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現代ゲーム研究の見取り図

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松永伸司
現代ゲーム研究の見取り図

シンポジウム「ゲーム研究の新時代に向けて」
〈セッション1〉ゲーム研究の射程と最前線:ホイジンガ、カイヨワからユール以降まで
明治大学グローバルホール
2018年1月21日

Published in: Science
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現代ゲーム研究の見取り図

  1. 1. ゲ ー ム 研 究 の 新 時 代 に 向 け て | 明 治 大 学 グ ロ ー バ ル ホ ー ル | 2 0 1 8 .01 . 2 1 松 永 伸 司 | 東 京 藝 術 大 学 現 代 ゲ ー ム 研 究 の 見 取 り 図
  2. 2. 自己紹介① イェスパー・ユール『ハーフリアル』 を訳しました。 • 原書:Jesper Juul, Half-Real, MIT Press, 2005. • 現代ゲーム研究の重要な研究書。 イェスパー・ユール『ハーフリアル』松永伸司訳、 ニューゲームズオーダー、2016.(写真提供:矢野由布子)
  3. 3. 細井浩一監修、井上明人、木村知宏、福田一 史、マーティン・ロート、松永伸司『ゲーム 研究の手引き』文化庁、2017. 自己紹介② 小冊子『ゲーム研究の手引き』 を作りました。 • 2016年度文化庁メディア芸術連携促進事業の 「研究マッピング(ゲーム領域)」の成果物。 • 重要な文献を挙げながら、国内外のゲーム研究 の歴史と現状を、複数の観点から記述したもの。
  4. 4. ゲーム研究の歴史(国外を中心に) ゲーム研究の現在(具体例いくつか) 話すこと
  5. 5. ゲーム研究の歴史(国外を中心に) ゲーム研究の現在(具体例いくつか) 話すこと
  6. 6. • ゲーム(主にビデオゲーム)を専門に研究する分野は、現在 「ゲームスタディーズ(game studies)」と呼ばれている。 • これは、2000年代初めに成立した新しい分野。 • 一方、ゲームについての研究は、それ以前からさまざまな分野 で行われていた。 ゲームスタディーズと ゲームについての研究
  7. 7. 哲学的遊戯論:遊び・ゲームの「本質」や人間にとっての重要性 を考える。 遊び・ゲームの民族誌:世界各地の遊び・ゲームを調査・収集し、 記述・分類する。 ゲーム理論:合理的な意思決定主体間で行われる対立・協力を数 学的にモデル化する。 ゲーミング・シミュレーション:特定の状況をモデル化した 「ゲーム」を設計し、そのなかで「プレイヤー」が実際にどのよ うな行動をとるかを実験する。教育実践としても使われる。 ゲームについての研究①(ビデオゲーム以前)
  8. 8. プレイヤーの心理学:ビデオゲームプレイヤーのプレイ中の心理的・ 生理的反応やプレイ後の影響を研究する。 ゲーム産業論:ビデオゲーム産業の構造や歴史を研究する。 ゲーム文化の社会学:ビデオゲーム文化の社会的な側面を研究する。 ニューメディア研究:ビデオゲームを含むデジタル技術を新しい表現 媒体という観点から捉え、その特性を研究する。 ゲームデザイン理論:ゲーム開発のための概念的なフレームワーク (ゲームメカニクスの分析用語、デザインパターンなど)を作る 。 ゲームについての研究②(ビデオゲーム以降)
  9. 9. 分野間のつながりのなさ • こうしたゲームについての研究は、分野ごとに独立したかたち で行われており、「ゲーム研究」というひとつのまとまりを作 り上げるものではなかった。 ゲームをゲームとして研究する • 1990年代末に、ニューメディア研究(文学理論、映画理論、 美学)のなかから、ビデオゲームを物語媒体として捉える従来 の研究に反発するかたちで、「ビデオゲームをゲームとして研 究する分野」の確立を目指す動きが出てきた。 ゲームスタディーズの成立①
  10. 10. 北欧の研究者たち • この動きは、フィンランドやデンマークといった北欧諸国の研究 機関に所属する研究者たちが主導した(Espen Aarseth, Gonzalo Frasca, Jesper Juul, Frans Mäyrä, etc.)。 制度化 • 2001年、オンライン学術誌Game Studiesの創刊。 • 2003年、国際学会デジタルゲーム学会(DiGRA)の創設。 • MIT Pressによるゲーム研究書の積極的な出版。 ゲームスタディーズの成立②
