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独立系研究者としての生き方

■講演の概要

今回は、特定の研究機関に所属せず、様々な研究プロジェクトから仕事を請け負いながら研究を行っている「独立系研究者」の小松様をお招きして、

「特定の研究機関に属さない、独立系研究者という生き方」

についてお話いただきます。

・独立系研究者とは何か
・これまでに関わった研究プロジェクトの紹介
・どのように仕事を取ってくるのか
・独立系研究者になった経緯
・独立系研究者は社会的にどのような役割を果たすか

等の話題に触れる予定です。

■講師のプロフィール

小松 正さん・博士(農学)

専門分野:
生物学(分類学、生態学、進化生物学、形態分析学)、データマイニング、実験計画法など。工学や社会科学の研究テーマに対して、生物学分野で使用される統計手法やデータマイニング手法を導入することによって、学際研究や共同研究開発を行うことを得意とする。

業務スタイル:
2004年に独立して個人事務所を開設。独立系研究者として、さまざまな研究機関(企業、大学、NPO)と請負契約や業務委託契約を結んで研究プロジェクトに参加している。助成金申請や成果発表のさいには、必要に応じて契約している研究機関の名義となる肩書(執行役員、客員研究員など)を使用している。

(経歴と業績のまとめ)
https://www.facebook.com/note.php?note_id=320745747942957

■講演内容に関するまとめ

Smips・研究現場の知財分科会(2013年11月)
http://togetter.com/li/576392

■Smips・研究現場の知財分科会

「研究に関する先進的な取り組みを題材に、知財的な観点も交えて議論を行う研究会」です。

facebookページ
https://www.facebook.com/kenkyugenbanochizai

独立系研究者としての生き方

  1. 1. 特定の研究機関に属さない 独立系研究者としての生き方 小松研究事務所代表 独立系研究者 博士(農学) 小松正
  2. 2. つぶやき歓迎 Twitter, Facebook, mixiなどでのつぶやき歓迎です Twitter ハッシュタグ→” #smips_wakate ” Facebook: “komatsulabo” Twitter: @Tadashi_Komatsu E-mail: komatsu@tokyo-kasei.ac.jp
  3. 3. 独立系研究者とは何か/どんな生き方なのか • • • • • • 個人事業主として研究を行う 大学や企業と契約(請負契約・業務委託契約) 研究に関する業務(研究統括、実験計画、データ解析、 論文執筆など)を請け負って研究チームに参加し、報酬を 得るというスタイル 大学や企業がクライアント 2004 2004年に37歳で独立。個人事務所である小松研究事 37 務所を設立。独立系研究者と名乗るようになる independent researcherで検索するとヒット数多い。欧 米には少なからずいる模様
  4. 4. プロフィール • • 氏名: 小松正 専門: 博士(農学) 生態学、進化生物学、実験計画法、データマイニング • 経歴: 1967年 1月5日、北海道札幌市生まれ 46歳 1985年 3月、北海道大学入学 1998年 3月、北海道大学大学院農学研究科 農業生物学専攻博士後期課程修了。 博士(農学) 1998年 4月、日本学術振興会特別研究員 2001年 4月、(財)言語交流研究所 2004年 4月、小松研究事務所 開設 (個人事業主/独立系研究者) (現任)
  5. 5. 関心領域(大学~大学院時代) 大学入学(1985年)当時 生物の進化や生態に興味あり 動物の分類(高木貞夫著 東京大学出版会)を読む。 分類学では、生物の生態・形態・進化などに総合的に取り 組めることを知る 北大農学部昆虫学講座(高木貞夫教授)に入る。
  6. 6. 分類学 種とは何か? エルンスト・マイア(ドイツの鳥類学者) Ernst Walter Mayr (1904–2005) 「生物学的種」の概念を提唱 動物分類学を,以下の3つの段階に分類 アルファ分類学 種の分類,記載,命名 ベータ分類学 生物間の系統 ガンマ分類学 種内の変異,種の実態,種分化
  7. 7. 種概念の問題 マイア 生物学的種概念 「種とは,実際にも,可能性に おいても,お互いに交配しうる自然集団である.それは他 のそのような集団から生殖の面で隔離されている」 生物学的種概念の問題点 有性生殖生物にしか適用できない。無性生物や雑種起 源の植物の種には適用できない 多くの「種」の概念が提唱されている 生物学的種概念 遺伝学的種概念 進化学的種概念 系統学的種概念 形態学的種概念 etc. 三中(2008)「種問題を解決することは,もともと不可能で ある」 存在論、認識論、科学哲学などと関連
  8. 8. 平行進化と収斂進化 出典:馬渡(2006)動物分類学30講
  9. 9. 種分化 出典:http://www.sci.hokudai.ac.jp/bio/ikimonogatari/ikimonogatari02.php
