経営学部ゼミナールで発表した時のパワーポイントです。 授業内で使う「ケースブック　経営戦略の論理」（日本経済新聞社）の本を参考に作りました。

1. ケース分析
ファンケル
「資源蓄積を利用した新事業展開」
青山学院大学経営学部経営学科
3年Ｇ組 10番 14115063 尾形春香
a4115063@aoyama.jp
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2. 第6章 戦略の資源適合
資源適合とは⁉
戦略がいくつもある中で、ある部分が資源を生み出し別の部分でそれ
を使うといった、いくつもある中での組み合わせを考えること
戦略の資源適合には３つの問題点を考える必要がある
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3. ①資源を有効利用できるような戦略なのか。
事業内で競争優位をつくるために
・既存の蓄積を有効利用するパターン
・多角化や事業転換など異なった事業に既存の蓄積を転用するパターン
→多角化を成功させるためには、既存事業で蓄積したユニークな資源の
利用が必要‼
「範囲の経済」があるという
3戦略の資源適合

4. ②戦略が資源を効率的に蓄積させるようにできているか。
戦略の内容次第で資源蓄積が促進される3つの場合
・ある戦略の実行の結果、副次的に生み出されてくる資源が別な戦略にとって価
値が高い場合
・戦略が指し示す方向が資源蓄積活動を行っている人に対して羅針盤になり、資
源蓄積のべクトル合わせができることでムダが減り蓄積活動がよりスピーディー
になる場合
・ある戦略のために蓄積した資源、またはある戦略の成果として生まれてきた資
源が他の戦略の必要資源としてタイミングよく使える場合
4戦略の資源適合

5. ※ダイナミック・シナジー：現在の戦略から生み出される見えざる資産
を将来の戦略が使うという効果
③戦略と資源の間にあえてアンバランスをつくり出し、その不均衡が
ダイナミズムを生むことを狙う
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ダイナミック・シナジーを起こすために資源の裏付けを欠いた戦略を
無理を承知でとるということ

6. まとめ
戦略の資源適合を考える際…
カネのダイナミクスと見えざる資産のダイナミクス
の両方を考えることが重要
=戦略はカネを使い
カネを生み出す
戦略は見えざる資産を使い
見えざる資産を生み出す
6戦略の資源適合

7. 企業概要
社名：株式会社ファンケル(ＦＡＮＣＬ ＣＯＲＰＯＲＡＴＩＯＮ)
設立：1981年
本社所在地：横浜市中区山下町89－1
研究所：総合研究所(横浜市戸塚区)
代表者：島田和幸
資本金：10,795百万円
事業内容：化粧品・健康食品の研究開発、製造及び販売
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8. 設問
ファンケルの新事業展開プロセスでどのような資源の蓄積と利用の連
鎖が起きていたのか。
また、新事業での成功と失敗を比較し、本当に重要な経営資源は何
かを考えなさい。
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9. ファンケルの三本柱事業
①化粧品事業
②サプリメント(健康食品)事業
③食料品や婦人用肌着などその他事業
9
経営理念
『お客様に喜んでもらうことを基準とする』

10. ①化粧品事業
化粧品被害による皮膚トラブル
原因は→防腐剤や保存料といった添加物
防腐剤を入れないと雑菌が増殖
‼問題発生‼
製品特性
・品質を保ったまま使い切れるタイプ
・小ビン提供
・製造年月日を明記
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11. ・中間の流通コストを排除
・運送費を削減
・新鮮な化粧品を提供することができる
販売チャネル
通信販売
・梱包サイズ
→郵便受けに入れられるように
・置き場所指定
→受け取り印省く
・無期限返品・交換システム
通信販売において 配送において
11化粧品事業

12. 肌の状態や世代別に対応したブランドを展開
（例）
◆低刺激性の「ドクターシリーズ」 ◆「フェナティ」 ◆「エヴァンテ」
→アトピー、敏感肌 →若者向け →中高年女子向け
12化粧品事業

13. ②サプリメント事業
無添加化粧品顧客は健康にも留意しているのでは…
サプリメント事業へ
他社
高価格
訪問販売
ファンケル
低価格と高品質
（約５分の1の価格）
通信販売
ＶＳ
低価格を実現できる理由
①原料の調達から包装に至る生産の仕組み
②流通コストの削減
③営業マンのコスト削減
④包装コストの削減
⑤広告費削減
⑥化粧品と原材料が同じ
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14. 化粧品のブランドにサプリメントを追加し、
美白や老化防止など美容効果を体の内側と外側、
両方から得ようという「内外美容」という経営方針を掲げた。
「内外美容」促進方法
・内外美容情報雑誌「ファンケルライフ」発行
・店舗販売開始
販売チャネル
通信販売
店舗販売14サプリメント事業