  11. 11. 学際性 • ゲームスタディーズはニューメディア研究から派生したものであ り、初期の中核メンバーのほとんどは人文学領域の研究者だが、 制度化に際して「学際性」を看板にかかげた。 • 結果として、Game StudiesやDiGRAで発表される研究は、人文学 的な研究を中心としつつも、いろいろな分野で別々に行われてい たゲームについての研究を取り込むかたちで、多彩なものになっ ている。 ゲームスタディーズの成立③
  12. 12. • ゲームスタディーズの成立とは別に、ゲームデザインの分野 (ゲーム開発者が理論を含めた開発のノウハウを発表・共有す る領域)は、すでに1990年代には組織化されている(ゲーム 開発者会議(GDC)など)。 • ゲームスタディーズは、基本的にゲーム開発に寄与することを 主な目的にしていない。ただ、目的は異なるにせよ、ゲームス タディーズとゲームデザインが互いの成果を参照しあうことは ある(『ハーフリアル』はその好例)。 ゲームスタディーズと ゲームデザイン
  13. 13. ゲーム研究の歴史(国外を中心に) ゲーム研究の現在(具体例いくつか) 話すこと
  14. 14. 拡大と多様化 • 2000年代後半から2010年代にかけて、ゲーム研究の専門誌や学会 は増えてきている。 • それに伴って下位領域の細分化や多様化が起きている。 • 全体像をつかむのは困難。 教科書 • 一方で、「ゲーム研究の教科書」と呼べるものが出てきており、 研究成果のサーベイと共有が進んでいる。 ゲーム研究の現在?
  15. 15. I. 技術的側面 1. 人工物 2. 人工知能 3. コントローラ 4. エミュレーション 5. インターフェイス 6. プラットフォーム 7. 解像度 II. 形式的側面 8. 芸術と美学 9. 色 10. 慣習 11. ゲームデザイン 12. 次元 13. レベル 14. 視点 15. 音 16. 世界 III. プレイの側面 17. カジュアル性 18. 挑戦 19. チート 20. 競争/協力 21. 対立 22. インタラクティブ性 23. ルドロジー 24. 目標 25. プレイヤー/ゲーマー 26. 反復 27. シングル/マルチプレイ IV. ジャンル的側面 28. アクション 29. アドベンチャー 30. ロールプレイング 31. シューティング 32. シミュレーション 33. スポーツ 34. ストラテジー V. 文化的側面 35. コンバージェンス 36. 文化 37. カットシーン 38. 死 39. 教育 40. メディアエコロジー 41. 研究 42. レトロゲーミング 43. 暴力 VI. 社会的側面 44. キャラクター 45. コミュニティ 46. 女性性 47. 男性性 48. パフォーマンス 49. 民族 50. 社会学 VII. 哲学的側面 51. 認知 52. 創発 53. フィクション 54. イデオロギー 55. 没入 56. 意味 57. 倫理 58. 物語論 59. 存在論 60. 超越 ゲーム研究の現在:具体例① M. J. P. Wolf & B. Perron (eds.), The Routledge Companion to Video Game Studies (2014)の見出し語
  16. 16. Jesper Juul, “Sailing the Endless River of Games: The Case for Historical Design Patterns” (2016) • 「デザインパターン」の観点からビデオゲームの歴史的な変化を 分析的に記述する方法を提案している。 • また、その具体的な適用として、マッチングタイルパズルジャン ルの歴史を分析している。 ゲーム研究の現在:具体例②
  17. 17. Miguel Sicart, Play Matters (2014) • 主にビデオゲームの倫理的な側面を研究してきた研究者だが、 この本では哲学的な遊戯論をやっている。 • 通常の意味でのゲームや遊びの文脈を超えて、「遊び心」 (playfulness)が見られるケースを広く取り上げて論じている。 ゲーム研究の現在:具体例③
  18. 18. m a t s u n a g a s h i n j i @ g m a i l . c o m T H A N K Y O U

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