  10. 10. これまでに関わった おもな研究プロジェクトの紹介
  11. 11. おもにアワフキムシ類やアブラムシ類を材料とした、 分類学、生態学、形態分析学に関する研究 • • • • 所属研究機関: 北海道大学大学院農学研究科、北海道大学大学院地球 環境科学研究科 内容: 大学学部、大学院、ポスドク時代を通じて、アワフキムシ類やアブラム シ類(セミに近縁な昆虫のグループ)を材料として、分類学、生態学、形態分 析学に関する研究を行っていた。これらの研究において、統計解析やデータ マイニング手法を積極的に導入した。 論文(査読あり): Genetic differentiation as a result of adaptation to the phenologies of individual host trees in the galling aphid Kaltenbachiella japonica, 1995, KOMATSU T.; AKIMOTO S.; Ecological Entomology, 20: 33-42 など、関連論文5本(英文) 学会発表: 「ゴールを作るアブラムシは個別の木に適応している : 量的遺伝学的アプ ローチ」 1991年、小松正 秋元信一、 日本応用動物昆虫学会大会講演 要旨 (35), 53, 1991-09-15 など、関連学会発表9本(含、国際学会1本)
  12. 12. アブラムシ個体群の遺伝的分化の実証 虫こぶをつくるアブラムシKaltenbachiellla属の1種。移動性低 く、樹から樹への移動わずか アブラムシの孵化のタイミングがエサ植物(ハルニレ)の芽ぶきの タイミングと一致しないと虫こぶが形成できない ハルニレの芽吹きには個体変異が大きい ハルニレの芽吹きのタイミングに合わせて、アブラムシ個体群の 孵化時期が遺伝的に多様化していた アブラムシ 個体群1 芽吹き アブラムシ孵化 早い 早い アブラムシ 個体群2 中間 中間 アブラムシ 個体群3 遅い 遅い
  13. 13. 出典: http://www.fugleognatur.dk/artintro.asp?ID=14613 Kaltenbachiellla属の1種
  14. 14. 独立系研究者になった経緯 • 研究者を個人事業主でできるとは予想していなかった • 学振研究員までは札幌にいたが、その後、東京の民間研 究所に就職(2001年4月) • 知人の集まりに顔を出しているうちに、企業の経営者や技 術にお金を出す立場の人と知り合うようになる • 個人的に仕事のオファーが来るようになる(副業として夜 や週末に対応) • 独立開業して小松研究事務所を設立。独立系研究者を 名乗る(2004年4月)。 • 勤めていた研究所は退職して、あらためて技術アドバイ ザーとして契約
  15. 15. 最近の関心領域 生物学全般 (生態・行動・形態・進化) 生物学と他分野(工学・社会科学)の学際領域 統計学 データマイニング ニューラルネットワーク 画像解析・時系列分析・配列分析・パタンマッチ ング 複雑系科学 創発現象 生物哲学
  16. 16. 行動判別機能を備えた介護福祉施設向け離床 センサの開発 • 研究機関: (有)グーテック • 獲得した助成金: 平成17年度 基盤的研究開発育成事業 17 公益財団法人北海道科学技術総合振興センター・ノーステック財団、 助成金額200万円、共同研究者として参加。 平成18年度 民間基盤技術研究促進制度 2006~2007年度、独立行政法人情報通信研究機構(NICT)、 助成金額約1億4,000万円、統括研究代表者として参加。 平成21年度 先進技術型研究開発助成金 独立行政法人情報通信研究機構(NICT)、 助成金額約1,500万円、研究分担者として参加。 • 内容: 介護医療分野の支援ツールとして離床行動を判別するセンサシステムを実現した。データマイニング技術を用いて、 離床行動とそれ以外の動作(寝返りなど)を判別して、離床動作をスタッフに迅速に通知するシステムを実現した。 • 担当業務: 研究全体の統括と、ヒト行動の測定・定量化方法の開発、データマイニング関連業務を担当。 • 製品化: 2013年に製品化し、販売開始 • 特許第4633865号 • 学会発表:「赤外線センサとニューラルネットワークによる行動パタンの判別」 2007年、小松正、大野俊和、深川 貴之、 永井 拓史、堀之内英、ヒューマンインタフェース学会 ヒューマンインタフェース2007 他4本 特許第4785975号