15. ③青汁・発芽玄米事業
顧客の声・・・「タブレット型健康食品より野菜ジュースなら毎日飲める」
青汁事業へ
ドロッとしていて青臭く、
飲みにくい
青汁とは⁉
ケールという緑黄色野菜の絞り汁
ビタミンＡやビタミンＣが他の野菜より格段に多い
青臭くなく、飲みやすい
収穫後すぐ絞り水を加えず冷凍する新製造法
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16. 自社店舗販売
◆ＪＲ東京駅地下「ファンケル元気ステーション 八重洲地下店」
青汁100％ストレートタイプ
（１日に300～400杯）
無料トッピングあり(サプリメント粉末)
ガルシニアエキス入り「ダイエットサプリ」
ウコン入り「飲みすぎサプリ」 販売チャネル
通信販売
店舗販売
コンビニエンスストア16青汁・発芽玄米事業

17. 発芽玄米とは⁉
・ぬるま湯に一昼夜浸け、0.5～1ミリ芽が出たところで熱を加え
発芽を止めたもの
・人体にミネラルが吸収されやすい
・脳の血流活性化、脳細胞の代謝機能促進
毎日食べる主食から日本の健康を支えたい…
食品加工メーカーのドーマー社は農水省食品総合研究所と共同開発
量産のためファンケルとドーマー社共同出資
(大量のパック包装を可能にした)
17青汁・発芽玄米事業

18. 店舗内販売
◆ファンケルの店舗内にカフェスペース
「発芽玄米おにぎり」
販売チャネル
通信販売
店舗販売
業務用として出荷18青汁・発芽玄米事業

19. 〇ファンケルの成功
×ファンケルの失敗(中高年向け)
無添加化粧品
サプリメント
青汁・発芽玄米
中高年向け画面の大きなパソコンセットに初期設定などのサービス
中高年向けの情報サイト
シニア向け総合生活情報誌「毎日が発見」
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20. ファンケル業績
20
0
20000
40000
60000
80000
100000
120000
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017
売上高
売上高
百
万
円
99,536百万
96,305百万

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1
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3
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5
6
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2004 2005 2006 2007 2008 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017
営業利益率
営業利益率
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22. 伸び悩み理由
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原因要素
経営理念の希薄化
「ファンケルらしさ」が
失われているのでは！？
業績回復に向けて様々な取り組みを行う
経営理念
『お客様に喜んでもらうことを基準とする』 売り上げ重視になっている
化粧品事業が伸び悩む
「商品の差別性がなく、顧客
にとって商品選びにくい」
社員の質の低下
スタッフにノルマ課す

23. ＝
23
【事業改革】
・食品研究所、化粧品研究を拡大
・広告宣伝に芸能人を起用大々的に商品アピール
・ドラックストアやスーパーなどの店頭販売による卸売り上げアッ
プ
・セブン＆アイとスキンケア化粧品共同開発
【組織内改革】
・持株会社体制へ移行
・カンパニー制への組織改編
・ファンケル大学を新設し、店舗スタッフの
専門家集団へ
健康食品…薬剤師・管理栄養士
化粧品…皮膚生理学を学んだスタッフ
メイクアップアーティスト資格保有者
・女性の管理職増し
・知的障害者採用
ファンケルらしさ
取り戻す‼
「お客様視点に立った行動」
「新しいことに果敢に挑戦する」
「社会奉仕」

24. 参考文献
・ケースブック 経営戦略の論理
(編集) 伊丹敬之/西野和美
・ファンケルＨＰ
http://www.fancl.jp/index.html
・ファンケル苦戦、戦略練り直し 無添加の優位揺らぐ
http://www.sankeibiz.jp/business/news/130726/bsc1307260710014-n2.htm
・美容・化粧品通販大手の取り組み － DHC、ファンケル、ドクターシーラボに見る3つの商材特性
https://ecclab.empowershop.co.jp/archives/2814
・通販新聞
http://www.tsuhanshinbun.com/archive/2013/05/post-1504.html
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