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1
夏休み半田付け講習会
IchigoJam製作
2017/AUG/26
たけおか@OSSコンソーシアム/JASA/AXE
2
竹岡って誰?
1977年(高校2年生): MITのJames Slagleの書いたAIの教科書を読んで、
「○×」を打つプログラムを8bitマイコン(8080)の機械語で書く
1980年代:UNIXのサーバクライアント方式の仮名漢字変換システムWnn、国産シンクライアント(X Window
端末”XMiNT”)などの設計開発に携わる。TCP/IPスタックの独自実装
1990年代初頭: 1024PE規模の超並列計算機”SM-1”(豊橋技科大 湯淺研,住友金属)のLSIハードウェア、
ソフトウェアの設計開発に携わる。
1992年:(株)アックスを興し、マイクロカーネルXTALを設計。XTALはオリンパス社製デジタルカメラ、シャープ
ザウルスなどに使用された。アックスは、人工知能を開発&販売中
2015年: Tier IVの社長を拝命 (アックス社長と兼任)
OSSコンソーシアム副会長, JASA技術本部長/理事,PCクラスタコンソーシアム理事,DEOS協会事務局長
超並列計算機SM-1
(1992年)
シンクライアント
XMiNT
(1988年)
オリンパス デジカメ
(2000年)
カラーザウルス(1996年)
3
子供パソコンIchigoJamとは
●
福野泰介氏が開発したマシン
●
福野泰介氏が独自に開発したBASIC言語が動作
●
https://ichigojam.net/index.html
●
ソフトウェア・ダウンロード
●
https://ichigojam.net/download.html
●
BASICマニュアル
●
http://ichigojam.net/IchigoJam-1.2.html
4
子供パソコンIchigoJam
●
LPC1114
●
ARM Cortex-M0
●
ROM:32KB
●
RAM:4KB
●
CPUクロック:12MHz
●
(公称 最大50MHz )
●
PS/2キーボード
●
NTSC画面出力
●
NTSC=アナログTV規格
●
BASIC言語マシン
●
今回は、互換機で
●
aitendoのこどもパソコン「ai.mini.jam」キット [K-minijam]
5
4KBのメモリでなにができるの?