  17. 17. 漸深層で使用可能な同期機能実装型バイオロ ギングデバイスの開発 • • • • • 共同研究機関: (有)グーテック、(株)日本アレフ、一般財団法人函館国際水 産・海洋都市推進機構 獲得した助成金: 平成22年度 函館市水産・海洋産学連携促進補助金 助成金額約200万円、 研究分担者として参加。 平成23年度 戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業) 2011~2013年度、経済産業省、助成金額約1億円、 統括研究代表者として参加。 内容:生物資源管理および生物多様性保全のための野生生物調査で使用する 計測器として、海洋生物の身体に取り付けて行動関連データ(加速度・水深・温 度・日照など)を記録するバイオロギングデバイス(データロガー)の開発を行う。 既製品と比較して、より深い水深(1000m以上の漸深層)で使用でき、カスタマ イズ性・データ回収効率を飛躍的に向上させた製品の実現を目指す。 担当業務: 研究全体の統括と生物学およびデータマイニング関連業務(フィー ルド検証試験の計画立案・取得した行動関連データの分析法の開発など)を担 当。 製品化:2014年に製品化の予定
  18. 18. べき乗則を利用したテキストマイニングによる会 議評価手法の開発 • • • • • 共同研究機関: 多摩大学情報社会学研究所 内容: 本研究では電子会議室の投稿の言葉/単語をノードとしてとらえ、 ノードが持つリンクの数(リンク数)に着目して実 証研究を行った。一連の 電子会議の議事ログを形態素(品詞)に分解してリンク数の順にノードをラ ンク(順位)付けて並べたところ、リンク数とランク数の関係がべき乗分布に 従うことがわかった。べき乗分布から得られる回帰直線の傾きや相関係数 は、議論の内容とは独立に、会議の評価(議論の集中度や収束度)につ いての指標となることが分かった。 担当業務: 単語のリンク数とランク数からべき乗分布を導出し、回帰直線 の傾きや相関係数を算出した。 論文(査読あり) 「電子会議室を使った自治体の政策形成と「べき乗則」を利用した会議の 評価手法について」、2006年、山内康英、舟橋正浩、小松正、情報社会 学会誌 Vol.1 No.1 (2006.5) 「べき乗則を利用した審議会等判別の試み」 2007年、舟橋正浩、内田 和博、小松正、情報社会学会誌 Vol.2 No.1 (2007.6) 特許:「一貫した文脈を持つ広範な文章等の評価方法及び評価システム」 山内康英・舟橋正浩・小松正 特許公開2007-233947
  19. 19. 候補者の表情が有権者の投票行動に与える影 響の研究 • • • • 共同研究機関: オーストラリア国立大学、お茶の水女子大学 内容:候補者の選挙用ポスター写真の笑顔度を測定し、笑顔 度と得票率との関係を調査した。笑顔度の定量化には、生物 形態分析学を応用したヒト顔表情分析技術を利用した。その結 果、日本とオーストラリアの両事例において、笑顔度の高い候 補者のほうが有意に多くの票を得る傾向のあることが確認され た。 担当業務: 生物形態分析学を応用したヒト顔表情分析を担当。 論文(査読あり): Should Candidates Smile to Win Elections? An Application of Automated Face Recognition Technology. Yusaku Horiuchi・Tadashi Komatsu・Fumio NAKAYA, Political Psychology. Volume 33, Issue 6, pages 925–933, December 2012
  20. 20. 笑顔度の定量化 出典:Horiuchi・Komatsu・NAKAYA, (2012) Political Psychology. 33(6), 925–933,
  21. 21. どのように仕事を取ってくるのか • 基本は個人的人脈と口コミ • 社内にはわかる人間がいないので、相談に乗ってほしい という依頼から始まることが多い • • • オファーをもらうためには周囲の人々に、自分の専門知識 や技能が、あなたの興味関心に関係あるということを理解 してもらう必要あり 一見別の分野に見えたり、関係がなさそうに見える事柄の 間に、実は関係がありますという情報をうまく相手に伝える なるべく相手から質問がもらえるように配慮する
  22. 22. 独立系研究者は今後増えるか 増えると予想 好きなことやるという価値観やライフスタイルの増加 ネット環境や周辺設備の充実
  23. 23. 独立系研究者の社会的役割 環境問題など利害関係者が多い問題に関して、中立的 立場をとりやすい 組織内の人材不足を補うことによって、実施可能な研究 プロジェクトを増やす
  24. 24. 知財関連 その他 弁理士は基本的には依頼主に選定を任せることが多い 友人の弁理士がいるので、必要な時は相談可 仕事を受ける基準:学術的興味、専門知識・技術の活用 情報入手など:研究会などに継続的に参加。常勤ではな いが、大学とも関連(非常勤講師・客員研究員)している ので、論文入手などではそれほど困らない。科研費番号 も取得。 個人として追及している研究テーマ:創発現象、ベキ乗則 の利用
  25. 25. ご清聴ありがとうございました 関連ページ Smips・研究現場の知財分科会facebookページ https://www.facebook.com/kenkyugenbanochizai 分科会のTogetterまとめ http://togetter.com/li/576392

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