする? • 1Qubit では無理、複数 Qubit で守る! • |ψ> = α|0論理>+β|1論理> の α と β を守れば良い
7.
QuantumTokyo エラー訂正 • 複数量子ビットを使ったエラー訂正 – ①エラーの離散化 •
X と Z の訂正だけで良い! – 観測によるエラー除去 • 観測しちゃう! – エラーが無くなる。たまにフリップするが反転で直す。 • 直接観測すると、αとβが壊れてしまう – ②シンドローム測定(パリティ測定) • α、β を壊さない観測 • 上手いコード化=スタビライザー符号 ならできる! α| +β| > > (横目で)観測してふらつきを直す たまにフリップするので反転する
8.
QuantumTokyo エラーの離散化とシンドローム測定 ➀エラーの離散化 一般的なエラー → Y=iXZ なので、X
と Z の訂正だけで良い ②シンドローム測定(パリティ測定) アダマールテストでスタビライザーの固有値(パリティ: 1, -1) を観測する フリップがあることのみ観測する。αとβは壊れない。 パリティを集めたものがシンドローム。シンドロームからエラーを検出・訂正する。 XXXの固有値計測 ZZZの固有値計測
9.
QuantumTokyo 実例:Steane 7Qubit Code スタビライザー S1
= XIXIXIX S2 = IXXIIXX S3 = IIIXXXX S4 = ZIZIZIZ S5 = IZZIIZZ S6 = IIIZZZZ |0L> =1/sqrt(8) * (|0000000>+|1010101>+|0110011>+|1100110>+|0001111>+|1011010>+|011100>+|1101001>) |1L>=1/sqrt(8) * (|1111111>+|0101010>+|1001100>+|0011001>+|111000>+|0100101>+|1000011>+|0010110>) ゲート操作 XL = XXXXXXX ZL = ZZZZZZZ HL = HHHHHHH CnotL=CnCnCnCnCnCnCn T はゲートテレポ Stabilizer Code CSS Code Steane Code • テンソル積マークを省略しています • Steane 7Qubit Code はスタビライザ ーコードの一種 • [[7,1,3]] = [[物理,論理,コード距離]] • スタビライザを |0L> |1L> に適用し ても不変(固有値1) • 7Qubit Code は論理ゲート操作がわ かりやすいのが特徴 • 他に 5, 9 Qubit Code がある
10.
QuantumTokyo 実例:Steane 7Qubit Code •
エラー耐性できる! • でも、実現が難しい • 許容するゲートエラー率が低い (0.01% 以下にしなければならない) • 全結合が必要になるため実装が難しい • 他に良いアイディアは? • (別の)スタビライザー符号 • 表面符号
11.
QuantumTokyo IZZ +1 −1 ZZI +1 −1 Stabilizer Formalism
と Stabilizer Code • Stabilizer Formalism • 演算子で状態を記述すること(表記が短くなる) • スタビライザ状態(固有値が1の状態) – <XX,ZZ> → Bell State (|00>+|11>)/sqrt(2) – <ZZ> → α|00>+β|11>(スタビライザが足りないと重ね合せ) • Stabilizer Code • 群論を使ったうまいコード化の方法 • 作り方 • パウリ群の -1 を含まない可換部分群 – パウリ群 • エラーが起こると別のスタビライザーサブスペースに飛 ぶが、αとβは守られる! α|000> +β |111> α|100> +β |011> α|001> +β |110> α|010> +β |101> XII エラー IXI エラー IIX エラー エラー無し
12.
QuantumTokyo 表面符号 • パリティは近接 Qubit
のみ。全結合では無い。 • X と Z の Dual Lattice • 大きくするとエラー耐性が上がる • 端を丸めるとトーリックコード Google の Sycamore がこの形 https://arxiv.org/abs/1208.0928 https://cems.riken.jp/en/laboratory/qitrt https://www.nature.com/articles/s41586-019-1666-5
13.
QuantumTokyo 表面符号 • Heavy Hexagon
code • 6角形に 12Qubit • Bacon-Shore code • Improve された Stabiliser Code https://www.ibm.com/blogs/research/2020/09/hardware-aware-quantum/
14.
QuantumTokyo 最後に、Entanglement と時空の創発 It from
Qubit:量子エラー訂正の話が時空の創生につながっている • ホログラフィック原理:次元が1次元違うものの dual (cf. bra と ket は同じ次元の dual) • ゲージ重力対応 :量子系と一般相対論のホログラフィ対応 • AdS/CFT 対応 :ゲージ重力対応のモデル Entanglement から時空の創発 • CFT でエンタングルメントエントロピーの計量を考える(量子版情報幾何学?)と • AdS/CFT 対応により、AdS 空間に幾何構造を与える • AdS の幾何構造は一般相対論の時空の構造であり、これは重力のある空間です → ゼロから Qubit を増やしていけば時空が創発する! https://www.nishina-mf.or.jp/wp/wp-content/uploads/2020/09/2019Lecture.pdf
15.
QuantumTokyo まとめ • FTQC では論理バージョンの状態とゲートを使う •
Entanglement が宇宙物理やら物性物理につながっている
16.
QuantumTokyo 参考文献 • 量子コンピュータと量子通信 • 量子コンピューティング •
大阪大学藤井研究室量子コンピューティング • 量子計算超入門 • 慶應大学量子コンピュータ授業 • Qiita 量子情報理論の基本:量子謝り訂正(スタビライザー符号:1) • 量子エンタングルメントから創発する宇宙
17.
QuantumTokyo Qt • Backup
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