分子間力セミナー
3章 静電的相互作用
4章 ファンデルワールス力
○強い相互作用 (核力間に働く力)
例:陽子と中性子による中間子の交換
○弱い相互作用 (素粒子の崩壊に関わる力)
例:β崩壊
○電磁的相互作用 (荷電粒子間に働く力)
例:無機化合物や分子の構成
○重力相互作用 (質量をもつ粒子間に働く
力)
例:惑星の運行 潮の満ち引き
物質をつくる力
化学結合力
○強い化学結合力
・ イオン結合力 (NaCl)
・ 共有結合力 (水、メタン、ベンゼン)
配位結合力 (有機金属化合物)
・ 金属結合力 (金属結晶)
○弱い化学結合力
・ 分子間相互作用、分子間力、非共有結合
力
分子間力
種類
・ ファンデルワールス力
・ 静電的相互作用
・ 水素結合
・ 弱い水素結合
例
常温から極低温にしたとき、気体→液体→固体
に変化 (希ガス、水素分子、窒素分子)
*共有結合力より1~3桁エネルギー的に弱い
静電的相互作用
分子内の電荷分布に偏りがある場合に生じる
例 分子の一部にカルボキシ基 (COO−)や
アンモニウム基 (NH3+)をもち弱い電荷をもつ
とき
水や塩化水素のように分子内に電荷のかた
より
をもつとき
→双極子をもつといい、双極子モーメントで表
現
双極子
δ-O
Hδ+
H
+
+
- - δ+HClδ-
分子全体で中性でも水、ベンゼン、塩化水素のよう
に分子内に電荷をもつ場合がある →双極子をもつ
:双極子モーメントと分極
点電荷間の相互作用(クーロン
力)
COO- NH3+
q1 q2
r
クーロン相互作用
リシンやアルギニン側鎖のアミノ基、アスパラギン酸、グルタミ
ン酸側鎖のカルボキシ基がクーロン相互作用に関与
クーロン力(続)
分散エネルギーと比較して、かなり遠方まで
届く
( 分散エネルギー : 距離の6乗に反比例)
方向によらない
V∝q1q2/rε
ポテンシャルが溶媒の比誘電率εに依存
水(ε=80)の溶媒中で2桁近く小さくなる
誘電率
◯外部から電場を与えた時、物質(原子や分
子)
の誘電分極(+電荷と−電荷が偏ること)に
よって定まる → 分極のしやすさ
*比誘電率
εr=ε/ε0
(媒質の誘電率と真空の誘電率の比)
点電荷、双極子、多極子間
相互作用(配向力)
双極子モーメントの相互作用
○角度(θ、Ψ)依存性があり、μ (双極子モーメント)の符号や向きに
より、 引力や斥力にもなる。一定の配向をしている2つの双極
子間の位置エネルギーはR3に比例して減衰。
配向力(続)
• 点電荷と双極子の相互作用
イオンの溶媒和に関与
*溶媒和
溶質が電離して生じたイオンと溶媒分子が
静電気力や水素結合などで結びつき、溶質
が溶媒中に拡散すること
(特に溶媒が水であるとき水和という)
例 NaCl → Na+ Cl− (水に溶けているとき)
水分子の酸素のδ−がNa+、水素のδ+がCl−に向けら
れ、
これらのイオンが電気的に中性になる
双極子と誘起双極子の相互作用
(誘起力またはデバイ力)
分極率
誘起双極子と誘起双極子の
相互作用(分散力またはロンドン力)
+ -
+ - + -
+ - + -
*大きい原子ほど分極率が
高く、ロンドン力も大きく
なる
ファンデルワールスの状態式
ファンデルワールス相互作用
レナード-ジョーンズの関係式
水素結合
○電気陰性度の高い原子(O,N,F等)に結合した
Hと電気陰性度の高い原子との親和力
X - H -Y
・水やアルコール、アンモニアなどが同族系列
(C,B)
に比べて物性(沸点、融点)が大きく異なる理由
(静電的相互作用)
水素結合の分類
水素結合と呼ぶためには
A 水素がある特定の原子と共有結合で
結びついている
B その水素が他の原子と共有結合以外の
方法で相互作用していること
Pearsonのハード・ソフト概念
(HSAB原理)
・固い酸(HA)
アルカリ金属やH-Xなど陽電荷が局在
している酸 分極率が小さい
・柔らかい酸(SA)
遷移金属など電子雲が全体に広がっている酸
・固い塩基(HB)
電子の局在したH2O,NH3など孤立電子対をもつ
・柔らかい塩基(SB)
二重結合や芳香環などのπ電子系がある
HA-HB→クーロン力の寄与が大きい
SA-SB→分散力、軌道相互作用の寄与が大き

分子間力セミナー