往年の名機との比較 (偉い先生も、よく遊び & よく遊び)
Apple ][
8bit
MZ-80K
8bit
PC-8001
8bit
PC-9801
16bit
LPC1114
32bit
年代 1977 1979 1979 1982 2011
CPU 6502 @1MHz Z80@2MHz Z80 @4MHz 8086 @5MHz Cortex M0
@12MHz
ROM 8KB 4KB 24KB 96KB 32KB
RAM 4KB~48KB 4KB~48KB 16KB~32KB 128KB~640KB 4KB
整数BASIC:
6KB, BIOS+モ
ニタ: 2KB
浮動小数点
BASIC
浮動小数点BASIC
(拡張版M-BASIC)
浮動小数点
BASIC,モニタ
MT-BASIC:21KB
通常BASIC:16KB
6
極小マシンと言えど
●
ROM: 24KB(PC8001) vs ROM 32KB; 勝ってるwww
●
RAM: 32KB(PC8001) vs 4KB ;やや苦しい
●
Apple2, MZ80K の初期は、RAM=4KBytes
●
CPU: 1.5Mips(PIC32) vs 15KIPS(Z80) ; 百倍ぐらい速い
●
15Kipsと 1Mipsの差は極めて大きい
– SUN2 (0.8 Mips程度)と Z80では、できることの質が違いすぎる
●
メモリ総量に対して、CPUが高速過ぎる www
●
PIO, ADCが付いている
回路図
基板
10
lpc1114へのソフトウェアの書き込み
●
https://ichigojam.net/download.html
●
上記から、ダウンロードして、LPC1114に書き込む
●
書き込みソフトウェアは、Linuxでは
lpc21ispをダウンロードして、make する
●
https://sourceforge.net/projects/lpc21isp/
●
Lpc21isp を下記のように起動した後
# lpc21isp -hex 対象hexファイル /dev/ttyUSB0 115200 12000
●
24番ピンをGNDに落として、reset、その後24ピンはhighに。
すると、書き込みが行われる
11
部品について
LED 発光ダイオード
足の長いほうがアノード(A)、
短いほうがカソード(K)
LED(発光ダイオード): 極性がある。電流が流れると、光る。電流は片方向(A→K)にしか流さない。
逆向きの電圧の場合は、非常に高い抵抗を持つ
A(アノード)(+)
K(カソード)(-)
コンデンサ
電解コンデンサ: 極性がある。電気を溜める。直流を通さない。比較的、大きめの容量。
高周波を通さない。
比較的反応が遅い。
単位はF(ファラッド)。通常、μF(マイクロ・ファラッド)を使用
セラミック・コンデンサ: 極性が無い。電気を溜める。直流を通さない。比較的、小さい容量。比較的反応が早い。
低周波を通さない。
単位はF(ファラッド)。通常、μF(マイクロ・ファラッド)かpF(ピコ・ファラッド)を使用
203などと数字が書き込まれている。
一番右の桁が、10のべき乗を示す。左の2桁が有効数値
201と表示されていたら、20×10^1 pF= 200pFである。
203と表示されていたら、20×10^3 pF= 20,000pFである。
そして、p(ピコ)の10^6倍はμ(マイクロ)である。よって、20,000pFは、通常0.02μFと呼ぶ。
+ -
「-」 に記号がある
抵抗
●
極性が無い。電流を流れにくくする。電圧を下げる。
●
単位はΩ(オーム)。通常、オーム、KΩ(キロ・オーム), MΩ(メグ・オーム)を使用
●
抵抗には、色の付いた縞が描かれている:カラーコード
●
その縞が抵抗値を表す。色が数値を表す
●
金か銀の縞が右にくるように見る。金銀以外の3本に注目(金、銀は、精度)
●
左の2本が有効数字、右の1本が10のべき乗 (中国製は、有効数字が3本のものがある)
http://bbradio.web.infoseek.co.jp/code1/code1.html から引用
抵抗のカラーコード

抵抗には、色の付いた縞が描かれている

その縞が抵抗値を表す

金か銀の縞が右にくるように見る

金銀以外の3本に注目(金、銀は、精度)

左の2本が有効数値、右の1本が10のべき乗

写真1は、茶(1)、橙(3)、茶(1)
 13×10^1= 130Ω

写真2は、黄(4)、青(6)、赤(2)
 46×10^2=4600Ω=4.6KΩ
写真1.
写真2.
基板への部品の実装
●
背の低い部品から、実装する
1) 抵抗、小さいコンデンサ
2) ICソケット
3) LED, 3端子レギュレータ , 電解コンデンサ
4) RCAジャック, PS/2コネクタ
● LED、電解コンデンサの極性に注意
17
おまけ
18
たけおかの極小Lispマシン
(LPC1114)
●
IchigoJamに近い
●
カラーLCD
●
PS/2キーボード
●
ARM LPC1114
●
秋月で¥110円
●
ROM:32KB,RAM:4KB
●
CPUクロック:12MHz
●
PIC32と同じLispが動く,独自BASICも動く
●
機能的にはちゃんと動く
●
Cスタック(機械語スタック)も少なく
●
なかなか実用には厳しい感じ
●
用途によっては使える
0.1μF 0.1μF
330Ω
TXD
RXD
+
470μF
2014/JUL/28 LCD, ADC
Takep-M0, LPC1114FN28/102
Reset
ROM write
LCD-CS
LCD-SCLK
LCD-SDA
LCD-D/C
LCD-RES
300Ω VR
LCD-LED
AD5
GND
VCC
20
以上

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